国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/12/11


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   「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)12月11日(金曜日)貳
          通巻2799号  
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 パキスタンで五人のアメリカ籍ムスリムを拘束
  カラチへ入国し、密かに軍事組織とコンタクトの形跡
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 五人のアメリカ籍ムスリムが米国から消えた。家族が捜索願いを出したらしく、パキスタンで拘束されたことが分かった。
 パンジャブで過激派のアジトと目された家を警官隊が急襲したときに、これらのアメリカ人を拘束したのだ。

 ひとりはハワード大学歯学部の学生、もう一人はヴィージニア州のモスクで祈祷しているときに知り合った。
 ほかの三人も米国内で、同様な接触のあとがあり、『ムスリムの若者は何かをしなければいけない』という11分間のビデオメッセージなどを持っていたという(IHI,12月11日付け)。

 五人はダラス空港で落ちあい、12月1日にカラチへ飛んで、それからラホール、バイドラバードなどを回って軍事組織と接触した可能性がある。

 この些細な事件が象徴することは、過激派がアメリカ人ムスリムを『外人部隊』として補充しているか、クーリエとして駆使していることと示してあまりある。

同じころ、オバマ大統領はノーベル平和賞授賞式にのぞみ「正当な武力行使はありうる」と、その場に“ふさわしい”演説をした。
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(お知らせ)小誌、次号は通巻2800号記念特大号です
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(読者の声1)貴誌2798の中で、「怪しい外人」こと、グレゴリー・クラーク氏の事に触れられ、「得体の知れない人物」とされておりますが、全くその通りですね。
この方は小生の記憶に間違いがなければ、確か日本に帰化され、国籍上は日本人だと思いますが、主張されていることは我々日本人を逆なでしております。
相当前の話ですが、たまたま出張先の静岡・浜松市での講演会の中で「ロシアに北方領土の返還を求めるのは可笑しい」と、のたまっておりました。このような方を国賊と呼ぶのでしょうか。
   (HS生、杉並)


(宮崎正弘のコメント)昭和四十六年だったと記憶しています。彼は当時、夏目坂のマンションにいて下駄を履いて近くの銭湯にいく習慣があり、来日したばかりで小生、インタビューに行ったことがあります。その頃はまだまともでした。
 記者クラブでもときどき見かけ、その裡に本を出して、保守の陣営に座りはじめた。竹村健一さんと対談も出したと思います。
 1984年だったか、知り合いのオーストラリアの新聞記者が東京に赴任し、何回か飲んだりしていると、「クラークさんのような地位を目指したい」と言ったので驚いて、あれは「カンガルー・クラーク」って渾名だと教えたこともありましたね。
その後、多摩大学学長にご出世あそばして、奇妙なことばかり言うようになり、誰からも相手にされないのに、ご自分はオピニオンリーダーのつもりでおられるから始末に負えない。



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(読者の声2)貴誌2798号の「アシカビヒコ」氏のご意見で、日本が原爆製造能力を持つという意見(疑問がありますが)と、それができるということは別と思います。当然時間がかかるのです。
その間に日本は核攻撃を受けます。核爆弾の到着はたったの15分です。ということは、実質できないということです。
日本人は、いつでも原爆ができるという幻想に騙されてきました。米国の保護がなければ即国家と民族は破滅、子供は奴隷です。
(東海子)


(宮崎正弘のコメント)核戦争に関してはハーマン・カーン、コーリン・グレー(『核時代の地政学』)、ローレンス・ベイレンソン(核シールドを説いて、レーガンの座右の銘だった。邦訳『核と平和』学陽書房)、リチャード・フォスターなど並外れた戦略家がいました。
拙著『世界の紛争地図』(1982年、学陽書房。絶版)のなかにワン・チャプターを割いて「核時代の地政学」として、こまかな学説を紹介したことがあります。
 古本ルートで当該書籍手にはいるかも知れません。



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(読者の声3)以下、素人から見るとまともな議論のように思いました。中国がいつかまともな国になることを願ってはいます。さもなければ、分割統治されるでしょう。
 (引用開始)
「中国の「バブル」が世界的経済危機まねく 郎咸平氏(「人民網日本語版」2009年12月7日)
  示唆に富む発言でたびたび注目を浴びてきた経済学者の郎咸平氏は6日、世界経済のモデル転換期における中国企業の発展チャンスと課題を取り上げた第2回蘇州商会年次総会で発言した。世界銀行のゼーリック総裁のスピーチをたびたび引用しながら、来る2010年への懸念を示し、「中国の資産バブルが爆発すれば、2010年には世界的な経済危機がもたらされることになる」と述べた。「国際金融報」が伝えた。
  郎氏は次のように述べた。
  2010年になると、中国は新たな危機に直面することになるので、「枕を高くして寝る」というわけにはいかず、より慎重な態度が必要だ。
  現在、米国、アジア、欧州を含め、世界全体で人民元切り上げを求める圧力がますます高まり、この点を私は非常に懸念している。人民元が上昇を続ければ、経済への影響もますます大きくなる。また9月12日の(米国によるセーフガード措置の発動を阻止できなかったという)中国産タイヤをめぐる特別保護措置案件での中国の失敗を受けて、米国は一連の貿易制裁措置を取るようになり、こうした動きは欧州、アジア、南米にも広がった。これは輸出を主軸とする中国の都市経済にとっては大きな打撃だ。
  また最近は水、電力、石油、鉄鉱石などの価格も上昇し、中国経済へのコスト圧力を増大させている。金融の暴風雨が過ぎ去った後、国際環境は中国経済に対してますます敵対的になり、為替レートをめぐる圧力がますます強まっている。これと同時に、貿易制裁措置や貿易措置もますます深刻になり、こうしたこと一切が中国企業に2010年はことのほか慎重な態度を取るべきであることを教えている。
  郎氏は中国でしばしば話題になる不動産価格について、極めて大きな懸念を示した。11月26日にゼーリック総裁が中国に発した警告を引用して「中国の資産バブルが全世界の注目を集めている。上半期の大量の貸付資金の流入が資産バブル形成の第一歩であり、その後も事態は悪化の一途をたどっている」と指摘し、次のように述べた。
  私が最も心配するのはなにか。それは不動産価格急騰の要因であり、硬直的な需要ではない。北京、上海、広州、深センで採取したデータを分析した結果、ここ数カ月は現在の購買力のバロメーターである中・高級住宅やオフィスビルの賃貸料金が値下がりを続けており、ここから硬直的な需要の低下がうかがえる。こうした情況での不動産価格急騰は資金が推進するものだ。その内在的な原因が企業家にとって意味するところは、投資環境の悪化や生産能力の過剰であり、ひいては実体経済から不動産購入への転身であり、インフレリスクの回避を狙った大量の資金が不動産市場に流れ込むということである。こうして不動産価格は高騰し、大量の「バブル状態」を出現させ、政府がただちに対処しなければ、重大な結果をもたらすことになる」(引用終り)
   (アシカビヒコ)       


(宮崎正弘のコメント)中国にもまっとうな経済学者がすくなからずいます。この発言は正確で、精密で、おそらく上海の不動産バブル崩壊というショックは五月上海万博を挟んでおきるでしょう。
 世界のエコノミストも多くが『ドバイショック』のつぎは「上海ショック」を予測しています。
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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へ理屈充満、コジツケ炸裂・・・かくて悪罵の連発だ
       『除“虱”篇』(康立ほか 人民文学出版社 1975年)
 


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穏やかでも上品でもなく、突拍子もなく下卑た書名であって、出版が1975年――とくれば、「虱」が誰を指しているかは一目瞭然だろう。
それにしても、つい数年前の共産党大会で「偉大なる毛主席の親密な戦友であり後継者」と満場一致で讃えていた人物を「虱」とまで揶揄し罵倒し侮蔑する図太い神経は、不可解千万・理解不可能としかいいようはない。

この本は、「紅旗」「人民日報」「解放軍報」「北京日報」「江西日報」「文匯報」「解放日報」「天津日報」「安徽日報」「広西日報」「湖北日報」など、四人組が絶対的権限を完全掌握するメディア部門を総動員して進められていた林彪批判論文を集めたもの。どの一編を読んでも、「全て小品ながら鋭く鋭利な筆致であり、戦闘精神に満ち溢れている」という編者の意気軒昂とした啖呵を裏切ることはなく、興味津々このうえなし。

たとえば「虱」に投げつけられた“尊称”だが、「ブルジョワ階級の野心家」「陰謀家」「売国奴」「デタラメ野郎である孔子の忠実な信徒」「恥知らずな叛徒」「ペテン師」「狼のような反革命の野心家」「一握りの反動分子の頭目」「大地主大資本家階級の政治代表」――このうえなく小気味よいのだが、よくまあ考えつくものだと感心するばかり。

だが、この程度で驚いてはいけない。多くの論文は「林彪という叛徒、売国野郎は、いつも読書はしない、新聞は読まない。学問なんてこれっぽっちもない」とか「林彪という恥ずべき叛徒は、元来が読書はしないし新聞も読まないし書類に目を通すことすらしない。学問はこれっぽっちもない」といった“決まり文句”で書き出されているではないか。ということは、無恥文盲とまではいわないが、林彪は処置無しで底抜けの大バカだったということになる。

確かに、そんなバカタレが後継者に納まっていたら「偉大なる領袖」は死んでも死に切れなかっただろうし、中華人民共和国が地上から消滅した可能性だって考えられないわけではない。
「虱」の死から今日までの中国の展開を考えれば、「毛沢東暗殺計画」なる悪事が露見し、ソ連逃亡を企てながら失敗して事故死(?)してくれて有り難い限りだろう。

さらに、「(「虱」は)大党閥、大軍閥であるにもかかわらず、笑止千万なことに世の中を治めるということについては能書きを垂れる。・・・多くの労働者・農民・革命幹部によるマルクス・レーニンと毛主席の著作学習に反対し、それを破壊しようとする一方で、孔孟の教えのなかから“復礼”の経験を学ぼうとした。

ヤツはマルクス・レーニン主義を憎み、孔孟の道を讃えている」ともいうが、林彪と孔子がどこで、どう結びつくのか皆目不明。また林彪が「マルクス主義と社会主義制度は既に陳腐となり、時代遅れだとホザいた」と断罪するが、林彪の主張の正しさを21世紀初頭の中国の矛盾に満ちた現実が証明している。

ともあれ林彪を飽くまでも「虱」と言い張るなら、「偉大なる毛主席」が「虱」を後継者に指名したんじゃありませんか。「親密な戦友であり後継者」が知らぬ間に「虱」に堕ちていたんですか。「虱」を「虱」と見抜けなかったとしたら、「百戦百勝の毛沢東思想」もヤキが回っていたということですね――などとツッコミを入れたくもなるが、いずれにせよ、「溝に落ちた犬に石を投げつけろ」を当然とする政治文化を持つ民族ならば、「毛主席の親密なる戦友」だって「後継者」にもなるが、アッという間に「虱」にもなるさ・・・。
本書の読後感を数式化すれば、(多弁+詭弁+能弁+饒舌)×牽強付会=罵詈雑言
《QED》

(ひいずみ・かつお氏は愛知県立大学教授。華僑、京劇の研究家として著名)
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  • コンコン2009/12/11

    宮崎先生

    いつも、鋭い考察を拝見させていただいております。



    さて、質問ですが先日神戸華僑のドンと言われた林同春氏お亡くなりになり

    その後、世界華僑、中国国内では政治的な派閥構成・経済などの変化があったのでしょうか?



    現在小沢訪中団が中国へ滞在中

    小沢といえば、李克強



    彼との繋がり連携が今後強くなっていくのではないかと邪推します。