国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(大連で金正日の車列と遭遇)

2010/05/05


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010年)5月6日(木曜日)
          通巻2958号
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上海万博不振、中国株下落の環境を狙って金正日が訪中
  鳩山の普天間ダッチロールを中国人は拍手喝采していた
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 中国取材から帰国しました。
衝撃的とも言える印象の第一。鳩山ダッチロール政権を中国人は拍手喝采していました。
米軍基地問題でのごたごたは鳩山が火に油を注いで沖縄県民に反米ナショナリズムを植え付け、日米関係がガタガタ。
これは中国人からすれば欣快な事態。喜んでいました。

 さて今回、連休を利用した筆者の取材旅行では、まず北京乗り換えでロシア国境の町=黒河に入り、関東軍司令部のあった孫呉で司令官官邸跡など見学し夜行列車でハルビンへ南下して東へバスで三時間の方正県へ。

それから飛行機で瀋陽へ南下し、錦州をまたぎ、百五万の満州引き上げを運んだ港の胡廬島、そのご、北上し日露戦の裏玄関だった営口へ。
さらに去年から解放された旅順市内をみて、大連へはいるという強行軍でした。

 各地で印象的なことが多くありますが、とくに方正は残留孤児のメッカ、町中の看板が日本語混じりで、滑稽な風景でした。聞くと方正県からの日本への帰化は四万というではないですか。

 五月三日、大連に入り、夕食を摂ろうとした頃、繁華街で突如、40分の信号待ち。
最初は交通事故かと思ったのですが、あまりに信号待ちが長いので偵察に赴いたところ、48台の車列。
「偉い人が通る」。
「胡錦涛か、習近平か」と噂するうちに道路封鎖が解け、やっとレストランへ辿り着きました。

 食事が終わる頃、噂が噂を呼んで、店の人間が曰く。どうやらVIPは金正日だということが判明。「キムジョンイル」は中国語では「ジンゼンリ」。

食事が終わっても道路が封鎖されており、また30分待ち。店の真ん前を金将軍の車が通る。
「ん?二度あることは三度ある」。

大連市民は「理解しがたい国から理解しがたい指導者がやってきて交通渋滞、道路封鎖は迷惑だ」と言い合っていました。

中国のマスコミは一切報道せず、東京へ電話したところ、各社、北京から大連へ飛んだ由(5日現在も金は天津にいるが、中国国内の報道はない)。

翌日も朝九時前に大渋滞で40分。幹線道路を封鎖。帰国後の新聞を見れば、大連港近い企業を視察したとか。まさに筆者はその時刻に隣の場所にいました。おかげで金正日の車列を三度も目撃することに。
こんどは41台。十番目の長いリムジンがそれらしい」との噂が飛び交う。

そういうわけで大連の予定はすべてキャンセル。そのまま飛行場へという「被害」にも遭遇しました。
しかし、同行のコラムニスト、高山正之氏いわく。「ジャーナリストとして、これほど幸運なことはない」。

 某大手メディアの友人は「金正日とそうそう出会えるものではありません。ラッキーでしたね。今回は共同通信やNHKのカメラマンが宿泊先のフラマー(富麗華)ホテルに出入りする金正日の姿を誰にでも分かる形で、明白に捉えたことが訪中の事実を動かぬものにしたようです。沈黙する中国メディアの中で唯一、「CHINA DAILY」や「環球時報」が外電や聯合通信電をつなぎ合わせて金訪中を伝えていたのは驚きです」との感想でした。
 くわしくは後日。
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(読者の声1)上海万博も始まりましたが、いやあそこは、中国は面白いものがいっぱいです。
英語ができる人は特に面白い。
CHINGLISHの数々をまずはごらんあれ、です。
http://www.google.co.jp/images?hl=ja&rlz=1T4GFRC_jaJP316&q=chinglish&um=1&ie=UTF-8&source=univ&ei=epHfS_2iFcqLkAWglPyzCA&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=5&ved=0CEAQsAQwBA


(宮崎正弘のコメント)上海万博というより上海万パクリ、予想に反して入場者半分という。パクリの影響ですかね?



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(読者の声2)あるブログに下記の書評がありました。
「宮崎正弘・佐藤優『ロシア・中国・北朝鮮 猛毒国家に囲まれた日本』海竜社 この本のタイトルは、おっかないが、中身は面白い。特に新しいのは、ロシア帝国主義(ソ連崩壊後のロシア)と中国覇権主義の文明論的比較である。これは、最近では初めて、と思われる。たとえば「金より友情が大切なロシア人」「友情より金が大事な中国人」とか「あの世を信じない中国人」「来世を信じているロシア人」などという面白い比較がぼんぼんと出てくる。一読の価値がある」(引用止め)。
   (FT子、東京都)
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◇樋泉克夫のコラム ◇樋泉克夫のコラム ◇樋泉克夫のコラム ◇樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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 ――いまこそ思い起こせ「我われの偉大な時代」を・・・
     『紅色的道路』(寧宇 上海人民文学出版社 1973年)



冒頭の「内容提要」が「著者は満腔の政治的熱情を込めて我われの偉大な時代と時代の主人公を高らかに讃える。工業戦線の目を見張るような躍進を描き、広大な砂漠を緑豊かな沃野に変える壮麗な事業を歌い上げ、製鉄所の労働者、造船所の工員、海辺の漁民、開墾兵士の溌剌とした様を克明に記す。
作品は絢爛多彩な生活を活写し、ことばは華麗に鍛え上げられ含蓄深く、深甚な意味を映し出す」と説明しているようにこの本には労働者の雄々しく働く姿や社会の劇的な変化を讃える長短51編の詩が収められている。

とはいえ、以上の評は大袈裟に過ぎるというもの。その多くが社会主義クソ・リアリズムとしかいいようはなく、いささか冷静になって読み返せば噴飯モノ。
大の大人が恥ずかしげもなく・・・といいたいところだが、なかには意味深く感動モノ、いや涙なくしては読めない作品がないわけではない。

その代表が「拾え!一寸の鉄、一寸の鋼」と題された作品だ。1960年8月の上海での詩作ということだが、なにはともあれ拙訳を。

「手のひらに一筋のくすんだ光、一寸半ばかりの針金を甲板に捨てる――嗚呼、また掴んでしまう、今度は鋼板の切れ端か、ポイッと捨てる。/「拾え!」、師匠の罵声に慄き、怒りの眼光に射すくめられる。

厳命に似た口調、まるで十トンの鋼鉄の重りのように、わたしの心に圧し掛かる。/拾え! 一寸の鉄、一寸の鋼。/船台の下、高炉の前、機械の脇で・・・我らが驕り高ぶる心が気儘に捨て去り、幻としてしまった数多の鋼鉄工場。/拾え! 一寸の鉄、一寸の鋼、滔々と波打つ稲の海、麦の波は、鋼の鋤、鉄の鍬を呼んでいる。新たに見つけられた油田は、鋼鉄の掘削機を求める。/嗚呼、壮麗なり、共産主義のビルディング、鋼の柱を、鉄の梁を。一寸の鉄、一寸の鋼、それを溶鉱炉に投げ込め、労働者から迸る魂の汗、真っ赤に溶ける鉄、高鳴る胸の時めき・・・/恥じ入りながら針金を拾い、またペンチで掴む。一寸の鋼を溶鉱炉に、残った半寸をも、溶鉱炉に還そう!」

1958年に毛沢東の大号令の下で始まった大躍進政策は程なく破綻し、前後3年間で中国に4000万人といわれる「非正常な死」をもたらす。
餓死である。

いまは、その責任の全てを毛沢東の暴政に負わせようとするが、如何に暴君とはいえ、彼1人の責だけで負えるものではない。中国人が諸手を挙げて馳せ参じ、鉦や太鼓で沸きあがったことが毛沢東の背中を強く押し、国を挙げて悲劇の道を突き進んだということだろう。

当時、毛沢東の鉄鋼増産の大号令に呼応し、国民は鍋や釜、窓の鉄枠まで供出して、「土法炉」と呼ぶ手製の溶鉱炉もどきに放り込み、裏山の木々を伐って燃やし鉄を作った。これで、まともな鉄が出来るわけがない。

四川省では住民が火葬場に押しかけ、溶鉱炉代わりに使わせろと捻じ込んだ。溶鉱炉としては使えないと抵抗する職員は、「お前は毛主席の教えに背くのか」と反革命分子として吊るし上げられた、とか。涙なくしては語れない笑い話そのものの愚行が、全土でみられたらしい。この詩も、そんな笑い話の1つだろう。

落ちている針金を拾い溶かしたところで油田の掘削機やビルを支えるような良質の鉄骨ができるわけがない。
なまくらな鋤や鍬が関の山だ。とはいえ「一寸の鉄、一寸の鋼」を捜し求めて地を這いずり回ったであろう時代から半世紀ほど。現在の中国は食糧から資源までを欲望のままに爆食中だ。あの時代のモッタイナイ精神が、無性に懐かしい。
《QED》
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