国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2010/03/04


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成22年(2010年)3月5日(金曜日)
       通巻2897号 <3月4日発行>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『半世紀を経た日米安保、正念場』
 @@@@@@@@@@@@@@
                       宮崎正弘


 ▲矛盾だらけの鳩山政権『安全保障』への姿勢
 
普天間基地移設問題で鳩山政権の対応が鈍く、米国では対日不信感が高まり、日米同盟にかなり深い亀裂が入った。

 ところが日米安保条約の署名五十周年を迎えた一月19日に日米双方は「同盟関係の深化」を主張し、鳩山首相は「対等な日米関係」を唱えた。すなわちオバマ大統領は声明をだし、日米の外務・防衛担当四閣僚は「共同声明」を発表したわけだが、そのなかで「アジア太平洋の平和に寄与」云々と五十年に亘る日米安保条約の意義を確認している。
 まことに矛盾してはいないか。

 第一に現行安保条約は占領がとけてGHQが去ったあとも一方的に米国有利だった旧条約を「より平等な関係」に改定したもので、さはさりながら駐在軍属の免税など不平等な中味は今も変わりない。サンフランシスコ講和条約とセットで締結された安保条約に付帯した「日米地位協定」で日本の基地提供は明文化された。

 当該第六条は「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリ力合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される」。
つまり主権国家に他国の軍隊の駐留という異常事態は、これで合法化されたのだ。


 第二にもし「対等な」日米関係を言うのならば、守ってもらうばかりではなく「日本の義務」を増やすべきで、新しい同盟関係をめざす再改定を模索すべきであろう。
 
すなわち「日本防衛に米国は責任を負うが」「米国が危機に陥っても日本は支援に駆けつけなくてもよい」「そのために米軍に基地を提供する義務を日本が負う」という不平等な内容を「対等な関係」にするのなら論理的である。条約を改定しない限り米軍が普天間に居座り続けても日本が文句をいう筋合いはない。
 ところが対等と主唱し基地移転を叫ぶだけの鳩山政権から何らの建設的な提案はない。


▲自立・自尊とは何か

 第三にお互いが条約の不平等を認識しながらも技術的には追加文書などでテクニカルに実質が変更されている。「極東」の範囲を超えてすでに自衛隊はカンボジア、イラク、モザンビーク、ゴラン高原そしてソマリア海域に派遣されている。

 これは05年に日米双方が署名した「日米同盟 未来の変革と再編」で確認され、爾来、「周辺海域」「極東条項」などの論議は消え、集団安全保障論議も雲散霧消した。

 日米安保条約から半世紀を経て、より対等な条約への改定議論がおこるべきではないのか。
 日本が防衛力を高めて、自分で自分を守る決意を示し、そののちに初めて基地の扱いを主張するべきであり、いまのアプローチは順番も手法もあべこべである。

 自立・自尊とは、自分のくにはまず自分がまもるという姿勢を示し、そのためには最低限度の防衛力をそなえ、しかるのちに共通の利害のために同盟関係を結び、相互の防衛義務を果たすというのが本来の同盟の絆である。
 そうした決意もなく同盟の深化や対等を口にするのは言葉の遊びでしかあるまい。

(この文章は『北国新聞』、3月1日付けコラム『北風抄』からの転載です)
    ◎ ○ △ □ 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(東京メトロポリタンTVからお知らせ)
人気番組「西部邁ゼミナール 戦後タブーをけっ飛ばせ」
 「目覚めよ、長き平和の昼寝から」
二回に亘って放送されます!
出演:西部邁、木村三浩、秋山祐徳太子、宮崎正弘。
 第一回 3月6日(土曜) 午前1100 再放送7日(日)午前0730
 第二回 3月13日(土曜)午前1100 再放送14日(日)0730

(なお関東以遠の皆様には一週間後からU−tubeで閲覧が可能になります)
  △△
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
+ △ +++++ @@@@@@@ 宮 @@@@@@ +++  △ +++
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(読者の声1) 
今回のバンクーバーオリンピックで日本は金メダルゼロ、メダル総数で5個。対して韓国は金メダル6個、メダル総数で14個。この圧倒的差は如何に?
 
 同じアジア人でありながら、しかも韓国の人口は日本の半分以下なのに。もし韓国が日本くらいの国の規模であったと換算すれば、金メダル10個、メダル総数で30個くらい取れた可能性もあります。
 
 韓国は実はスポーツのみならず、音楽、芸能、産業における躍進も目覚しいのです。その背景としては、非常に教育熱が高く、家計における教育費の割合が高いこと、国家レベルでエリートを育成し、戦略を立て、相当の予算もつぎ込んでいることなどが考えられます。
 
 お国のためと国が一つにまとまり一致団結して向かうのは、かつて日本のお家芸であったはずですが、現代日本人は国への帰属意識が薄く、国家としての方向性、戦略を欠き、てんでばらばら状態で力が分散し、出し切れていません。あらゆる面において韓国がかつての日本を踏襲してのし上がってきているようにすら感じます。
 
 金メダルを期待されたフィギュアスケートも完敗でした。しかしこれは真央ちゃんの実力の結果ではありません。コーチ陣と国の招いた敗北です。
 実力で言えば二人は五分五分なはず。なのにあの得点差はひどい。
 恐らく韓国はキムヨナに金メダルを取らせるため水面下で動いていたはずです。キムヨナにトリプルアクセルを捨てさせ、採点システムをキムヨナに有利になるよう国際スケート連盟(ISU)にルール改訂を働きかけた結果だと想像します。ジャンプを跳べなくても勝てるようにした。そのあおりを受けたのが男子で4回転を跳んでも銀メダルだったロシアのプルシェンコです。可哀想に。
 
 IOCはその不満に対して、間違っているというのならISUにロビー活動をしろと明言しています。あらゆる分野において日本は策略、ロビー活動に劣っており、ワールドカップサッカーを単独開催できなかったのもそのせいです。
 
 しかし、ジャンプがフィギュアの真骨頂だと思いますし、日本がそう考えるならば、いくら金メダルが取れまいがこれからもトリプルアクセルを跳び続けるべきだと思います。キムヨナにあなたはフィギュアの実力だけで金メダルを取ったのではなく、半分以上政治力やシステムなど自分の実力以外で取ったものだと分かってもらうためにも。真央ちゃん、頑張れ!そしてありあがとう。 
  (TM生)



  ♪
(読者の声2)貴誌昨日付け、拙稿の”日配” ですが、家に帰って調べましたところ『サピオ』ではなく、『WILL』の3月号のなかでジャーナリスト、田中稔氏の ”偽装結婚、虚偽申請、知られざる外国人永住者の実態” にて紹介されていた言葉でした。
  (香港読者)


(宮崎正弘のコメント)了解しました。
  △
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(サイト情報)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(キャンベル国務次官補の証言)
米下院外交委員会アジア太平洋・地球環境小委員会にて3月3日、東アジア太平洋地域の概観について公聴会が開かれ、キャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)が証言した。
Regional Overview of East Asia and the Pacific、Statement Before the House Committee on Foreign Affairs Subcommittee on Asia, the Pacific, and the Global Environment、Kurt M. Campbell, Assistant Secretary, Bureau of East Asian and Pacific Affairs;U.S. Department of State, March 3, 2010
http://www.state.gov/p/eap/rls/rm/2010/03/137754.htm
  ◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
>>>>>>>>>>>>>>  宮  <<<<<<<<<<<<<<<<<<
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(お知らせ)明日3月6日と7日は休刊になります
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ♪
宮崎正弘最新刊 
『中国のひとり勝ちと日本のひとり負けはなぜ起きたか』(徳間書店、1680円)
  ♪♪
宮崎正弘 v 西部邁
『日米安保、五十年』(海竜社、1680円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4759311092/

  ♪♪♪
<宮崎正弘のロングセラーズ>
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『朝日新聞がなくなる日』(ワック、945円)
『中国分裂 七つの理由』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ、1680円)
『絶望の大国、中国の真実』(石平氏との共著、980円。ワック文庫) 
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円) 
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
     ★ ☆ ★ ☆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有)宮崎正弘事務所 2001−2010 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。