国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(中国、反日デモに息切れ)

2010/10/24


☆小誌愛読者17000名を突破!
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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)10月25日(月曜日)
       通巻3111号  <10月24日発行>
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 中国の「反日デモ」に息切れ。いずれも見物人は多いが実際の参加者は少数
   胡錦濤政権は早期収束に躍起。日本の反中国デモを脅威視しはじめた
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 23日に四川省徳陽で散発的な「反日」デモがあったが、NHKと産経新聞の記者が拘束され、「何もなかったと報道せよ」と言われ、二時間後に市街で退去命令。しかしフジテレビなどは、対面のホテル高層階からの中継に成功した。

 見物人が多く、集会場所にあつまっている「市民」は私服がおおい。付和雷同組はデモが面白くなれば参加して暴力行為をはたらこうかと虎視眈々。だが徳陽も十六日に暴動となった綿陽市と同様に日本人は殆どいない。

地図をみると徳陽は成都から東北へ五十キロ。十六日に「反日」を掲げて暴徒化した綿陽の手前の街で、やはり部品メーカーなどが蝟集する。失業率が高く、震災被害から立ち直っていない。
市民の不満は、日本ではなく政府の腐敗、共産党への憎しみであり、反日はきっかけでしかない。

 24日の反日デモは甘粛省蘭州、湖南省長沙、江蘇省南京、河南省開封で、すこし動きがあったようだが、西安と徳陽では中学ならびに大学生に「外出しないよう」にとの通達がだされて、デモはなかった。警察の圧倒的配備を前にデモ首謀者も「まずい」と判断したのだろう。
 長沙の大学では校門に外出の理由を聞く「検問所」が設置された。

 甘粛省蘭州のデモには「収回琉球」(沖縄奪還)のプラカードはなく、「環我釣魚島」(尖閣を返せ)など過激さもトーンダウンしており、南京のデモはわずか百名、三十分で解散した。(香港『明報』新聞網、10月24日)


▲当局は中国メディアに「報道するな」と命令
 
  中国共産党宣伝部が報道に関して下の「指針」をマスコミに通達していたことが分かった。
共同通信(18付け)によれば「 中国共産党宣伝部の対日報道指針」とは、
▽中国国営通信である新華社通信外には反日デモを独自に報道してはいけない。 
▽日本の右翼勢力関連報道は中国外交部の見解をもとに報道する。 
▽中国内の反日デモ、日本内の反中デモは1面のように注目度が高い面では報道しない。 
▽日本関連突発事件は各メディア幹部の指示を受けて処理する。 
▽その他、日本関連報道は新華社通信の記事だけ使う。 

 下記の通達が出されたため、2010年10月18日以後、中国のメディアは一切、反日デモの報道をしていない。

 その結果、米国を中心とする華字紙は、なんと日本のメディア報道を転載しているのである。
とくに面白いのは博聞新聞網(24日付け)で、日本の反中国デモは東京集会が「4000人」と報じた。24日に高松で行われた集会のニュースも報じている。
 日本大使館が駐在日本人に外出を控えるよう通達したこと。領事館周辺もものものしい警備がおこなわれている様子も華字紙は報道している。

 さて、中国における「反日デモ」を中国メディアは報じない。だから海外華字紙は日本のメディアを通じて二次報道をしている。

 日本における「反中国デモ」を日本のメディアは報じないが、欧米メディアは報道し、華字紙も大きく報道しており人数も割合と正確である。
 いったいどうなっているのだろう、中国の報道規制は独裁国家だか当然だが、自由なはずの日本のマスコミは?

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  @@@@@@@@@@@@@  読者の声  @@@@@@@@@@@@@@
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(読者の声1)貴誌前号に尖閣防衛の対策として、「常駐させるのは海上保安庁の職員です。自衛隊員を海上保安庁に出向させるのです。また、海上保安庁の職員を自衛隊で訓練させることも重要です。こうすれば、日本に実質的に沿岸警備隊が発足します。また軍事訓練を行なうだけでなく、素手での対決となったときのために柔道、空手、合気道等の五段クラスの実力をもったものを選抜して常駐させます。海上保安庁の職員なら、危険と判断した場合、こちらから先に防御行動をとることも可能です。中国軍の幹部は当然のこととしてこんなことを知っていますから、この方策を日本政府がとれば、それが何を意味するか、その本気度を理解します。日本のバカなマスコミよりはるかに日本を知っています」(ST生、千葉)」
 との投書が掲載されました。
真にごもっともなご意見ですが、ごもっともなだけに悲しくなります。まず、すべきは自衛隊法の改正ですね。
多分、中国はまた「日本が軍国主義化した!」とか、自らを棚に上げて大騒ぎするでしょうが、それだけ効果があるということだと思います。
まったく軍事費を増やさなくても大きな効果があるのですから、借金だらけを嘆く暇があったら、直ちに対応していただきたいものですが、現政府では無理なんでしょうね。
(NS生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)自衛隊をいちど解体して、基本的に国軍を創設するというのが理想的、革新的だと思います。
 いまの自衛隊はサラリーマン、行政の公務員。少数例外はおりますが、みてください。退役後、予備自衛官に登録する人が千人前後しかいないという悲惨な現実を!



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(読者の声2)上のコメントに感想です。
自衛隊の常駐は日本に有益です。もし中共が領海侵犯したり、攻撃してくれば大歓迎です。 というのは事件を戦後日本の立ち直りに活用したいからです。したがって日本はこの領海侵犯問題をドンドン大きくすることです。
今回の事件のおかげで一般の人に中共の日本国内侵略の危機が見えてきました。
この領海問題を隠蔽したり、ごまかす方針は利敵行為であり基本的に反対です。
   (東海子)

 


(読者の声3)中国の反日デモは日本の反中デモに驚いてなされたようです。しかし日本の反中国デモは3千人ほどの穏やかなデモでした。なぜこんな小さなデモに中国は過剰な反応をしたのか不思議でなりません。
中国は一体、日本のデモのどこに驚いたのでしょうか?
(しながわY・N) 
 

(宮崎正弘のコメント)これまではしかりつけ、ぶっ飛ばせば黙って引き下がった日本人が、日章旗を林立させて中国の横暴、驕慢に本格的に抗議した。そのナショナリズム勃興に警戒をこめて、見当違いの反応をしたのでしょう。
 ただし、あの「反日」なるデモは反日行動ではありません。あくまで反政府運動の隠れ蓑、中国に反日カルトは少数です。



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(読者の声4)関西の読者の皆さんへ
10.30 中国の尖閣諸島侵略糾弾!全国国民統一行動 in 大阪のお知らせです。
 期日 : 10月30日(土)13時00分 集会  於・新町北公園(西区)
    登壇予定 : 田母神俊雄、西村眞悟、三宅 博、水島 総ほか
 14時00分 デモ行進 出発
 新町北公園 → 東進 → 南久宝寺町3 御堂筋南下 → 難波高島屋前 → 元町中公園
 15時05分 デモ行進 解散  於・元町中公園(浪速区)
 15時00分 街宣活動  於・南海電鉄「難波」駅
     「なんばマルイ西側歩道」・高島屋前
 主催 : 頑張れ日本!全国行動委員会関西総本部
 ↓ 案内チラシはこちら
http://www.ch-sakura.jp/sakura/



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(読者の声5)「24日」は国辱の日!尖閣侵略阻止の声を国会へ!
 我が領土領海への侵略阻止を願う国民の皆さん 
民主党売国政権が、我が領土尖閣諸島への中国の侵略を容認する、「鉄砲玉」漁船船長の釈放を行った9月24日から一ヶ月が経過しようとしています。国会での議論が尻すぼみになりつつある中、中国では尖閣侵略正当化の官製反日デモが続発、台湾は近海の議員視察に着手しました。
中国による尖閣侵略=我がシーレーン制圧の前夜ともいえる現在、我が政府、そして国会議員の領土領海防衛への意識は余りにも低すぎます。国民は毎月24日ごとに「9月24日」を想起し、領土領海保全に向けた抜本的施策の施行、ひいてはその障害として立ちはだかる現憲法を中心とする戦後体制打破に向け、国会議員に要請の声を強めていくべきではないでしょうか。
今から以下のアクションを行いましょう。
 
1.野党に対し、政府に!)中国漁船衝突事件の真相ビデオ公開、!)中国の尖閣侵略への認識と対策、!)現憲法・安保体制下での侵略有事への対応方針、を質問させましょう
 
中国の外交戦の「鉄砲玉」として我が領海に侵入、我が海保に対し暴虐を働いた「鉄砲玉」漁船の犯罪的実態を捉えた海保のビデオを国会議員だけでなく全国民に公開させましょう。そして我が国の尖閣諸島領有の歴史的正当性と共に海外に広く情報発信し中国の危険な侵略体質について国策としてアピールさせましょう。
南シナ海での先例から中国は更に大量の漁船を我が領海で操業させ、その保護を名目に監視船そして海軍を派遣し、上陸・実効支配を強める戦略であるのは明らかです。中国は昨年、決して譲歩しない国家の利益を意味する「国家の核心的利益」の対象として台湾等と並び尖閣諸島を位置づけています。この事実に対する政府の認識と対応につき国会の場で真剣な質疑を行うべきです。
中国が我が領土である尖閣諸島に対し「実効支配」の決定的一歩を踏み出そうとした時、現憲法・安保体制下でそれを阻止し得るのか、政府の認識と対応につき、憲法改正の必要も含めて同じく真剣な質疑を行うべきです。
以上を野党に対し要請しましょう。
 
<要請先>
自由民主党本部 電話03-3581-6211 ファクス03-5511-8855
http://www.jimin.jp/index.html
 谷垣禎一(総裁)
http://smooth-shop.com/id/tanigaki/contents/code/inquiry?re=1280292970
石原伸晃(幹事長)電話03(3581)5111 内線50824/60824 
ファックス 03(3593)7101 
安倍晋三         電話03-3508-7172  ファックス03-3508-3602   
有村治子         電話3508-8229  ファックス5512-2229
古屋圭司         電話03-3508-7440 ファックス03-3592-9040
衛藤晟一         電話3508-8233  ファックス03-3511-7728
佐藤正久         電話03-3581-3111(内線5507)ファックス03-5512-2507
西田昌司         電話03-3508-8512 ファックス03-3502-8897 
山谷えり子        電話03-3508-8611 ファックス03-5512-2611
稲田朋美         電話03-3508-7035  ファックス03-3508-3835
 岩屋毅          電話03-3508-7510 ファックス03-3509-7610
【要請上の留意点】「参院選での自民党の勝利はひどすぎる民主への批判票に過ぎません。国家の根本に関わる問題をなおざりにして保守野党の存在意義は果たせません」「憲法改正まで視野に入れた質問や要求をしてください。これまでの質問ではダメです。自民党は何を考えているのですか」「これまでの自党の対中政策を総括し、抜本的な打開策を打ち出せ。」「保守党は保守党の役割を果たせ」等を入れる。
 
たちあがれ日本本部 電話03-3582-8111(代表)ファックス03-3582-8112
http://www.tachiagare.jp/
平沼赳夫(代表)電話03-3508-7310  ファックス03-3502-5084
 
みんなの党本部 電話03-5216-3710 ファックス03-5216-3711 
http://wrs.search.yahoo.co.jp/;_ylt=A3xTpoGEH_VKyoAAI0mDTwx.;_ylu=X3oDMTEyOW10aDVjBHBvcwMyBHNlYwNzcgRzbGsDdGl0bGUEdnRpZANqcDAwMTQ-/SIG=11d1c6iee/EXP=1257664772/*-http%3A//www.your-party.jp/
  
<例文> ※以下はあくまでも例です。短くてもご自分の知識やコトバでお願いします。
・「国民の知る権利」として尖閣沖の我が領海内での中国漁船侵入・衝突ビデオの公開を望みます。政府はこれを日本の領有権の正当性への歴史的解説と共に全世界に発信するよう要求してください。
・南シナ海の状況について政府はどのように考えているのでしょうか。また中国漁船が沢山きたらどうするのですか。今後についての政府の認識を問うて下さい。現憲法下で領土の自衛はまっとうされるのでしょうか。大変心配です。質問よろしくお願いします。
・野党はこれまでの対中微温外交を清算して、日本への侵略を阻止してください。石垣島や沖縄の方の不安はどれほどのものか考えて下さい。政府は中国の海洋侵略をどのように考え、我が領土への侵略をどのように阻止する方針なのか、問い詰めてください。主権の保持、領土防衛のための自衛を妨げるような憲法は改正するのが筋ではないですか。
 
2.与党内の非左翼系議員に同じ趣旨の要請を行いましょう
 
<要請先>
※議員の電話・ファックス番号は基本的に国会議員会館(03-)のものです
民主党本部      電話3595-9988 ファックス3595-9961 
野田 佳彦(財務相) 電話3508-7141 ファックス3508-3441 
神風 英男   電話3508-7027 ファックス3508-3827
大島  敦   電話3508-7093 ファックス3508-3380
小宮山泰子   電話3508-7184 ファックス3508-3614
松崎 哲久   電話3508-7434 ファックス3508-3914
野木  実   電話3508-7417 ファックス3508-3897
松原  仁   電話3508-7452 ファックス3580-7336 
長島 昭久   電話3508-7309 ファックス3508-3309
小林 興起   電話3508-3508 ファックス3508-7298
笠  浩史   電話3508-3420 ファックス3508-7120
田村 謙治   電話3508-7067 ファックス3508-3847
渡辺  周   電話3508-7077 ファックス3508-3767
松野 頼久   電話3508-7040 ファックス3508-8989
西岡 武夫   電話3508-8542 ファックス5512-2542
玄葉光一郎      電話3508-7252 ファックス3591-2635 

【要請上の留意点】「民主党は日本を中国の属国にする気ですか。国民は心底民主党政権に絶望しています」「仙谷官房長官を辞任させてください。あの人が居る限り現政権はダメだ」等怒りの表白で結ぶ。
 
国民新党本部 電話03-5275-2671  ファックス03-5275-2675 
http://www.kokumin.or.jp/
自見庄三郎(郵政改革・金融担当相)電話03-6550-0901 ファックス03-6551-0901
【要請上の留意点】「少数与党の存在価値が問われる。良識の発揮で日本侵略阻止を!」と結ぶ。
 
<例文>趣旨は野党用とそれほど変わらないと思うので各自アレンジしてみてください。
 
3.団体やネットワークに属している方は同趣旨の組織的要請活動や街頭宣伝等をご検討くだされば幸いです。ご多忙中お疲れ様です。一つから二つ、二つより三つと根気よく頑張ってまいりましょう!
  (小田内陽太)
 
 
 
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 (読者の声6)11.6 アジアに自由と平和を!尖閣諸島侵略糾弾!
 中国(胡錦濤)のアジア軍事覇権糾弾! 「ノーベル平和賞」劉暁波氏の釈放を!
          「自由と人権 アジア連帯集会」&デモ
 とき : 11月6日(土)
 場所 : 日比谷野外音楽堂
 内容 : 13時00分 開会  15時30分 デモ隊列準備
  15時45分 デモ出発 … 日比谷野音 → 常盤橋公園 到着
  17時30分 街宣活動  於・有楽町 交通会館前 19時00分 終了
 主催 :頑張れ日本!全国行動委員会、草莽全国地方議員の会、日本李登輝友の会
↓ 案内チラシはこちら
http://www.ch-sakura.jp/sakura/
     (YU生)
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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 469回】                   
     ―ヴェトナムの戦場は、ボクらの学校だったんダイ
       『越南小戦士 阿亮』(姜維 人民美術出版社 1972年)
  

 ▽
 南ヴェトナムで生まれ育った13歳の阿亮クンにすれば、マクナマラ戦略によって大量投入されたアメリカ軍は憎悪を込めて殲滅すべき敵でしかなかった。
それというのも阿亮クンの村を武力で占拠したアメリカ軍は、民族解放のために決死の戦いを続ける兵士を殺し、北ヴェトナム侵略のための飛行場を建設すべく豊かな田畑を焼き払ってしまったからだ。

 アメリカ兵の横暴を阻止しようとした父親は拉致されて行方知れず。母親は激しく打ちのめされ虫の息。だが阿亮クンは涙を見せない。怒りの炎は小さな胸に燃え滾る。

そして英雄的に反米救国の戦いを続ける南ヴェトナム民族解放戦線のゲリラ闘争に参加し、小さいながらも一人前の兵士としての訓練を黙々とこなす。
勇敢にも阿亮クンは、「来るなら来い。小汚いアメリカ猿の侵略野郎ドモ」と、手榴弾でアメリカ兵に立ち向かった。

 ある日、隊長から「農民の子供に変装し、敵の飛行場を探るべし」と、重要な斥候の任務が下される。ジャングルを分け入って進む阿亮クンの2つの眼は、獲物を探す鷹よりも鋭く光る。
と、なにを認めたのか、阿亮クンは大木にスルスルとよじ登り、鳥の鳴き真似をして叫んだ。その合図を耳にした勇敢な兵士たちは兵器を手に強行前進し、ジャングルの端に大砲やら迫撃砲を据え付ける。

 「テーッ」と隊長。米軍の飛行場めがけて大砲や迫撃砲が民族の怒りを込めて一斉に“正義の火”を噴く。駐機している戦闘機は破壊され、アメリカ兵は「お父さん、お母さん、助けて」と泣き叫び、逃げ惑う。本当は彼らは弱虫だったんだ。

 逃走を図ろうと次々に離陸するヘリコプターに照準を合わせ、阿亮クンは手にしたライフルの引き金を引く。バキューン、バキューン。ヘリコプターは次々に撃墜され、地上に衝突して炎上。
「助けて、許して」とアメリカ兵は銃を差し出し命乞い。情けない奴らだ。

 アメリカ軍基地に囚われていた人々は解放された。嬉しいことに、その中に、阿亮クンの父親も。誰もが口々に、「阿亮、偉いぞ。立派なもんだ。スゴイ働きだ」

 ヴェトナム戦争に際し、「ヴェトナム人民の大後方」と自らを位置付けた中国は1965年から73年の間、「アメリカ帝国主義と闘うヴェトナム人民」のために、数百万丁の銃、数万門の大砲に加え、軍事施設建設、陣地構築、飛行場・鉄道・道路の修理と建設などを含む総額で16億ドルにも及ぶ軍事援助を行ったといわれる。

もちろん、軍事要員も。一部に実戦部隊を派遣し、防空戦闘や掃海作業に当たらせていたようだ。ならば、ヴェトナム側が中国の支援を高く評価したとしても、なんら不思議ではない。

 だが口ではワシントンを口汚く罵りながら、その一方で71年4月の名古屋における世界卓球選手権を舞台にした米中ピンポン外交やキッシンジャーの秘密訪中を経て72年2月のニクソン訪中へと続く一連の北京の対米接近を、ハノイは裏切りと断罪。

「溺死寸前の強盗に浮き輪を投げ与えるようなもの」と強く批判しソ連へと急傾斜する。かくて70年代末、!)小平は“生意気”が過ぎるヴェトナムを懲らしめるべく対越懲罰戦争へと突き進んだ。

 あれから40年余。中国もヴェトナムも一党独裁が反米闘争ではなく、カネ儲けに好都合な政治制度だということ確信したはず。
だからこそ、いま阿亮クン世代に聞いてみたいのだ。民族解放闘争、社会主義兄弟党の友誼や大義とは、なんだったんだい、と。
《QED》
 ◎
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  ◇◆◇◆◇みや◆◇ざき◆◇◆◇ ● ◇◆◇◆まさ◇◆◇◆ひろ◇◆◇
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