国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(日銀の単独介入に欧米が強い反発)

2010/09/16


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)9月16日(木曜日)貳
        通巻3061号 
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 円安めざし2兆円の為替介入に欧米で強い批判、「不公平」「非常に困惑」
   一日33兆円の為替市場で砂漠に水と終わるか、90円台に戻せるか?
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 欧米勢も中国も、まさか弱体政権の日本が単独で為替介入に踏み切るとは思っていなかった。「想定外」の突如介入は一ドル=82円台から85円台へ、およそ3%の円安効果をあげ、日経ダウも高騰に転ずる。
 しかしこれは菅政権の不退転の決意と認定するには時期尚早だろう。

 第一に世界の為替市場は一日4兆ドル(33兆円内外)、9月15日の日銀の介入は2兆円。砂漠に水を蒔いた程度だが、ひきつづきロンドン、NYでも単独介入を続けた(ただし円ドル市場は一日4兆円強の世界だから、貳兆円介入は劇的効果をあげやすい)。
しかも「不胎化」(通貨供給量をそのまま市場に残す)で二重の目的をもつため、このポイントにも欧米は異常な関心と警戒心を抱いた。

 第二に欧米がすぐさま強い批判をしめしたこと、歓迎ではないのである。この心理状態は投資家の思惑から離れていたための反発でもあるだろう。
 英紙「フィナンシャルタイムズ」(16日ネット版)は「市場に不公平観がただよう」と日銀への批判に転じ、米国ウォールストリートジャーナルは「世界的潮流に棹さして跳ね上がる日本」という見出し、「単独介入は不公平」とした。
米議会公聴会ではレビン議員が「非常に困惑している」と述べた(同公聴会は人民元の作為的安値政策批判が目的だったのに途中から円ドル介入批判となった)。

それにしても欧米の論理は身勝手すぎはしないか。過去にスミソニアン合意、プラザ合意を日本に押しつけたときは「国際協調だ」と強弁を展開して日本に犠牲を強いたが、日本が国益のために単独介入すると「国際協調に反する」と姿勢をかえる、そのカメレオン的態度。これって君子豹変とも言いますが。


▲単独介入が失敗するとき

第三に効果への疑問視だ。
「単独介入」はけしからんとウォールストリートジャーナルの論調は過去の失敗例を羅列する。
ユーロ安、スイスフラン高に業を煮やしたスイス国立銀行は2010年7月に単独介入に踏み切って、じつに1100億ドルを投じた。
にもかかわらずユーロは12%安くなった。「日本の介入は3%円安となったものの、円は五月以来、ドルに対して14%高くなっている」(同紙)。

 だが日本の過去の介入は継続的かつ大規模であった。
 1995年4月、一ドル=79円75銭という史上最悪の円高に見舞われた日本は為替介入に踏み切り、8%の円安効果を実現、同年末には23%の円安という効果を上げた。
 ついで2004年3月からの介入は35兆円を注ぎ込んだ。

第四に欧米の市場関係者が指摘するのは中国との関連である。
つまり最近の円高は欧米の為替操作が原因ではなく、中国の日本国際買いが主因とする分析であり、「日本は中国に国債を買うなと言えば良い」のであり、為替介入では効果を上げまいと飛躍的な論理展開をしていることは注目に値する。
日本の国債残高は800兆円、中国の日本国債買い増しはせいぜい3兆円。相場全体に影響力はない。ただし円高に拍車をかけたことだけは事実であるが。。。

さて問題は今後である。
いったい政府日銀は30兆円規模の介入決意をもっているのかどうか。欧米の批判や中国からの横やりをはねかえし、いつまで介入を継続できるか、その決断力が問題である。最後まで闘う決意でやるのなら評価できるが、途中で介入への決意が揺らぐと、逆効果に陥りやすいからである。
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