国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み(在日中国語新聞の尖閣問題報道は?)

2010/10/14

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)10月14日(木曜日)
        通巻3098号 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 尖閣衝突以後、在日中国語メディアは多少、論調が変化したか?
  反中国のデモ、保守の集会を大きく取り上げ、在日華人へ警戒を呼びかける
****************************************

 日本における中国語メディアは五十以上。週刊、半月刊、月刊ならび雑誌を含め、このうちの十二種は池袋で発行されている。
 
 尖閣諸島での日中衝突事件以後、なにか論調に変化があるのか?
 第一にこれまで無視するか、罵詈雑言をならべて非難してきた保守派、とくに中国に批判的な保守系市民団体の動きに注目するようになった。
 
 『日本新華僑報』(10月8日付け)には渋谷で行われた反中国街頭デモと集会を大きく取り上げ、『右翼反華集会 無益中日関係』という記事がある。
 「右翼」と表現する認識不足はおくにしても、この集会には台湾支援の団体や、『妄言』を吐いて馘首された田母神前空幕長が代表をつとめる「がんばれ日本、行動委員会」、『李登輝友の会』が主体で、集まったのはせいぜい800名と海外メディアは報じたが、主催者は二千人以上だと宣伝した等と先入観と悪意をもって書いている。

 ただし中国批判ばかりか『彼らは菅直人首相の弱腰外交を批判し、同時に竹島、北方領土問題を結びつけて、中国が尖閣を将来的に陵奪するだろうと演説していること』、海外メディアの取材が目立ったのに日本のマスコミの取材陣が見あたらなかったことなどに注目している。

 また京都、嵐山の周恩来の記念碑が破損され、福岡と長崎の中国領事館に発煙筒が投げ込まれ、神戸の中国人学校の倉庫が破損され、さらに福岡市で中国人団体の観光バスが右翼の宣伝カーに取り囲まれた事件などを克明に列挙して、在日華僑ならび華人は安全に注意せよなどと呼びかける紙面を作った。

 日本の修学旅行で中国を目的とした団体旅行が陸続とキャンセルされ、日本航空が千名の予約キャンセルに見舞われたと報道する一方で、日本のデパートは中国からの観光客が「救世主」ではないか、とも並立して書いている。

 『網博週報』(10月8日付け)は同じく反中国デモを報道しつつも「反華デモは全国十八カ所で組織されたこと。集会では中国が尖閣から沖縄の制空権を狙い、民主党の弱腰な大衆政策を批判したことなども伝えている。

 そして同誌は言う。「尖閣の衝突で日中関係に変数が伴う」(釣魚島撞船事件為中日関係帯来的変数)(10月8日付け一面トップ)。
  ▲
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  @@@@@@@@@@@@@  読者の声  @@@@@@@@@@@@@@
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)小沢氏関連で一言。佐藤優氏の命名ともいえる「国策捜査」の中核的機関、特捜が強引に推し進めたにもかかわらず、起訴できなかった案件をここまで引っ張る制度をいったい誰が注文したのか? というのが素人の疑問です。
ヒットラー、ケネディで懲りている「少数先鋭が皆でわたれば怖くない」主義(私は「悪しきプラトニズム」と呼んでいますが)の人々にとって最大の脅威は大衆型大型政治家の登場。これをことごとく潰すのが悪しきプラトニズムの情報操作装置マスコミの仕事です。
で、今回も小沢氏潰しにかけるマスコミの意志は凄まじく、自分達の生活がかかっているとの自己認識らしい。
業界保護のために公器をつかうなど、完璧に末期症状でしょう。
 少し歴史を振り返ると、ヨーロッパ中を戦場にした戦争を2回も経験して、西洋の意志はイギリスの金融能力とドイツの科学的軍事力をアメリカで統合する作戦を作り、成功しつつあったと思いますが、まず、イギリス流の金融が制度疲労。アメリカに残っているのは世界覇権国家の情報操作能力と強力な軍事力。
これはある意味ではすばらしく、新興国中国の学ぶ点は多い。米中の関係がかつての冷戦の米ソ関係のような蜜月時代になりうるのかどうか。
小沢氏のスタンスは日本の自立、といういわば極めて分かりやすいスタンス。アメリカべったりの小泉政権が結局自民党を国民から決定的に離反させ、内部崩壊させた。
これをアメリカの奢りと見るか、焦りとみるか。小生は国際政治の盲点は「アメリカ」とか「日本」とかといった国際政治の主体を立論の前提にしてしまう点だと思っています。それぞれが様々な集合の均衡で成り立つあいまいな看板にしかすぎないと思っておいたほうが、無難では(・・とこれは常識か)。
 個人的には民主党は9月に割れる可能性が高いと思っていましたが、これははずれ。反省点は「与党のうまみ」は凄まじく、やはり政権維持意志はあらゆる主義信条を凌駕するらしい、というもの。
もうひとつ予想外なのは自民党の自己崩壊の速さ。尖閣問題で内閣がどう関与したかの責任追及など、かつての与党がする仕事でしょうか。
共産党の出番がなくなる。国防への内閣の関与など当然でしょう。問題はそこにどれだけの政治的装置を介在させ、内閣本丸にフリーハンドの余裕を与えるかではないのでしょうか。
今の自民党執行部は日本の国益と自民党の党利を天秤にかけるキャパすらなく、党利に走っている。国内には米ソ冷戦蜜月時代のソ連の戦略のままにいまだに天皇の戦争責任を追及している人々がいますが、自民党も彼等とおなじレベルに落ちつつあるということ。
ちなみに天皇の戦争責任など、マッカーサーの回顧録によれば、「天皇は「私は、国民が戦争遂行するにあたって、政治、軍事両面で行ったすべての決定と行動に対する全責任を負うものとして、私自身を、あなたの代表する諸国の採決に委ねるため、お訪ねした」。
 「私は、この瞬間、私の前にいる天皇が、日本の最上の紳士であることを感じとったのである」とのこと。
ここで、人間的力量、文明力による勝負はついた。以後は天皇の戦争責任議論など五月の蝿。蛇足ながら、仄聞するに、昭和天皇は会見内容についてはその後「マッカーサー司令官と、はっきり、これはどこにも言わないと、約束を交わしたことですから。男子の一言の如きは、守らなければならない」との約束を貫かれたとのこと。
歴史的には日米の文明力(これは「月刊日本」で山浦氏が良く使っている言葉)の差は証明されていると愚考します。
世を風靡している経済力・経済行為とて、ベースは信頼・信用です。尖閣問題で、日本国の防衛について諸説議論になりますが、再び愚見は「昭和天皇の肖像を刻印した金貨」の国際的流通です。
グローバル経済の流動的決済装置である「円」とリンクしつつ、投機筋の投機意欲を吸収するプレミア通貨「天皇金貨」。
日本の破格の国際的信用力はこの天皇金貨が吸収し、ただちには円には波及しない装置を素人は夢想しています。
(アシカビヒコ)


(宮崎正弘のコメント)産金国でない国が金貨を発行するのは流通、商品市況、世界の金利情勢などから勘案して難しく、日本は発行しないほうが良いと思います。



  ♪
(読者の声2)このたび、神戸の歴史ある湊川神社において、「教育勅語渙発120周年の会」を開催するとの御知らせを頂きました。詳細は以下のPDFをご覧ください。
http://www.minatogawajinja.or.jp/education_pdf.pdf

とき    10月31日(日)午前11時 奉告祭
      午後1時 記念行事  湊川神社にて

 尚、記念行事には講演や鼎談もあり、塚本幼稚園の園児のみなさんによる「教育勅語奉唱」もございます。
私は、今年の楠公祭で大阪の別の幼稚園の園児のみなさんが立派に教育勅語を元気よく大きな声で揃って暗唱する様子のを見て、大変感激しました。
湊川神社の宮司さんは大変素晴らしい方です。今の時代に危機感をお持ちだからこそ、毎回
このような啓蒙を与えて下さることを、企画をされているのではないかと思います。
遠方にお住まいの方は参加しにくいかとは存じますが、神戸に来られる機会がありましたら、是非こちらの神社に御参詣下さい。
  楠公さん(楠木正成公)の志を継ぐ日本人なら襟を正したくなる場所です。
   (CH子、神戸)
 

(宮崎正弘のコメント)はい、小生も神戸に講演に行った折、おまいりさせて頂きました。



  ♪
(読者の声3)本日のCNNでチリの落盤遭難者の救出実況報道で、日本、米国、ドイツなどの支援があったと言っていたそうです。
午後7時のNHKニュースでそれら外国からの支援について触れるか注目していましたが、全く触れずじまいでした。日本も立派な貢献をしていることを、なぜ報道しないのでしょうか。視聴料がもったいないと思います。
(広島市、一老人)


(宮崎正弘のコメント)NHKは国民のための放送局でしょうか、いまも?



  ♪
(読者の声4) 劉暁波氏の受賞発表直後に都内で行われた石平氏の講演会に出かけた。発表直後であるだけにどのような感想があるか興味深かったためである。
「この受賞は劉暁波氏にとって名誉であるだけでなく、ともに闘っている人たちの、また闘いに倒れた同士たちの・・・。」までで。暫しあの元気な石氏の声が途切れた。さもありなん。シナ共産党との闘いは本当に身命を賭するものであろう。故郷を捨て、地位を捨て、命まで賭けて。
それに比べてこの平和ボケニッポン。情けないやら、悔しいやらで内心もらい泣きでありました。ご報告まで。
  (都下愚民)


(宮崎正弘のコメント)受賞の日、ニュースを聞いた直後に大阪にいる石さんに電話しました。彼も直前にテレビを偶然にみて知っていましたが、しばらく声がなく、こみあげてくる感情を抑えきれず、絶句しているのが分かりました。



  ♪
(読者の声5)たまたま見たテレビ、「池上彰の学べるニュース」(テレビ朝日)、今回は『中国の弱点』についての講義でした。
「毛沢東の大躍進での農業政策の失敗で3000万人が餓死した」という話題では、年齢別人口構成比グラフを出し、大躍進世代の人口が大きく落ち込んでいるとともに、その子供の世代でも人口が極端に少ないことを示し、さらに一人っ子政策により日本を上回るペースで高齢化へ進む中国の問題点を指摘。
生まれてくる子供の男女比が、男119:女100となっている現状は男尊女卑の中国農村で、女児は堕胎の対象になりやすいからとも。一人っ子政策では高所得層では罰金を払えば二人目を産めるのに農村部では規制が厳しく、その結果、闇っ子が5千万とも6千万ともいわれる事情を説明。
軟弱な一人っ子が軍隊でいじめられると親が文句を言う、いわゆるモンスター・ペアレントが中国にも出現しているという(ソ連のアフガン侵攻でも同じようなことがありました)、そんな中国軍が本当に強いのか? こればかりは実際に戦争にならないとわかりませんが、張子の虎かもしれません。
テレビ朝日といえば報道系の偏向はひどいですが、バラエティ系ではけっこうまともな中国・朝鮮のニュースが出てきますね。朝日新聞本紙に対する週刊朝日のようなポジションなのでしょうか。
  (PB生)


(宮崎正弘のコメント)一人っ子の弊害は過去に拙著でも何回か問題提議をしています。いまや三十歳以下の中国人の99%が一人っ子です。兄弟げんかも知らず協調性を体得していない大量の甘えん坊が二十年後に、はたしてあの社会を導けるか? 中国版はとやま、とか。が?
 結婚相手も親任せ、BMW,マンションつきでないと嫁がない娘たち、が?
         ○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇みや◆◇ざき◆◇◆◇◆◇◆◇◆まさ◇◆◇◆ひろ◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

<宮崎正弘の最新刊>
 『上海バブルは崩壊する』(清流出版、1680円)
 http://www.amazon.co.jp/dp/486029341X/
 (↑ アマゾンから入手できます!)


<宮崎正弘のロングセラーズ>
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
『猛毒国家に囲まれた日本』(佐藤優氏との対談。海竜社、1575円)
http://www.amazon.co.jp/dp/475931122X/
『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4759311092/
『中国ひとり勝ちと日本ひとり負けはなぜ起きたか』(徳間書店、1680円)
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『朝日新聞がなくなる日』(ワック、945円)
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
     ○◎○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有)宮崎正弘事務所 2001−2010 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • heartail2010/10/14

    いつも大変内容の濃い記事をありがとうございます。初めて投稿します。

    中国とは関係ないことですが、昨夜テレビ見てて腹立たしく思いました。

    たった700m地下から引き上げるチリの救出作業を生放送して、4200万km離れた小惑星から戻ってくる日本のはやぶさの科学技術を生放送しない不思議。

    きょうのメルマガ(読者の声3)で、救出作業に日本が支援していること初めて知りました。具体的にどのような協力をしているのかぜひ知りたいものです。最初、救出までに4ヶ月もかかると聞いてましたが、日本が技術支援すればそんなにかかることはないと思っていました。

    CNNで触れているのに、日本のマスコミが全く触れないのは無能という確信犯ではなく、明らかに日本を貶める意志のある故意犯だと思います。