国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2010/02/28

◆台湾で野党が大勝! 馬政権の大陸宥和政策に黄色信号?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成22年(2010年)3月1日(月曜日)
        通巻2892号 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 国民党、じつに四連敗。馬政権の北京急接近に台湾国民がNO
  嘉義、新竹、桃園で国民党有力候補が落選。花蓮でかろうじて一議席確保
****************************************

 馬英九の四連敗。つまり国民党の惨敗が続いている。
今回の国会議員補欠選挙は重大とばかり国民党は有力候補に絞り、学者で清潔なイメージの有名人も落下傘候補で送ったが、当選できなかった。

 夏の日本の参議院選挙、おそらく、こういうことになるだろう。
小沢惨敗、鳩山退陣というシナリオにぶれる可能性が日々高まっている(いや、鳩山が政権を投げるのはもっと前になるかも)。

 昨年九月、台湾の国会議員の補欠選挙は雲林県。国民党の金城湯池の場所で、何故か馬英九の人気がとまり、敗れた。直前の台風被害救援の遅れ、災害対策への無策が国民の怒りを買ったのが原因と言われた。
 底流にはあまりに性急な大陸接近への本省人の不安と不信があり、それが反・国民党傾斜へのバネになったのである。

 就任当時(08年五月)、60%以上の支持率があった馬政権、いまや20%台(国民党系の中国時報や連合報の調査で)。
 これも鳩山人気急落と似ている。

 同年12月、五大都市をのぞく県知事と市長選挙(17大市長県知事選挙)でも国民党は全勝からおおきく後退し、四議席を野党・民進党が獲得した。
 13席を確保したといっても国民党は得票率を15%も下げ、民進党との差は2・5%というきわどさだった。

ついで本年一月の国会議員補欠選挙は改選三議席の全てが民進党のものとなる。
全敗である。
これは国民党にとって強い衝撃だった。

今回(2月27日)の国会議員補欠選挙では、四議席中の三議席が民進党へ。結局、花蓮のみが国民党(それも辛勝だった)。

 これで台湾国会は国民党75,民進党33,無所属5(定数113)。あと一議席伸ばして野党連合が39議席となれば、三分の一をこえるので総統不信任案を上程できる。

 今回の得票は次の通り
 
嘉義
 陳明文(前知事)57451(民進党)
 林徳瑞(国民党)27138
 嘉義はもともと反国民党感情のつよい地盤で、事前予測でもこの選挙区だけは国民党はあきらめていた。

 新竹
 膨紹僅(前地裁判事)71625(民進党)
 鄭永堂(国民党)  56342
 外省人ならびに選挙民に大陸とのビジネスマンが多い地区(ハイテクパークがある)で事前には民進党の苦戦が伝えられていた。
だが馬の不人気と政治に醒めたビジネスマンが多い所為か、投票率が36%と低調。国民党支持者の多くが棄権したためといわれる。

 桃園
 黄仁予(前市議)  45363 (民進党)
 陳学聖(前台北市議)42600 (国民党の落下傘候補)
 番狂わせ。桃園も国民党が強力な地盤をもつ選挙区だったが、国民党系から、党の「落下傘候補」(陳学聖は学者候補)に反発して組織が分裂し、独自に呉全東(県議)と林香美(副市長)が立候補して各一万票を獲得した。
つまり民進党は「漁夫の利」を得た。

 花蓮
 王延弁(国民党) 39379
 粛美琴(民進党) 33249
 施勝郎(国民党系) 8863
 この花蓮も国民党の強い選挙区で、女性の落下傘候補=粛美琴(前立法委員)は多くのボランティアを連れての選挙だったがおよばず。しかし僅か6000票までに追い上げ、国民党のダントツの強さは失われていることがわかる。前の選挙以来、国民党の分裂も響いた。


 ▲年末の五大市長選挙で次の総統に甚大な影響がでる

 敗戦の弁を国民党の金溥聡・秘書長は「候補者の指名制度と党改革の遅れが原因」として、地域閥化した国民党の古い体質からの脱皮を掲げたが、買票システムの実態にはふれなかった。
国民党を牛耳る金溥聡は満州族。馬英九にもっとも近いブレーンとしてしられる。彼の立場も、この結果ではおおきく揺らぐだろう。

 蘇嘉全(民進党秘書長)は「クリーンな背景とクリーンなイメージ造りに国民党は破れた」とし、さらなる民進党の躍進を語った。
蔡英文・主席(女性)の党首続投は、これでほぼ固まった。

 年末に台湾は五大市長選挙(台北、新北、台中、台南、高雄)を行うが、このうち台南と高雄をのぞいて民進党は弱いとされる選挙区ばかり。
だが、いまの勢いが続けば(続くだろうが)、台中と新北(台北県が特別市に昇格)も民進党が取れる可能性がある。

五大市長は台湾政府の閣議に出席できる閣僚級である。
このため現地通によれば、花蓮で善戦した粛美琴や、前首相で民進党の有力政治家=蘇貞昌らが台北、新北市長への出馬が予測されている。
   △

 (膨紹僅の「膨」から月扁ととり、「僅」は王扁。「粛美琴」の「粛」には草冠)
    ▲ ◎ ○ △ □ ◆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
++++++++@@@@@@@@@ 宮 @@@@@@@@@+++++++++
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(読者の声1) 2月28日深夜、BBCのスターリン特集を見ました。
彼の生誕地グルジアはスターリンによる沢山の無実の粛清犠牲者をだしましたが、「ロシア人を大量に殺した」のでスターリン支持者が多く、今も英雄です。グルジアは帝政ロシアに占領された国であり、スターリンはロシア人ではありません。
こんな挿話が紹介されていました。スターリンの謁見室には特別の係がいた。それは小便の始末をする係であった。
謁見者は恐怖と緊張のあまりよく失禁したからである!
フルシチョフは、スターリンの腹心の大幹部でしたが、それでもスターリンはあまりに恐ろしくて彼と居る時は大変な苦痛だったと回顧録に記しています。次の瞬間、自分の運命がどう暗転するか分からないからです。「幹部会で欠席者がいても、(恐ろしくて)何故かスターリンに聞く勇気のある者はいなかった」。また「スターリンが踊れと言えば、頭の良い奴は踊った」と記しています。
実際にも彼はスターリンの幹部たちとの宴会でコサック・ダンスをやれと言われ、肥った体で、死に物狂いで踊ったと記しています。
ちょっとでもスターリンの不興をかえば最高幹部でも即座におしまいだったのです。
いま、ロシア政権は国民の歴史教科書をこれまでのソ連批判調からソ連犯罪の隠蔽歪曲調に転換しています。
たとえばスターリンの殺した国民は飢餓輸出政策による餓死者を入れると数百万から二千万といわれ想像を絶しますが、それがたった80万人に偽造されています。
またあの沢山の無辜の人々を残酷に滅ぼした巨大強制収容所体制や秘密警察KGBをつかった恐怖の犯罪統治も隠蔽されています。独ソ戦における米英の役割も矮小歪曲され、昔のソ連史観に戻っています。
 そこで今までの教科書を書いた歴史家に聞くと、とにかく歴史は史実に基づくべきであり、その上で国民が考え判断すべきと述べています。
しかし新しい教科書の著者は、あまりに悲惨な犯罪の歴史なので、子供に誇りを持たせることができない。そこで隠蔽、歪曲、美化するという政治優先とのことです。
これは暴力と専制になれたロシア人でも人間善を求めるので、自己正当化の拠りどころが結局歴史の隠蔽、歪曲、偽造になるということなのでしょうか。
プーチンも出身が悪のKGBの大幹部なので過去の道徳的全否定は耐えられないのでしょう。
この点、日本のように天皇をいただく民族は正義と真実を信じることができるので、本当に幸せです。
 ただし日本では、逆に戦後スターリンがGHQや日本の左翼をつかって日本民族の歴史を否定的に隠蔽、歪曲、偽造しました。それが続いているので今に至るまで子供や若い人が日本の歴史に誇りを持つことができません。
したがって早急に戦後の反日歴史観を廃棄し、正しい民族史を明らかにすることが必要です。日本の方はロシアと違い真実の栄光の歴史が隠されているのであり、覆いをとれば本来の立派な民族史が輝き現れます。その点、覆いをとれば悲惨な大犯罪が現れるロシアとは大違いです。
  (東海子)


(宮崎正弘のコメント)レーニンが後悔したでしょうね。スターリンが後継などとは!
 まさにロシアと日本は性格的に大違いです。スターリンはグルジア人で神学校に通い、キリスト教を信じていた。神の存在を畏れていた。ロシアで“本格的”な宗教弾圧はフルシチョフ時代からです。ロシア正教の教会を倉庫にしたり破壊したのは。
 レーニンは四分の一タタール(モンゴル系)、スターリンはグルジア人(ロシアの兄弟分)、フルシチョフはウクライナの百姓、ブレジネフは冶金学専門。つまり正式の大学卒のロシア人エリートはゴルバチョフからです。
 「民主主義」の概念がはじめてインプットされた大統領は、すぐに国民からそっぽを向かれましたが(苦笑)。



  ♪
(読者の声2)貴誌前号で「フー?」と話題となった勝間和代についてお報せします。
NHK教育TV番組で最近よく見かけます。藤巻幸夫とのコンビで「知る楽」という番組にたびたび出ていますが、2人とも最近はNHK御用達のような存在です。
TV画面でクローズアップされるとはっきり言って見たくない顔です。とくに口元としゃべり方が下卑た印象を与えます。
 ウィキペディアによれば「学位はファイナンス修士(専門職)(早稲田大学)。公認会計士、株式会社「監査と分析」代表取締役、内閣府男女共同参画会議議員、中央大学大学院戦略経営研究科客員教授」。
上の男女共同参画会議議員という経歴を見ればおおよその思想信条は想像がつくと思います。
勉強法、利殖、知的生産などに関する著書がありいずれも20万部以上を売ったという。本などの執筆については、「私は本については、書く努力の5倍、売る努力をするということを決めています。」とのこと。
JPモルガン証券在籍時代の証券アナリストとしての評価:2006年10月4日に勝間が発行した楽天に関するレポートについては、JPモルガン証券が「訂正が必要な重大なミス」があったと判断、同6日付で「一部当社の理解不足があった。(楽天の情報開示が不十分との印象を与える)不適切な表現があった」と訂正した。さらに同12日になって「調査部で検討した結果、現時点で当社は深い理解に基づいた調査・分析を行える立場にないと判断した」として楽天を分析対象から外した。
   (ちゅん)


(宮崎正弘のコメント)面白い情報を頂きました。ありがとう御座います。アバクロを着せると似合いそうな女性ですね。
  ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
>>>>>>>>>>>>>>>>>>><<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
宮崎正弘最新刊 
『中国のひとり勝ちと日本のひとり負けはなぜ起きたか』(徳間書店、1680円)
  ♪♪
宮崎正弘 v 西部邁
『日米安保、五十年』(海竜社、1680円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4759311092/

  ♪♪♪
<宮崎正弘のロングセラーズ>
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『朝日新聞がなくなる日』(ワック、945円)
『中国分裂 七つの理由』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ、1680円)
『絶望の大国、中国の真実』(石平氏との共著、980円。ワック文庫) 
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円) 
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
     ★ ☆ ★ ☆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有)宮崎正弘事務所 2001−2010 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。