国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/12/15


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年)12月15日(火曜日)貳
          通巻2805号
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 北朝鮮の武器を積んだグルジア籍の貨物機は
   エア・ウエストという貨物運搬会社だが、グルジアに会社登記がなかった
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 12日にタイのドムアン空港でタイ官憲に拘束された五人の乗組員は、タイの法律に従えば起訴前に84日間の拘留が認められる。国際法は、その後、この飛行機の帰還予定地であるベラルーシへ送還されるか、或いはタイで起訴された場合は懲役十年という(ヘラルドトリビューン、12月15日)。

 貨物機の尾翼の番号から飛行機の持ち主はグルジアと判明したが、この貨物運搬を請け負った企業はエアウエスト社。
グルジアに会社登記がされていないことも判明した。

 スーダンの首都ハルツームに登記されたサンエアという会社の関連企業が、このエアウエストであることが判明し、専門筋のリンクから総合判断すると、この両社は同じ会社のようで、これまでの企業活動から積み荷はスーダンへ向かう予定ではなかったのかとする観測が拡がっている。

 武器の中にはプロペラ推進の鏑弾のほかに地対空ミサイルを含む高性能のミサイルなどが含まれていた。
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○ △☆☆ ☆○☆ ☆☆ ○ ☆  ☆☆ ○ ☆   ☆☆ ○ ☆ 
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(読者の声1)驚愕しているのですが、国会、霞ヶ関近辺の各所の街灯に中国国旗「五星紅旗」が掲揚されています。これって国家元首の来日の時にしかやらないことのはずだ。
誰の判断でやっているのだろう?
官邸か?
外務省か? 
 中国の政治的序列でいけば、胡錦涛主席、呉邦国全人代委員長、温家宝首相と来て、習近平は確か6位のはず。単に次世代のホープということで特例が認められるのならば、日本も中国に同様のことを要求すべきです。
前原さんや原口さんが訪中した時に日の丸を天安門広場に掲揚させればいい。
    (SE生)


(宮崎正弘のコメント)それにつけても鳩山政権は国を売りたいらしい。
永田町から霞ヶ関にかけて五星紅旗が翻って、その情景はいつか見ました。昨年四月、長野で。五星紅旗が長野市を覆い尽くし、一時的に中共コミューンになった。



  ♪
(読者の声2)貴誌前号でチャン氏が解剖する金溥聰、このコンフィデンシャルで相当ダウンすると思います。
しかし台湾にいる「台湾人」に、このメッセージがどこまで届くのか危惧する次第。
それと、満洲族という点で清国奴と切って捨てていますが、わかるような気がします。清国の時代に、化外の地、化外の民にされたのですから。
また台湾での国民党統治時代における満洲人というか東北出身者の役割について、チャン氏はもうすこし詳細に記していただく方が、日本人や貴誌の読者に啓蒙するところ大と思いました。
(SJ生)。



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(読者の声3)来年は米国の既に中後に進出している大企業がのきなみ、投資を縮小するようですね。
こういったとき米国企業の習性で、まずオフィススペースを削減します。正社員解雇はその次です。来年の上海・北京の不動産相場は恐ろしい事態になりそうですね。それに株価も連動することでしょう。
   (ST生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)始末に悪いのは中国の場合、銀行が不動産にダミーを経由して投機しているポイントです。
 ですから08年はリーマン・ショック → 09年はドバイ・ショック → 上海ショックは来年。



  ♪
(読者の声4)ぼくなんかも、支那の歴史はほとんど知らない。宮崎先生が的確に現代日本の病状と支那のケースを示される。誠に感謝の次第です。
ところで英誌『エコノミスト』は読んでおられる? 12月4日号、TACKLING JAPAN’S DEBT 「A LOAD TO BEAR」は、鳩山経済の無策と日和見政策(PUSSYFOOT)を批判している。
だが日本は、まだまだ(2014年が危険水域でそれまでに、抜本的な財政再建が必要なのだと)経済破綻から時間がある、と)。
 貴誌御指摘の「何がなんでも「新」のイメージで最後は土地の国有化、低利融資による通貨膨張と鋳造による貨幣乱発で経済が大混乱に陥った」とあります。
 このまま行けば、日本政府は「貨幣乱発しかなくなる」と英誌『エコノミスト』も言っておりますね。
(伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)英週刊誌『ECONOMIST』は、小生の愛読書につき三十年ほど購読しておりますが、当該号、ちょうど台湾へ行っていたため読み飛ばしてツンドク状態でした。ご指摘有り難く。
  


  ♪
(読者の声5)貴誌にあったコメントですが、「世界のマスコミは一面から六面までアフガンです。カブールに欧米各国は支局を開設している。ところが日本は、この重大性が分からない。この戦争の左右することは今後の世界経済のみならず世界政治の根幹を揺らす世界史的事件です。米国は戦費の関係でドル安に直結し、厭戦気分は議会がいずれ正面からオバマの戦争の反対に回るでしょうから、第二のベトナム化する恐れが高い。そのあと米国はおそらくモンロー主義的になり、相対的に中国、NATO、ロシアの比重が高まる」(引用おわり)
「なぜ、英国もソ連も失敗したアフガンになぜ米軍は進攻したのか?」をひとに尋ねても、なかなか明快な答えを聞けません。
「その戦争目的は何か?」
「泥沼化してきたアフガンから撤退したならば、あの地域と世界はどうなか?」
を併せてご教示下さい。
(豊後H)


(宮崎正弘のコメント)目的はテロリスト基地を絶滅し、テロリストを二度と欧米に牙を向けさせないことが第一。ブッシュは2001年9月12日、「テロとの戦いは長期化する」と言って、まずはアフガニスタンにあったアルカィーダの軍事基地へ「トマホーク」による攻撃から始めました。
 欧米がもし撤退となれば近未来の展望は簡単です、アフガニスタンはタリバニスタンになり、パキスタンも無法地帯となって核兵器は拡散します。それで欧米が死にものぐるいで闘っていますが、日本はそういう切迫感もなく、対岸の火事視している。欧米は日本の怯懦が癪のタネでもあり、ひとりだけ漁夫の利を独占する中国へのねたみも拡がっています。
 いずれにしても、あと一年くらいでアメリカの世論は反戦に傾き、二年もしないで米議会は撤退を要求するでしょう。予算を認めなければ、撤退せざるを得なくなります。三年後に共和党が勝てば別ですが、ベトナムのように「名誉ある撤退」が開始され、タリバンがふたたびカブールを制圧し、欧米協力者らは皆殺しの危機があり、カルザイ一族は欧米に亡命し、余波はパキスタンにおよび、パキスタンもついでにタリバンが政権を掌握すれば、テロリストに核兵器がわたり、欧米はつぎに核兵器による先制奇襲に怯えることになり、とどのつまり、世界はもっと危険になるということです。
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(読者の声は下段に続きます)
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    DOKUSHANOKOE どくしゃのこえ
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(読者の声6)宮崎先生の「台湾も、中国もトップに付く前に日本に挨拶に行く(来る)必要があるのです」は小生も溜飲を下げるお言葉です。
これでわが国が華夷秩序の中心となり、我が皇室が中華帝国の盟主となられたからです。
 しかしそうであっても、シナでの小沢の「野戦軍の総司令官となって、解放のために全力で戦う」発言は許しがたい。野戦軍とは何処の軍隊なのか?わが国にそのような名称は無いはず。
 さらに「解放」とは、一体、何を、何処から、何処に(誰に)解放しようとするのか?
この発言は、全く以って国家反逆罪に該当するでしょう。小沢から日本国籍を剥奪し、極刑に処したい気持ちです。わが国にスパイ防止法や国家反逆罪が無いことが悔やまれます。
 (GV2)


(宮崎正弘のコメント)言葉は言霊をともない、空気を震撼させる。言葉による「文学は天地を動かす」(藤原定家)、はずだったのに、戦後六十三年、なんと言葉が無造作に(もっとも無教養な人しか言葉をぞんざいには使いませんが)、無意味な修飾語に用いられてしまうのでしょうか。オザワという人は小石川高校から慶応大学を出たらしいけれども、国語の素養が不足していて、囲碁の打ち方は知っていても、日本語の大事な言霊をしらないようですね。



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(読者の声7)14日来日した習近平の天皇陛下との会見セッティングに纏わるゆくたては面妖です。
習はシナ中共帝国の序列6位とは言え次期帝王の最有力候補。そ奴が陛下に伺候する会見のセッティングにおいて、外交上のプロトコルを踏み外す初歩的なミスをなぜシナ外交部が犯したのか不可解です。この背景にはコキントウ団派と習近平太子党派の暗闘があったことが窺えるのではないでしょうか。
習一派に押し切られるかたちでシナ外交部が外務省に会見を申し込んだのは日本側が設定した一ト月前をすでに過ぎた20日前の11月下旬でした。コキントウ一派は日本は断ってくるだろうと思っていたらオザワが策動してハトヤマを突き動かして習の伺候会見をセッティングしてしまいました。これにコキントウは憮然たる思いをしたでしょう。それはオザワとの会見での彼の堅い表情に看て取れます。
オザワが陛下と習の会見を無理強いしたことに対して(オザワ本人は否定していますが)、宮内庁から、全マスコミから、全国民から、あろうことか連立与党内や副大臣クラスからも非難のブーイングが捲き起こりました。今までもいろいろ物議をかもす発言をしているハゲタ宮内庁長官は「陛下の政治利用につながるという懸念がある?」との記者からの質問に「大きく言えばそうでしょう」とこたえて世論を煽動し政治問題化させ、これにオザワは「信じられない。辞表を提出した後に言うべきだ」と厳しく批判し、一ト月ルールについて「宮内庁の役人が作ったから金科玉条で絶対だなんて、そんなばかな話あるか」と怒りを露わにしました。
『中国共産党「天皇工作」秘録 』によると、対日工作における「天皇」カードの利用価値を最初に見出したのは毛沢東だとあります。大東亜戦争終了時無理やり捕虜にした日本兵たちを満洲から延安に連行して、その集団行動や集団心理をつぶさに観察し、一斉に宮城遥拝する様子などから、敗戦後も日本人の価値規範や心の拠りどころが「天皇」にあることを毛が洞察したというのです。
いささか毛を持ち上げ過ぎていると思われますが、その後シナ中共帝国の繰り広げた「天皇」取り込み工作は実に巧みで粘り強く隠微なものがあります。胡耀邦に取り入った日本公使、逆に竹下に擦り寄った中国外交官等、日中双方による虚々実々の外交交渉が展開されてきました。
同書によると中国側は「天皇陛下を味方に付ければ、日本国内の反中勢力を抑えることも可能になる。同時に日本の対中感情は必ず好転し、対日関係の安定を保つことができる」と確信しているのです。しかし今まで緻密に行われてきた「天皇工作」が今回綻びを見せました。
ハゲタ宮内庁長官は「(今回のような横紙破りの無理強いは)二度とあってほしくない」と非難に近い表明をしてきわめて異例ですが、長官の発言は陛下のお気持ちを代弁していると解すべきでしょう。1993年の宮澤内閣時、今上陛下は天皇として初訪中されました。
しかしそれが1989年6月4日の「天安門血の日曜日事件」(通称「第二次天安門事件」)で国際的孤立に陥り経済制裁を科され逼塞していたシナ中共帝国を国際社会に復帰させる突破口となったことを陛下は深く遺憾とされています。従い今回の無理やり伺候セッティングに大いに宸襟を悩まし賜うているのです。
15日、習の陛下への伺候会見が予定通り行われれば、毛沢東が洞察した日本人の最高の価値規範、心の拠りどころを甚く傷つけることになり、日本国民の非難の矢は永田町のオザワ・ハトヤマだけでなく中南海のコキントウとシナ中共帝国に向けられるのです。ことが大事に至らぬよう今上陛下は一心に皇祖皇霊に祈られていることでしょう。
 (有楽生)


(宮崎正弘のコメント)天皇陛下への拝謁問題ですが、例によって本質論がすり替えられています。一ヶ月前ルール、日本国憲法、宮内庁などと論点は枝葉に移行していますが、ことの本質は「格」の問題です。習が国家元首ならともかく、副主席はあきらかに格落ち、対等ではなく、拝謁の必要性がありません。つまり問題外、玄関払いで良いのです。
 会見後、中国の新聞は「日王に拝謁」とでも書いて「副皇帝」を持ち上げるでしょうね。

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<< 樋泉克夫のコラム >>

――それを寝言というんじゃありませんか・・・
          『両種社会 両種工資』(上海人民出版社 1973年)
 

 △
「我われ労働者は、旧社会では資本家に代って労働して賃金をえる。新しい社会では社会主義のために働いて、同じように賃金を手にする。
新旧の異なった社会における異なった賃金と分配とは、とどのつまり本質的にはどのように違うのか」と問題提起した後、「マルクス主義政治経済学の原理を用いて、この種の問題に答えてみようとした」というのが、本書出版の趣旨らしい。

資本主義の守り手たちは「労働者は労働力を、資本家は賃金を提供する。労働者は1日働いて1日の賃金を得る。
これは公平な取り引きであり、完全に合理的である」などと甘言を弄し、労働者と資本家の間には搾取・被搾取などという関係はなく、相互の間の“公平な売買”があるだけなどとバカバカしいことを並べ立てる。

だが労働は商品ではない。商品なら当然のように値段がある。その値段は何で決まるのか。全ての商品の価格はそれに含まれる労働量の総体で決められる。かりに労働の値段が労働量によって左右されるものなら、労働が労働を決めるという堂々巡りとなり、「これこそ、紛うことなき同義反復」(『資本論』)ということになってしまうではないか。

――こう説く本書は解放前の上海のタオル工場を例に挙げる。
タオル1ダースを作った労働者に払う賃金は1角だが、それを資本家は12元で売る。賃金と利潤の比率は、なんと1対120。
そこで「賃金なるものは労働者が提供した労働の全報酬であるべきだ。なにが“公平”で、どのツラ下げて“合理的”だとヌカスのだ。荒唐無稽なペテンではないか」と、暴利を貪る資本家と資本主義の矛盾を告発した後、公平無私な労働者の天国である社会主義社会でこそ『各尽所能、按需分配(各自の能力に応じた分配)』が行われると語る。

「生産資料」――生産設備、原材料、ノーハウなどモノ作りにかかわる一切――は集団の所有となり、資本家の搾取がなくなり、生産は適正に行われる。
かくて「社会主義社会における安定した物価は、労働人民の生活水準を一日一日と高める重要な要素となる」。

その証拠に、「新中国における物価が安定したことで、労働者は限りなく幸福な生活を実感している。解放以来20年・・・市場の物価は安定し、人民元の威信は高まるばかりだ。西側のブルジョワ階級ですら『中国は世界でも稀な物価安定国家だ』と認めざるを得なくなったのだ」と胸を張る。だが“物価超安定国家・中国”は「貧乏の共同体」でしかなかった。 

だからこそ!)小平は「痩せ猫よ、ネズミを捕って肥れ」と対外開放に踏み切ったはずだ。
本書は大上段(冗談?)に振りかぶり、「共産主義社会は、共産主義思想を具体的に備えた者の手によってしか建設できない。
人々が共産主義思想の覚悟を普遍的に持ってこそ、ブルジョワ階級による法権の壁をブチ破ることが可能となる。これこそが『各尽所能、按需分配』という共産主義社会の重要な柱となる。

共産主義は輝ける光を無限に放ち、この上なく麗しい社会である。毛主席の指し示すプロレタリア階級路線を終始一貫して堅持し、手を変え品を変えて登場する修正主義の思潮と断固として戦い続けてこそ、共産主義の労働の本質が確立され、偉大なる共産主義の理想が必ずや実現できるのである」と主張する。

ならば共産党政権が「共産主義思想を具体的に備えた者の手によって」担われていない以上、中国では「偉大なる共産主義の理想が必ずや実現でき」ないことになる・・・ナ。
《QED》
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 西村真悟のコラム 西村真悟のコラム  西村真悟のコラム
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 西村真悟のコラム
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「赤穂浪士の討ち入りの日に思う」
                       
  ▲
 元禄の赤穂浪士の討ち入りに触れたいと思います。
 私の推測ですが、幕末の開国により我が国に来るようになった欧米人は、既にこの赤穂浪士の討ち入りの物語を知っていたのではないかと思います。それというのも、「宝島」を書いたイギリスの作家スティーブンスンは、吉田松陰を知っていて彼の伝記を書いています。従って、この赤穂浪士のことも知られていたと推測するのです。
 そしてこの物語が、如何に20世紀初頭の日本の運命に関係し現在の日本を護っているかを知っていただきたい。

 即ち、日露戦争の講和です。
 1905年9月、アメリカのポーツマスにおいて日露講和がならず、日露再戦となれば我が国の国力は、まず財政から破綻し、満州に展開する25万の我が野戦軍は弾薬と物資の欠乏から崩壊する危機に直面せざるを得ません。

 では、この我が国の運命にとって極めて重要な日露講和を仲介したアメリカのセオドア・ルーズベルトという大統領は、何故その労を引き受けたのか。
 もちろん、それがアメリカの国益にかなうからです。これは言わずと知れたこと。その上で、彼は次のように言っています。
「少年の頃、日本の赤穂義士の討ち入りの物語を読んで、血湧き肉躍ったからだ」

 あの元禄の昔、隠忍辛苦して本懐を遂げた大石内蔵助等四十七士の心意気は、20世紀のそして21世紀の日本の運命にも関係しているのです。
 嗚呼、高輪泉岳寺に参ってお礼を言いたい。
 討ち入り日の前日である昨日13日の夜、堺に住む日本一の浪曲師、松浦四郎若さんが17歳で討ち入った矢頭右衛門七(ヤトウエモヒチ)の物語をうなってくれた。そばとうどん屋の堺東の「利久」で同志とともに聴き、血湧き肉躍った。

 ところで、この忠臣蔵の物語は、封建時代という歴史を経た国々でないと分からない。つまり、主君とお家に対する忠誠を柱とする武士道、騎士道の文化をもつ国でないと分からない。
 従って、中国人には分からない。
 彼らには、真夜中に無防備な老人を武装した47人がよってたかって殺したという話にしかならない。
 結局、中国人そして中国共産党は、日本という国家と日本人のもつ文化は分からない。
 ただ彼らから見れば、日本は未だ中国を含む全アジアを合わせた力よりも大きい経済力を持っている。従って、日本と日本の天皇は、「利用価値」があると思っているだけだ。これが、朝から晩まで反日教育を自国民に押しつけながら、のこのこ訪中する日本の国会議員に、日中友好と言って誤魔化す理由。

 20年前の天安門事件の3年後、天皇皇后両陛下は中国を訪問された。この両陛下の中国ご訪問を、時の中国副首相の銭其深が、西側の対中制裁を回避する戦略的狙いの元に実施され、その目的を達成したと回顧している。
 つまり、中国共産党は、日本の天皇を利用するうま味を経験した。
 そして、この度、国会を閉会にしてまで北京を訪れた小沢民主党幹事長等600名を越える訪問団への「熱烈歓迎」を餌に、何処の馬の骨かもわからない副主席と天皇の会見を外交儀礼を無視して要求した。
 小沢幹事長はぱくりと餌に食らいついて内閣に共産党の副主席と天皇との会見をごり押しして実現させることになった。
その見返りは附いて行った200名近い馬鹿議員と胡錦涛とのツーショット。これらは、この写真を後援会に見せれば、選挙に有利だと思っているのだ。もはや付ける薬もない。
 彼ら訪中議員団は、忠臣蔵と正反対、日本人の誇りと自国に対する忠誠心のかけらもない。

 いよいよ、我が国文化の中枢に対して中国共産党が土足で踏み込んできた。
 中国はこともあろうに、天皇を共産党内の序列争いに利用しようとしている。
 この中国共産党の「土足」を招き入れた我が国政治家の自己の安楽さのために天皇をも利用する傲慢さは、我が国歴史上うかがうことができないほどのものだ。戦後の文化的頽廃と政治の堕落が生み出した事態である。
 我が国のかたち即ち我が国の尊い国体から観るならば、この度の事態は、鳩山総理大臣と小沢幹事長の、議員辞職どころか除籍追放に該当する事態である。

 8世紀の宇佐八幡の神託に言う。
「無道の人は、よろしく速やかに掃蕩すべし」
に該当する無道の者どもである。
 宮内庁長官は、二度とあってはならないこと、と発言したようだが、一度もあってはならない。つまり決してあってはならない事態だ。
 昨日の集会で私は次のように言った。
「真の我が国政府であれば、あの、北京で笑っていた中共の野戦軍司令官とやらとその取り巻きのパスポートを直ちに失効させ我が国への入国を拒否すべきだ」
 言うまでもなく、中国の人民解放軍は、中国共産党の軍隊であり、共産党の主席の指揮の下に動く。語るに落ちるとはまさに小沢のことよ。中国共産党の指揮下にある者に我が国のパスポートを与えてはおけない。

 さらに、締めくくって、次のように訴えた。
「この中共の野戦軍司令官は、『日本を解放する』ために、外国人に対して我が国の参政権を行使させようとしている。
 皆さん一人一人、祖国日本を自分が守るつもりで、外国人への参政権付与の動きを阻止しよう。
 拉致被害者救出の国民運動が我が国国政を動かしたように、90%以上の国民が外国人参政権付与に反対している以上、必ずこの売国的動きを阻止できる。」
(了)
          (にしむらしんご氏は前衆議院議員)


(宮崎正弘のコメント)石平さんとの前作対話の拙著『絶望の大国、中国の真実』(ワック)のなかでも述べておりますが、中国人には忠臣蔵がわかりません。ですから三島由紀夫の理解は不能です。
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