国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2010/02/24


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成22年(2010年)2月24日(水曜日)参
          通巻2890号 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 貴州省、甘粛省で三ヶ月も雨が降らず、干魃被害が農地を襲っている
  他方、珠海デルタでは2千万人の労働者が帰省先から輸出工場に戻らない
****************************************

 人民日報英語版などが公式に干魃の報道を始めた。
 貴州省南部の苗族自治区では153万人が水不足に悩み、川底にも地割れができて、穀物が枯れている。その被害面積は400万ムーに及ぶ(チャイナ・ディリー、2月23日)。
75万頭の家畜の成育も危ぶまれている。

 甘粛省ではこの三ヶ月間、一滴の雨も降らず農民が困窮している。
 干魃被害は甘粛省の全農地の三分の一、130万ヘクタールに達する(人民日報英語版、2月24日付け)。
 飲み水はミネラルウォーターを購入してまかなっているため、息子らが広州で働いてきた給金の殆どが水代に消えたという嗤えない話。深刻な水不足に困窮している農民が72000人。

 雲南省の水不足はもっと深刻で過去60年なかった被害という。
「半年、風呂に入っていない」という農民が殆ど。しかも向こう十日間、雨の予報はない。

 他方、旧正月休みがあけた華南の工業地帯。

 予測されたように労働者が戻らず、工場の稼働に支障がでている。広州の企業の80%が人手不足に悩み、つねに募集をかけているが、地方労働者が華南にもどる気配がない。
「労働者がつぎの現場を探すのは自由であり、どこへ行こうが現代中国のメカニズムでは労働移動をとめることはできない」。

 湖北省はかつて華南への大労働輸出基地だった。1270万人が移民労働として登録されていた。

 四川省から広東省へむかった労働者は08年が700万人。それが09年には500万人に。つまり200万人は、ほかの条件が良い現場へ向かったことになる。
「四川省での最低賃金は1000元になった。これなら華南へ出稼ぎに行かなくてもいい条件だ」(浙江省の最低賃金が890元)として地元企業で働く四川省のひとびとも増えた。

 公式見解は言う。「これは中央政府の内陸部への工場移転政策が成功した証拠である」と。
   ▲
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(読者の声1) 貴誌前号で、久しぶりに宮崎先生の国内政治論を拝見しました。遠藤さんの『政権交代のまぼろし』の書評に託しているとはいえ、そこで展開されているのは宮!)さんの国内政治への批判。数々の小鳩政権批判の渦の中でも、小沢一郎を『小さな、小さな、小さな、小さなマキャベリスト』と定義されるあたり、文学評論からくる比喩でしょうか、印象的でした。
  (HJ生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)まだ「普通の国」に日本をしようと言っていた時代の小沢さんには政治家としての夢があった。新生党、自由党と流れていく過程で「志」をどこかに捨ててしまったのでしょう。



  ♪
(読者の声2)貴見の遠藤浩一さん『政権交代のまぼろし』書評に関して感想です。
1.小泉首相の靖国神社参拝は非難すべきではないと思います。近年淳国の英霊を顕彰した首相は彼しかいません。彼には鳩山や小沢のような金銭スキャンダルはありませんし、今も中共のもっとも恐れる政治家です。日米関係を改善できる政治家はおそらく彼しかいないでしょう。
2.鳩山と小沢はぶれていません。反日、反米、売国で一貫しています。日本人は日本の政治家はみな愛国者、親米のハズという思い込みがあるため、ブレルと誤解するのではないかと思います。冷静な目で観察する必要があります。
3.自民党は戦後日本の縮図です。すなわち中共、南北朝鮮、ロシアに浸透され、破壊された日本が自民党です。もはやはき溜状態なので使い物になりません。日本回復は、聖書にあるように「新しい酒は新しい革袋に」です。新しい愛国国民団体が待たれています。
4.小沢はヒトラーにたとえて非難する向きもあります。しかしヒトラーが強烈な民族主義者であることを考えると、外国に隷従する小沢がヒトラーではないことはすぐに分かります。権力主義者はスターリン、毛沢東、ポルポトなど左翼に沢山います。ただ小沢は指導者ではなくトラの威を借る外国の代官です。
5.民主党の暴政をファシズムと批判する声があります。しかし民主党はまったくファシズムではありません。ファシズムは民族主義思想だからです。そうではなく共産党独裁の導入政党です。もし民主党に私的武力があれば、マキャベッリのいう「武装せる予言者」となって日本社会の言論統制、暴力支配の恐怖政治を始めます。その萌芽がエセ人権委員会制度です。
6.議会制度と独裁について:古代ローマ共和制時代から人間は多数決は万能ではなく、平時にしか機能しないことを知っていました。そうでないと独裁国家に意思決定の速度で負けてしまうからです。だから戦争など危機の時代には期間を限って人望ある市民に独裁権を委任しました。それが臨時独裁官(ディクタトール)制度です。
現代の民主主義国家でも危機に備えた独裁官制度があり、それが米国などの大統領制度です。日本にはありませんが。政治の目的は生存であり、政治制度はそのための意志決定の手段です。だから民主主義を多数決制度とすれば、政治の意思決定の手段の一つにすぎず、それ自体が政治の目的ではありません。生存という大目的を考えると、民主主義には可能性と限界があるということです。
7.民主政権の政治を「子供じみた政治」と言いたい気持ちはわかりますが、裏で進んでいる大陰謀を知れば馬鹿にする余裕はないでしょう。放置すると国を売られ自分や家族を売られるという恐ろしい状況になっています。
敵は60年にわたり日本人をだまし、今や日本人は情けないことに自衛を拒否し、国家を否定するという完全な錯乱状況に陥っています。宮沢賢治の「注文の多い料理店」の狩人状態です。我々番犬が吠えて、ようやく国民に危機感が拡がりだしましたが、気がつくと今や我々は主権放棄目前の崖っぷちに追い詰められています。

 ということで決して敵を侮ってはなりません。ただし毛沢東は戦争においては「戦略的には軽視するが戦術的には重視する」と述べています。日本人が連帯し全力を尽くせば敵の撃退と国家回復は可能です。問題はだまされ油断してきた我々は貴重な時間を失っていることです。しかし座して死を待つことはできません。
今や力を合わせ一歩も引かない覚悟でまず民主党を駆逐するとともに、真剣になって国防以下日本の政治を正常化することが日本人に求められています。 
    (東海子)



  ♪
(読者の声3)2003年4月、安部晋三首相が渡米する前に東京で『ニューズウイーク』のインタビューに応じた。
記事をよんで驚き、忠告を書いた。そして内閣広報室にもメールで出した。だが読まなかったようです。
ぺロシ(下院議長)に睨まれた安倍首相は少年のようにうなだれ、翌日、謝罪と取られる発言をした。横にいたブッシュは助けなかった。
7月、慰安婦決議通過。日本の為政者は自分を偉いところにおいているので、在米42年の日本人の忠告など聞かない。
豊田社長が明日(日本時間で25日)の米議会で陳述を行う、その原稿を読んだ。良く出来ていますよ。
まず「自分は、あなたたちと同じように車が好きだ。自分は、トヨタの車が人命を奪ったことを謝りたい。トヨタという自分の名前が製品につけてある。自分は原点に帰る」と。
やはり、経営者ですね。
政治家よりは、社会への責任認識はダントツです。後は、トヨタは消費者に奉仕することを仕事としているとか、スマイルする余裕とか、トヨタの総司令官の強い決意を見せることですね。
(伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)そうです。議会とマスコミを前にスマイルする余裕が欲しい。グルーンスパン前FRB議長のように「間違いによる政策はあったかも知れない」とか。
         ○○
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(編集部より)次号の発行は28日の予定です。投書される方はご留意下さい。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
########################################
樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@

   ――頑固一徹・周作人・・・こんな中国人もいたんです
        『日本文化を語る』(周作人 筑摩書房 1973年)



彼は簡素、自然を尊ぶ日本文化の姿を心から好む一方、纏足、宦官、阿片、八股文を生んだ中国文化を生涯にわたって嫌い、そして避けた。

彼は俳諧、俳文、川柳、狂歌、小唄、俗曲、洒落本、滑稽本、落語、小袖に駒下駄、浮世絵といった江戸文化を憧憬し偏愛する一方で、共産党が金科玉条の如く掲げる大衆の革命性を、ロマン主義とか宗教と評し韜晦気味に斥け嘲笑した。

彼が1930年代に書いた日本に関する短い文章を主として編集されている本書から、日本人の立ち居振る舞いと日本文化に対する彼の温かくも辛らつな視線を感じると同時に、個人の力では如何とも抗し難い時代の流れに対する溜息が聞こえてくるように思える。

「このごろ中国に排日家が多くなったのは動かしがたい事実である。中国人の日本人に対する反感がとくに強いのは何故だろう。原因はいろいろと複雑に違いないが、思うに最も重要なのは、日本が中国人の性質をよく心得ていて、それにふさわしいやり方で片をつけようとするからである。
・・・排日家の多くは、あらゆる日本人を一括して排斥排斥と叫び、ひたすら国民同士の憎悪を助長する。これにははなはだ同意しかねるのだ」

「中国には、その独特の地位からして、特に日本を理解する必要と可能性がある。だが事実はさにあらず。みな日本文化を軽蔑し、昔は中国を、今は西洋を模倣しているだけで一見もない、くらいに心得ている。なるほど日本の古今の文化が中国と西洋に取材していることは本当だ。しかし一通りの調合を加えてそれを自分のものとしたところは、あたかもローマ文明がギリシャ文明より出て自ら一家を成したのと同じである」

「中国と日本は同文同種などという間柄ではないが、文化の交流があったお蔭で、さすがに思想はいくらか理解しやすい。文字も習いやすい方であるから(もっとも反面では、日本文の中になまじ漢字の混じっていることが、中国人の透徹した日本理解を妨げているとわたしは思うのだが)」

「日本は小ギリシャといわれるとおり、確かにギリシャに似た特色をもっているが、中国文化との関係では、先進国の文化を持って行って保存あるいは同化のうえ一段と発揚した」

著者(1885年から1967年)は中国近代を代表する文学者である魯迅のすぐ下の弟。
06年に兄を頼って日本に留学し立教大学に入学。下宿の娘と結婚。辛亥革命が起こった1911年に帰国し、17年には北京大学教授に。37年の日本軍の入城後も北京に留まり、北京大学文学院長に。

日本敗戦後は文化漢奸として逮捕され、46年11月に懲役14年の刑が確定。国民党政権崩壊を機に獄舎から解放されたが、次の共産党政権が日本協力者を赦すわけがなかった。北京での幽閉生活を余儀なくされた彼は「一説便俗(言い訳はヤボさ)」とばかりに沈黙を貫き、文革初期の燃え盛る炎に焼き焦がされるようにして82年の人生を終える。

香港留学時代に知ることになった某氏は、偶然にも周の晩年の親友だった。
彼が北京から受け取った手紙には東京で塩昆布、塩辛、うに、インスタント味噌汁、カステラ、羊羹などを調達して欲しい、と。

兄は中国人に憤慨し、弟は東京に残る江戸庶民文化を偏愛した。どうやら日本での生活は、その後の兄弟の人生を大きく左右したようだ。
《QED》

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(休刊のお知らせ)小誌は明日2月25日から27日が休刊です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
宮崎正弘最新刊 
『中国のひとり勝ちと日本のひとり負けはなぜ起きたか』(徳間書店、1680円)
  ♪♪
宮崎正弘 v 西部邁
『日米安保、五十年』(海竜社、1680円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4759311092/

  ♪♪♪
<宮崎正弘のロングセラーズ>
『増長し無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(石平氏との対談。ワック、945円)
『朝日新聞がなくなる日』(ワック、945円)
『中国分裂 七つの理由』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ、1680円)
『絶望の大国、中国の真実』(石平氏との共著、980円。ワック文庫) 
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円) 
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
     ★ ☆ ★ ☆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有)宮崎正弘事務所 2001−2010 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。