国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(いきなり孔子平和賞って言われても)

2010/12/09


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)12月10日(金曜日)
       通巻3157号 <12月9日発行>
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 ノーベル平和賞直前のチャイナ・ジョークの凄み
  孔子平和賞に「両岸の窓を開いた功績」と台湾の連戦元副主席に
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 台湾の連戦オフィスも狐につままれた。「孔子平和賞って何? え。なんで連戦が受賞?え、明日(本日九日のこと)授賞式? まったく聞いていません」。

 誰も知らない「孔子平和賞」。誰か設定したかさえ不明である。

 孔子平和賞なる新平和賞を設置すると報道したのは『環球時報』(人民日報系)で11月15日のことだった。爾来、なんの続報もなかった。選考委員会ができたらしいこと、責任者が譚長流という人物らしいこと。中国文化省の外郭団体らしいこと。ほかに一切の報道はなかった。

「中国文化省の担当者も、そんな委員会聞いたことないです」とAP通信のインタビューに回答した。

 8日、突如、孔子平和賞選考委員会なる団体が発表を行い、「第一回孔子平和賞は台湾の元副主席の連戦(国民党名誉主席)に与えられる。授賞式は9日(スェーデンの本物の式典前日)、「中国のどこかで行われ、賞金は十万元(130万円)」(多維新聞網、9日付け)。

 しかもご丁寧に「候補」となったのはネルソン・マンデラ、ビル・ゲーツ、パンチェン・ラマ、モホメド・アッバスPLA議長、ジミー・カーター元米大統領ら大変な著名人の名前が並んでいた。
 勝手に名前を連ねて権威付けを狙ったという思惑が透けて見える。

 本物のノーベル平和賞式典へは北京の政治工作によりロシア、パキスタン、イラク、アフガニスタンなど十九カ国がボイコットする。

 思い出したことがある。
 ソ連は1925年―91年「レーニン平和賞」なるへんてこな賞があった。この賞は1940-54年にかけて「スターリン国家賞」といわれた。スターリン批判以後、昔の名前に戻り、日本からも左翼活動家だった大山郁夫、総評の大田薫らが受賞した。
 世界的に何の権威もなく、多くの国民からは違和感があった。
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 読者の声 どくしゃのこえ DOKUSHANOKOE 読者の声
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(読者の声1)台湾の5大市長選挙、やや残念ではありましたが予測通りの結果でした。もしも連戦の銃撃事件がなければ逆転していた可能性は高かったのかも。
台湾の民主政治は戦前の台湾議会請願運動や1935年から地方選挙があったのが、蒋介石政権で抑圧され、李登輝政権で復活したといってもいいのでしょうか。台湾の戦前の地方選挙においては日本人人口の少ない彰化市では日本人議員はわずか14.3%の二人しか選出されなかったとか。
「日本人の人口が多い台北市、基隆市、台中市、高雄市では、日本人議員が定員の半分以上をしめるなど多く当選しており、日本人の人口が少ない彰化市、屏東市、新竹市では日本人議員の当選は少なくなる、といった「順当」な結果となった。」 とあります。
http://megalodon.jp/2009-0604-2327-09/www.nittaikyo-ei.join-us.jp/koichi.html
朝日新聞の3月の記事では、朝日新聞とは思えないほどの台湾よりの記事。記事の締めくくりは「日台は『感情の関係』だ。普通の外交関係は国益が基本だが、日台は特別。お互いの好感度が抜群に高い。戦前からの歴史が育てた深い感情が出発点となっている」
http://www.asahi.com/special/kajin/TKY201003230278.html
日本では衆議院選挙で民主党が圧勝したかと思えば、参議院選挙では逆転。
台湾でも今回の選挙では得票率で野党が上回るなど、庶民のバランス感覚があるように思います。
台湾の現政権が大陸よりなのは馬英九が台北市長時代に地名のローマ字表記を大陸式に変えたときから感じていました。HsinがXinになり、淡水がダンシュイに。
羽田〜台北松山便の運行開始初日、安倍元総理が訪台しましたが、安倍元総理が野党民進党との会合に出席した際には公用車が手配されずタクシーで移動したとか。台湾の現政権が日中どちらを見ているかよくわかる出来事でした。
公用車といえば、いささか旧聞の尖閣問題時、日本からの密使(テレビにしっかり映されていましたが)の車はメルセデスのCクラス。ベンツのセダンタイプでは一番下のクラスでした。これで単なる御用聞きだとわかるほど。案の定、中国船長はすぐに釈放、ガキの遣いにしても情けない。金正日の後継者が披露されたときの車はベンツ600プルマン(1964〜1981)の何年式かはわかりませんが、独裁者に相応しい重厚さ。
宗主国の中国車ではなくドイツ車というあたり、中朝の仲の悪さが垣間見えます。胡錦濤が建国60周年のパレードで乗っていたのは一見古臭いが、中身はオールニューの「紅旗」でした。
長春第一汽車製造ですが、アウディベースになったかと思うとトヨタベースになったり、いまだ自主技術にはほど遠いようです。
   (PB生)


(宮崎正弘のコメント)ベンツの違いが分かる? 運転しない小生としては、そこまで観察が及びませんでした。



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(読者の声2)貴信3156号にあった「世界学力比較」のレポート、大変興味深く拝見した。小生もNHKや大新聞各紙が本件を奇妙に深刻そうに報道するが「シナがすべての分野で一位」という内容に何となく眉唾で接していた。
   貴報告を拝読し、やはりヤラセであったかと得心。言われれば確かに「シャンハイ」だの「ホンコン」だの、どうして「チュウカジンミン」何とかとなっていないのか・・・?きわめて不自然である。
  とにかく、この日本国の「閉ざされた情報空間」にあって、真に貴重なレポートに改めて感謝!
  (太平洋の鷲)


(宮崎正弘のコメント)上海の十五歳が世界一って、それなら東京でも海星とか、成城とかを撰んでやれば、かるく上海を越えるでしょう。作為的データを見せつける、あのDNAが今回もいかんなく発揮されたということでしょうね。



  ♪
(読者の声3)「韓国砲撃にみる中国と北朝鮮の悪魔の絆」
 北朝鮮問題に関する6ヶ国協議は、すべてが中国の思惑の中で動いている。人権問
題では、北が在るから中国はその次の虐待国家となる。つまり一番で在っては、国際
的非難が集中するため、北は中国にとって必要な悪の存在となる。有難いことにマス
コミもこの片棒を担いでいる。北にとっての中国は食糧・エネルギーのスポンサーと
して生命線を握る親玉国家である。
 尖閣漁船衝突事件からレアアース輸出制限そしてノーベル平和賞と、つい先ごろは
中国に国際世論の非難が集中した。その頃の北は三代目後継者の経歴捏造を目ろみ、
韓国砲撃を実施し、結果として砲撃が中国非難の肩代わりと成りえたことは、内心中
国に恩を売ることが出来たとみることが出来る。さすれば、北としては砲撃は一石二
鳥となったと思われる。結果、中国のたわ言ともいえる「6ヶ国協議」のお礼の呼び
掛けとなった。北に感謝の気持ちがにじみ出る一幕である。 

 この韓国砲撃で国際世論が騒いでいる間も、中国は着実にノーベル平和賞授賞式へ
の不参加の圧力を各国にかけ続けた。これが中国の強かさである。
 西村真悟前衆議院議員のブログで、「朝鮮半島と台湾および尖閣への中国の攻勢
は、連動するのだ。 北朝鮮の砲撃で、朝鮮半島にだけ関心を集中させて、尖閣そし
て東シナ海方面で油断してはならない。 そこには、火事場泥棒がいる! 」と。こ
れはロシアの北方四島の大統領視察も併せ指摘する西村真悟時事通信 No.573 平成
22年11月24日(水) 「北の砲撃について」からの末尾部分の引用である。これがコミ
ンテルンと戦う政治家の視点である。
 更に、「たかじんのそこまで言って委員会」(11月21日放送)の番組で千葉景子
前法務大臣の人物について次のような発言があった。
「この者は、法務大臣の時、死刑には反対だが、死刑を見ておく必要があると勝手に
思いこんで二人の死刑を執行させた。これは、共産党独裁国家で今も続く見せしめの
ための「公開処刑」の発想である。
 死刑を執行された二人の囚人は、死によって罪を償うためではなく、この千葉とい
う人物に自分が殺されるところを公開させるために殺されたのである。何と哀れか、
可哀想ではないか。これが、法治国家なのか。
 これは、死刑執行という法治国家の形式を借りた殺人の公開ではないか。そして、
このことを平然と実行し、「人が殺されるところを見学した」千葉景子という人物の
思考回路こそ、ブルジョア組織のなかに潜入してブルジョア組織を破壊する左翼コミ
ンテルンの典型だと指摘しておきたい。」(西村真悟時事通信 No.576 平成22年12
月 7日から抜粋)
 これからの政治家に特に必要なのは確たる国家観、歴史観を基礎とした先見性、洞
察力そして胆力である。それが外交という戦場での核保有に値する戦闘力となるので
ある。それが西村真悟氏に有る。
(肥後モッコ)


(宮崎正弘のコメント)ノーベル平和賞式典、いよいよ明日です。
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