国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(北のミグ21,ロシア亡命を試みたのか)

2010/08/19

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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)8月19日(木曜日)
        通巻3039号  
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 中国遼寧省にあらわれた国籍不明機は北朝鮮のミグ21だった
  ロシアへ亡命途中だった、と華字紙と欧米メディアが伝えている。
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 17日午後三時ごろ、中国遼寧省の省都瀋陽の東にある撫順郊外、松岡村のトウモロコシ畠に「国籍不明」の戦闘機が墜落、パイロットが死亡した。
 マスコミは一斉に現場に駆けつけたが、すでに軍によって周辺一帯が封鎖され、現場の写真は新華社から配信された。

 18日の華字紙は一斉に、この国籍不明機は北朝鮮のミグ21とほぼ断定した。
 朝鮮戦争時代の主力戦闘機ミグ15の改良機で、北朝鮮でも現役を引退して、練習機として使われている。

 韓国軍事筋によれば、レーダー観測により、この墜落機は新義州の訓練基地を飛び立って鴨緑江上空で訓練中に編隊を離れ、撫順上空からロシアへ向かおうとしていたらしい。
 ロシアへ亡命する途中、エンジン故障で墜落という見方が有力となっている。

 それにしても、ひとつ明らかになったことがある。中国のレーダー網は、北朝鮮側へ「死角」が存在しているのではないのか。新義州から撫順まで、およそ160キロ。いかにミグ21が低空飛行としてきたとはいえ、相当の距離の進入を許したことになるからだ。
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宮崎正弘の最新刊『上海バブルの崩壊』(仮題、清瀧出版)は9月10日発売決定!
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◎ブックレビュー◎ ●BOOK REVIEW● 書評 ◎ブックレビュー◎
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 猛暑の不快を、左翼の虚妄と同時に吹き飛ばす快著
  シリーズ五番目、ますます筆法するどく、

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高山正之『偉人リンカーンは奴隷好き』(新潮社)
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 ご存じ偏見自在シリーズも第5弾。(「変見自在」でした。失礼)。
 世の中の常識なるものの虚妄をペンの力で粉砕し、とりわけ朝日新聞の欺瞞と偽善を難詰し始めると、このシリーズの筆者は異様な能力を発揮し、わずか数行で朝日進歩史観とか「ギゼン」の固まりのようなブンカジンの嘘を白日の下に晒してしまう。
 高山刀、乱麻を絶つの風情だ。
 なにしろこの高山さんの『週刊新潮』巻末に連載コラムは、人気沸騰、巻頭グラビアを飛ばして巻末から読む人が夥しい。
 表題のリンカーンに関して言えば、かの「人民の人民による人民のための政治」とかのゲティスバーグ演説。じつは長い長い演説で、しかも炎天下におこなわれ誰も聞いていなかった。あとで文章だけが残り一人歩きしたという事実を嘗て評者(宮崎)も拙著『アメリカンビジネス常識の嘘』(1985年、日清報道、絶版)のなかで指摘したことがある。
高山さんの本ではリンカーンは奴隷解放をいったものの本人は奴隷好きだったというギゼンの最たる正体が暴露されている。
そういえば独立宣言をかいたジェファーソンも黒人の隠し妻(というより二号)を所有していた。奴隷を輸入するより女黒人を輸入して「ブリーダー」である白人男が奴隷を量産したのが史実。メイフラワー号でやってきた聖教徒とて最初はインディアンから食料を貰い、やがて彼らを虐殺して土地を奪った。米国の最初の奴隷はイギリスからの女囚だった。
 常識がすっかり覆って爽快な読書感が湧くのも、猛暑中の読み物であるが故か。
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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 434回】                     
――アメリカの中国研究者が語る中国研究の限界
『知の帝国主義』(P・A・コーエン 平凡社 1988年)
 

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日中関係を考える場合、これからは愈々もって問題になってくるのがアメリカにおける中国観ではないか。“俗耳”に心地よく聞こえる日米中正三角形論のような“俗論”を好んで口にする“俗人”たちは、はたしてアメリカの中国観について真剣に考えたことがあるのだろうか。それも、日本とのかかわりの中で。

大上段に振りかぶって考えることでもなかろうが、外交政策が政治家の一時の思い付きや趣味嗜好で身勝手に進められた時、後世に大禍根を残し、大迷惑を被るのが国家・国民であることは、普天間ダッチロールに始まり韓国への謝罪から個人賠償発言まで、「政権交代」を果たして後の一連の民主党デタラメ外交が如実に示している。

やはり情緒を排し相手国を如何に解釈し見徹すかという地道な学問的営為と、彼我の総合国力を如何に判断するかという冷徹な自己認識と、国際環境に置かれた自国の劣勢を如何に優位に転じさせるかという政治的膂力などを湊合させないかぎり、マトモな外交など望むべくもないはずだ。

「アメリカ人は、他の西洋人とともに中国史の舞台に登場し、中国史の形成に直接的役割を演じた。だが我々アメリカ人中国史研究者はまた、歴史家としての立場で、中国史を解釈するための学問的パラダイムを作り出すことにおいても指導的役割を演じてきたのである。それゆえにアメリカ人は中国に対し、二つのレベルで権力を行使してきたことになる」と考える著者は、この本を通じて「アメリカの中国研究に検討を加え、さらにそのことを通して、思想的次元における中国とアメリカの関係という、より包括的な問題をも直接的視野に収めようと」努めている。

著者はアメリカにおける一連の中国研究、ことに近現代研究が!)アヘン戦争がもたらした「西洋の衝撃」に対する中国の反応。!)アヘン戦争以後の近代化への試行錯誤の過程で生まれた牢固たる中華伝統との葛藤。!)アヘン戦争から毛沢東中国の誕生までの1世紀余の中国が抱えた問題の原因は帝国主義――こういった「西洋中心的」な分析視点に傾き過ぎていたと指摘した後、「中国自身に即した」物指による中国研究を提唱している。いいかえればアヘン戦争という西洋による中国侵入以前にすでに中国社会は変化していた、ということ。

おそらく著者の提唱の根底には、アヘン戦争がなかったとしても清朝は早晩崩壊せざるを得ない運命にあったという考えと同時に、文革にせよヴェトナム戦争にせよ、ここに挙げた3つの分析視点では中国は解釈し得ないという反省もあったはずだ。

この本が出版された翌年の6月の天安門事件の発生を、当時(いや、現在も)、!)小平VS趙紫陽の権力闘争、頑迷保守派VS民主派などの構図で捉えがちだが、これを「中国自身に即した」物指に照らすなら、「民主派」が要求した“改革”が共産党秩序の安定のために必要な仕組みと相容れなかったことに起因する、ということ。

だから!)小平は、断固として秩序を選んだ。であればこそ現在がある。あの時、民主派が勝利し共産党組織が崩壊していたら、文革初期に毛沢東派が紅衛兵を唆し、奪権闘争の名のもとに既存の共産党組織を解体させ、全国を混乱の坩堝に叩き込んだ“悪夢”が再現されていただろう。老世代を追放し趙紫陽が政権を握った場合、独裁体制を布いた可能性はなきにしもあらず。

そこでいま必要なのは「中国自身」ではなく、「世界の秩序に即した」物指だろう。
《QED》

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『朝日新聞がなくなる日』(ワック、945円)
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 ◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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