国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(世界は中国への不満で満たされつつある)

2010/11/17


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)11月17日(水曜日)
         通巻3134号  
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「世界は中国への不満で満たされている」(ウォールストリート・ジャーナル)
  ルールを無視し、市場を擾乱し、通貨切り上げを拒否続ける“ならず者経済”
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 いよいよ堪忍袋の緒が切れそうだ。
 市場経済は自由競争が原則、ここへ参入してきた中国は市場競争原理を守る意志はなく、ひたすら自国の利益だけのために国家統制経済を適用し、世界経済の攪乱者となった、とウォールストリート・ジャーナルが書いている(11月16日付け)。
 ここまで書くのはよほど腹に据えかねることがあるのだろう。

 WTOに加盟しておきながらルールを守らない。知的財産権の冒涜ばかりか、レアアース輸出抑制が、その典型であり、人民元を絶対に安くしておくために、不正な為替操作を続行してきた。

 その結果、貯まったドルは2兆6000億ドル。今度はこれでコスタリカの国債を買って台湾と断交せしめたり、ギリシア国債を買って港の利権を掠め取り、いままたスペイン国債を買うといってなにがしかの取引材料に使おうとしている。

欧米はもはや我慢の限界。不公平な為替レートを是正させるための対中国版「プラザ合意」の形成が囁かれている。

 自由競争を無視した社会主義的国家統制経済はレアアース問題でも浮上したが、米国が問題視したのはポリシリコンである。太陽電池パネル用のシリコーンは中国が原因で、価格は十倍となった。十倍!

 中国は国を挙げて「GCL−polyエネルギー集団」なる企業を興し、国家ファンドから7億ドル強を注ぎ込んで、世界シェアの半分を寡占するほどの成長をみせた。世界一のポリシリコンを生産し、つまりは自由競争を無視した国家主導市場寡占という政策に西側は怒りをあらわにし始める。明らかにWTO違反だから。


 ▲世界の貿易システムを傷つける中国という存在

 「中国共産党のルールを中国の安定と成長のために維持し、あまりにも独特(かつエゴイスティックに)すぎる経済政策が世界中に摩擦を引き起こした」が、「これは世界の貿易システムを傷つけた」とバシェフスキー元USTR代表が総括している。

 「他人の利益を奪い、ルールを阻害しても自分の利益になると思えば中国は躊躇いなくそうする」と断言するのは『自由市場の終焉』を著して中国のビジネスマナーを非難するイアン・ブレナー(NYの「ユーラシアグループ」代表)である。「いまや資本主義が危殆に瀕し、米国が競争力を喪失したのは中国の脅威のためである」
と彼は結論づけた。

 改革開放は「自由化」ではなかったのだ。
不効率な国有企業を再編し、集団的企業活動の効率化を狙った国家統制経済への再編であり、たとえば「華為技術」の急膨張と世界企業への発展に見られるように、中国国富ファンドが100億ドルを供与して圧倒的な市場占有率を握らせ、輸出奨励金のような優遇制度をあたえて、国家まるがかえの企業に作り上げた。

「こうした遣り方は不公平ではないか。政府の支援なしで、自由競争の原則でビジネスを展開してきたノキア、シーメンス、エリクソンなどの欧米企業をわずか数年で凌駕するという華為技術のからくりをみただけでも、中国は遣り方は不公平きわまりない」

かくて世界は中国への不満で満たされつつある。
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(読者の声1)日本では尖閣事件および政府の対応の劣悪さに対する議論が盛んですが、大団円が近いようです。11月8日には毎日新聞が日中政府間のビデオを公開しない、沖縄知事の尖閣諸島訪問を認めないという密約を報道しました。
今後、徐々に情報が漏れ出し、この事件の全貌と管政権の劣悪さが公になることでしょう。
日本で全く報道されていない重大事件があります。それはイエメンにあるシーア派イスラム教徒の反政府運動、さらにそれへのイランの援助とイエメン政府への米国政府の援助が強化されつつあるということです。
イエメンは紅海の出口にあるバブ・エル・マンデブ海峡(アラビア語で「涙の門」からきている)に面しており、その名前にもあるとおり難航海の場所です。つまりここを抑えれば、紅海の出口を塞ぐことができます。
同様にイランは軍事制裁の危険を冒せばホルムズ海峡を塞ぐことができ、この二つをふさげば、アラビア半島からの石油の運搬を大きく減殺できます。
その結果、石油およびその代替物質である天然ガス、石炭の価格は大暴騰します。
勿論、こんなことをイラン政府が行なえば、NATOの軍事制裁を受けることでしょう。けれども、その時点でイランが核兵器と中距離ミサイルを持っていれば話は別です。一躍イランはシーア派の盟主から全イスラム世界の盟主となり、今までの鬱憤を晴らせます。
軍事介入は困難になるだけでなく、欧米が介入しない口実にもなります。イラン政府が核開発に固執する真の理由はこれであるという人たちが米国にいます。
そしてこれを商品相場、資源株相場で大儲けをする絶好の機会と狙っている投機家、投機機関があります。イラン政府の意図が何であれ、こちらだけでも短・中期的には経済への巨大な影響があります。
ましてイラン政府の意図が彼らの読みどおりであったらなおさらのことです。
こういう眼を持ち、その中で日本がどう進むべきかを考える余裕が必要ではありませんか。もっとものんびりできる余裕ではなく、逆に緊張を強いられることになるかもしれませんが。だらけきった現在の日本には緊張を強いられるのは良いことです。
 (ST生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)鳩山以来、なにをしでかるか分からない幼稚園PTAのような政権ですから、まいにち緊張の連続ではありますが。。。

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MMMMMMM 三島 MMMMMMMMMMMM 三島 MMMMMMMMM
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第四十回 三島由紀夫氏追悼会
 『憂国忌』
 ――三島由紀夫を通して日本を考えようーー
  たとえ大雨でも雪がふっても命日に憂国忌は行われます!
       記
 と き   11月25日 午後五時(四時開場)
 ところ   九段会館大ホール
 会場分担金 お一人1000円

 プログラム
第一部鎮魂祭(齋主 乃木神社宮司。祭主 松本徹)1700−1755
第二部シンポジウム 『没後四十年 日本はここまで堕落したか』 
<1810−2010を予定>
井尻千男、遠藤浩一、桶谷秀昭、西尾幹二(司会 宮崎正弘)
  当日会場ではロビィに関連グッズの展示。また関連図書の頒布があります。

 どなたでも予約なしで参加できます。あの驚天動地の三島事件から四十年、追悼儀式のあと、明日の日本をともの考えましょう!
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