国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2010/03/15


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成22年(2010年)3月15日(月曜日)
       通巻2908号 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 マルジャのタリバン退治は成功した。かに見えるが。
  NATO軍の転進後に、麻薬シンジケートが復活チャンスを狙っている
****************************************

 先月の米軍とNATO軍合同によるマルジャ征討作戦は成功した。マルジャはアフガニスタンのタリバンの根城のひとつ。
 軍事作戦が「成功」した理由は、タリバンが居なくなったからだ。そこで次に北隣のカンダハルの拠点つぶしに向かう。

 マクリスタル司令官は「マルジャには現在、NATO軍が駐留を続けているが、早い段階でアフガニスタン軍と交替させ、主力をカンダハルなどのタリバン残党一斉作戦に振り向けたい」と語っている。

 実際にマルジャでは麻薬700キロとヘロイン25キロを押収した。
 この地区では17500ヘクタールがポピィ栽培をしているので、押収されたポピィがトン単位ならわかるが、僅か700キロ?
 
要するに麻薬シンジケートは軍介入を先に知って、収穫を急ぎ、逃げたのだ。
農民もタリバンをかくまっている可能性があり、情勢が変わればまたタリバンにみかじめ料金を支払う。タリバンはポピィ栽培をむしろ保護してくれる。
タリバンとともに住民の多くもNATO軍が早く他の地区へ移動してくれることを望んでいる。

撤退後、たとえアフガン政府軍がきても、軍も警察も賄賂次第で麻薬取引を黙認するだろう。
かれらの月給は165ドル、麻薬ビジネスはそれ以上。マルジャでは住民の生活がかかっている。

カルザイ政権は、マルジャの農民に小麦の栽培を奨励しているが、昨今値上げになっているとは言え穀物栽培は現金収入に乏しく、農民には魅力のない話なのだ。麻薬はキロ250ドル(2003年)から75ドルに下落(09年)しているが、シンジケートは大量の在庫をして価格調整をしている(TIME、3月22日号)。

 マルジャ軍事作戦は軍事の側面より麻薬マフィア退治の性格のほうが強い。 
 マルジャから麻薬ビジネスを取り上げると、この地域の経済は麻痺する。タリバンは麻薬栽培に干渉せず、流通を握るシンジケートから徴税した。米軍とNATO軍は、その資金源を絶つ作戦にでたことになる。


▲タリバンはカンダハルが本拠地

 タリバンの多くはカンダハル方面へ逃げたと推定されたが、イランとパキスタンへ逃亡した勢力もかなりいることが分かった。

 カルザイ政権はマルジャ行政官のトップにアブダル・ザヒルを任命した。
 ところがこのザヒルなる人物は有力部族の長だった関係でヘルマンド県知事と親しい。しかしザヒルはドイツに数年亡命していて、そこで義理の息子の殺人未遂容疑がかけられているそうな。

 となるとマルジャ作戦は軍事的に成功したのではなく、タリバンを逃亡させただけではないのか。

 またNATO軍を迎え撃つタリバンはカンダハルが本拠地だ。カンダハルはアフがスタンでカブール、ヘラートについで三番目の都市。

 カンダハルはカルザイ大統領の出身でもあり、タリバンの聖地でもあり、麻薬取引の本場でもあり、ともかく手のつけられない無法地帯。

 3月14日、カンダハル市内の警察本部、ゲストハウス(カルザイの弟が宿泊していたが無事)、モスク、刑務所などで連続爆破テロがあり35名が死亡、45名が重軽傷を負った。
 タリバンは「これはマクリスタル司令官への挑戦状だ」と復讐戦を鮮明にした。

   △
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ♪
(読者の声1) 13日に放映されたMXテレビの番組を拝見しました。宮!)さんが出演されていました。
 そのときに話題となった日本の戦略兵器の一つに「 GPS内臓ミサイル」があります。これがあれば、金正日のいる建物の部屋そのものにぶち込むことが可能です。
大東亜戦争中、地上で多くの日本兵が犠牲になりましたが、戦争の本質は地下でのゴールドの奪い合いです。現在、世界中にあるゴールドの多くの名義人は日本です。
日本は戦争に負けたのでしょうか? 今の国連は役に立たず、世界の諸問題を解決するには日本が必要で、それが先進国首脳会議です。
今の日本の政治家は、サラリーマンみたいで軽い人間ばかりですが、しっかりと日本の針路を見定めている人は確かに存在します。日本は見捨てたものではありません。
でも、しっかりとした日本国家の像が見えれば、世界中が日本にお布施を要求してきます。だらしのない日本である限り、それもないでしょう。
(T.T生)


(宮崎正弘のコメント)頼もしい話題でした。しかし、現代日本を見るに付け、脳裏に去来する想いとは、
 「日本――この耐え難き存在の軽さ!」です。



  ♪
(読者の声2)東京メトロポリタンテレビで西部邁さんと討論している宮!)さんが最後に言われたことは重要だと思いました。日本のヴィジョンが希薄なのは戦略レベルが空白だからで、ご指摘のようにホームレスの世話役が「国家戦略室顧問」ですからね。
 先が思いやられます。
  (JK生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)あれは「戦術室」と名前を変えないと。頭がからっぽの人たちがストラテジーを語るほど恐ろしいことはありませんから。



  ♪
(読者の声3)『週刊新潮』でいきなり全国区の話題となった、埼玉県川口の公営団地。6,7年前には既に問題になり始めていたところです。
じつは日本人が公営団地を出るようになり、空き室が埋まらなかった。そこで当局者は、源泉徴収の証明さえあれば、誰でも入居させるようになった。
おそらく空き室を埋めなければ上から咎められるという下っ端役人の窮余の一策と”多文化共生”などという浅智慧が合体しての愚策だったのでしょう。
こうして糞・小便を垂れ流す文化が、川口の一角に拠点を築くに至った。後は一瀉千里。日本人は逃げ出す。糞・小便垂れ流し文化が大量に流れ込む。
公団の中では又貸しがまかり通り、おそらく食堂、簡易宿などの経営がみられるはず。多文化共生という考えもまた、国家・社会解体の元凶でしょう。
   (KH生、所沢市)


(宮崎正弘のコメント)NYのハーレムもそうやって出来たのですね。「糞、小便垂れ流し文化」はサンフランシスコ、ロス、そしてNYのチャイナタウンからラガーディア空港に近いフラッシング(NY第二のチャイナタウン)にいたるまで。
 多文化主義とかグローバリズムとか、地球市民とかの寝言を説く人たちは大いに反省するべきです。



  ♪
(読者の声4)キッシンジャーがソウル講演後倒れたそうですが、その内容は「北朝鮮の核を容認しない」というものでした。
http://news.livedoor.com/article/detail/4654136/
金正日の北朝鮮やアフメディニジャッド(イラン大統領)のイランに核を持たせるのは「気違いに刃物」なのです。早めにぶっ潰さないと東京に、ソウルに、リヤドに、テルアヴィヴに北朝鮮とイラン共同開発の核ミサイルが降り注ぐことになるでしょう。
 ところでバイデン副大統領のイスラエル訪問で思い出したのは、キッシンジャーの「イスラエルには外交政策というものが無い。あるのは内政だけだ。」という言葉。
ネタンヤフ首相ももあまり米国の言う事を聞くと極右に殺されかねないので入植者と米国の板ばさみ...。
ところで、バイデンのテルアヴィヴ大学での講演をネットで聴きましたが、「私がユダヤ人だったらシオニストになっただろう、と言って批判を受けた事があります」とか「シオニストになるにはユダヤ人になる必要はないよ、と父親に言われました」とか(笑)。
イスラエル人におべっか一杯使って。入植地建設再開のニュースに怒ったらしいいが本気じゃないでしょうね。
(道楽Q)


(宮崎正弘のコメント)キッシンジャー博士は86歳。いやはや、小生の母親と同じ年齢です。ソウルの病院を退院し、米国への帰国便に乗ったそうですが(15日早朝段階のニュース)、この人ほど毀誉褒貶の激しい外交家はいないでしょう。ある時はソ連のスパイ、ある時は北京の代理人と揶揄され、そしてユダヤ人であるがゆえにユダヤ人からも嫌われた。



  ♪
(読者の声5)独ソ戦争前夜、スターリンの意を受けたモロトフはベルリンに赴き、ヒトラーの下で副総統を務めたヘスとの化かしあいに臨んだ。
そこで、ナチに綱領がないことを知りながらモロトフは「あなた方の党に綱領はおありかな?」。
次いで畳み掛けるように「党規約は? 憲法は?」。返答に窮したヘスに向かって、「綱領を持たない党がどうでして党といえるのでしょうか」。(以上は、最近出版された『スターリン』白水社)。
あるいは昨年末の北京で小沢に向かって胡錦濤は、「あなた方の党に綱領はおありかな。綱領を持たない党がどうして党といえるのでしょうか」などと・・・。民主党には綱領がないとのことですが、民主党はナチ、小沢ガールズはヒトラーユーゲントということになりますね。
   (KH生、愛知県)


(宮崎正弘のコメント)綱領がない、規約もない。だから日本の民主党は“野合の衆”ということになりますか。しかし、こんなんがあと三年、日本を代表する国会議員を務めるんですよ。鳩山首相だけでも世界の物笑いの種なのに、そのレベル以下のチルドランですから絶望するのもむべなるかな。
    ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<<<<<<<<>> <<<<<<<<<<<<>>> <<<<<>><<<<<<
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
宮崎正弘最新刊 
『中国ひとり勝ちと日本ひとり負けは、なぜ起きたか』(徳間書店、1680円)

  ♪
宮崎正弘 v 西部邁
『日米安保、五十年』(海竜社、1680円) 増刷出来!
http://www.amazon.co.jp/dp/4759311092/

  ♪
<宮崎正弘のロングセラーズ>
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『朝日新聞がなくなる日』(ワック、945円)
『中国分裂 七つの理由』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ、1680円)
『絶望の大国、中国の真実』(石平氏との共著、980円。ワック文庫) 
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円) 
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
     ★ ☆ ★ ☆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有)宮崎正弘事務所 2001−2010 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • 名無しさん2010/03/15

    先生のコメントで「日本――この耐え難き存在の軽さ!」はすべて化石左翼日教組の存在のあかしこれを抹殺せねば日本の覚醒はありえない。

    以上

    (タイ在住)