国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(台湾五大市長選挙、直前予測)

2010/11/25



 「憂国忌」(三島由紀夫没後四十年追悼祭)は今晩五時から九段会館大ホールです
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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)11月25日(木曜日)貳
       通巻3144号  
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 台湾五大市長選挙、激烈な終盤予測は国民党3,民進党2
  北朝鮮の韓国砲撃事件で馬英九の危機管理が問われるか、どうか?
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 台湾の選挙情勢、投票日まであと二日に迫った。
 27日投票の五大市長選挙(台北、新北、台中、台南、高雄)は次期総統選の前哨戦と位置づけられ各党の激戦が続く。
 世論調査の公表は各メディアが規制により十日前で終了している。終盤の情勢変化は未知数、けっきょく誰にも分からない。

 ところが明確な予測インデックスがある。
 日本人は想像がつかないことだが、トトカルチョである。つまり博打。トトカルチョの語源はイタリア語で「掛け金の合計」を意味する。台湾の庶民は相当熱意をこめて、事前の賭け事を展開するのだ。

 じつは毎回、筆者は投票前日のトトカルチョ相場を「参考」にしている。前回も優勢と言われた某候補。メディアも「勝ちそう」と書いていたが、蓋を開けると惨敗だった。で、前夜の相場は60vs40で対立候補の優位を示唆していたのだ。

 不真面目と取られるかも知れないが、海外華僑のネット新聞「多維新聞網」(11月22日付け)が伝えたトトカルチョ相場を先に掲げよう。
 台北市 民進党 蘇貞昌   52元
     国民党 かく龍武  48元

 新北市 民進党 蔡英文   45元 
     国民党 朱立倫   10元

 票の見方:台北市、野党・民進党逆転の可能性が非常に大きい
      新北市 野党、及ばずの結果になりそう。

 それなら最終の世論調査はどうか。投票日十日前の趨勢は以下の通り。
 TVBS調査結果(11月16日報道)
 
 台北 与党国民党候補49%,野党民進党候補  39%
 新北 与党国民党候補45  蔡英文(野党党首)38
 高雄 野党民進党現職41  無党派(前民進党)28%、国民党16%
 台南 民進党    47  国民党34
 台中 国民党現職  51% 野党 34%

 これによると民進党が絶対負けないといわれた高雄市は現職の陳菊(女性)がリードだが、むしろ民進党を割って出た候補が明確に不満票を吸収しており、国民党と合算した反対票は現職支持組より多いことになる。実質は苦戦である。

 もうひとつ。民進党選対の内部調査によれば、

 台北市 民進党 40・8% 国民党 39・3%
 新北市 民進党 39・1  国民党 40・3
 台中  民進党 35・1  国民党 40・1
 台南  民進党 51・3  国民党 25・9
 高雄  民進党 47・2% 第三党12・5%、国民党25・6%
 となっている。

 明日26日は各党が最後の気勢集会、明後日が投票日。即日開票。日本時間で27日午後十時頃、すべての結果がわかる(筆者も明日から現地入りします。結果を踏まえての台湾の近未来展望と両岸関係に関してのルポは『正論』貳月号<12月25日発売>に掲載予定です)。
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  ◎書評 ブックレビュー しょひょう BOOKREVIEW 書評◎
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山口富永『近衛上奏文と皇道派』(国民新聞社)
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 「近衛上奏文はソ連の周辺諸国を共産化していく方針とその具体的進展を述べ、『翻って国内をみるに、共産革命達成のあらゆる条件、日々具備せられ行く観有之候。すなわち生活の窮乏、労働者発言権の増大、英米に対する敵愾心昂揚の反面たる親ソ気分、軍部内一味の革新運動、これに便乗する所謂新官僚の運動、およびこれを背後から繰りつつある左翼分子の暗躍に御座候』としている」

 「尾崎秀美は最もラジカルな新体制論者であると同時に忠実なマルクス主義者であったが、そうだとすれば新体制論者であること乃至ファシストであることと、共産主義者であることは殆ど矛盾しない」

 そして本書に長い序文を寄せた伊藤隆(東大名誉教授)は言う。
 「『昭和の忠臣蔵』として、非常の多くの人々がなぜかいまでも強い関心をしめる二・二六事件に関連して真崎(甚三郎、大将)は悪役を振り当てられているような感じである。二・二六事件の黒幕として青年将校をしそうして権力を目指した軍の指導者、そしてこの事件が失敗に終わるや青年将校を裏切って保身を計った人物(中略)最近の沢地久枝氏による著作からもそうした『まっ黒』な人物像が浮かび上がってくる」(本書19ページ)

 はたして真崎は裏切り者か?
 猪木正道も、真崎甚三郎をして「グロテスク」と酷評した。
 立花隆も半藤一利も保阪正康も、秦郁彦も(この四人組は『文春四馬鹿』とも言われるが)俗説をなぞった。
だが、俗説と真実は、大きく違う。
 本書は真崎甚三郎の本質にせまり、コミンテルンの戦争責任を克明に追及する。

 本書は書店ではなかなか入手できないと思われますので、下記に版元を掲げます。
 ISBN978−4−87554−030−4
 上番号で書店に注文されるか、あるいは下記へ問い合わせを ↓
 版元・国民新聞は徳富蘇峰翁創刊。(03)3311−1001 FAX(3313−9800)
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 (書評は下段にも続きます)
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(休刊のお知らせ)小誌は26日から12月2日まで休刊です
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植草一秀『日本の独立』(飛鳥新社)
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 副題に「主権者国民と『米・官・業・政・電』利権複合体の死闘」とあるように筆者は米国に支配されている二流の政治家どもが利権をもとめて官僚、業界、マスコミとつるんだ腐食の構造を一刀両断にする。
 タイミング的にはきわめて適切である。政局が、本書の登場を待つかのように。
 筆者の執念が行間から飛び出して全編に溢れるが、日本の政治を米国に踊らされて主権をうりわたす売国奴が担っており、菅直人政権が「対米隷属派」の象徴という位置づけになる。
 鳩山から政権を盗んだ菅政権の発足を「六・二クーデター」だとする。
また小泉政治と、その経済政策を担ったタケナカを「大罪」と決めつけ、とりわけ銀行処分の黒い霧にメスを当てる。
「新生銀行が上場を認可され、りそな銀行は乗っ取られ、郵政民営化とは米営化であり、かんぽの宿不正払い下げ、さらには日本振興銀行の設立の『闇』を暴く。
 他方、筆者は小沢一郎を高く評価し、彼を陥れた検察、裁判所、対米隷属派など『悪徳ペンタゴン』という独自の図式で提示する。
 評者(宮崎)は、小沢への評価を著者とは異にするし、この『悪徳ペンタゴン』なる図式を懐疑するが、それはそれとして、筆者の策定した図式をとっぱらって読むと、日本がいま置かれている本物の金融危機の闇が、霧が晴れていくようになって日本の病理と、その政治の悪の本質が了解できる。
 この本、じつに512ページもの厚みがあるが定価は1714円。
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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 485回】               
    ――「毛主席が指し示された方向」は・・・行き止まり
     『福建人怎様学習普通話』(何耿豊・黄景湖 福建人民出版社 1979年)


 ▽
 中国は広いだけに方言は複雑多岐だ。たとえば福建省。東部の閩東方言、南部の厦門話を軸とする閩東方言、莆田話が基本となっている莆仙方言、北部の建陽方言の4種の福建方言に加え、客家系の話す客家語も閩西客話、閩北客話などが混在し、これらがさらに枝分かれしている。

だから違う方言に出会ったら相手の話が判らない。加えて同一方言内でも意思疎通が困難。そこで多くの福建人が普通語(全国標準中国語)を話せるようにと『福建人怎様学習普通話』を手にしたはず。

だが表紙を開いて、さぞやビックリしただろう。それというのも、この本の冒頭に掲げられた「引言」がなんとも奇妙だからだ。

 「引言」は、「目下、全国人民は華主席を首(かしら)とする党中央の指導の下で、毛主席の偉大な旗を高く掲げ、新たなる歴史の長征をはじめた。各戦線での反乱は正され、欣喜雀躍として光栄に向かっている。林彪と“四人組”によって重大な破壊を受けた普通話推進工作は、毛主席が指し示された方向に沿って、再び大きく歩みだしたのである」と書き出されている。

 ここで改めて奥付で確認すると、この本の出版は79年3月。これは政治最優先の毛沢東路線を清算し、!)小平の強力な指導下に「向銭看(カネ儲け第一)」の路線に大転換した共産党11期3中全会から3ヵ月後に当たる。

華主席とは、死が間近に逼っていた毛沢東から託されたといわれる「你弁事 我放心(お前がやれば、わしゃ安心じゃ)」の6文字の漢字を唯一最大の根拠に毛沢東後継に納まった華国鋒のこと。毛沢東の死の1ヵ月後の76年10月に四人組を逮捕し、やがて「英明な指導者」とまで持ち上げられた。

だが華は「毛沢東のやったこと、言ったことは凡て正しい」とする所謂「二つの凡て派」のシンボルとして、復権した!)小平派の強い批判を受け、遂には権力の座から引き摺り下ろされてしまう。当時の華は!)小平との対比で「暗愚」とまで形容され、時代錯誤の極であり、毛沢東主義守旧派の象徴として改革・開放政策推進派からは嘲笑の的とされるばかりだった。

 つまり、この本が出版された当時は、共産党は形式的にはともかく実質的には「華主席を首(かしら)と」してはいなかった。じつは「全国人民は」、!)小平を「首(かしら)とする党中央の指導の下で、毛主席の偉大な旗を」引き摺り下ろし、「向銭看」という「新たなる歴史の長征」への第一歩を踏み出したところだったのだ。

 続いて「引言」は「華主席も『毛主席は普通話を話すべきだと声を掛けている。みんな普通話を広めよう』と指摘されているが、これは全国人民による普通話学習に対する切実な要望を反映し、普通話推進が社会主義革命と社会主義建設を加速する重要な意義を概括したものだ」とするが、この部分を読まされる福建の読者からすれば、ナニヲイマサラといった感想だろう。

権力を失った指導者を持ち上げる文章を読まされれば、誰だって鼻白む思いに駆られたはずだ。

 徹底した上意下達を鉄則とするピラミッド型組織のはずが、この本にみるかぎり、当時の共産党の命令系統は存外にユルかったことが判る。

すでに北京では力を失ったはずが、本の上とはいえ福建では依然として「華主席」として扱われている。なんとも不思議だが、福建人にすれば、北京の最高権力者なんて誰でも同じ、ということなんだろうか。
《QED》
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(休刊のお知らせ)小誌は26日から12月2日まで休刊です
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<< 今月の拙論と予定 >>
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(1)「三島由紀夫と戦後」(『歴史スペシャル』12月号、世界文化社、発売中)
(2)「池袋チャイナタウン突撃記」(『新潮45』、12月号、発売中)
(3)「スパイ防止法、技術方面から再考」(『月刊日本』12月号、発売中)
(4)「次期主席・習近平と日中関係」(『ボイス』12月号、発売中)
(5)「中国の反日デモは最初から最後までやらせ」(『撃論ムック』、発売中)
(6)「中国知識人とノーベル賞」(『正論』正月号、12月1日発売予定)
(7)「上海―南京新幹線に乗ってきた」(『エルネオス』12月号、月末発売予定)
(8)「中国人の交渉の奥義」(拓殖大学『新日本学』冬号、12月1日発行予定)
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