国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(なぜ北京が北朝鮮に影響力があるのか?)

2010/11/25


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)11月25日(木曜日)参
       通巻3145号  
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 北朝鮮に影響力のある中国の説得に期待? 金親子の暴発を防げるのは中国?
  日本マスコミの北京への過剰というより、ありえない期待を書くのは何が理由だろう
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 おかしな分析と報道をしている。ほぼ全てのマスコミである。
 北朝鮮の暴発を防ぐには中国に、その影響力を行使して貰おうとばかり、勝手な期待を寄せているのだ。

 不思議な話である。
 江沢民も胡錦濤も習近平もいの一番の外遊先に平壌を撰んだ。
 ことし五月、突如中国を訪問した金正日は、北京で重要な会合をドタキャンして列車で瀋陽へ向かった。中国共産党が激怒したらしいが、怒りの表明はなかった。

 八月にも金正日は中国に現れ、遼寧省から吉林省を訪問した。滞在先の長春へわざわざ飛んで行き、金将軍様に挨拶したのは胡錦濤だった。
 あべこべだろう。
とくに中華世界の秩序から言えばあり得ないことだ。皇帝が朝貢してくる王様に挨拶に行くだろうか?
 
82年、中国は外交謀略を用いて天皇皇后両陛下の訪中を要請し、宮沢政権はこれに応じて世界に赤恥を曝した。
 江沢民は訪日したときに宮中晩餐会に人民服を着用して、ふんぞり返った。
 習錦平はごり押しして拝謁を強要したが、天皇陛下の前で傲岸にふんぞり返った。つまり、これが中国の伝統的な「官場」政治の見せ場であり、皇帝のふるまいを王様(王権を北京皇帝が授与する図式)に見せつけなければ、天命の天子とは言えないからである。

 ところが胡錦濤がわざわざ長春に現れた金正日のところへ挨拶に行ったのだ。どちらが宗主国で誰が皇帝なのか?

 ここまで中国が手を焼く理由はなにか?
 簡単である。核兵器である。
北朝鮮の核は突如、北京へ向かうこともあり得るシナリオであり、核兵器を北朝鮮が保有した以上、北京はキッキュウジョとして謙(へりくだ)りだしたのである。
 こうした物事の本質が日本のマスコミでは理解されていないようである。
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 読者の声 どくしゃのこえ DOKUSHANOKOE 読者の声
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(読者の声1)貴誌通巻3142号「中国首脳会談のあと、ロシアは必ず態度一変、華僑弾圧を始めるのだが。。。。」と書かれ、ロ中間の関係が良好か否かについて疑問を呈されました。
もとより国家間の関係は多面的であり一概には何もいえないのは当然です。ロ中間にはもう一つ重要な点があります。どちらも自国民を大御宝などと呼ぶような国柄ではないことです。
したがって、華僑弾圧も両国政府要人にとっては蟻を二、三匹つぶしたようなものでしょう。日本の尺度で測ると間違います。
ところで、延坪島での銃撃で、李政権が融和姿勢をとるなら韓国軍内にアパシーが広がるかクーデターが起きるかの何れかであろうと観ていましたが、やはり李政権は日本の Price of Wastes を首班とするお坊ちゃま君政権とは違うようです。ひとまず安心しました。
次に来るのは第三回目の核実験とスムダン中距離弾道ミサイルの発射実験でしょう。しかし、私はもう一つ非常に危険な賭けを行なう可能性を危惧しています。
それは、延坪島での核実験です。北朝鮮領内で地下核実験を行なっても宣伝効果は限定されます。
しかし自国領外の地上で行なえばその宣伝効果は絶大です。外交交渉での交渉力が飛躍的に増大する上に、国際武器史上での北朝鮮の地位が向上し、北朝鮮製の武器の相場が上がり、北朝鮮軍事顧問の指導料も飛躍的に上昇することでしょう。正に北朝鮮の権力者にとって願ってもないことです。
幾ら北朝鮮びいきの韓国国民といっても350人の民間人が住む延坪島で核実験を行い島民を爆死させれば、容認できないばかりか、反北朝鮮への世論は一気に向かいます。
しかし銃撃戦を行なって島民を追い払った現在では状況が違います。原爆実験を目の当たりにする韓国国民の中には拍手喝さいして南北合邦を叫ぶ者もでてくることでしょう。
しかも延坪島ほど近ければ、核兵器の運搬は非常に容易です。
中国政府が東トルキスタンでの核実験で十数万人以上を殺害したことを考えれば、十分ありうるシナリオです。
そして、そのとき管内閣はどうするか、もし管内閣がそれまでもっていれば。さらに重要なのは、国民の多くがこういう可能性さえ視野に入れて現状を冷静に観ることです。そして、米国政府がどう動くか。静観して日本政府と韓国政府から安全保障料をより高くせしめるか、すぐに介入するか。
一つ両国にとって幸いなのは、北朝鮮とイランとの間の軍事技術協力関係です。イランへの軍事技術流入を避けるため不承不承本格介入せざるを得ないと観ます。
(ST生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)菅政権、断末魔。年内解散もありそうです。



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(読者の声2)或るメルマガの投書に下記のようなジョークがありました。
 <アメリカでの菅直人内閣の評価ですがご存知ですか? 菅直人⇒かんなおと⇒きゃんなあっと⇒きゃんなっと⇒CANNOT  つまり無能 CANNOT cabinet >
(怪傑ハリマオ)



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(読者の声3)NHKの三島由起夫特集ニュースはあまりにも皮相でした。
 今朝(25日)のNHKでは、三島由事件について若干の報道がなされていましたが、相も変わらず、事の本質を弁えない皮相な報道でした。
「武力を持っている自衛隊こそ自制しなければならない…」
「戦後教育を受けてきた我々は三島の話を受け入れなかった…」
「自衛隊が国民に銃を向けることがあってはならない…」
極めて皮相な理解であり、こうした人物が自衛隊の中枢を占めていたことを思うと、改めて戦後日本の卑劣に気付かされます。三島の「精神的クーデタ」(黛敏郎)を如何に受け止めるのかは我々戦後日本を生きる者の責務だと考えます。
(AI生、千葉)
 

(宮崎正弘のコメント)けさ7時のNHKニュースは「三島由起夫 没後四十年」が八分間という、異例のながさでした。三島由紀夫研究会編集の『憂国忌の四十年』(並木書房)も書店の三島コーナーに並んだところが映し出されていました。
 しかしNHKニュースの全体的な基調は三島由起夫のクーデタの訴えが危険かつアナクロといったニュアンスで作為された編成でした。
 文豪の側面、天才的芸術家の側面はまったく無視です。
 ニュースの切り口は三島が防衛大学でおこなった「素人防衛論」という演題の講演テープが発見され、そのなかで三島はしきりと『治安出動』を期待したこと。その理由は治安出動のまま居座ればクーデタにつながり、撤兵条件は「改憲」だとするものです。そうすれば自衛隊の栄誉を汚す現行憲法を改正できるではないか、と提議したもの。
しかしながら、テープを「発見」というのはNHKの担当者の厚かましさか、或いは意図的な題名の付け方ですね。実際には或る自衛隊関係者の斡旋で小生が某雑誌に持ち込み、そこですったもんだのあげく著作権の問題があり、やっと五年前に『WILL』に独占掲載して貰ったものです。ですからニュースではない。
 NHKは「元自衛隊幹部から貴重な証言があった」と続けて、「自衛隊の仲間と一緒に立てこもり、自衛隊幹部を人質にとり、自衛艇の決起を促して失敗、自ら命を絶った」と解説していました。『楯の会』の替わりに『仲間』という呼び方も妙です。
 コメントに登場した元自衛隊幹部は三名。
 まず前川清(元陸将補)。前川氏は「三島は自衛隊を国土防衛隊と国連部隊に二分せよ」と素人ではなく、玄人もうなる講演で「治安出動を逆手にとればクーデターになりうる」としたあと、「改憲のための決起を促しても応じる隊員はいなかった」。
 ついで冨沢輝(防衛大学、藤原岩市氏の女婿)氏は、「三島に食事に誘われ、数名の仲間と話を聞いたが、クーデタ論には誰も同意しなかった」とコメントした。
 小池保治(当時23歳)氏は「決起という発言に衝撃を受けた」として、「自衛隊が国民に銃を向けることはあってはならない」とこれまた文脈上からはかなりの見当違いの発言。「三島のクーデタ発言はまったく不同意」ともコメントしています。
 総じて三島特集のNHKは「クーデタ」をあたかも三島が企図したかのように編成を巧妙に工夫したフレームアップ。自衛隊OBも、なぜだか三島批判の箇所だけを意図的に撰んでコメントさせた気配がありましたね。おそらく台湾特集のでっち上げ編成のように、これら幹部の発言の一部分だけを都合良くピックアップしたのでしょう。
 三島は本気でクーデターを呼びかけて決起せよと叫んだのではなく、自衛隊の覚醒を促すための演出であり、憂国の諫死なのです。
それはあらかじめ用意された檄文を緻密に読めば、明らかであり、NHKに代表される日本のマスコミは、本質をごまかし、問題を矮小化しているとしか考えられません。
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 北九州の読者のかたにお知らせです
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佐賀土曜セミナーのご案内
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 とき   12月11日(土曜)午後二時
 ところ  佐賀市天神 アバンセホール
      http://www.chizumaru.com/czm/objlist-41G0309X469059.709Y119724.006S500D72f@002454.htm

 講師   佐々淳行(初代内閣安全室長)
 演題   「菅内閣と日本の将来」
 入場無料

 お問い合わせ 0952−23−5020(松永)
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 日本保守主義研究会学生部の主催する「出陣学徒慰霊祭」が執り行われます。
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第7回出陣学徒慰霊祭のお知らせ
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主旨 大東亜戦争という未曽有の国難に際し、立ち上がり、散華された多くの学徒、若人を、現代に生きる学徒が慰霊する慰霊祭です。本年は名著『回天の群像』の著者宮本雅史先生に講師をお願いいたしました。当日、沖縄から御参列頂く予定です。
来たる12月5日(日)、本年も靖国神社におきまして出陣学徒慰霊祭が行われます。
出陣学徒慰霊祭とは、今を生きる若者が、先の大東亜戦争において、国家の為に散華なされた若き英霊の慰霊・顕彰を、学生が行うという全国でも唯一の慰霊祭で、日本保守主義研究会が毎年催行させていただいております。毎年、学徒出陣壮行会が行われた10月21日から実際に軍隊に入営・入団した12月の間に行われています。
大東亜戦争という国家危急存亡の秋に、多くの学徒がペンを銃にかえ、自らの身命を擲って敢然と立ち上がりました。彼ら思いは、我々日本人が決して忘れてはならないものであると確信しております。
本年度は記念講演に産経新聞那覇支局長でジャーナリストの宮本雅史先生をお招きし、『「回天特攻の真実〜海に散った若人と遺族の戦後〜」との演題で記念講演を行います。 是非ともご参列のほどお願いします。

開催日:12月5日(日) 1330
場所:第1部 靖国会館 第2部 靖国神社本殿
<当日のスケジュール>
記念講演 於 靖国会館2階 偕行の間
13:00開場、13:30開会
・実行委員長挨拶・来賓挨拶・学生意見表明
記念講演:宮本雅史先生 演題:「回天特攻の真実」
(宮本雅史先生略歴)1953年和歌山県生まれ。慶應義塾大学卒業後、産経新聞社入社。93年にゼネコン汚織事件のスクープで新聞協会賞を受賞。書籍編集者を経て、現在那覇支局長。『回天の群像』では、元特攻隊員や遺族の証言を追い、特攻隊員の心とその背景に迫った。著書に『特攻と遺族の戦後』『歪んだ正義─特捜検察の語られざる真相』ほか多数。

出陣学徒慰霊祭 於靖国神社本殿 15:40より

主催:日本保守主義研究会学生部
http://www.wadachi.jp/
協賛:拓殖大学政策研究愛好会「日本の心」http://nihonnokokoro.web.fc2.com/
(本年度の参加大学:京都大学、東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、明治大学、拓殖大学ほか)
参加費 一般3000円、学生1000円(玉串料込)
当日予約なしの参加も承っておりますが、会場の都合事前に下記のフォームよりお申し込みください。
http://form1.fc2.com/form/?id=533120
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(休刊のお知らせ)小誌は12月2日付けまで休刊です。
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<宮崎正弘の最新刊>
 『上海バブルは崩壊する』(清流出版、1680円)
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『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社、1575円)
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『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
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『中国ひとり勝ちと日本ひとり負けはなぜ起きたか』(徳間書店、1680円)
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『朝日新聞がなくなる日』(ワック、945円)
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
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 ◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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