国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(敵は中国ではなかった)

2010/09/25


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)9月25日(土曜日)貳
        通巻3077号 
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 敵は中国ではなかった。敵は日本の政治の愚劣さ、政権の優柔不断
  ハンニバルが言った。「ローマは敵でなかった。敵はカルタゴ議会だ」
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 毒餃子事件で中国は、いきなり「犯行は日本で行われた」と言った。白を黒と言い張る特質、よもやお忘れ無く。
 石家庄で、フジタの四人が「軍事施設を撮影した」とイチャモンをつけられて拘束された。思い出してください。毒餃子の天洋食品は石家庄です。河北省の省都。いまでは北京から新幹線で一時間55分。

 SARS(新型肺炎)が世界的パンデミック(伝染病)で恐慌に陥ったとき、伝染があまりにも迅速でばたばたと何人も死んでいるのに中国は事件を伏せた。
その結果、事態は深刻化して、あのときは日本からの観光ツアーがぴたりと停まった。筆者は上海から寧波へ行った帰りに特急列車の切符がその場でとれた。そもそもきっぷ売り場が閑散としていた。乗り込むと同じ車両の乗客は、筆者のほか三人だった。上海までずっとそうだった。超満員の鉄道があとにも先にもあれほどがら空きだった唯一の経験。
 SARSの原因は中国なのにかれらは延々とシラを切り通した。

 AIDSでは、河南省だけでも最低60万の患者がいるのに、それを告発した女医を拘束した。国連でも中国AIDS患者を700万人と推定しているのに、中国はいまも60―80万人前後だと言い張っている。
 AIDS対策は後手後手となり、患者への差別は甚だしく、だが中国は『我が国は衛生的である』と虚勢を張っている。
 
 反日暴動(05年)では被害にあったレストランには損害を賠償するからといい、ついに支払いがなかった。日本は静かな抗議を示すために北京の大使館と上海の領事館の施設を破壊されたままとして一年間放置したが、一部例外を除いて(宣伝用)、ついに中国側からの賠償はなかった。

 ならず者船長は25日午前二時、中国があたかも“凱旋将軍用”に飛ばしたチャーター機に乗せられて悠々と石垣空港を離れ福州に向かった。中国では英雄扱いを受けるだろう。
 日本の多くは、この政権の対中屈辱外交を悔やんだ。

 カルタゴの名将・ハンニバルはアルプスを越えてローマの目の前にあり、あと一歩で陥落させられるというときにカルタゴ本国から帰国命令がきた。泪を流しながら、ハンニバルは言った。
「ローマは敵でなかった。敵はカルタゴ議会だったのか」。
 
 そうか、日本の敵は中国というより、カネのためには名誉をすてて屈辱を受けても恥じない我が国の政府だった。
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(読者の声1)今回の日本国政府の対応は、あの不完全な日本国憲法にすら抵触する、最低の行政・司法事象と自認しています。
貴誌にもあった通り、那覇地方検察庁はあくまでも日本国内の法律に則って事案を進行すべき義務が課せられているにもかかわらず、権限外の事由で処分保留を決定しました。
このような日本国民の主権を毀損するような判断は断じて許すことが出来ません。抗告なり、市民による告発なりが出来るなら進んで参加します。
加えて日本国内において、外国人の犯罪者を事実上見逃すという行為は日本国憲法に規定された、国民に対する契約を蹂躙するものと思います。私自身は一介の公務員ですが、このような政府の判断は断じて許すことが出来ません。いわば憲法違反内閣は即刻退陣し、組織上権限を持つ岡崎トミ子法務大臣の外患誘致罪での告発を望みます。
  (地方公立学校教員 MM)


(宮崎正弘のコメント)検察ファッショから、検察不信へ。それにしても「日本は愚民が九割」。



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(読者の声2)貴誌3076号の「読者の声」でレア・アースの件が出ておりますが、テレビのニュースに出てきた専門家の人によれば、「日本が購入しなければ中国が困る、 それは中国人もわかっている」、「日本が1000億円も出せば、中国以外の国で鉱山を開発して需要を賄える」と述べておりました。
ご参考までに。
(静岡・メルマガ読者)


(宮崎正弘のコメント)たとえば金(ゴールド)は80年代まではストラテジックミネラル(戦略物資)の上位でした。南アとロシアに生産が集中していたからです。ソ連は、それを背景に資源戦争をしかけていた(詳しくは拙著『もう一つの資源戦争』、82年、講談社)。その後、金はアフリカ各地のほか、カナダ、豪州、ブラジルに大金脈を発見、そして中国がいまや世界最大の産金国兼消費国となり、そのプライオリティ(優先順位)は下がった。代替できる材料も増えた。
 ダイアモンド(工業用)しかり。アイボリー、中央アフリカ、ジンバブエにも出ます。
 携帯電話などの出現は90年代後半、ハイテク原材料が、ほかのメタルへ移行し、レアアース系列が突如重視される。
 さてご指摘の中国以外の鉱山開発ですが、これは数年を要すること、緊急性が高いときに戦略兵器として交渉の武器につかうので、ストラテジックミネラルなのです。



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(読者の声3)中国漁船船長釈放、ネットでは9月24日を92(国)が4(死)んだ日との書き込みがありました。
夜11時からのテレビ東京のニュースでは中国に拘束されているフジタの社員を人質と報じ、直後に訂正。日経新聞系列のニュースでも本音が漏れたのでしょうか。バラ色の中国進出を煽った日経、WEB版でも今回の事件の報道はなるべく目立たないようなレイアウト。
トップはドコモとサムスンが電子書籍で提携の記事。日経の記事など株のハメ込み・提灯記事と思えばいいのですが、それを真に受けて中国進出して苦労している中小企業にはご愁傷さまとしか言えません。
朝日新聞とは違った意味で偏向していますが、客観性を装う経済記事だけにかえって始末が悪いようです。
  (PB生)


(宮崎正弘のコメント)率直に言って日経は左傾化しましたね。小生が『ザ日経』(上下貳巻)を書いた頃、1980年代半ば、まだ日経は中国報道をのぞいて健全でした。あれから入社してきた若い記者たちが、日教組教育下の優等生だったのですね。
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(休刊のお知らせ)小誌は9月26日―27日を休刊します。地方旅行のため。
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 454回】                     
      ――この世界は・・・仁人君子VS奸邪凶悪奴才小人である
              『中國比小説更離奇』(鐘祖康 玉山社 2009年)
  

 △
 痛快極まりない本である。なにが痛快といって、開巻第1頁に置かれた「極めて奇怪なことは、中国人は万事に亘って礼を以って根本とするが、じつは世界で最も人を欺く民族である」との一文だ。
モンテスキューの『法の精神』からの引用したとか。

 著者は同じ中国人ながら、いや中国人であればこそだろう。ともかくも中国政府と中国人に対する徹底した批判を展開する。そのいくつかを思いつくままに拾ってみると、
 「中国人が如何に邪悪であるかを記した歴史的記述の10のうちの9は信じられる。 
 「(漢字8億文字で書かれた)『四庫全書』の全文を調べると、『人相食(人、相イニ食ス)』が1008回、『易子而食(子ヲ易エテ食ス)』が236回現れる。詳しく読むと凡てが事実であり、修辞学上の誇張した表現ではないことが判る。そのうえ食べるだけではなく、公然と販売しているではないか。

「中国の統治者の政治宣伝は西洋人の遥かに上をゆく。加えるに中国では、(奴隷として扱われる)農民と奴隷の主人の大部分が同じく黄色い肌と黒い髪の漢人だ。そこで、中国において農民が家畜として遇されていることが『人種差別』『民族浄化』といった類の極めて重大な人権問題であるにもかかわらず、国際社会で一向に問題視されないのだ。

 「(最新の研究成果によれば凡ての人類はアフリカを起源とするのだが)中国大陸だけが政治的要因から、この世界的な研究成果を無視したままだ。その第1の理由は、中国政府が中国の学術界を厳格に規制・操作し、彼らに多大な政治的任務を負わせていること。中国人の起源問題は、その典型といえる。第2は大部分の中国の学者が熱狂的で盲目的な大漢、あるいは大中国主義者で占められていること。学者ではなくアジテーターだ。

 「中国人は世界の広さを知らず、中国こそが絶対であり、凡ての外国人は野蛮で、中国を王と崇めていると思い込んでいる。そこで、中国の基準で世界に対応しようとする。

「さらに許し難いのは中共の主張する民族主義が極めて極端で狭隘であり、その内実を政府が任意に定めるばかりか、デタラメ極まりない基礎の上に成り立っている。つまり中国人の民族主義は、中国人の始祖は中国の大地から生まれたという甚だナンセンスで科学的根拠が皆無な基盤に根ざしているとうことだ。

 「中国人の起源は中国にはないという科学的に証明された厳然たる事実は、笑うべきことに中共当局のみならず多くの中国民族主義者にとっては断固として受け入れ難いことなのだ。民族主義こそ、中共統治者という溺れる者が摘む最後のワラとなっている。

 「アフリカで生まれた人類は何万年の時を経て進化して優れて文明国家の仁人君子となり、退化して中国に奸邪凶悪奴才小人を大増産してしまったことを思うと憂鬱極まりなく、中国人としては暗澹たる自己否定の深淵に陥ってしまう」

 かくて著者は、古来中国の英雄豪傑が成功した秘訣は「臉皮要厚(ツラの皮を厚く)」し、「心要黒(より邪な心)」を持ったからだ、との結論に達する。

 確かに、著者の主張には熱烈な拍手を送りたいし、「臉皮要厚」「心要黒」の説は大いに納得できる。だが著者もまた中国人であればこそ「臉皮要厚」「心要黒」という生き方をしてはいないのかとの疑問が湧く。眉にツバして、この本を読み返すべきだろう・・・か。
《QED》

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  • 名無しさん2010/09/25

    >そうか、日本の敵は中国というより、カネのためには名誉をすてて屈辱を受けても恥じない我が国の政府だった。



    元在日外国籍人の政治家をどうこう詮索するつもりはありませんが、こうなってくると、そういった政治家は、できれば閣僚には入れない、閣僚でも日本の国益と外国の国益とが衝突するような所轄には関与しない配慮が考えられてもいいのかもしれませんね。



    本人はそういうつもりはなくても、どうしても日本の国益、日本の名誉に対する認識が希薄であるとか、また、まだ外国籍の親族に気を使ってしまうとか。



    米国でも、例の慰安婦問題でその中心で動いている政治家が日系米国人(ホンダ)であるのは、利害が直接係る韓国系米国人政治家であると一般国民から白眼視されるためと聞いたこともあります( 元外国籍人の政治活動の場を一定制限することは、差別とかには当たらないのでは? )



    今回の尖閣問題に関連して言えば、某官房副長官も1975年に帰化した元在日外国籍人とのことですが、一連の尖閣問題を仕切っていたのが仙谷官房長官であることを考えると、官房長官にもっとも近い某官房副長官のあり方は考えたくもなります。