国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(書評特集)

2010/11/14


☆小誌愛読者17200名更新! ☆メルマガ総合ランキング第一位!
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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)11月14日(日曜日)
         通巻3131号  
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 (本日は日曜版につきニュース解説はありません)

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  ◎書評 ブックレビュー しょひょう BOOKREVIEW 書評◎
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稲田朋美『私は日本を守りたい』(PHP研究所)
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 政界のジャンヌ・ダルク、女性初の宰相の可能性アリといわれる稲田朋美代議士が、家族、ふるさと、祖国を熱く語る。政局のためでなく、選挙のためでなく、この国を良くするために戦う弁護士は何を考え、次にどういう行動にでるか。
 『家族と地域共同体に価値をおき、まじめに生きる人々の生活をまもるのが保守だ』とする稲田さんは、自民党の若手代議士でつくる『伝統と創造の会』会長でもある。
 とくに「主権」をまもるために憲法改正、国籍法改正問題、在留特別許可問題に正面から取り組み、外国人参政権、夫婦別姓の危うさを鋭角的に突く。巻末に櫻井よしこさんとの対談を収録。
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井上隆史『三島由紀夫 幻の遺作を読む』(光文社新書)
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 三島由紀夫文学研究の第一線にたつ筆者は山名湖の三島文学館で遺族から託され、残された創作ノートや膨大な資料のなかから、ひとつひとつを丹念に、時間をかけて丁寧に掘り起こし、時代の背景をも複合的資料との整合性を追いかけ、丹念な研究を積み重ねてきた。
 過去にも、通説とはことなる三島の処女作を発見され、新しい全集にも収録された。
 井上氏は、「豊穣の海・創作ノート」(全十八冊)を克明に調べられた結果、最後の四部作『豊穣の海』は、じつは五部作の予定であり、結末は、実際の小説とはまったく違うストーリーだったという結論に達した。『天人五衰』も題名が決まったのは土壇場のことだった、唯識、阿羅椰識の研究文献で三島がもっとも依拠した三冊の本の存在など興味津々の研究成果が披露される。
 言って見れば未踏の世界へ大胆な船出をされたような労作であり、三島ファン必読!



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山口二矢顕彰会『山口二矢供述調書』(展転社)
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 あの驚天動地の映像をともなった衝撃から半世紀。多言を要しない。悲しみと慟哭と、愛国の決意。そしてあまりにいさぎよい自決で終演した。大江健三郎はやがて『セブンティーン』を書いた。三島由紀夫は十年後に楯の会の制服を着て決起した。沢木耕太郎は十数年後に『文藝春秋』に連載をはじめ、『テロルの決算』をまとめた。山口二矢は短絡的なテロリストではなかった。かれは当時の青年の教養レベルからしても、相当な知識人たりうる素養があった。わずか十七歳の若い命だった。この自伝ともいえる供述調書に彼の精神が込められた。魂がこめられたのだ。
 『七生報告』『天皇陛下万歳』を獄中に残し、自らも命を絶った壮烈にして清純な魂が、調書の行間から溢れだしてくる。
 三島由紀夫と行ともにした森田必勝は事件の衝撃をうけて日記に『テロリズムを憎む』と書いた。その森田が十年後、山口二矢と同じく『七生報告』「天皇陛下万歳」を叫んで三島と自決した。
 二矢の供述調書は過去に資料集など収録されたことはあったが、単独出版は初めて。
半世紀を経た。本書には父親の追悼が三つ、淡々とした文章のなかに慚愧と慟哭の心情が行間に滲んで泪を誘う。そして日米安保条約の改定から半世紀。「日米同盟の深化」が横浜APECにおける菅・オバマ会談で謳われた。
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@@@ 読者の声 @@@ 読者の声 @@@ 読者の声 @@@ 読者の声 @@@
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(読者の声1)勤め先の学校で、政治系教養科目の授業を行い、その中で『週刊ポスト』今週号の記事を教材として利用しました。
中国の資源戦略に関する宮崎先生の記事は分かりやすく、生徒の間でも好評でした。尖閣諸島の問題についても確実に若い世代の危機感が広がっています。
  (KS生、多摩市)



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(読者の声2)当方、法律職なので、尖閣ビデオについて付言いたしますと、あれは実質秘には当たりません。
全国の海保に拡散された時点では保秘がかかっていませんし、不審船についての事件研究の類で見ることはごく通常の業務です。
隠したかったのは、内閣が中国に阿って、突然ビデオ非公開とした政治的方針であって、仙石官房長官が言うように刑事事件の証拠として、公開しない、ので守秘だ、というロジックは、刑事処分を放棄していますので成り立ちません。
当該海保職員は、内規上のなんらかの行政処分が下されるかもしれませんが、刑事事件としては、犯罪構成要件には該当しない、と思われます。佐々淳行さんが、嘆願署名をHPで集められていますが、宮崎さんもメルマガを通して拡散させていただければ、幸いでございます。
   (MT生)


(宮崎正弘のコメント)署名運動は統一した方が良いと思いますので、佐々淳行さんのHPから署名にご協力ください。



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(読者の声3)“米民主党はマルクス思想に被れたオバマが指導している”と、中西部のインデペンデントが離れた。今夜のW・ポストは、“オバマは、たった今、次期大統領選には出ない”と言うべきだと書いた。
“それが、アメリカにとってもオバマにとっても良いのだ”と。
“アメリカを弱くしている最大の原因は、「青州vs赤州」に真っ二つに分裂している状態だ”と書いている。“オバマが立候補を断念すれば、青州と赤州は妥協するだろう”と。
同じことが菅直人にも言えるね。
民主党は小沢の贋作。菅、仙谷は、“日本に大きな損害をもたらす”という自覚がない。一方の、自民、みんなの党なども、「ネクスト内閣の政策」を発表する時だ。まず、憲法改正、交戦権明記、北方領土・竹島は違法占拠と世界に発信して、沖縄・尖閣を軍事で脅かす中国との通商を見直すとマニフェストすることです。その覚悟が保守政党にないならば、日本に、爽やかな朝は来ないでしょう。
(伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)自民党シャドウ・キャビネットはありますよ。ちなみに昨日、小生が尖閣問題のシンポジウムでご一緒した稲田朋美代議士は大臣格。丸川珠代さんは厚生労働副大臣です。
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 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 480回】                         
      ――頑固一徹で一貫不惑
         『世界見世物づくし』(金子光晴 中公文庫 2008年)


 ▽
 薄い橙色の表紙カバーには薄く上海、巴里、ジャワと地名が記され、そのうえに「旅に生きた 漂泊の詩人が描く それぞれの土地」と黒く太いゴチック体の活字――誰だって「旅に生きた 漂泊の詩人」で知られた著者が綴った旅情溢れる旅物語と思うはず。だが、あにはからんや、のっけから中国人に対する鋭い観察眼が働きだす。

 「海外を歩いているながい間に僕は、随分方々で排日の憂目にあった。支那内地は勿論、南洋でも、ロンドンでも、巴里や、アントワープ、アムステルダムまで排日にぶつかっているが、そもそも最初、一九一九年シンガポールで思掛けない排日態度に出られた時だけは忘れられな」い著者は、その時、次のような感想を持ったという。一世紀ほどが過ぎた2010年秋の反日騒動にも通じるものがある。

 「一体に支那人は群衆心理に支配され易い、興奮性な国民で、好条件な状態にある時はおかしいほどに元気になるが、失意となると一朝にしてペシャンコになって、それがみていると可笑しい位である。支那が古来宣伝の国などと云われているのは、政治の要諦がこの民族心理を支配する一事にあったためで誇大な宣伝、みえすいた虚報に為政者が腐心するのもあながち理由のないことではないのだ。華僑を、排日の興奮から醒めさせない為には、新しい戦捷ニュースによって絶えず民衆を刺激しつゞけなければならない」(昭和12年10月『文藝春秋』)らしいのだ。

 「失意となると一朝にペシャンコになる」とは、バブル崩壊以後の「失われた10年」やら「失われた20年」やらを嘆くだけの日本社会の姿を連想させないわけでもないが、中国では「誇大な宣伝、みえすいた虚報に為政者が腐心」し、「新しい戦捷ニュースによって絶えず民衆を刺激しつゞけなければならない」という金子の見方は、大いに頷ける。

 金子は昭和41年になると、屑やさんから「富商や、大政治家までひっくるめて共通に持っている支那人の性格の煙霧と、どこがゆきどまりかわからないうらのうら、魅力にさえみえた支那風の権謀術数が、このごろではつくづくいやになってきた。中共になってからも、僕は、イジの悪い目で、あの政治のオーバーな宣伝と、偽善的な正体をながめてきた。コムニズムがどうのこうのというのではなく、それが支那人の手にかかって、どんなおもいがけない、寒心すべき策謀の道具に使われることになるかとおもうと、そら恐ろしい」(昭和41年11月『話の特集』)とも綴っている。

 そして昭和43年。西暦で1968年だから日本の親中・媚中派を含む多くの学者・ジャーナリストからはじまって文化人と称する有象無象が「人類史上空前の魂の革命」とまで大礼賛した文革を前に、金子は「大きな肖像ポスターの前で悠然としていられる毛主席は、偉大な心臓の持ち主だとおもうが、七億の人間に朝から晩まで『ありがたや』を繰返させていねば安心できないことは、それだけ強制を必要とする政権が、いかに多くの人間性を犠牲にした精神的危機のうえにのっているかということを物語っているようにおもわれてならないのである。(中略)ともかくも、自分の大ポスターを平気で広場にかざらせておく大政治家を、私は好きになれない」(昭和43年12月『アジア』)とまで断言した。

 毛沢東、!)小平、江沢民から胡錦濤を経て習近平と「大政治家」は途切れなく続きそうだが、「漂泊の詩人」の振るう一太刀は寸分の狂いもなく、確実に相手の肺腑を抉る。
《QED》

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  • 名無しさん2010/11/15

    尖閣ビデオが機密に該当するか否か以前に、週刊文春11/11号(p28)によれば前原外相は「極秘」の判子の押された日中両国首相の「会議録」(外務省の極秘資料)を記者団に平然と見せたそうです。そんな外相の行為が全く問題にされないまま、ビデオ流出者の処分云々もないでしょう。

    公務員の守秘義務といえば、「消えた年金」騒ぎのとき当時の首相や担当大臣も知らされていない情報が何故か野党(民主党)議員に漏れ伝わっていた、これは問題なかったのでしょうか?