国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(キルギス大統領の逃亡はロシア軍用機だった)

2010/04/20


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   「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
       平成22年(2010年)4月21日(水曜日)
          通巻2947号 <4月20日発行> 
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 やっぱり。バキーエフ大統領のカザフ逃亡はロシア軍用機だった
  政変にまったく疎外された中国、不介入を決めた米国=米中の狼狽。
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 ロシア大統領は久々に会心の笑みを浮かべている。
 浮かない顔をしているのはカリモフ(ウズベキスタン大統領)だ。静かに怒りを隠した胡錦涛とオバマも、今度のキルギス騒動では情報の埒外にあった。
 カリモフの憂鬱げな表情は、「次は自分の番からしれない?」という潜在的恐怖だろう。
 
 ともかくキルギスで起きた反政府暴動はバキーエフ大統領を追い出し、暫定政権が誕生したが、このメンバーは05年のチューリップ革命でバキーエフとともに闘った旧同志が多かった。
 まっさきに新政権をロシアは承認した。

 ワシントンの核サミットで、鳩山が軽視された話はもう良いだろう。それよりも舞台裏では中央アジアの安全をめぐる熾烈な駆け引きが列強の間で展開されていた。
疎外されていることに関心さえない日本と異なり、上海シックスのパートナーである筈だった国々から埒外におかれた中国は、舞台裏に楔を打ち込むべく急遽、胡錦涛―メドベージェフ会談が行われた。

 カリモフ(ウズベキスタン大統領)は19日にモスクワへ入ってメドベージェフ大統領と会談した。
「(冷戦終結以後)中央アジア諸国は旧ソ連の一員としてロシアばかりか西側にも顔をむけてきたが、今度の『ビシュケク政変』いらい、旧ソ連中央アジアに再びの地殻変動が起きている」とカリモフはロシアに訴えたらしい(バドフクマル・インド外交官、アジアタイムズ、4月20日付け)。

 

 ▲ロシア軍の飛行機がひそかにバキーエフの海外逃亡を手助け

つまりこういうことである。
 第一にバキーエフ政権の崩壊と暫定政権(親ロ派)の誕生は「05年のチューリップ革命に匹敵する」と礼讃するロシアは、カザフスタンのナゼルバエフ大統領を仲介に立て、ロシアの軍用機を飛ばしてキルギス南部からバキーエフを説得しカザフスタンへ“亡命”させた。

 ビシュケクの北郊外ケント基地には500名のロシア兵士が駐屯するが、これはCIS条約によるもの。地域の安全保障はロシアが重大な役割を担い、かつロシアはキルギスの債務5000万ドルを事実上、帳消しとした。

 ナゼルバエフ大統領を仲介役としたのは、ロシアは流血を割けるために介入したことを正当化するためで、「このような(介入)パターンは今後も続くだろう」とメドベージェフは、モスクワを訪問したカリモフにも答えている。
 このパターンは05年のアカーエフ大統領のモスクワ逃亡に酷似し、かたマルコス大統領の海外脱出を米国がアレンジしたケースにもそっくりである。

 第二に米国はバキーエフ政権に肩入れし、政変のおりには大統領の息子がワシントン滞在中だったほど親密な関係だった。それもこれもバキーエフ政権がマナス空港の米軍駐留を認めているからだ。

 しかしこの過度の肩入れは、新政権との距離をおくこととなり、慌てて米国は国務次官補をビシュケクへ急派し、新政権承認の信号を送った。
 核サミットでは訪米したナザルバエフ(カザフスタン)大統領とオバマが会談し、「深刻な事態に陥らず、さらなる流血が避けられた」とする説明に米国は「これは反米クーデタではない」(ミカエルマクフォール大統領補佐官)という確信をもつに至った。

 したがって米国の巻き返し外交もそろそろ始まるだろう。

 第三は中国が疎外されたことである。
テロ対策機構としての「上海シックス」を提唱し、組織化し、軍事共同演習まで行ったのに中国はひとつの情報もビシュケクでは得られなかった。
上海シックスは江沢民が提唱し、最初の会議を上海で行って以来の、これは中央アジアのNATOと言われる。中国、露西亜、カザフ、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスの六カ国が中核メンバーであり、これにモンゴル、パキスタン、イランがオブザーバで参加している。

中国はキルギスと国境を接しており、両国の貿易は10億ドル。「中国は死活的利益があるが、不介入姿勢を貫き、早期の秩序の安定回復を希望する」(中国外交部談話)としたもののオトゥンバエワ暫定政権の誕生に対応が遅れた。

日本? 宇宙人政権は地球のうえの出来事には関心がないようです。
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  ☆読者の声 ☆どくしゃのこえ ☆DOKUSHANOKOE ☆読者の声☆
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 (読者の声1)産経新聞の報道によれば、「5月1日に開幕する上海万博のPRソングとして公募で選ばれた「2010等来(あなたを待っている)」が盗作ではないかとの疑惑が中国で浮上した。日本のシンガー・ソングライター、岡本真夜(まよ)さんが1997年に発表したヒット曲「そのままの君でいて」のコピーではないかという。インターネットでも2つの曲が比較され、そっくりといわれてもやむをえない」とあります。知的財産権をまったく無視してきた国故のことと思いますが。。。。。。
   (YU生、在香港)


(宮崎正弘のコメント)これまでの中国でしたら「盗んだのは日本だ」と頑迷に強固に言い張るでしょう。しかしUtube時代ともなると、しかも中国国内のネットから告発騒ぎが始まり、中国上海万博事務局側には情報操作の時間的余裕がなく、しぶしぶ盗用を認めたということでしょう。
 でも中国側のホンネは「や、ばれたか」ってところですよ。



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(読者の声2)現時点のアメリカは、実は鳩山どころではないのです。
まず国内経済は危険水域から出られない。このままでの回復でも失業率はオバマ政権中は変わらない。既存家屋は売れ始めたが、新築のオーダーはない。差し押さえは続く。
そこへもってきて二つの戦争に国民は飽き飽き。イラクはもとの内戦状態に戻るという観測が大。
オバマは面子を捨てて、両戦争を打ち切る決断がいる。だが、そう簡単ではないです。
大きな影が迫っている。イランですね。
ぼくは戦争になる可能性を否定しないが、コメントを見て判断すれば、9割の米国国民は戦争に反対。その理由は「軍産複合体が利益を得る戦争だ」と。さらに政府そのものを嫌っているのです。
今日、バージニアの州立公園で、「銃を持つ権利」の集会があった。自動小銃を持って集まった。W・ポストでは「憲法二条の権利主張なのか?または、政府を脅かす大会なのか?」と書いています。
(伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)戦争がもたらす心理的な沈殿がアメリカ国民にもたらしたであろう社会的強迫観念の広がりと名状しがたい使命感の挫折と、そして正義の喪失感。信じてきたものがある日なくなっていたわけですから。
 オバマの米国には、とてもイランに次の戦争をしかけるという心理的余裕がない。経済的余裕ももちろんないでしょう。アフガニスタンはいずれすごすごと帰らざるを得なくなる。米国には魔か不可思議な世論という病理があります。ベトナム戦争の敗北、あの挫折と価値紊乱の騒擾がまたやって来るのですかね。
 となると米国以外が新秩序建設に向かうことになり、世界はより危険になる。



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(読者の声3)下記案内の通り、南モンゴル独立応援デモが行われます。
5月4日 南モンゴルデモ行進ご案内
http://www.lupm.org/japanese/pages/100409j.htm
http://smdhyh.blog20.fc2.com/

今年も南モンゴルが中国共産党に組入れられた、1947年5月1日の忌まわしき日を振り返り、南モンゴルの自由・人権・独立を取り戻すため、中国共産党に抗議するデモ行進を行います。GWのイベントが多い中、お時間の都合がつく方は是非ご参加いただければ幸いです。

とき      5月4日(火)12:00集合、13:00集会、14:30出発
コース     恵比寿公園 〜 笄公園(流れ解散)
        ダイチンさん以下、5名で中国大使館への抗議を行います。プラカード、グッズ等持参大歓迎。帰りは中国大使館方面へ行かないようにお願いします。
主催      南モンゴルデモ行進実行委員会
呼び掛け人:オロホノド・ダイチン(モンゴル自由連盟党幹事長、日本代表)
   (MU生、足立区)
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|●| きたる4月28日は「主権回復記念日」
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日本が本当に主権を回復したのは4月28日です!
憲法記念日は不要、主権回復記念日こそ国民の祝日です。この催しは毎年、4月28日に九段会館で開催されております。

《入場無料》
4月28日を国民の祝日に!
主権回復記念日国民集会
   記
日時:4月28日(水) 17:30開場、18:00〜21:00
会場:九段会館大ホール(地下鉄東西線・半蔵門線・都営新宿線九段下駅4番出口より徒歩1分)。
http://www.kudankaikan.or.jp/access/index.html

登壇予定者:稲田朋美、遠藤浩一、亀井静香、城内実、中山成彬、西田昌司、萩生田光一、長谷川三千子、平沼赳夫
呼び掛け人・井尻千男、入江隆則、小堀桂一郎 
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