国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(朱容基前首相の娘と息子)

2010/05/26


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成22年(2010)5月26日(水曜日)弐
       通巻2977号 (休刊前の臨時増刊)
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 深センの台湾系部品工場で自殺ブーム? 重労働、搾取が原因ではない
   市当局も調査に乗り出す異常事態。一月以来、9名が自殺した。
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 5月25日に九番目に犠牲者が出て、ネットで噂が飛び交った。
 よほどの重労働か搾取が行われているに違いない、と。
 広東省の九龍半島の南端、香港にへばりつくようにある経済特別区の深センにあるFOXCOM(中国名はなぜか日本企業の印象=富士康)は台湾の大手企業「鴻海精密」の現地法人。
従業員はなんと42万人!
 
この企業はコンピュータ部品などの製造で有名である。というのも納入先がデル、アップル、HP(ヒューレット・パッッカード)など米国系が多い。
だから日本のマスコミはほとんど報じなかったが、NYタイムズなど大きな扱い。

 一月以来、十一名が自殺を試みて、うち九名が死亡、弐名が瀕死の重傷のまま入院中。ほとんどが飛び降り自殺だった。会社側は「いわれるような搾取工場では断じてあり得ない」と記者会見した。

 ヘラルドトリビューンは「自殺とその人まね、その伝染病的現象ではないか」と冷静な分析(5月26日付け)。
「中国の自殺率は十万人に14名で、この場合、FOXCOMにおける自殺率は、全国平均よりも遙かに低いレベルでもある」と同紙は続けている。
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(休刊のお知らせ)小誌、講演旅行のため明日5月27日から30日が休刊となります
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朱容基前首相の娘が中国銀行香港の副総裁格(副頭取クラス)に御出世
   ネットには「彼の息子は無能で汚職まみれ」と書き込みの山
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 朱容基前首相の辣腕ぶりはつとに有名、清廉な政治家としても知られた。在任中は人気が高く、しかし裏の実態は知られていなかった。
 
 娘の朱燕来は先頃、中国銀行の香港支社系列の金融機関副総裁に出世したことがわかった(多維新聞網、5月26日)。銀行の投資戦略をきめる部署で、ほかに副総裁格はふたり。

娘の朱燕来はカナダへ留学、社会学修士の学位取得後、中国銀行カナダ支店、香港支店を経て、現職。政治的発言の履歴はないという。

 息子の朱雲来のほうは米国留学で博士号取得ののち、中国国際金融有限公司の会長を務めている。
 しかし息子の評判は悪く、ネットには「あの無能者で汚職まみれの朱雲来が?」と書き込みの山という。

 (朱容基の「容」は金偏)
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●◎ブックレビュー◎●BOOK REVIEW◎●書評◎●ブックレビュー◎●
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 終戦直後に義務を果たさない同胞がおびただしく出現すると予言
  日本の共同体の基幹にある家族の絆と秩序が崩壊するだろうと福田節

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福田恒存『福田恒存評論集 16 否定の精神』(麗澤大学出版会)
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 いよいよ福田全集も大団円。第十六巻が配本された。残りはあと四巻と別巻一。
この巨星の思想家、批評家だった福田恒存の全貌が、全集で明らかになるわけだが、今回の配本は昭和24年に刊行されて以来、じつは新潮社版選集、文春版の全集に収められなかった『否定の精神』『現代住居論』『第三の椅子』『考えるという事』が収録されている。
 したがって初めて読む文章ばかり。
戦後生まれの評者(宮崎)が福田恒存を読み出したのは戦後も戦後、昭和四十一年頃からだから既にその時点でも絶版になっていたわけだ。

 福田は「ニヒリズム」に関してかく書く。
 「幸福をめざさぬ思想はニヒリズムだ、と。そうには違いない。が、それはこういう風に言い改めるべきだ。
 ニヒリズムの匂いのしない思想は幸福を論ずる資格をもたぬ、と」。

 初読の「否定の精神」の箴言めいた箇所を読みながら、昭和二十年初頭を挟んで本書に納められた緒論は、戦中から敗戦、戦後のどさくさという大混乱のなかで、思想の軸足を動かさず、動乱を冷静にみつめていた福田が、はやくからサルトルの欺瞞生に着目していた経過が手に取るように飲み込めたことは収穫だった。

 また福田は収録のエッセイ、「第三の椅子」(初出は昭和二十三年)の中にさりげなく、こう書いた。
 「ぼくたち日本人は神や理想というものをついに持たなかった国民である。僕たちにはエゴイズムを否定し、生と現世とを抹殺してくるいかなる観念もありはしなかった」(中略)が、「なにか確信ににたものの存在をたえず感じ取っていた」
 「それは家庭の秩序の維持ということである。このまことに封建的な努力がぼくにエゴイズムを抑圧する自己完成の観念を教えてきたのだ」
 そしてもし、この家庭の秩序の維持が象徴する価値に対して「なんらの義務感をも感じないということになれば、ぼくたちは完全な精神の無政府状態に陥り、過去の封建的秩序に対してのみならず、あらゆる秩序にたいする義務感をーーーすなわち義務感そのものを喪失するに至るであろう」。
 この福田の予言はあたった。
 福祉と子供手当を要求し、生活保護を要求し、国からもぎとることだけに専念しても国民の義務を果たさない人たちが、政権のトップにいるではないか。そして現代日本は「精神の無政府状態」に陥ったではないか。
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<<<<<<<<<<<< 読者の声  >>>>>>>>>>>>
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(読者の声1)昨年のオバマ来日・訪中のパターンと全く同じと言ってよいヒラリーの行動は日本軽視、チャイナ様重視の露骨な表現でしょう。
 さて漢詩に多少の興味を持つ者として貴紙前号で、ヒラリーが引用したという漢詩について少しく解説しましょう。
出展は南宋の詩人、陸游の遊山西村と題する七言律詩です。
以下にその全文を示します。

莫笑農家臘酒渾
    豐年留客足鷄豚
    山重水複疑無路
    柳暗花明又一村
    簫鼓追隨春社近
    衣冠簡朴古風存
    從今若許閑乘月
 柱杖無時夜叩門 (柱は正しくは手偏)

先生の引用された「山窮水尽疑無路」は「山重水複疑無路」もあり、後者の方が本来の形のようです。
詩の大意は或る村人から招待され、心のこもったもてなしを受けた喜びをうたったものですが、引用部分に意味を込めたのではなく、最後の2句こそ言いたかった部分だと思われます。
    從今若許閑乘月
柱杖無時夜叩門

「これからも訪問してよろしければ、杖をつきつつ夜分におじゃましましょう」の意です。つまり米国はチャイナ様と仲良く致しましょうのメッセージです。
なお詳しく知りたい方は、現在放送中のNHKカルチャーラジオ「漢詩を読む〜漢詩の来た道(宋代前期)」のテキストが参考になります。
(ちゅん)


(宮崎正弘のコメント)英語訳文をまだ見てはいませんが、漢詩の引用箇所は華字新聞からとりました。
ヒラリーの周囲にも知恵者がいるようですね。
ついでに話は飛んで、沖縄訪問の鳩山首相が仲井真沖縄県知事と会見したおり、会場に屏風が飾ってあり、さりげなく漢詩が書かれていましたね。
専門家に聞いたところ、あれは沖縄独立の気概をうたった近代の名辞だそうです。
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創刊日:2001-08-18  
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  • 名無しさん2010/05/28

    6月23日実施予定の

    講演会について、よろしく掲載

    下さいますようお願いいたします。

     

     



     

    養賢義塾 開校 記念講演会

    「美しい伝統文化と自主の正義を胸に、誇りと名誉を取り戻そう。」

     

    講師  田母神俊雄 氏 (前 航空幕僚長)

         西村  真悟 氏 (前 衆議院議員)  

    主題  「日 本」

     

    日時 平成22年6月23日(水)

        午後6時開演(5時開場)

         〜午後8時30分

    場所 東京エレクトロンホール宮城

        (前名称 宮城県民会館)

        仙台市青葉区国分町3-3-7

        電話022-225-8641

     

    入場料 3,000円

     

    主催 養賢義塾

        仙台市宮城野区燕沢1-4-28

        TEL・FAX 022-251-1845

        

    お問合せ 090-8618-6000(増本和司)

     

     

    以上 よろしくお願いいたします。