国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み(パキスタン軍の対米姿勢に変化)

2010/03/25


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成22年(2010年)3月25日(木曜日)
        通巻2918号 
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 パキスタンの対米協力は疑心暗鬼から暫定的共闘態勢へ
  タリバンの猖獗をパキスタンの国家安全保障への脅威とみなすようになった
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 パキスタン軍の対米姿勢が変貌している。
 従来はパシュトン主体のタリバンを物心両面で援助し、軍情報部はひそかにタリバンと連携してきた。パキスタンにとっては、むしろタジク人、ウズベク人主流の「北部同盟」が脅威であり、潜在的敵でもあったからだ。

 パシュトン族名家の出身なのにカルザイ(アフガニスタン大統領)政権は北部同盟が軍部、情報部をおさえていることもパキスタンは歓迎していなかったし、いまもしていない。アフガニスタンは終局的にパシュトン族がおさえるべきだとするのがパキスタンの目標である。

 しかし援助してきたタリバンがパキスタンのなかで跳梁し、過激派が地域的に浸透して夜の政治を統治しはじめ、「国内国」をかたち作り始めてから、徐々にパキスタン軍の態度に変化が現れた。

 タリバン軍事組織のトップを捕獲し、影の知事といわれたタリバン系の政治家を拘束した。タリバンの命令系統を損壊させ、その軍事力を低減させるのが当面の軍事目標となった。

 パキスタン軍はスワット渓谷を根城としたタリバン一斉作戦を展開し、つぎにワリジスタン制圧作戦を敢行した。
とくにアフガニスタン国境付近では米軍のドローン攻撃に連携した。パネッタCIA長官は「パキスタン軍の協力に感謝したい」と述べた(ヘラルドトリビューン、3月25日付け)。

 ▲パキスタン軍十五万を動員

 現在、パキスタン軍の十五万が、これらのタリバンとの戦闘にかり出され、さらに九万のエリート部隊が次の作戦のため待機しているという。
 
「2009年に展開された部隊規模の軍事作戦は209回、現在パキスタン軍の拠点は821ヶ所。軍人の死者はおよそ800名。これらに必要な軍事費は膨大だが、過去九年間の米国からの援助は170億ドルだ」(ミカエル・オハンロン「ブルッキングス研究所」主任研究員)。

 タリバン戦士の多くは難民に紛れ込んで、パキスタンの各地へ潜伏し、爆弾テロをやらかすようになる。3月14日にも、ラホールでおきた自爆テロは四十人の市民を犠牲にした。

 とはいえ米軍とは同床異夢、パキスタン軍の目的は米国の戦略とは異なる。
 パキスタンの地政学では隣国インドが最大の脅威にかわりなく、インド国境に貼り付けている軍をタリバン退治の目的には割けない。

 パキスタンに拡がるのはインド謀略説である。
インド秘密情報部がタリバンや過激派に武器を流してパキスタン国内を攪乱させているとする謀略説が日増しに強くなって、インドとも戦略的提携を組む米国への不信が払拭できないでいるのだ。

 したがって米国やNATOの目的とパキスタン軍の目的は必ずしも一致しない。とはいうものの当面の国内敵がタリバンであることも明瞭な事実である。
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(読者の声1)貴誌2917号「グーグル中国撤退の裏で」に記載されている、中国検索市場におけるGoogleと百度のシェア比率は完全に逆になっています。貴誌ではGoogle:60% vs 百度:33%と記載しているが、実際は2010年1月時点でGoogle:33.2% vs 百度:63.1%(ただし、これは調査機関により誤差あり)。
百度はGoogleの中国進出以前から中国市場ではダントツの1位です。
   (商社マン)


(宮崎正弘のコメント)最新データを有り難う御座いました。



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(読者の声2)友人のジャーナリストによると、今年に入って政府の審議会などの議事録がでてこなくなったそうです。私も確認できておりませんが、普通、審議会の議事録などは、公開されるはずです。
そういえば民主党の内部で事実上いろいろ決定されているのに完全に、非公開ですね。あれだけ、自民党の隠蔽体質を批判したのに。世界に冠たる情報非公開国家になりつつあると思います。
(天地人)


(宮崎正弘のコメント)民主党小沢派は都内某所にチルドランを缶詰にして、まだ研修会を頻繁に繰り返して次の選挙に勝つノウハウを伝授、それが勉強会だそうです。かれらはいずれ小沢SSに。ナチスと同じ? 
しかし何をやろうが明らかなことは、遅くとも三年後に小沢チルドレンの多くは「ただの人」に戻るだけなのですが。。。。



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(読者の声3)貴誌に巡りあったのはまだ三ヶ月前のことですが、群誌圧倒の面白さ、なぜいままで貴誌の存在を知らなかったのか、悔やまれて、過去九年分の貴誌バックナンバーを土曜日曜で朝から晩まで、読みふけっています。
 そこで質問ですが、貴誌のバックナンバーは2001年9月20日191号までさかのぼれるのですが、それ以前のものは何処で見ることが出来ますか。
   (TY生、浜松)


(編集部より)弊誌をメルマガ配信としたのは、その号からで、それ以前は300名ほどの知り合い、知人、友人にBBCで送っていました。
ですからご質問の「それ以前」のバックナンバーはありません。思い出すのは01年9月11日です。小誌は事件後、まだ日本のマスコミがどこも報じていない時点でアルカィーダの犯行と速報しました。読者の多くがマスコミ人だったので、反応が凄く、爾来、メルマガ配信にしなければと思ったのでした。
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