国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(カンダハル作戦が近い)

2010/04/27


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010年)4月27日(火曜日)
        通巻2956号
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カンダハル決戦を前に米軍は現地でなにをしているのか?
  タリバン支持派を分割説得、テロの指導者を密かに排除作戦
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 マルジャ征討作戦から貳ヶ月を経た。
 次は最大の難関カンダハルである。カンダハルはアレキサンダー大王が最初に築いた砂漠のオアシス。
アフガニスタンで例外的な大都会であり、タリバンの聖地だ。

 米軍は静かに近郊の村々から入り、有力者の説得、タリバンからの離脱を勧告する一方でテロ指導者の物理的排除(暗殺を含む)を実施しているが、劇的な変化は見られない。
 相当数のタリバン指導者を排除したともいう。
 市内はアフガニスタン軍が警備にあたっている。
 
 しかし作戦が円滑に行かないのは現地部族の米軍への不信とアフガニスタン政府への不信である。そもそもカンダハルは行政が機能しておらず、住民は昼は政府支持、夜はタリバン支持に変わる。

 最大の理由は「カンダハルを治めるカルザイ大統領の弟ワリ・カルザイが、麻薬ビジネスの黒幕でもあり、現地の評判が悪いからだ。アジズラ・ヤルマル(カンダハル副市長)もタリバンによって暗殺された(26日)が、住民に動揺を与えないよう情報は秘密にされている」(ヘラルドトリビューン、4月27日付け)。

 しかし本格攻勢を前に少しでもタリバンの戦力を弱めようと米軍特殊部隊が目立たないほど小班にわけて現地へ浸透している。カンダハル市内では米軍の目立った存在は確認されていない。

過去数週間の動きは戦場の拡大を回避する作戦をとっているという。
 カンダハルにおける戦闘は近い。
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(休刊のお知らせ)小誌は黄金週間中、休刊します。4月28日―5月5日。
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(読者の声1)貴誌に樋泉克夫先生のコラムの紹介があり、万人坑の正体について言及がありました。
「共同墓地」というのは正解です。大量虐殺などとはまったく関係がありません。
元拓殖大学教授だった佐藤慎一郎先生が昭和16年に書かれた『大観園の解剖』という!)奇書!)があります。
ハルビンの阿片窟の調査記録ですが、この本の口絵に、大観園で死んだ阿片患者の死体が埋められる場所として「万人坑」が出てきます。
口絵にその写真がいくつもあり、佐藤先生は「共同墓地」と説明されています。
佐藤先生は孫文の革命運動に参画して最初に亡くなった日本人、山田良政の甥にあたります。大正時代に満洲に渡り、支那語は流暢そのものでした。
毎日干からびた死体が放り出される大観園は、普通の日本人なら腰が引けてとてもその内情を調査できないところでした。
支那人の性質、気持ちが分かる佐藤先生だからこそその調査を頼まれたのです。
この本に出てくる写真をNHKが反日番組として利用しました。『日本軍と阿片』という番組です。悪質極まりないものですから、私はNHKに半年近く抗議し続けました。
 以下に、私がかつてNHKの捏造番組を批判したコラムが自由主義史観HPに出ております。
http://www.jiyuushikan.org/rekishi/rekishi168.html
   (田中秀雄)


(宮崎正弘のコメント)当該書籍、小生も持っています。阿片はいまでも中国至る所、北京のど真ん中でも密売人がいます。本質的にあの時代と変わらないでしょう。



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(読者の声2)『日本経済新聞』を購読しているのですが、本日下記の内容のメールが届きました。
 (引用開始)「日本経済新聞社は5月、日本を2020年までに世界にとって「なくてはならない国」にするための具体的なアイデアを広く募り、世に問うための紙面「未来面」の掲載を4月19日朝刊から始めました。
 第1回のテーマ「世界一、世界人が多い国、日本へ。」を2020年までに実現するための具体的なアイデアを、200文字から400文字程度でお寄せください」。
(以上、引用終了)
 
世界一、世界人が多い国、日本へ? ひょっとして日経も日本を日本でなくして、ニホンへと解体しようという論調なのでしょうか? 
主に経済情報が欲しくて購読していたのですが、そうだとしたら購読もやめてしまいたいです。
  (MI生)


(宮崎正弘のコメント)日経も率直にいって質の劣化です。三十年前の拙著『ザ日経』(上下巻)は随分とビジネスマンに読まれて、あのころは日経が一番良かった。質も量も、朝日を引き離していましたよ。

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◇樋泉克夫のコラム ◇樋泉克夫のコラム ◇樋泉克夫のコラム ◇樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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   ――やはり、問題は「利害關係」である
        『支那風土記』(米内山庸夫 改造社 昭和14年)



著者(1888年〜1969年)は青森県七戸町の産。岩手県立福岡中学から明治41(1908)年に第8期生として上海の東亜同文書院に入学。
卒業後は外務省に入省し、辛亥革命勃発直前の1911年6月に外務省留学生として北京の日本公使館に勤務。以後、広東・済南・ハイラルなどの領事を歴任する傍ら、中国各地を歩き回り、「支那の庶民生活」を体験し楽しみながら膨大な旅行記・報告・記録を残している。

加えて古代鏡の収集家であり、陶磁器研究の世界的権威。いわば欧米の外交官にとって理想とされる学者的外交官だった。

この本は、「大正十四年暮から昭和三年まで、満二年と四箇月、済南に在勤し、また昭和三年夏から同七年夏まで、満四年間、杭州に在勤した」彼が、「江南江北を廻り歩いて、風物を尋ね人情を察し、齊の古都を訪れては、栄枯盛衰定めなき世のさまを偲び、さうして折に觸れ、物に應じて、ひとりで考えてゐた。その見聞感想をまとめた」ものである。

各地の風物に溶け込んで存在する名勝古跡の描写は見事というしかないが、興味深いのは彼が身をもって体験・体感したことから導き出された中国人論だろう。

彼の家で働いていた花匠(はなつくり)を、「この支那人の花つくりは、花の苗の元気な間は、至極その花に従順であり忠實であるが、花が一旦弱ると、もう振り向いても見ない。虐待さへする。

この花匠は極めて善良な男で、文字そのまゝに忠僕であつた。弱つたものを虐待するのは、決してこの花師個人の心ではなく、一の國民性と私には考へられた」と、「弱つたものを虐待する」という国民性を指摘する。
つまり、絶対に弱味を見せるな。

 また「その人々の生活は、利害で始まり、利害で終わる」と、彼らの生活が利害関係に色濃く支配されていると指摘した後、「利害關係があれば親友、利害關係が無くなれば他人、利害相反すれば敵だ」と続け、さらに「利害が錯綜する限り、何時親友が他人となるとかもわからず、何處に敵があらはるゝやも知れず同志の人々にさへ油斷も隙もあつたものではない。
政治にたづさはるものにとつては殊に然り。

だから、政治家は、一旦政權を手に握つたら、一族郎黨で身のまはりを固める。それでなければ安心出來ないからである」

 こんな中国人とは異なり「日本人は他人に對して誠にぶつきら棒であり、しかし近づけば近づくほど親しみを覺えるが、支那人は損することさへなければ、あかの他人に對しても、一見舊知の様な顔をし、また面子のためには利害を忘るゝ風を裝うたり、策略のためには親友顔をして敵をおびきよせたりする。
・・・(当時周知の実例をいくつか示した後)殺さるゝものも殺さるゝ理由があらう。佛のやうな顔をして極端に慘忍なことをやる様にみえるが、その慘忍も總てが利害關係から起つて居るのである」

では、このように「油斷も隙もなく、恐ろしいほど、深刻複雜な」人間関係を逞しく生き抜く中国人にどう対処すべきか。日本人が「直情徑行で支那人にぶつかつたら、喧嘩、戰爭のほかは必ず負け、一本調子で支那人に對したら、恐らく最後のどたん場で背負い投げを喰はされるであらう」。

彼らは鷹揚で愉快で決して残忍ではなく平和を愛する国民だが、「それを血みどろにさせるのは、正に利害關係である。恐るべきは利害關係だ」と結ぶ。

ならば彼らと「利害關係」を持たないこと。
つまり没交渉にして遠くから眺めているのが最善の策。日米中関係正三角形論、友愛外交、東アジア共同体、日中共同の海、人民解放軍野戦軍司令官・・・迎合と諂いは相手を居丈高にし、増長させるだけだ。
《QED》
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