国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/12/18


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成21年(2009年)12月18日(金曜日)貳
        通巻2810号 
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 米国のパキスタン援助75億ドルは絵に描いた餅に終わる?
  険悪化する米―パキスタン関係の本質に横たわる要素は米の傲慢、パの不信感
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 オバマ大統領はパキスタンに対して向こう五年間に75億ドルの援助を約束した。ザルダリ大統領にとっては、人気急落した自己の政権維持のために、この援助は死活的である。
 ところが。

第一に米大使館員65名のヴィザ更新がならず、パキスタンを去った。現在パキスタンにおける米国の外交業務は六割ていどしかなされていない。
駐在武官、情報関係者、CIA関係、軍の部品技術者なども含まれており、近く500名規模の大使館員を800名規模に拡大する予定だが、ヴィザの発給が決定的に遅れている。「両国関係は危機的状況だ」という。

 第二にパキスタン国内を移動するアメリカ大使館の外交ナンバーをつけた車両が、チェック・ポイントで検問をうけ、ながながと待たされる。
これでは米国大使館の車両がテロの標的にもなりやすく、パキスタン政府に改善を求めても、馬耳東風。パキスタン当局は「われわれは戦争状態にあり、一つの例外も許されない」と検問の手をゆるめず、末端でも米大使館業務に支障が出ている。

 第三はパキスタン国民にとって「米国は味方ではなく、アメリカ人は傲慢である」というメンタリテイィの拡大である。
一部の知識人には親米派、知米派もいるが、大変の国民は貧困。「米帝のアフガン侵略の手伝いをパキスタンがする必要はない」と考えている。

 こうして米国が供与したゲリラ討伐の武装ヘリコプターは稼働できない。理由はパーツ交換が技術者にヴィザがおりないために停止状態にあるからで、年間10億ドルの現行のパキスタン援助プログラムも、その実行要員にヴィザがおりない。

 パキスタンはまったく友好的ではない、と大使館高官がNYタイムズのインタビューに応じている(09年12月18日付け)。
 
 そういえば南ワリジスタンにおけるタリバン討伐作戦も、どこかゲリラ側と打ち合わせがあるかのように、パキスタン軍を三万投入しても成果うすく、大半のタリバンはほかの地域へ移動してしまった。
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 ◆(読者の声)宮(読者の声)崎(読者の声)正(読者の声)弘(読者の声)◆
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(読者の声1)貴誌12月16日号のコメント「ジョークのキツイのをひとつ。ハト政府は米国に宣戦布告します。三十分後に降伏します。米軍の占領が継続され、つぎに新しい憲法をいただく。九条を撤廃したヤツを。冗談を終わります」。
 秀逸なジョーク、ありがたく頂戴しました。ハト・イチロー政権に処するに、こういう逞しさが必須と改めて思いました。
   (HS生、愛知県)


(宮崎正弘のコメント)も、ひとつ。キツイのを。
 オザワは政権を握ったが、あと何をすれば良いか分からない。ハトと迷って田中角栄に相談した。田中は周恩来に聞けばという。周恩来は次は習金平だから、かれに聞きなさい。これらは地獄との電話回線と使ったので、あとで請求書をみたら5億円。もっとよく見たら「閻魔銀行券で支払え」とあった。
 (注 閻魔銀行券とは中国人が葬儀で棺に入れるために葬儀社が手配する副葬品の一つ)。


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(読者の声2)読んで見てください
 貴著『朝日新聞がなくなる日』がユーモラスに紹介されています。
 http://blogs.yahoo.co.jp/tomie_teacher/60616848.html
  (TK子、東京)



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(読者の声3)貴誌からの引用。「それはともかく、日本の歴史、伝統、日本の国柄はなにもアインシュタイン氏に褒めてもらわなくてもすばらしいものです。アインシュタイン氏が褒めてくれたと自慢げ言うことは余にも日本という国をまた国民を辱め貶めるものです。まさに、習近平氏が天皇陛下を表敬訪問してくれたと自慢するようなものです」(ST生)<引用終わり>
 大賛成です。
日本の自衛戦争をマッカーサーの戦後の証言を利用して正当化しようとするのと同じです。マッカーサーがいうまでもなく、日本の自存自衛の戦争でした。
 本来、民族文化は唯我独尊です。外国に権威を求めてはなりません。
なおアインシュタインの日本びいきについて一言。
ずいぶん昔、日経で読んだと思う記事である。戦前日本の外科の医学者がドイツに留学した。帰国の船に高名なアインシュタインが乗っていた。アジア経由で米国へ向かう予定であった。ところがアインシュタインは航海中に下血した。本人は大腸がんと思い込んだので大パニックとなった。この時、日本人医師が彼をよく診察して、違うことがわかった。(痔か?)。すこでアインシュタインは大感謝し、日本におりて、東京で講演会をしたほか、その医師の郷里(四国か?)を訪ねた。この医師のご子息が回想を記していた。
こうした、個人的な体験がアインシュタインを親日にしたというのなら、納得がゆく。
   (東海子)



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(読者の声4)ワシントンポストのサイトです。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/12/16/AR2009121602791.html?hpid=opinionsbox1
かのイグナチウス(コラムニスト)の頓珍漢ぶり。コメントには、前CIA、AFPAK(アフガニスタン、パキスタン)の人文地理に詳しい者、アジア専門研究者、作家と思われる書き込み。その文章力、解説力、歴史の洞察力に尊敬を覚えましたよ。
日ごろは書きこまない人たちであると判る。
文章の激しさからわかるのは、あまりの無知さに怒ったんだと思う。PASHTUNISTANは造語ではない。このような国に近い集落があるということから認識しないとAFPAKは理解できないと。いずれにせよ、この賢者たちは、「PASHTUNも、タリバンも、パキスタンも、ほうっておけ!」とですよ。つまりは、オバマの増派に大反対なのです。
 「信頼は低下した」を英文で書きました。是非、読んでください。
共和党のマケイン〜国務省報道官〜AEI(有力シンクタンク)が、鳩山内閣は在沖縄米軍の駐留で問題を起こしていると。ガンガンと鐘を鳴らし始めている。
http://bomanchu.blog81.fc2.com/
(伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)ご指摘のイグナチウス、最近ヘラルドトリビューンでは見かけないと思っていました。同紙はNYタイムズの記事配信だけになり、ワシントンポストの記事がなくなりましたから。それにしても、彼のトンチンカンは昔からでは?
 保守のチャールズ・クラウサマーも、ボブ・ケーガンもポストだけですね。



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(読者の声5)貴誌2809号「読者の声4」のST様。コメントありがとうございます。
「アインシュタインの予言」と呼ばれている文章については、STさんの主旨に私も賛成します。そのため、ウィキペデアの見出しを採用し、「・・・・と呼ばれている文章」とし、参照先をウィキペデアにしたのでした。
参照先を読んで、各人が判断していただきたい内容とさせていただいたものでした。
ただ前回、その点まで触れていないため、私自身もあれをアインシュタインの予言と思っていると解釈されてしまいかねず、言葉不足と反省しています。アインシュタインではないという根拠が私の場合直感的なものでしなかったので、STさんに明確に否定のコメントをいただき、感謝しています。
アインシュタインが言ったからという権威付けによって維持しなければならないほど日本の伝統は根の浅いものではないと私は思いたいのですが、残念ながら、少なくとも現状ではアインシュタイン人気のほうが根強いのが20世紀の世界情勢であり日本情勢でした。
ついでに言わせて貰えば、アインシュタインの評価は20世紀と21世紀では違ったものになるのではないかと私は密かに思っています。
様々な理論物理の学説の中で、彼の理論が広まる方が好都合な勢力が少なくとも20世紀世界にはあった。
特にも重力をめぐる理論がキーポイントだと私は推測しています。学会は純粋な学問の世界ではなく、多分に政治的です。
これは現在の二酸化炭素と地球温暖化の関係にも言えます。COP15をめぐる科学的データのごたごたは当然の帰結。インターネット時代に重要なのは正しい情報のみ。虚偽情報はインターネットをめぐりめぐって発信者自身も騙されるのが落ち。(嘘は誰のためではなく、自分のためについてはいけないもの。嘘を100回言っても嘘は嘘。100回言うことで変るのは100回喋った本人の記憶構造(と残念ながらそれを受容した社会の知識構造の歪みが残る)。
本人の頭にその嘘がしっかり定着して頭脳構造を捻じ曲げます。自業自得が宇宙の根本原理。
人を呪わば穴二つといわれますが、実際確実に必要なのは自分の穴だけ。)「地球温暖化防止のための二酸化炭素排出抑制」は石油資本追い落としのために原子力陣営が自然エネルギー陣営を巻き込んだ歴史的事件だったと後世評価されるのではないかと推測しています。二酸化炭素排出抑制は地球温暖化防止のためではなく、地球環境保全のためで充分。できれば、結果的には、自然エネルギー陣営が石油陣営追い落としのために原子力陣営を味方に取り込む作戦となったと後世評価される流れになることを祈ります。
核は基本的には破壊エネルギーでしかないのではないかと私は思っています。
いつかは石油同様卒業すべきエネルギーだろうと推測しています。
とはいえ、石油同様現在の我々の生活を維持してくれている貴重なエネルギーであることもまた肝なり腹なり胸なり頭なりに銘記すべきことだと思います。現に中東で石油を掘り、貴重な資源を供給してくれている国々や人々、現に原子力の平和利用のために被爆の不安を抱えつつも原子力発電に携わっている人々に感謝すること、それと同様に現に毎日倦む事無く昇りくる自然エネルギーの源、太陽に感謝すること、現在を遺してくれた過去の伝統に感謝し、子供たちにできるだけ明るい未来を約束できるよう、自分の役割を果たすこと、これがおそらくは保守本流とよばれるべき立場なのでないかと思います。
 (アシカビヒコ)


(宮崎正弘のコメント)ウィクペディアは記述内容に信頼がおけません。ついつい便利に使っている人が多いようですが、引用は原典にあたるのが一番です。
 大学教授連中にきくと「学生の論文が皆、同じ。誰かがアルバイトで引き受けたのかとおもい調べたら、全員がウィクペディアから援用していた」と嘆いていました。



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(読者の声6)いつも楽しみに読んでおります。とてもためになります。
 貴誌2809号の終わりの方での、宮崎さんの、小沢評は恐れ入りました。
 こうあります。
 「あの人は選挙に勝って絶対多数の与党をつくることが目標だった。だからキョクサ、組合、日教組と平気で手を結び、連合などの下部組織をまわり、組織をかためて、そうやっているうちに左翼の思想が頭にこびり付いて、おそれおおきことも口にする。国体論が彼の中に無いからでしょう。
 天皇の国事行為を政府が助言し云々というのは占領憲法の条文ですが、日本の伝統にそむく条文で守る必要はありません。そもそも皇室典範を国会が決めるというのは根本的間違い。国会は皇室典範にタッチしてはならないのです。
 さて「独裁」オザワですが、彼の目標だった多数派与党ができた。目標が達成され、国体論もビジョンもないから次に何をやってよいのか、小沢自身が分からないんでしょう。だから雨を突いて田中角栄の墓参に行くのですね。巨悪タナカが彼のモデルとは、ちっぽけな政治屋でもあります。かれは独裁者にもなれない。過大評価です。カナマルの二の舞がオチではありませんか」(引用止め)。
よくぞ言ってくれました。見事な絵解きに、頭の中が、すっきりしました。
  (SS54)
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○MIYA△☆宮☆○☆崎○☆ZAKI○△正☆☆MASA◎☆HIRO○弘☆○
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◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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  • 名無しさん2009/12/18

    今の日本国家観に乏しい人が政治家として税金を浪費している。仕分けが一番必要なのは「政治界」である事も理解しないで偉そうに「事業仕分け」チャンチャラおかしい。

    又法律も知らない奴が「憲法」を語る。それに保守?都知事も加わるのですから国・地方の議員・首長もおかしくなって来ています。