国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(習近平に冷淡な香港の批評家ら)

2010/10/22

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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)10月22日(金曜日)貳
       通巻3110号  
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 次期主席が習近平では「大変革」など望むべきもなし、と香港専門家ら
  ダークホースが王権を手に入れたが背後にいるのは利権巣窟特権階級
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 香港「りんご日報」(21日付け)によれば、習近平の軍事委員会副主席入りは「ダークホースが王権」を手に入れつつあるが、かれは高級幹部一族の「太子党」出身であり、特権階級の権利を擁護し、独裁体制を維持させることに汲々とする連中が支持基盤である限り、大変革なんぞありうるシナリオではない、と冷淡に分析した。

 2007年にいきなり上海書記に抜擢された習は政治局入りを果たしたダークホースで、しかも翌年三月に国家副主席への三段跳び、四段飛びと異例の階段を駆け上った。
 習が「改革派」「開明派」として知られた習仲勲の息子であることから、「政治改革に大なたを振るい」、あるいは「“中国のゴルバチョフ”になるかも」という淡き期待は消し飛ぶだろう、と同紙は続けた。

 2012年党大会で、習近平は党総書記と党軍事委主任となり、2013年に国家主席となることは、いまや規定の方針だが、江沢民が最後まで「国家軍事委員会主席」(形骸だけで党軍事委主任が事実上の統帥権)を、三年保持して軍へのにらみをきかせたように、バランス上からも胡錦濤は、2015年まで「国家軍事委主任」のポストは手放すまいという観測もあがっている。

 他方、香港の有力紙「明報」は同日付けで、尖閣諸島衝突問題に言及し、「結局、中国があまりに驕慢だったため、日米両国の同盟をかえって深化させ、中国を非友好国としてあつかい始めたことは『外交的失敗だった』」とする時殷弘教授の談話を引用し、「中国外交の失敗」と題した林華保のコラムを掲げている。時殷弘は中国人民大学アメリカ研究センター主任。
 (林華保は有名なコラムニスト)
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  @@@@@@@@@@@@@  読者の声  @@@@@@@@@@@@@@
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(読者の声1)21日付けの産経新聞に「尖閣敗北」と題して米国防大学上級研究員 ジェームズ・プリシュタップ氏が「日本側としては今後、尖閣諸島の保持には自衛隊を尖閣地域に常駐させることや監視を強めること、さらには米軍と合同での軍事演習を繰り返すことなどの手段が必要になるだろう」
と書きました。
しかし自衛隊常駐は有害無益です。自衛隊は攻撃されない限り武器の使用が認められないからです。
常駐させるのは海上保安庁の職員です。自衛隊員を海上保安庁に出向させるのです。また、海上保安庁の職員を自衛隊で訓練させることも重要です。こうすれば、日本に実質的に沿岸警備隊が発足します。
また軍事訓練を行なうだけでなく、素手での対決となったときのために柔道、空手、合気道等の五段クラスの実力をもったものを選抜して常駐させます。海上保安庁の職員なら、危険と判断した場合、こちらから先に防御行動をとることも可能です。
中国軍の幹部は当然のこととしてこんなことを知っていますから、この方策を日本政府がとれば、それが何を意味するか、その本気度を理解します。日本のバカなマスコミよりはるかに日本を知っています。
  (ST生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)日本のマスコミはホントにマスゴミですね。



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(読者の声2)来たる11月3日は明治天皇の御誕生日です。現在は「文化の日」と呼ばれてゐますが、敗戦前までは「明治節」と呼ばれてゐました。
この11月3日に合はせて明治天皇の御聖徳を偲び奉る行事が、東京および京都で開催されます。御多忙とは存じますが、御参列いただけると幸ひに存じます。

【東京】明治節を奉祝する集ひ
 日時:平成22年11月3日(水・祝)14時00分〔13時30分開場〕
 場所:日本青年館 3階 国際ホール http://www.nippon-seinenkan.or.jp/
 内容:《第1部》 奉祝式典(国歌斉唱、明治節制定の詔書奉読、教育勅語奉読、
会長挨拶、明治節の歌合唱、聖寿万歳)
    《第2部》 記念講演 講師:高森明勅(日本文化総合研究所代表)
講題:「紀元節・昭和の日・明治節」
 入場料:無料
 主催:明治節奉祝の集ひ実行委員会

【京都】第19回桃山御陵参拝団
 日時:平成22年11月3日(水・祝)10時30分集合
 集合場所:桃山御陵入口(京都市伏見区)
 参拝順路:集合・参進→明治天皇御陵・昭憲皇太后御陵参拝→御陵石段下で記念撮影→臨場講話→解散
 講師:金子宗徳(里見日本文化学研究所主任研究員)
 演題:「明治維新を振り返る」
 参加費:無料
 主催:第19回桃山御陵参拝団
       以上です。


(宮崎正弘のコメント)「降る雪や明治は遠くなりにけり」(中村草田男)



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(読者の声3)貴誌で話題になったクリントン夫妻に関する興味深いドキュメントがYouTube上にあります。
これを見る限り、かなりアコギな連中のようです。
貴誌「クリントン元大統領が台湾訪問へ」の号でその片鱗をご紹介されていらっしゃったので、ご興味があるのではないかと思い、不躾ではありますが突然のメールを送らせていただきました。
↓2部(前・後編)に分かれております。
http://www.youtube.com/watch?v=xq8aopATYyw
http://www.youtube.com/watch?v=AMfUajhL24I
  (X生)



  ♪
(読者の声4)貴誌をいつも楽しみに読んでおります。とてもためになります。
以前、曾野綾子さんが「女性は男性に強さを求めるものだが、日本の女性は男性に優しさを求める」旨を書いておられました。
私はなるほどと思いましたが、何故だろう「四面海以て囲まれし」で、心の底では、海に守られていると納得してるのかな、などと考えていました。
貴誌によれば尖閣衝突以来、「日米安保に女性の関心が集まっている」旨の記事が在りましたが、とても良い事だと思います。
日本の女性が国際社会の現実に目覚めるとき、更に母親になって子供を育てる時、我が子に「強さ」を求めるようになると良いと思います。
(SS55)
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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 468回】                    
    ――「ぼく」は、いま、どこで、なにをしているんですか・・・
     『青春の北京 北京留学の十年』(西園寺一晃 中公文庫 昭和四十八年)
  

 ▽
 この文庫本の末尾で「『青春の北京』は日中友好運動の指導者の一人で、日中両国間を往来する人々の間から“民間大使”として親しまれた西園寺公一氏の長男、一晃君が父親に連れられて北京に移住、北京第二十五中学に転入してから、北京大学を卒業するまで、十年間の体験を記録にまとめたもので、全編いたるところに、青春の思い出がよみがえっている」――こう「解説」しているのが、文革当時、北京からトンマなガセネタを送り続けた元朝日新聞特派員の秋岡家栄である。

西園寺親子、それに秋岡・・・まさに一世を風靡した“日中友好屋”の揃い踏み。こうくれば、内容は推して知るべし。

 秋岡の「解説」の先を読むと、「西園寺家はやはり、北京においても名門であった。広い平和委員会の構内には、映画の試写室まで含めて、多くの建物があったが、門を入ってすぐ左が西園寺家の邸宅で、・・・数多い北京在住の外国人の間でも・・・秘書と、解放軍兵士の護衛がついていた。
・・・私の印象を率直にいえば、公一氏は日本の革命家として、名誉ある待遇を受けていたといえよう」

 西園寺公一が「日本の革命家」であるかどうかは知らないが、著者も含めた西園寺一家が北京で、当時の中国の庶民には夢想だにしえない超優雅な日々、いいかえるなら“華麗なる革命貴族生活”を堪能していたことは確かだろう。
正真正銘のダラ菅、いやダラ幹だ。

 「新中国は社会主義のまったく新しい国で発展を遂げている国だから、行けば学ぶことが沢山ある。必ず来てよかったと思うだろう」という公一のことばのままに、西園寺一家は北京に居を移す。
著者が赤坂中学在学中の昭和33年のことだ。

この本は、秋岡が解説しているように、中学から大学までの北京での「十年間の体験を記録にまとめたもの」だが、著者は中国人の同級生と共に、農村での労働学習、大躍進、「三年間にわたる自然災害」「中ソ論争」「プロレタリア文化大革命」を体験している。
かくて「十年間の体験」のなかで、著者は中国の若者も真っ青といっていいほどの過激な毛沢東主義者に“成長”していった。

 当初、「ブルジョワ社会からやって来たひ弱で無知なぼくに社会主義中国を赤裸々な形で見つめさせるに充分であった。そしてぼくがその中で感じたことは自分には到底できない、今のままの自分では中国の人たちと同じようには絶対にできない、それが出来るまでは、本当に中国の人と一緒にやるためには今の自分を変えるしかないということだった。
そして学友たちの姿を見ながら自分を変えねばならない、少しずつでも学友に近づかねばならないと痛感した」著者は、やがて過激な紅衛兵へと“翻身(生まれ変わる)”する。
 
この本は「小徐は・・・紅い腕章を・・・ぼくの左腕に巻いてくれた。Tさんもぼくの前にくると、そっとバッチをつけてくれた。/『みんなありがとう』/ぼくはこみ上げる感動をかみしめながらそう呟いた」という感動的シーンで幕となる。ここでいう「紅い腕章」が紅衛兵の腕を飾った腕章で、「バッチ」が代表的文革グッズだった毛沢東バッチであることは、自明のこと。ところで「Tさん」は著者と結婚を約束したが遂には結ばれなかった女性のようだ。

「終章」の「T同志への手紙」で、著者は「ぼくも君に負けないよう日本で頑張ります。どんなことがあろうと、決して毛沢東思想は手放しません」だとさ。ウフフ。とまあ、時代の狭間でオ気楽に生きた一家のノー天気な睡中夢譚でした。
《QED》
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  ◎書評 ブックレビュー しょひょう BOOKREVIEW 書評◎
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東谷暁『日経新聞を正しく読んで最新経済に強くなる本』(草思社)
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 日本のウォールストリートジャーナルとも、日本のフィナンシャルタイムズともいわれる老舗、名門の「日本経済新聞」はビジネスマンの人気は不動、不況の日本にあってもしぶとく生き残る。
 インターネット時代ゆえに部数は漸減傾向だが、日経は、いちはやくネット読者拡大キャンペーンをはり、朝日、読売に部数こそ及ばないが、その利益率は高い。
 さて本書は、そうした日本経済新聞を、裏から、批判的にいかに読むと、隠された正しい情報があぶりだされるか、その読み方の裏技、ノウハウを伝授するところに意外なポイントがある。新聞批判と、とくに経済政策の愚かさを批判し続ける著者ならでは、と思われる快著。
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<< 今月の拙論と予定 >>
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(3)「中国の反日デモは最初から最後までやらせ」(『撃論ムック』、11月19日発売号)
(4)「習近平時代の中国」(『ボイス』12月号、11月10日発売)
(5)「MADE IN ITALY を活用する中国人」(『月刊日本』、11月号、10月22日発行)
(6)「『東アジア共同体』のいま」(『伝統と革新』、第弐号、発売中)
(7)「三島没後四十年、果たし得ない約束」(『正論』、11月号、発売中)
(8)「中国新幹線全紀行 武漢―広州968キロを3時間16分」(『エルネオス』、10月30日発行)
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(編集部より)小紙は23-24日を休刊します。
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  • 名無しさん2010/10/23

    樋泉克夫先生のコラムでご紹介された「西園寺一晃」なる人物を知らなかったのでWikipediaで検索したところ、北京大学卒業後には朝日新聞に勤めていた人なのですね。

    第二次大戦中にゾルゲ事件で捕まり死刑になった朝日新聞社の記者(尾崎秀実)のことは知っており、現在でも朝日新聞は左翼であり、共産主義の推進機関であると主張する人は多かったものの、正直なところ、「左翼的ではあっても、まさか共産主義は推進しないだろう」と思っていました。しかしながら、1970年代になってから、毛沢東を礼賛する西園寺一晃を採用していたことを知り、やはり朝日新聞には気をつけなければならないと、自分の認識の甘さを反省したところです。