国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2010/03/10


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成22年(2010年)3月10日(水曜日)
       通巻2901号 (2900号突破記念特大号)
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 中国の大手銀行が軒並み増資するというが
  王岐山副首相は「市場にそんな巨額を受け入れる余地があるか」と爆弾発言
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 中国の景気刺激策は財政出動が4兆元、貸し出しが7兆元。つまり2009年だけで
合計11兆元(邦貨換算148兆円強)を超えた。
 これでマンション価格は急落せず、株価は緩やかな下降線だが暴落を回避できた。
 また頭金なしの住宅ローン、自動車のローン条件の緩和、電化製品の奨励金など、ありとあらゆる財政、金融支援政策の出動で、かろうじて8%成長を維持できた。
 
 ことしのGDP成長目標も8%(全人代で温家宝首相演説)、自動車販売を1500万台と設定し、確実に日本のGDPを越える。
 
 ところが、年初来、中国は預金準備率を二回引き上げ、通貨供給をタイトにした。不動産バブルを抑制する措置として、ことしの通貨供給の伸びは17%台に抑える(昨年は27%増)。
 なにかの前兆である。
 
 日本のバブル崩壊は「総量規制」が発端だった。そこへBIS基準8%遵守が追い被さり、株価の暴落によって銀行は保有資産評価が激減し、突如、健全経営から不良債権の山をかかえる仕儀となった。
追い打ちをかけて欧米系の格付け機関が日本の金融機関の格付けを政治的意図でもあるかのように大幅に下げた。

日本の生命線が心臓発作に襲われ、銀行は貸しはがし、企業は資金難、こうして日本経済は「失われた二十年に陥没する。
 
  中国はこれを教訓としている。
日本の二の舞を避けるには、銀行の不良債権暴発を抑止する対策が必要である。
いまのところ、不良債権率は3%以内などと、誰も信じない数字を豪語するが、実際は40%前後の不良債権が隠されている(不動産と株価が下落すれば、たちまち表面化するだろう)。
 
 
▲中国の銀行は早め早めの手を打った。
 
 中国農業銀行は外貨準備高から資金をぶち込んでもらって経営再建に乗り出しているが、新規株式公開(IPO)で2000億元を調達する計画を発表した。

 くわえて世界第二位(時価発行)を誇る中国建設銀行、世界一の中国工商銀行、香港ドルも発券する中国銀行の四大国有銀行に交通銀行を加えた五大銀行の増資計画は、なんと8000億元(邦貨換算10兆円)を超える。
 
 これらは新規株式公開分であり、すでに中国銀行はA株転換社債を発行で400億元、
交通銀行が株主割当増資で最大420億元を調達する計画を発表している。
 
 さらに民間の大手招商銀行、中信銀行、深セン発展銀行、上海浦東発展銀行、南京銀行なども資金調達方針を明らかにしており、はたして市場はこれらの資金需要をまかなうほどのキャパが残っているのか?
 
 財政出動ならともかく、市場から調達するのは将来の「エンロン型詐欺にある」と言えなくもない。
 
 3月5日、全人代で発言した王岐山(副首相)は大型銀行の増資計画に直裁に言及し、「市場は8000億元の資金調達を受け入れきれないだろう」と爆弾発言に及んだ。
 直後、中国工商銀行の楊凱生・行長と中国建設銀行の郭樹清・会長は「自己資本比率は基準を満たしており、当面の資金調達計画はない」とした。
 
 中国経済の薔薇色が、突如褪せる日が、そこまで来ている?
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●◎ブックレビュー◎●BOOK REVIEW◎●書評◎●ブックレビュー◎●
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西部邁 v 宮崎正弘『日米安保、五十年』(海竜社)
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条文読まずの「あんぽんたん」から半世紀
                         植田剛彦(評論家)
 
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 6月23日に日米安保条約は施行から半世紀となる。
「安保条約をやや対等に改訂した岸さんは偉大な政治家だった」と、60年安保反対運動に参加した多くの知識人が言う。たとえば中嶋嶺雄(国際教養大学学長)は書いた。
 「わたしも五十年前には国会周辺で『安保反対』『岸を倒せ』と叫んでいたひとりであるが、この半世紀に我が国の平和と発展を素直に見詰めれば日米安保体制への道をひらいた自民党の岸信介首相の決断がいかに正しかったかは明白である」(産経新聞『正論』、1月26日朝刊)。

 『条文も読まずに安保反対と叫んでいた“あんぽんたん”』と自己反省を総括されるニシベと70年安保のときの保守の論客・ミヤザキの一騎討ちが展開されるのが本書。
 二人は意外にも共鳴しあっている場面が多く自主防衛、自主憲法と日本人の精神の回復を説く文脈で保守の思想が通底する。

 60年安保を「条約も読まず」暴走した西部青年はその後、裁判を抱えて「考える時間」が十分にもてた。そのとき中学生だった宮崎少年は田舎でテレビを見ながら学生運動の指導者が「三国志」の登場人物のように見えたと当時のナショナリズムを背景に青春をも回想する。また自主防衛をやり遂げるには核の選択が当然とする。基本的に自立する志が最も貴重であると説かれていて出色の対談本となっている。
                  (うえだ・たかひこ氏は評論家)。
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(この書評は『国民新聞』三月号の書評欄から再録です)
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(読者の声1)オバマは大統領権限の限界へ来たのです。13兆ドルに及ぶ巨大な国債発行高はインフレ、ドル暴落の危機を含み、じつに怖い。
もはや景気刺激のための財政出動、すなわち赤字国債の増発は容認されない。
15BILLIONが失業者対策ぐらい。もう失業者らも貧困生活に合わせ始めている。
医療改革も座礁している(これは良いことです)。すると失業者2600万人は見捨てられたということですね。
差し押さえられた家屋150万軒も、ニッチもサッチモ行かない。二つの戦争を続行して、これらの内政問題を解消するなど出来るわけがない。
オバマはやはり青い人間です。今、出来ることはというと、失業者を見捨てて株式市場を活性化する〜貸ししぶる(自動車のローンでもよ!)銀行のケツを叩く〜まあ、やがて、二つの戦争も、いい加減なところで放り出す。多分、来年の年末。
   (伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)すごい風刺漫画が英誌『エコノミスト』(3月6日号)にでています。松葉杖のオバマが見上げる急な階段(上れないことは一目瞭然)、しかし階段の中途に看板があり「YES、WE STILL CAN<まだ出来る、医療保険>」。
 もう、出来ないことを言うなって米国民の大多数の感情を代弁している漫画です。似たような政策が我が国政府の子供手当と外国人参政権です。
 米国で反オバマ集会が百万人を越えるように、日本でも国民の怒りが渦巻いていて、次の選挙、民主党惨敗は見えていますが。。



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((読者の声2)貴誌2900号((読者の声3)にある、盧溝橋事件の真因ですが、「この発砲は、周恩来の指示により、周恩来の部下が国民当軍に紛れ込み行ったと、2000年頃に米国で機密解除された公文書に記載されていたように記憶しています。機密解除された文書を、毛里さんという方が、和訳で2冊出版されていたと思います。タイトルは失念しましたが、内容は、1冊は、周恩来とキッシンジャーの会談翻訳。 もう一冊は、毛沢東・ニクソン・周恩来・キッシンジャーの四者会談翻訳だったと思います。(TH生)」
 <引用終わり>
感想です。
支那事変は盧溝橋事件で始まったわけではありません。カギはその半年前の1936.12の西安事件です。この直前蒋介石は9年かかりの国共内戦に圧勝し、延安総攻撃を前に、支那統一の五分前といわれていました。毛沢東はソ連共産党顧問と飛行機でソ連に逃亡する準備を終えていたといいます。
しかし蒋介石はこの事件で捕まると降伏し、国共内戦停止と対日開戦をのまされました。代償は自分とソ連に人質になっていた子息蒋経国の生命(翌年4月釈放)と見られています。この結果、スターリンの指導下で国共は裏で合同しました。そして半年間、上海に7万という大トーチカ要塞を構築するなど対日戦争の膨大な準備を終えて、盧溝橋事件から挑発を開始したのです。
だから日本にとっては挑発実行者が日本ではない以上、国共のどちらでもよいのです。裏でつながっていたのですから。スターリンは蒋介石の転向や国共の手打ちを偽装、隠蔽するのに躍起となっていますが、当時の朝日新聞は西安事件の裏にソ連ありと正確に見抜いています。ちなみにソ連のタス通信は西安事件は日本の陰謀と発表しています。
1991年のソ連崩壊後分かったことは、ソ連は西安事件以降、中央アジア経由で大量のソ連軍機を搬入したり総計四千名にのぼる大軍事顧問団を隠密裏に蒋介石軍に送り込むなど対日戦争の準備をしています。彼らはモスクワの指令で動き、蒋介石の命令を受けませんでした。これは蒋介石がソ連の傀儡であった証拠です。
スターリンの蒋介石を使った対日戦争の目的は、独ソ戦をひかえて東部国境の反共勢力である蒋介石と日本を無力化するためでした。
支那事変は当初はソ連の蒋介石を使った代理戦争でしたが、これに支那満洲に野心のあるルーズベルトが便乗したため、米ソの蒋介石をつかった対日代理戦争になったのです。
近代戦は大補給戦なのですべては仕組まれており、偶発や衝突はありません。仕掛けた側の偽装です。
   (東海子)


(宮崎正弘のコメント)ルーズベルトとスターリン、虚々実々の謀略戦。
 ご指摘、西安事件との関連ですが、小誌前号で紹介した黄文雄さんの作品に簡潔に要領を得て書かれています。



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(読者の声3)ジョセフ・ナイが証言しています。3月4日に米下院外交委員会の国際機関・人権・監視小委員会で「米国の評判を回復する重大さ」について証言しています。
Testimony of Joseph S. Nye, Jr., University Distinguished Service Professor, Harvard University
http://foreignaffairs.house.gov/111/nye030410.pdf
  (UI生) 


(宮崎正弘のコメント)面白い情報を有り難う御座います。ただし次回から大意くらい要約していただけると尚、有り難いですが。。。
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 桜林美佐さんには『終わらないラブレター』(PHP研究所)、『海をひらく』、『奇跡の船 宗谷』(並木書房)などの著作があり、櫻チャンネルのキャスター、放送作家、朗読家としても活躍されています。
        記
とき     3月24日(水曜日) 午後六時半
ところ    市ヶ谷「アルカディア市ヶ谷」四階会議室
講師     桜林美佐さん 「ひとり語り『拉孟に散った花』」
会場分担金  おひとり2000円(会員&学生は1000円)

どなたでも予約なくご参加いただけます!
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 宮崎正弘の新刊予告
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三月下旬(30日前後)発売決定!
 
 宮崎正弘 v 佐藤優『猛毒国家に囲まれた日本』
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 海竜社  1680円

(内容の一部)
 ロシアと中国、それぞれの外交原理、国家のあり方の差違
     文明の衝突? 歴史の終わり? 
米国の考え方は普遍的であり、日本の常識はいまも世界の非常識
     ロシアはこれからどうなるのか。
ソルジェニツィンが予言したようにスラブ三兄弟(ベラルーシ、ウクライナと再合併はあるか)

 中国とロシアの経済は崩壊するのか、それとも成長を続けるのか  
政治体制は変わっていくのか。「自由」と「民主」が実現するのか 
     年内にGDP世界第貳位。軍事的にも世界二位?
     SDRに切り替え、ドル基軸のIMFを揺さぶり、経済覇権も狙う。

 日本の将来はどうなる?
      日米安保条約は空洞化するか、軍事同盟化するか? 
      日本が中国の核の傘にはいる?
      日本がロシアと軍事同盟を結び中国を囲む
      日本が印度と軍事条約を結び中国を囲む
      日本が独自の防衛力を整備し、真の独立を果たす
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宮崎正弘最新刊 
『中国のひとり勝ちと日本のひとり負けはなぜ起きたか』(徳間書店、1680円)

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宮崎正弘 v 西部邁
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<宮崎正弘のロングセラーズ>
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『朝日新聞がなくなる日』(ワック、945円)
『中国分裂 七つの理由』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ、1680円)
『絶望の大国、中国の真実』(石平氏との共著、980円。ワック文庫) 
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円) 
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
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  ◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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