国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(アフガン資源を毟る中国)

2010/04/23


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   「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
       平成22年(2010年)4月23日(金曜日)貳
          通巻2951号  
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 アフガニスタンでは欧米がタリバン征討に軍事力を投入しているが
  中国は銅鉱山開発にくわえ、鉄道敷設と石油・ガス鉱区開発にも触手
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 カブールの南60キロにあるアイナク鉱山は世界有数の銅鉱山。アレキサンダーの昔から光る山として知られたから、おそらく同鉱脈に付随する有望な金鉱脈があるのだろう。

 ここで操業しているのは中国、現地雇用は一万人。タリバンの襲撃があるかも知れないので鉱山の警備の任についているのは米軍が訓練したアフガニスタン警察千五百であり、その警官の半分の給与を支払っているのは我が日本(アフガン警察全八万人の半分)。

 中国冶金集団は、このアイナク銅鉱山開発に35億ドルを投じ、付近に発電所を建設し、運搬道路を建設し、鉄道敷設も計画中。
しかも入札に競り勝つために3000万ドルの賄賂を担当大臣にドバイで支払った疑惑が持たれている。

 3月24日にカルザイ(アフガニスタン大統領)は外務大臣、国防大臣、鉱山大臣らを伴い北京を訪問した(カルザイの訪中は四回目だが、再選後初めて)。

北京では胡錦涛、温家宝、呉邦国らが面談したうえ、三つの協定にサインをしている。
 いずれも投資、貿易、技術など経済分野だけに特化した両国間協定で、主眼は中国からの投資拡大、中国がアフガニスタン研修生を受け入れ訓練するシステムの確立など。
 また中国はアフガニスタンからの輸入品には特恵関税で応じるとした。

 この訪中団にはアフガニスタンのビジネス・エリートが二十名も同道した。中国は一切の軍事的協力と距離を置き、経済に専念しているかのごとし。


▲それにしても猛々しいのか、常識を越える図々しさなのか

 さて世界遺産とされた石仏を、悪名高いタリバンはミサイルで破壊した。その場所がバーミャン。

「この付近に石油とガスの埋蔵が確認されている。石油埋蔵は16億バーレル。ガスは4400億立方メートル。はやくも応札の準備に入ったのは中国。専門家と中国人ビジネスマンが同時に行われているタリバンとの戦争もなんのその、頻繁にバーミャンに入っている」(ユーラシア・ディリー・モニター、2010年4月19日付け)。

 ガス田は北西部十一ケ所に拡がり、アフガニスタンの北と国境を接するウズベキスタンにパイプラインを繋げば、既存のトルクメニスタンーウズベキスタンーカザフスタンー新彊ウィグルのルートの支線として活用できる。

 かくして中国の目の色がまた変わった。
「付近のハジヤク鉄鉱石鉱山などを加えて総額50億ドルのプロジェクトになるだろう」(米国ジェイムズタウン財団発行『チャイナ・ブリーフ』、4月16日号)。

 英米ならびにアフガニスタンと戦争協力をしているNATO諸国、あまつさえ嫌われ者のロシアは、まるで置いてきぼり。日本ははなからお呼びではない。カルザイを支援する米国は応札する気配がない。

 オバマはカルザイ訪中の四日後に電撃的にカブールを訪問してカルザイと会見したが、六時間のカブール滞在中、経済のはなしも銅鉱山の話もでなかった。

 こうしたビジネス志向一本槍の中国を激しく警戒するのはインド、そのインドを食い止めているのが中国と軍事同盟を結ぶパキスタンという構造だ。
このチャイナの逞しき図々しさを日本はどう見るべきか?
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(読者の声1)国会議員の歳費仕分けですが、ある国会議員の給与明細を拝見させて頂いた事がありますが、手取は約30万円でした。何々部会費とか、天引きが多い。
 故後藤田正晴氏曰く、政治には金が掛かるのに、政治資金規制法で金の入口だけを締め、出口はそのままだから問題が起こる。入口も出口も明朗にしてお金をもっと出せば良いと言われてました。
 ちなみに米国の場合、上院議員には、毎年、約2億数千万円(議員歳費+職務手当(2億円以上))が政府から支給されます。
 しかし使途明細の提出が義務化されており、出費の事実に基づいて支給されますので、日本もこの方式にすれば、良いかと思います。
 人徳・能力のある方が、周囲から自然に祭り上げられて政治家になるということは、もう日本の政治システムでは有り得ないのでしょうか(例えば、西郷隆盛のような)? 
  (TH生)


(宮崎正弘のコメント)政治家志望の動機が「国家国民のため」から「福祉教育」「医療」「年金」など、およそ政治家がもっとも重要とすべき国体、国家安全保障、外交を論じなくなり、小粒になり、劣化しました。その最たる見本がマスゾエ新党とか、イシンの会とか、首長会議とか、「みんなの」なんとかとか、子供たちの運動会の様相です。
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 ◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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創刊日:2001-08-18  
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  • 名無しさん2010/04/23

    いつも参考になる内容で勉強させていただいています。読者の方々も勉強熱心で得がたい情報源です。さて、参議院選挙が近づいていますが支援する党がないという人が44%あるそうです。このような人たちに政党を選ぶ目安になることは「外交」と「経済」だと思うのですが、目先のことにしか考えられない人たちにアドバイスをお願いします。愛子

  • 名無しさん2010/04/23

    面白いですね我が市の市会議員は国家を心配して居るのですが、国会議員が生活の心配をしている。笑い話では無いのが怖いです。