国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/12/26

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)12月26日(土曜日)
         通巻2819号 
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 日本政府はなぜ劉暁波の言論弾圧十一年という暴政に抗議しないのか
  欧米は即時釈放を北京に要求、人権抑圧非難を強めている
****************************************

 12月25日の北京からのクリスマスプレゼントとは?
 言論の自由を目指して闘う中国知識人の代表格=劉暁波に対して中国の第一中級人民法廷は「国家転覆を扇動した」などとして禁固十一年を言い渡した。
 
 米国政府はただちに「深い憂慮」を表明し、即時釈放をもとめた。
 劉暁波は「2008年憲章」の起草者のひとりとして世界的に知られるため、法廷の外には欧米の人権活動グループが数十人、声援のために押しかけたが、中には入れず、弁護士団は「無謀な判決」と抗議した。

 劉暁波は天安門事件で指導者のひとりとして拘束され、禁固20ヶ月(89年六月―91年1月)。釈放されてからも「反腐敗建議書」を起草して、指導層に「六四の反省」をもとめ、労働改造所送り三年(96年10月―99年10月)、そしてまた2008年12月8日には憲章を公布したとして再度逮捕され、消息が不明になっていた。
 日本にあてはめるとオザワ批判をちょっとしたら刑務所に十一年間も送られるということである。

 それにしても人権蹂躙の全体主義国家へ数百も団体をなして、いそいそと出かけ、独裁者と笑って握手し、キッキュウジョとして記念写真におさまる何処かの国の政治家どもは、人権、言論弾圧に対しては何もしないんですかね?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
□読者の声▲□どくしゃのこえ◎◆DOKUSHA―NO―KOE◆◎読者の声◆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)貴誌2818号、米国債券発行上限12兆1000億ドル。
 米国国債について日本流に言えば米国民一人あたり借金○○円。子孫に借金を残す 借金反対という世論論調が起きねばおかしいですね。
  (ZH生)



(宮崎正弘のコメント)議論はありますが、深刻な論争にならないのは目の前のアフガニスタン戦争です。泥沼、ドル沼。オバマ人気急落。
 もうひとつ、アメリカ人は人生観が陽気で、さきにクレジットカードで買い物をするように、借金をそれほど気にしない。



  ♪
(読者の声2)貴誌2818号の(読者の声1)で 「プーティンのロシア(銃殺されたポリツスカヤ)」を読むと、ロシア陸軍の下士官による兵へのリンチは凄いですよ。圧制を批判した人権派のメドべージェフ に、「おまえには分からない」と一言です。 兵も国民もアル中〜麻薬グループ〜契約殺人〜兵器密売〜少年少女売春〜官吏の賄賂当り前〜裁判官はマフィア〜警察もマフィア、、。だからプーティンが大帝でなければ、暗黒のロシア大陸は治まらないのです。(伊勢ルイジアナ)」
とありました。
しかし兵へのリンチはソ連時代からの伝統でしょうね。第二次大戦のときもアフガン介入のときもソ連軍のリンチのひどさはいろいろ報告されています。
「プーティンが大帝でなければ、暗黒のロシア大陸は治まらないのです。」というは歴代ロシア皇帝をみてもわかります。1980年前後でしょうか、アンリ・トロワイヤのロシア皇帝四部作を読みました。
『女帝エカテリーナ』 Catherine la Grande(1978)日本語訳(1981)
『大帝ピョートル』 Pierre le Grand(1979) 日本語訳(1981)
『アレクサンドル一世−ナポレオンを敗走させた男』 Alexandre premier(1981)日本
語訳(1982)
『イヴァン雷帝』 Ivan le Terrible(1982)日本語訳(1983) いずれも工藤庸子訳、中央公論社。
有名な皇帝ばかりですが、若き日には自由主義や啓蒙思想など西欧の思想・文化などを積極的に取り入れる開明的な君主だったのに、晩年には専制君主となっていく。
ソ連からロシアへの移行過程で、ゴルバチョフ〜エリツィン〜プーチンと民主化が進んでいるように見えながら、いずれは専制に戻るのではと危惧していたら、サハリン2の天然ガス開発で本性を現しました。意外ではなく予想通りの展開。やはりロシアには怪僧ラスプーチンのような得体の知れない人物がいたほうが面白いですね。
  (PB生)


(宮崎正弘のコメント)ラスプーチンとかけて、プーチンととく。



  ♪
(読者の声3)貴誌に時折掲載される「樋泉教授のコラム」も楽しみに拝読しています。
前号では華商大会に言及されていましたね。
「かくて中国政府は大手を振って大会に乗り込むこととなった。第9回の神戸・大阪大会に次いで今回の第10回マニラ大会にも、No.4の全国政治協商会議主席の賈慶林を送り込む」(引用止め)。
当時、そのプロジェクトを担当したスタッフに聞いた話をひとつ。
かの國からやってきた賈慶林以下の<幹部>連中が、ホテルに滞在中にツケ廻した金は約一億円(日本円)。宿泊費、飲み食い代、ホテル売店でしこたま買い込んだ土産代など。気の毒なのは、大会終了後にホテルからツケを回された運営会社。
総額五億円の運営費にこの一億を足して合計六億円。日本中華総商会は、イベントが終わってしまえばこっちのものとばかりに、三億(四億とも)を踏み倒した。もちろん運営会社はたまったものではない。
当然のこと裁判沙汰になるが、その運営会社はたとえ勝訴しても回収は不可能ということを信じようとしない(したくない)。
気の毒だけれど、かの國への幻想を持ちすぎては痛い目にあうという教訓でしょう。
   (88生)


(宮崎正弘のコメント)毎年三月の全人大会期中、北京のブランド店は満員。地方からの全人代代表と取り巻き連中がどっとダンヒル、ルイビュトン、ディオール、フェルガモ、ブルガリなんぞを買いあさり、品切れになることも。ローレックスにオメガも。いまや全世界の売り上げの四割が中国とか。
 全人代って、毎年、国の重要方針を決め、予算を決める国会のようなものです。どこかの国の国会と、かの国のそれとはかくも天地の隔たり。



  ♪
(読者の声4)貴誌2796号のベンガル(インド東部)におけるマオイストの話題で思い出しました。
5年ほど前コルカタへ行った際、マザー・テレサの施設の近くでは鎌とハンマーの赤旗がたなびいていて、共産党が強い西ベンガルとはいえ時代錯誤の雰囲気に驚いたものです。それが今ではマオイストとはさらに驚きです。
クルターを着ているとよくネパーリといわれましたが、ネパールはマオイストの本場、インドでは階級差別のないはずのイスラム教徒の間ですらカーストは根強く残っているといいますからマオイストの跳梁もわかる気がします。
コルカタのイスラム地区では肉屋の店先には牛肉が吊るされ、恰幅のいい親爺が肉をさばいているのを見てインドは牛肉輸出国だったなぁと実感。イスラム教徒はベジタリアンの多いヒンズー教徒よりも体格が良いように見えたのですが気のせいでしょうか。
中国でマオイストが再始動、というのもわかる気がします。
長野朗氏の本にもありましたが、中国では伝統的に「乏しき(貧しき)を憂えず等しからざるを憂う」のだとか。
先日、たまたま見たテレビ番組では広東省の工場に働きに出た農村の少女の8年間を比較していました。8年前に月給9千円だったのが今では4万5千円、結婚しマンションも購入、田舎の親や妹たちも呼び寄せて満足そうな様子。農村部では収入が8年間で5倍などほとんどありえませんし、都市部でも失業率が高止まりの現状では恵まれた例かもしれません。
これほど賃金が上がると中国企業もベトナム・ミャンマー・バングラデシュへと工場移転しないとやっていけないのでしょうね。
   (PB生)


(宮崎正弘のコメント)アフリカや中東では中国人のプロジェクトにはエンジニアから労働者まで中国から連れてくる、現地の雇用がないと不満がつのっている報道がありますが、最近はベトナムでも同じ状況です。あのベトナムには中国から労働者を連れてくるので、軋轢がそこいら中でおきている由です。
 ペマ・ギャルポ氏と、先週会ったとき、マオイストの跳梁を憂慮して現場へ行ってみると言っておられました。
   ◆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(お知らせ)年末年始はカレンダー通り、29日から1月4日を休刊します。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<<<<<<<<<<<<<<<<<< >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@

――少年革命戦士はカクメイ的に豹変する・・・のかなァ
       『英雄機智的紅小兵』(上海人民出版社 1970年)


 △ 
建新小学校6年生の茅、唐、李、謝クンは仲良し少年4人組。今日も革命大批判工作についての相談を終え教室を出て家路に。校門に向かって歩いていると、誰もいないはずの校庭で何やら怪しげな物音。
そこで茅少年は「すぐさま、『断固として、如何なる時も階級闘争を忘れるな』との偉大なる領袖・毛主席の教えを思い出す」。

遠くを見ると、怪しげな人影。「あッ、兪一平だ」。兪は「教師の間に潜り込んだ反革命分子であり、人民に対し許すことのできない犯罪を重ねてきた」。つまり批判された元教師だ。だから呼び方から尊敬の念は消え、侮蔑の思いが込められる。
「兪一平のヤロー、川の畔で・・・何か落としたな」。茅、唐、李の3少年は兪を追いかけ、謝少年は貧宣隊と先生に報告するために走った。

3人が後を追うと、兪は小屋の中に。戸をしっかりと閉め、中で寝たふり。ドンドンと戸を叩きながら、「開けろ。死んだフリをしてもムダだぞ」。と「兪一平はゴロッと体を動かし、またも死んだフリを装う」。
「ゴロッと体を動かし、またも死んだフリ」とはゴ愛嬌だ。

怒りに燃えた3人は何としても小屋の中へ入ろうと“革命的”に智慧を絞る。先ず茅少年が壁をよじ登って高いところの窓から入り、内側から戸を開けて2人を招き入れた。

「耄碌ヤローの兪一平は目を開け小屋の隅にうずくまり、弱々しく『何をするんだ』『どうするんだ』。茅少年の眼からは階級の敵に向けた怒りの視線が迸り、兪一平を詰問する。『おいッ、川で何をしていたんだ』」。
3人が交代で問い詰めるが口を開かない。そこで茅少年がリード役となってシュプレヒコールだ。

「『正直にいえ。抵抗は無駄だ』『飽くまで抵抗するなら、残された道は死だけだ』。たったの3人だが、彼らの叫び声は天をも揺るがし、一言一言がまるで原子爆弾のように階級の敵の心臓を抉る」・・・モノ凄い表現だ。

「陰険で狡猾な階級の敵は顔を引きつらせ、一転して凶相となり『オッ、オレをどうしようッてんだ』」。
すると、「反動派の勢いに断固として呑みこまれてはならない」との毛沢東の教えを思い出した茅少年は一字一字ハッキリと、「お前の悪行を天下に暴露するのだ」。斧を手に少年に襲い掛かろうとした刹那、背後から「兪一平、斧を捨てろ」の大喝。貧宣隊の胡隊長が民兵や革命的な教師や生徒を引き連れて駆けつけてきた。

少年らは隊長に報告する。
その時、息を切らせて走ってきた謝少年の手から証拠の品が隊長に渡される。彼が川から拾い上げた包の中には、「国民党の蒋一味が兪一平に与えた何枚かの委任状と蒋のくたばり損ないの名前が刻まれた短剣が1本。なんと兪一平は長い間これらの悪行の証拠を隠し持ち、蒋介石の天下が戻ってくることを妄想していたのだ」。

「兪一平は狡猾な犬のような頭を下げながら、小さな声でモグモグと『申し訳ありません』『許して下さい』」。
すると隊長のリードで全員が「断固として階級闘争を忘れるな」「強大なるプロレタリア独裁万歳」とシュプレヒコール。
「威風堂々の掛け声の中、兪一平はドブネズミのように頭を垂れながら民兵と紅少兵に引き立てられていきました」とさ。パチパチパチパチ。メデタシめでたし。

現在の50歳前後は、こんな“革命的少年活劇”で育ったはずだ。そんな彼らが、いまカネ儲けに猪突猛進する。
40年ほど昔の少年の頃には懸命に学習しただろう毛沢東の教えと現在のカネ儲けとの間の因果関係が知りたい。
どうか教えて下さい、胡錦濤ドノ。
《QED》

(ひいずみかつお氏は愛知県立大学教授。華僑と京劇研究の第一人者)。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ♪
< 宮崎正弘のロングセラー 絶賛発売中 >
 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
  ♪
宮崎正弘+内田良平研究会編
『シナ人とは何かー内田良平の『支那観』を読む』(展転社、定価1995円)

  ♪
『中国分裂 七つの理由』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ、1680円)
『絶望の大国、中国の真実』(石平氏との共著、980円。ワック文庫) 
『やはりドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円) 
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
      ★ ☆ ★ ☆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2009 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。