国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2010/02/02


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成22年(2010年)2月2日(火曜日)
         通巻2859号
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 重慶の汚職摘発で勇名を馳せた薄き来は「北京上層部には迷惑」
  薄重慶書記の中央抜擢はあり得ない、と北京は姑息な結論に達した
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 北京上層部の消息筋は次の雰囲気であることを『博聞新聞網』(2月2日)が伝えた。
 党中央は『汚職追放』をスローガンに賄賂・収賄を禁止し、幹部の汚職を追放せよと地方幹部に命じた。
 これは毛沢東以来の共産党政治の悲願でもある。

昨年夏、この呼びかけに忠実に呼応して重慶市にはびこった地元マフィア1500余名(そのなかには重慶市全人代代表も含まれた)を一網打尽とした薄き来(重慶市書記)は国民から「シナ版大岡越前」と賞賛された。

 北京の上層部は、この遣り方に『不安』を感じた。
 守旧派にとっては急激な改革はどのみち迷惑であるに違いない。

 つまり汚職追放は政治的スローガンであっても、かけ声だけで、文字通りもし厳密に適用されたら汚職容疑にひっかかる幹部は全員なのだから、不安になるのは当然だろう。

 薄き来は、これによりつぎの出世が野心にあり、次に中央政治局常任委員への突破口をねらったばかりか、第十八回共産党大会ではすくなくとも首相の座を確保しようとした。

小沢某は国民の税金をくすねてちまちまと貯めた数億円で沖縄の米軍基地移転先の土地の購入までしていたそうだから、不動産屋に転業した方がよほど良いと考えられるが、中国では小沢程度の汚職なんぞ、そのへんの木っ端役人がやっていることである。

 さて北京上層部にとって、厳密に汚職粛正などやってもらうと困るのだ。
 国民の喝采をあびて党の秩序を乱すのもこまる。なにしろ、習近平次期総書記、李克強次期首相でほぼ人事は固まっているのであり、これ以上の攪乱も困る。
 どうも波乱を好まない胡錦涛執行部は、人事による波乱より安定が望ましいらしいのである。

 というわけで、薄き来の次期首相入りは難しいというのが現在の北京の雰囲気であるという。
 さもありなん。権力とカネの癒着を趙紫陽は「権銭交易」と比喩したが、まさに現在の中国の政治は、これに近いと言えるだろう。
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読者の声●どくしゃのこえ ☆宮☆ ◆DOKUSHANOKOE◆ 読者の声
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(読者の声1)日本の場合、左翼ではなくサヨクと書く人の方が多いようです。私が疑問に思っていたものはサヨクの方だったのだと思います。
http://www9.big.or.jp/~cumy/cgi/list.cgi?number=sayoku
全部読んだ訳ではないですが、このサイトが非常に参考になりました。
(NK生、名古屋)


(宮崎正弘のコメント)じつに詳細を究めたサイトですね。読むのも大変ですが。



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(読者の声2)貴誌バックナンバーに私が書いた投稿に対する以下の反論(原文は文末改行で句点がなかったので、補った。)が書き込まれていました。私の説明が不明確だったと思われるので、補足させてください。
http://www.melma.com/backnumber_45206/>> このコメント
がつけられた記事 ST生、千葉氏の合わせガラスと電磁波について説明は少し誤解があります。合わせガラスは元々破壊飛散防止の為に作られた物で東洋工業(現マツダ)は海外に輸出開始し始めていた日本車では良識ある会社で唯一装着していた企業です。
マツダの歴史(The History of MAZDA)
http://homepage3.nifty.com/r360coupe/history.htm
http://www.agc-automotive.com/japanese/products/lami.html
 アメリカ車も1950年以前から付けていた。
失明はむしろ部分強化ガラスに付けている日本の他社が多かった。合わせガラスは航空機の為に作られた物。被弾による破壊で急減圧防止の為である。ちなみに最初に合わせガラスを付けた自動車はGMです。」
これは、二重に貼り合わせた「合わせガラス」で、自動車に対しては、急減圧某氏のためではなく衝撃でガラスが割れるとき、尖った破片が飛び散ることを防ぐために使かわれました。合わせガラスが事故が起きた時の安全性を高めるためのものであること、東洋工業が安全性を重視するために当該技術を導入したことは明白です。
私が投稿で言及した失明の原因となったのは、合わせガラス技術により発生を防いだ尖った破片ではありません。ガラスの合わせ目から飛び散っていた微細な破片です。
尖った破片がフロントガラスから飛び散ることのない軽微な事故で失明がおきたことが問題とされ、自動車会社各社が資金提供して設立された団体が調査し、結果を会員の自動車会社各社に報告しました。
だからこそ同じく合わせガラスを使いながら、継ぎ目に特殊加工を行なっていた日産製の自動車での失明事故が2件であり、合わせガラスを使用していなかったトヨタ製ではゼロ件だったのです。
しかし合わせガラスを使わなければ、尖ったガラスの破片の発生を防げないような大きな事故では、トヨタ製の自動車の方が大きな傷害を引き起こしていた可能性はあります。
残念ながらその団体の名前を私は失念しました。昭和51年に当時私が購読していた朝日新聞に、その団体は会員企業にだけ調査結果を発表するが今回は例外として一般に発表するとのその団体からの但し書き付きで記事になっていました。
ひとつ重要なことがこのことから学べます。
技術とは奥が深いものであり、常に虚心坦懐に観察しさらに先を求めることが必須だということです。なぜなら、あらゆる技術は、妥協の産物だからです。
  (ST生、千葉)



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(読者の声3)「米民主党のトヨタ・バッシング」を隼速報に載せました。
http://falcons.blog95.fc2.com/
  (伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)米欧につづき、中国でもトヨタ・リコール。日本排斥の謀略が背後にあるとすればゆゆしき事態の到来となります。



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(読者の声4)宮崎正弘 v 石平『増長し、無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』(ワック)を拝読しました。
親友が「妹がシアトルでの留学を終えて帰ってくるので二人で北京に観光に行く予定なんだけれどなんだか中国怖い気がする」。そんな話を聞いて、偶々新年会でお目にかかった大使館の公使の方が北京出身、仲良くなった女性は北京から日本へお嫁に来て、20年とか言っておられた、、この方達に北京のこと聞いてあげようと思っていた矢先目にしたのが、『増長し、無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』は、まさにうってつけ、北京を訪れておられるのだから「一応、万里の長城は行くつもり」「あそこはやめたほうがいいのでは、夏目雅子が若くして亡くなったのは、あすこへ行ったから、らしわよ」。
偶然手にした本に、宮崎先生と石さんがそこで仲良く方組んで写真を撮っておられる。
それにしても、一気に読ませる本ですが、時々「あれ、この発言、石さん?」と思いきや、その箇所が宮崎先生なんですよ。元中国人以上に中国にお詳しくていらっしゃる。
「そうそう」と相槌を打つのが石さんであることが度々。
こんないい方はお二人には失礼は百も承知ですが、ヤジキタ道中記なーんて思うところもあって、何度も声を殺して笑っちゃいました。
中国、中国、と。草木もなびいているけれど、このお二人にかかると、、漫才ですね。中国って。なんだか安心しちゃいました。
日本人はうしろ向き、中国人はこっちむき。非美人、、とか、読んでいて思わず噴出しちゃう、読み始めたら止められなくなっちゃって、夜中になっちゃったのですが、家人に奇異に感じられないように、声を出さずに笑うのが大変だった。
石さんも仰っていたけれど、時々、宮崎先生のほうが元中国人? と、錯覚を起こすほどに中国のことを良くご存知。さすが世界に名だたる「中国ウォッチャー」。
ただこの本は、中国の今を語りながら、日本の歴史もからめて語っておられるので『中国人でなくて、日本人で良かった』と思わせてくれます。
小沢さん、何でこんな国へ何百人も引き連れてご機嫌伺いに出かけたのかしら?
この本読んでいたら行かなかっただろうなぁ。
  (FF子、小平)


(宮崎正弘のコメント)そうですね。『中国の爆笑問題』という題名にしようと考えていたのです。



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(読者の声5)普天間基地移転先に関する議論が喧しい今日この頃ですが、関係者全員にメリットのある以下の解決策があります。
 全関係者にメリットの有る解決策の提示がない議論は不毛です。
解決策:
1.北小島の北端と南小島の東南端を結ぶ橋を懸け滑走路とする。(両島ともに尖閣諸島の一部。)
2.北小島と南小島を米軍用基地とする。
3.魚釣島に海上保安庁の基地をつくり、周辺諸国の商船を海賊の被害から守る。超高性能のレーダーを東北に向けて設置し海賊の出現を探査する。
4.米軍基地の軍人は、宿直を除き、普天間基地の住宅に居住し続け、北小島、南小島との間の通勤には再生日本航空の定期便を使う。
5.沖縄にある全米軍基地を形式上、自衛隊との共同利用として、地主に対する地代も自衛隊基地と同等とする。

米国の利益:
1.起伏の多い魚釣島と異なり、両島は軍事基地に絶好の地形であり、長い滑走路も使用可能である。
2.基地で働く米軍軍人が引っ越す必要がない。
3.沖縄の日本返還前では沖縄の一部として米国が領有していた勝手知った場所を使える。

世界の利益:珍しい鳥獣の住処である魚釣島をほぼ無傷にたもてる。

日本の利益:
1.土木業界、鉄鋼等の建設材業界の業績と再生日本航空の業績に貢献する。
2.現在、日本政府は、沖縄に有る米軍基地の土地の地代として沖縄本島の3倍の面積分支払っているが、これが、実際の面積分だけでよくなり10分の1になる。(なりすまし地主がほとんどで、米軍経由なので、直接の確認、支払い拒絶を日本政府ができないでいる。)
地代節約額で普天間基地移転費用に加え基地と沖縄本島の間の航空便の費用(1日千万円として年間約30億円)もカバーできる。
3.現在普天間基地住人向けのビジネスで生活費を得ている沖縄住民の生活も維持できる。

近隣国家の利益:近海における海賊の被害から守られる。とくに尖閣諸島の東北方面にある世界最大の海賊から守られる。
この控えめかつ関係者全員に利益のある解決策にご賛同いただければ幸いです。
  (ST生、千葉)



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(読者の声6)「小沢氏に問う、外国人参政権は国益か 危険な社会実験を急ぐ理由」
◆法案提出についての見通し
 永住外国人への地方参政権付与法案は、民主党・小沢幹事長が昨年12月に訪問先の韓国ソウル市内の講演において政府提案で今国会に提出する考えを表明したように、小沢氏主導で進められてきた。
永住外国人への地方参政権付与については、懸念事項として都市部でのゲットーの発生や、特定国の外国人の集団移住により小規模な自治体がコントロール下に置かれ進んでは分離独立運動の発生も考えられること、現在40カ国が導入しているが欧米主要先進国ではほぼ英仏独伊がEU域内や英連邦加盟諸国民に限定的に付与するのみであること等が、既に多くの論者から指摘されている。
筆者も、これらの懸念を共有し、少なくとも今国会に法案を提出するべきではないと考える。
ここに来て、一連の政治資金問題で小沢氏が窮地に立たされているため、法案の具体化が進まず提出が見送られる可能性等も出てきたが未だ予断を許さない。しかし、よくも悪くも民主党連立政権は、小沢氏のシナリオによって動いており、例え失脚してもその影響力が残るか、あるいは烏合の衆に戻り外側から小沢氏や自民党に揺さぶられるだけであり、各政策課題や構想について今一度小沢氏の考えを検証して置く必要があるだろう。
以下に小沢氏のホームページから、「小沢一郎のオピニオン・永住外国人の地方参政権について」(2005年自由党時代のものと思われる)
http://www.ozawa-ichiro.jp/policy/05.htmという文章を抜粋しながら筆者の論評を加えたい。

◆帰化を阻む障害は消えた
<抜粋>法案に反対する人達の多くの方の主張は「そんなに参政権が欲しければ帰化をして日本国籍を取得すればいい」という考え方があります。私もそれが一番いい方法だと思っておりますし、また在日のほとんど多くの人々の本心であると思います。
しかし、このことについては日本側・永住外国人側双方に大きな障害があります。日本側の問題点からいうと、国籍を取得する為の法律的要件が結構厳しいということと同時に、制度の運用が、(反対論の存在が念頭にあるせいなのかはわかりませんが)現実的に非常に帰化に消極的なやり方をしています。例えば、刑事事件とならない軽い交通違反(スピード違反・駐車違反等)を起こしただけで、余分に何年もかかっているのが現実です。これらの状況を日本の側として考えなければなりません。<以上抜粋>
 
小規模野党であった自由党党首当時はともかく、現在政権党にあるのだから国籍を取得する為の法律的要件や運用を緩めれば、この問題は即座に解消される。

◆特別永住者限定なのか?
<抜粋>一方、永住外国人のほとんど多くの人は日本で生まれ育って、まったくの日本人そのものであり、その人達が日本人として生涯にわたって生きていきたいと願っていることは、紛れもない事実だと私は思います。ただ、過去の併合の歴史や、それに伴う差別や偏見に対して心にわだかまりがあるのも事実なのです。
 我々日本人は、両国両国民の数千年の深い繋がりと友好関係を考えなければなりません。また、近い将来日韓両国は、EUや北米大陸の例にあるように、自由貿易を柱とする共同体構想が現実のものになると思います。今こそ、日韓両国民がお互いにわだかまりを捨て、将来に向けて信頼関係を構築していくことが、両国と両国民の繁栄のために必要不可欠なことであると考えます。<以上抜粋>

これは、第二次世界大戦終戦まで日本国民であった韓国人やその子孫等の「特別永住者」のことを指してると思われ、それに限定した理由付けにしかならない。

◆英連邦やEUとの比較は無理筋
<抜粋>しかし両国が主権国家として存在する以上、地方参政権の問題は、政治論の側面からだけではなく、法的・制度的にも許容されるべきものでなければなりません。
永住外国人に地方参政権を与えることについての国際社会の状況は、アメリカをはじめ未だ多くの国が、国籍の取得を要件としているのは事実であります。しかしながら、例えば日本の場合と状況が似ている英国では、かつて植民地支配した英連邦出身の永住権取得者に対して投票する選挙権だけでなく、立候補できる被選挙権まで与えています(地方選挙)。北欧の国々では一般的に永住権取得者には地方参政権を与えており、また、EU域内では、「お互いに永住権を取得した者には地方参政権を与えよう」という方向で制度の改正が行なわれつつあります。このようなことを考え合わせれば、地方参政権の付与が主権を侵害する、或いは主権国家としての日本の存在を脅かすものであるという主張は、必ずしも今日的な社会の中で、絶対的なものであるとは言えないと思います。したがって私は永住者に対する参政権の付与は、憲法上・制度上許容されるべき範囲のものであると考えます。<以上抜粋>

「かつて植民地支配した英連邦」は、現在も形式的ながら国家元首にエリザベス女王を頂く「連邦」であり、EUは実験的ながら言わば巨大な連邦主権国家であり、どの連邦にも属さない日本とは全く事情が違う。
「東アジア共同体」の是非については議論が分かれるところだが、将来において仮に「東アジア共同体」の創設が明確になった場合に初めてEU等と比較しての議論が成り立つものである。

◆危険な社会実験と政治的窮地
<抜粋>以上のような政治的側面、制度的側面双方から考え合わせ、一定の要件のもとに地方参政権を与えるべきだと考えます。そして、そのことにより日本に対するわだかまりも解け、また、結果として帰化も促進され、永住外国人が本当によき日本国民として、共生への道が開かれることになるのではないでしょうか。<以上抜粋>

 小沢氏が、永住外国人への地方参政権付与を急ぐ理由として、巷間語られるのは昨年の衆院総選挙で民団(在日本大韓民国民団)から応援を受ける代わりに手形を切っていることや今夏の参院選で公明党とその支援団体の創価学会を引き寄せるため等が語られている。
特定利益集団の要求と引き換えに支持を取り付けること自体は、民主主義に於いて否定されない。しかし、事は地方参政権とはいえ民主主義の枠を決める問題であり、筆者は本来なら国民投票に付すべきレベルの問題と考える。
予見される範囲でのメリットに比べてリスクが余りにも高い「危険な社会実験」であり少なくとも時期尚早である。

 百歩譲って仮に法案を提出するなら、対象を北朝鮮籍を除く「特別永住者」に限定し議員立法で行うべきだ。更に将来の道州制導入の可能性もあるため、市町村レベルに留めるべきだろう。(ドイツは州政府への参政権を認めていない。)

<抜粋>国政を預かる政治家として、ホームページ上で自分の考える全てのことを申し上げることはできませんが、この問題は主として、在日の朝鮮半島の方々の問題であることからあえて申し上げます。もし仮に朝鮮半島で動乱等何か起きた場合、日本の国内がどういう事態になるか、皆さんも良く考えてみてください。地方参政権付与につきましては、あらゆる状況を想定し考えた末での結論です。<以上抜粋>

小沢氏は、この意味深な表現で何を言いたいのだろうか。上記のような場合、日本国内の韓国・朝鮮籍の外国人が呼応して内乱を始める。それを防ぐために地方参政権付与を誘い水にして帰化の促進を図るべしという理論か。
米中が接近する等国際情勢が流動化する中で、大国に伍して渡り合って行ける政治家は見渡す限り現在の日本には小沢氏しかいない。しかし策士策に溺れるの例え通り、希望的観測やアクロバティックな奇策は、国を亡ぼすリスクを孕む。
 外交問題絡みについては、「国際的大義を伴った長期的国益の追求」の基本に立ち返り亡国に至らぬ道を選ぶべきだ。
 小沢氏の政治問題の帰結がどうなるかは判らないが、今の窮地はそんな小沢氏に対する国民の漠然とした不安が背景にある気がするのは筆者だけか。
  (KS生、千葉)
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 樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム
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 樋泉克夫のコラム
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――あの頃、『毛主席語録』は祖国防衛の必須アイテムだったようです
     『珍宝島英雄賛』(本社美術通訊員編絵 上海人民出版社 1970年)


 ▽ 
表紙を開けると最初が「警戒を厳に、祖国を防衛せよ。人民のために戦に備え、飢えに備えよ」との毛沢東語録で、次に「偉大なる領袖の毛主席と彼の親密なる戦友の林副主席の批准により、中共中央軍事委員会は珍宝島におけるソ連修正主義の武装挑発を反撃する自衛戦争において鮮血と生命を盾に偉大なる祖国の神聖な領土を防衛した孫玉国ら十人の同志に『戦闘英雄』の光栄ある称号を授与した。

人民に、党に、偉大なる領袖の毛主席に無限に忠誠を尽くした英雄たちの気高い心栄えを、よりよく学習するために」とある。
この本は、67年から69年にかけて起こった中ソ国境を巡る珍宝島(ロシア名でダマンスキー島)の戦場において「一不怕死、二不怕死(断固として死を恐れず)」に戦った10人の「戦闘英雄」を顕彰し、「彼らの断固として戦い抜く輝かしき戦闘作風を学習する」ために出版された連環画である。

連環画とは中国伝統の解説付きの絵本式読み物で、『三国志』『水滸伝』『西游記』なども、こういった形で子供たちの間に広まったのである。いうならば、この本で子供たちに祖国防衛の意義を学ばせようというわけだ。

・・・と、能書きはともかく、なにより戦闘英雄たちの英雄的戦闘振りを見てみよう。
67年11月24日、酷寒の中で最前線警備に当たる孫玉国と3人の戦士は、国境を侵犯する7人の完全武装したソ連修正主義兵士を発見する。

そこで直ちに「中国人民に対する重大な挑発だ。即刻立ち去れ」と厳重に抗議した。すると厚顔無恥にもソ連兵は雪の上に1つの島を描いて「1868」と記し、この島が1868年からソ連(ロシア)領だと主張する。

そこで孫は強く抗議し、雪の上に記された島と1868の上に大きく「×」を。「1868年当時、ここは島ではなく中国側の河岸の一部だった。土砂が堆積し、20世紀初頭になって島となったのだ。1860年にロシアの老いぼれクソ皇帝が中露北京条約を中国人民に強要した。明々白々。ここは一点の疑念の余地もない中国の領土だ」「これは断固として改竄することのできない歴史的事実だ」との意味が込めて。

もちろん、その時、彼が右の胸にしっかりと抱いていたのは紅く輝くビニール表紙の『毛主席語録』。白雪に紅色が色鮮やかに映えたに違いない。それにしても、たった1つの「×」にそんな深い意味があったとはナア・・・。

時移り69年3月2日、ソ連機甲部隊が狂ったように国境を侵犯する。烈火のごとく怒る孫は敵機甲部隊の進路を敢然と立ち塞いで大音声。「止まれ。ここは中国の領土だ。お前らの強盗のような所業は中華人民共和国への重大な挑発だ。直ちに撤退せよ」。ソ連軍の前進は止まず、戦端が開かれる。

銃の代わりに『毛主席語録』を持つ孫は、右手のそれを打ち振りながら、「我らは毛沢東思想で武装し筋金入りだ。天が崩れてきても支えることが出来るぞ」と兵士を督戦する。かくて「ソ連修正主義の戦車、装甲車、武装部隊による狂気の進攻を粉砕し、祖国の神聖なる領土を勝利のうちに防衛した」とさ。めでたしメデタシ。

 弱々しく描かれるソ連兵士に対して中国兵士の勇ましいこと。中国の子供ならずとも、中国兵士に憧れるはず。それはともかく、孫玉国は何語で抗議したのだろう。まさか当時、国境警備の兵士の全員がロシア語をしゃべれたとも思えませんが・・・。

不思議フシギ。
あれから40年余。「一不怕死、二不怕死」で国境防衛を教えられた子供たちも、いまでは50歳前後。「一不怕死、二不怕死」でカネ儲けに猪突猛進中なのでアリマス。
《QED》

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