国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(尖閣密約はあったか?)

2010/10/20


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)10月20日(水曜日)
      通巻3105号 
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 「尖閣密約」はあったか? 華字紙が一斉に疑惑を報道
  小泉政権下、川口外相が訪中し、尖閣近海の漁業に密約をさせた?
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 発端は朝日新聞が発行する週刊誌「アエラ」。
 記事の内容は「04年3月に尖閣諸島魚釣島に上陸した中国人7名を、日本側が拘束し強制送還した事件を重く見た小泉政権は、川口順子外務大臣を北京に赴かせ、そのおり、『中国は出漁しない。日本は拿捕したりしない』という密約をかわした」というもの。
 「ただし、この密約は台湾とは交わしていない」ともされた。

 真偽は疑わしいが、このアエラ記事に飛びついたのは、華字紙。とくに台湾の有力紙「自由時報」が報道すると、それを引用するかたちで、多維新聞網、博聞新聞など在米華字紙も一斉に報道した。

 だが、この報道のミソは、「密約があった期間、つまり自民党政権下では日中間に尖閣での漁業問題で衝突はなかった。それを知らない民主党政権になって、(自民党から)尖閣密約が伝えられなかったため、尖閣で日中衝突が起きた」という噴飯ものの分析。

 明らかに、民主党の外交敗北を、別の理由をつけてかばっている点で謀略的報道に臭いがする。
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  (( シンポジウム「尖閣を忘れるな。自主防衛のほかに道はなし」 ))
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シンポジウム「尖閣を忘れるな。自主防衛のほかに道はなし」
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 緊急シンポジウムが開催されます。宮崎もパネラーの一員で出席します。
         記
  とき    11月13日(土曜) 午後一時〜五時
  ところ   新宿 住友ホール(地下一階)
        http://www.bellesalle.co.jp/sankaku/event/access.html

  会費    1500円
  主宰    西部邁事務所 日本文化チャンネル桜
  申し込み  西部邁事務所(3207)3732 FAX(3207)3730
        事前予約が必要です。まだ少し席があります
  <内容>
第一部アピール 稲田朋美 丸山珠代

第二部シンポジウム 「友愛の海か、紛争の海か」
木村三浩 宮崎正弘 水島総、西田昌司、富岡幸一郎、西部邁(司会)

第三部シンポジウム 「戦後を払拭せよーーアメリカからの独立」
水島総、西田昌司、東谷暁、富岡幸一郎、芝山桂太、西部邁(司会)
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(このシンポジウムは事前予約が必要です。会費は当日受付で)。
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  @@@@@@@@@@@@@  読者の声  @@@@@@@@@@@@@@
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(読者の声1)前号の貴見に「まだ調査中なのですが、四川省、陝西省、河南省の書記が上海派人脈なのか、共青団人脈なのか、それらが分かると構造的な全貌が明らかになると思います」
とありました。
かなり複雑の様相です。
四川省の場合、党書記の李奇葆は85年から93年の長きにわたって共青団中央書記処書記を務めた人物ですから、共青団人脈と見るべきでしょうが、省長の蒋巨峰は83年から2000年までずっと浙江省で幹部をやっていたから、上海閥に近いのではないかと思います。
陝西省の場合、党書記の趙楽際は長年ずっと青海省の幹部でしたが、人脈はよく分かりません。省長の袁純清は生え抜きの共青団出身幹部でバリバリの共青団人脈のはずです。
河南省となりますと、党書記はご存知の周強、それこそ胡錦濤の腹心の中の腹心です。
  (HS生、埼玉)


(宮崎正弘のコメント)貴重な情報を有り難う御座います。河南省は趙紫陽いらい、実務派がおさめていますよね。李克強も河南省から出世コースに乗りました。共青団、河南省では人脈あり、ということでしょう。



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(読者の声2)「小日本」は倭人と同じ意味でちっぽけな日本人野郎という意味ですが、成都の反日デモのプラカードに「小二本」とありました。あれは洒落ですか?
 もうひとつ、「回収琉球」を「収回琉球」とありますが、隠れた意図が含まれますか?


(宮崎正弘のコメント)「小日本」(シャオリーベン)は軽蔑、侮蔑の意味を強くこめていてスローガンの多くがそうです。「小二本」(シャオアーベン)となると、89年天安門広場のときにトウ小平(シャオピン)と発音が同じで、ビンを割ることとかけて冷やかしましたが、今回の「小二本」はとくに洒落でもないようです。意味がないのでは?
中国語では、「回収」は名詞、「収回」は動詞です。意味は同じです。香港返還は「回収香港」でした。琉球に関しては「動詞」を用いたプラカードが目立ちました。「沖縄を奪還せよ」という意味です。
メチャクチャな帝国主義的野心を露呈したことになります。



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(読者の声3)ところで神戸大学、京都大学に留学し日本で20年ちかくネットワークを作っている羅悠真という人物がいます。
軍医学校や衛生部高官の親を持つ人物で(支那googleで探査すれば、けっこう著名と分かる)、ここしばらく日本での対要人工作を拡大充実する動きを見せているようです。
汚沢の不敬事件の時にも活躍していました。習近平の側近、来日時の通訳としてです。この人物とその動きの加速する情況が気になります。
(w88生)


(宮崎正弘のコメント)防衛大学に帰化中国人が在籍していて問題になっています(『新潮45』、11月号)。
 このスパイ嫌疑があるかもしれない防衛大学一年生は熊本の母親(帰化人)が日本人と再婚したおりに吉林省長春からよびよせ、熊本で中学卒業後、いきなり少年工科学校へ。そして成績優秀でないとあげてもらえない防衛大学へ合格した。学内で「共産主義研究会」を作ろうとオルグを始めて、おかしいということになった。
 問題は「帰化人」の理由を面接で聞かないという防衛大学の体質。もっとも帰化申請は君が代を歌わせたりの試験がない!(菅首相に君が代が歌えるか、国会で歌わせろ)。くわえて、自衛隊員800名の女房が外国人、うち七割が中国人ということが分かった。
驚くべし。つまり560名前後の中国人妻がわが自衛隊の伴侶。イージス艦の機密を中国に漏らした自衛隊員の妻は中国人だったことをお忘れなく。
諸外国では防衛の高官に、外国人が配偶者の者は外される。日本では将軍クラスにも外国人配偶者がいて、防衛省内で問題になったことはない!
 


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(読者の声4)いま、わたしは北京にたまたま十日ほど滞在しています。日々、中国各地の反日デモがひどくなっていることは、「日本のテレビが連日報道している」という話で聞いておりますが、北京の庶民の大多数は知らない。
或いはまったく関心がない、という感じかと思います。
中国の「世論」や「デモ」は政治闘争の延長でしかないのかな?
なにせ、テレビをつけてもまったく報道していないし、ネット情報はすぐ削除されちゃうし、ユーチューブも開けません。
街は平静です。
(KK子、北京滞在中)


(宮崎正弘のコメント)そうでしょうね。でもUチューブも開けない。開くと反中国デモの写真が多いし。保守系市民団体のデモを、中国はなぜ「右翼」と書くんでしょうね?



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(読者の声5)貴誌3104号の(読者の声1)の池田一貴氏の所見に共鳴です。
第1の小沢一郎批判、的確と思います。
第2.菅内閣批判も同様。満洲事変からシナ事変にかけての、現在いわれるところの15年戦争。日本外交の優柔不断が惹起した中国側の増長。在留邦人とくに婦女子を狙っての意図した乱暴狼藉の数々の挑発の繰り返し。
その実体記録は外務省にあるはずです。
池田氏による現在と過去を複眼的に見通した的確な解明に、全面的に同意。菅内閣の面々の日中近代史についての無知には、東京裁判史観を根底に置いた戦後教育を受けたとはいえ、あきれます。
尤も、松本健一あたりを中国への人脈が多いと内閣参与にする見識?では。受ける方もその程度が知れていますが。彼らにはこの池田氏の識見のわかる余地は無いでしょう。読み応えがありました。
(SJ生)


(宮崎正弘のコメント)松本健一さんは「そんなに(第二次世界大戦の呼称についての)論争があるのなら、いっそ『太平洋・大東亜戦争』と呼称しよう」と主唱し、おっと、それならいまの大学生が「第二次世界大戦はふたつあった。大東亜戦争と太平洋戦争だ」なんていうのと本質的に同じレベルですし。北京も驚くでしょう。



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(読者の声6)先日都内で行われた石平氏の講演で面白い話があったので紹介します。
 往年から共産国家の通例で、シナでは今も街頭にいろいろスローガンが貼り出されていますが (「万国の労働者、団結せよ」の類い)、最近多いのは「警察の車両を焼くのは犯罪である」というものだそうです。
 共産党の世の中が酷いので「三度のメシよりパトカー襲撃が好き」という偉大なる中華人民が増えている証拠だそうです。
そういえば本邦大阪の地下鉄内にはやたらに「チカンは犯罪です」という広告が見受けられるのを思い出して大笑いでした。暫く前の「造反有理」は権力闘争の手段だったようですが、今度の「襲撃有理」はどうなのでしょう?
(都下愚民)


(宮崎正弘のコメント)パトカーを焼く暴動と「反日」は関係がありません。反日行動は公安が脚本演出監督主演ですから。公安の想定をこえると弾圧です。
 ですから大衆は「反日」を口実に、いつか大規模な反政府暴動をやらかすでしょう。
 ウォールストリートのサイトに掲載されているロイターの「反中国デモ」のヴィデオをいると東京のデモ行進に狼藉者が殴り込もうとして警官に取り押さえられている図がありました。外国のメディアは、ともかく日本の保守団体の反中国デモを報道しているうえ、中国を「やくざ」「驕慢」「横暴」と表現しています。日本のマスコミと、えらく違いますね。
 Newsweekは「中国の横暴」という特集、NYタイムズのコラムは「ならず者国家中国」です。日本は「沖縄奪回」などとデモ隊が叫んでいても、官房長官は、ならず者に敬語を使っています。
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  • 名無しさん2010/10/20

    >小泉政権は、川口順子外務大臣を北京に赴かせ、そのおり、『中国は出漁しない。日本は拿捕したりしない』という密約をかわした」というもの。



    確かに、自民党政権の下では、ことを荒立てないようにしていこうとする基本方針はあったのかもしれないけど、拿捕、逮捕を絶対にしないとの方針まであったかは極めて疑問(領有権の放棄に繋がりかねない話だから)



    実際、小泉内閣のとき竹中平蔵氏の下で仕事をしていた某氏は、自身のツイッターのカキコミで、官邸には尖閣についての危機管理マニュアルがあったが、そこでは逮捕を排除していなかったような話を、さりげなく書いていたはず。



    それに、そもそも、上記密約がその通りであったとしても、密約を最初に反故にしたのは、数百隻もの漁船の出漁を黙認(もしくは煽った)中国側にあると言わざるをえないのでは?







    >琉球に関しては「動詞」を用いたプラカードが目立ちました。「沖縄を奪還せよ」という意味です。

    >メチャクチャな帝国主義的野心を露呈したことになります。



    民主党の沖縄の一国二制度とか、菅総理の「沖縄は独立した方がいい」と発言したとかしないとかの話は、中国側に隙を与えているし、さらに、国際社会の中では、中国側の主張が正当であるとの印象を与えかねない危険なもの。



    沖縄の言葉は、現代日本語の祖語と奈良〜鎌倉時代に分化方言化したもので、このことをしても、日本本土と沖縄の関係が古代からのものであることは明らか。



    沖縄についての基本的な知識がないにも拘わらず、民主党、菅総理は、沖縄の一国二制度とか、訳の分からない危険な話を無責任に平然としている。