国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/11/28


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)11月28日(土曜日)
            通巻2789号 
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 「ドバイ・ショック」ーー砂漠の楼閣は蜃気楼だった
   リーマン・ショックから一年、そして次は「上海ショック」?
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 世界的規模の株安はドバイが引き金となった。
 予想された通りである。あの砂漠の「楽園」は海を埋め立てて巨大なリゾート開発。世界最高級七つ星ホテル。豪邸が林立し、世界の巨富が集中し、享楽の中心地にして、奢侈品も流れ込み、もちろんマフィアも高級売春婦のなだれ込み、インド、パキスタン、フィリピンから労働者が押し寄せた。

 林立する摩天楼は中東産油国の巨額の資金を当て込んで、欧米、そして日本、韓国のデベロッパーが受注し、覇を競い、そして破局を迎えた。
 邦銀の債権は1000億円程度、ゼネコンの未回収資金は数百億円と見積もられる。

 ドバイ・ショックによる世界同時株安は、香港が最悪の影響をうけて株価下落、日本も例に漏れず、くわえて鳩山政権の経済無策は次の暴落(おそらく日経平均は8500円あたりまで一度下落するだろう)を呼び込みそうである。不気味な円高、前にも報じたように、来年後半に一ドル=70円に向かうとチャートが示唆している。

 さて筆者はあることを思いだした。
 四半世紀前、いやひょっとしたら30年以上前かも知れない。台湾の友人だった特許弁理士Aさんと、日曜日だったので、日月譚へ登って湖畔の宿にとまった。台中の顧客Bさんが一緒だった。Bさんは、事業があたり、多少は裕福、付近の茶畑農家を案内してくれた。
台湾名物ウーロン茶の最高級品を、その生産農家の茶室で振る舞ってくれるというのである。

 そのウーロン茶は農林大臣賞を受けたかのシロモノで、100グラム二万円。一口飲んで酔った気分になる。ほんのりとした味ではなく、口の中でぼわって独特の香りが拡がり、うっとりとなる。Aさんなど、酒に酔ったように酩酊している。
 そういう贅沢を楽しめるようになった余裕のBさんは得意顔だった。


 ▲投機がピークを打って衰滅に向かうとき

 二年前に雲南省名物のプアール茶が中国で一大ブームを引き起こした。それまでにもプアール茶の最高級品は100グラム=百万円という、とてつもないシロモノがあり、それは江沢民に献上された。
 皇帝に献上する伝統があればこそ、こうした豪勢豪華なものを造る。庶民とは無縁の世界が拡がる。

 プアール茶ブームはお茶をたしなむのではなく、中国でははじめから投機だった。
 付近の茶畑が猛烈な投機資金で買い占められ、プアール茶の価格は天井知らずの高値を連日更新し、そしてある日、破局を迎えて多くの茶畑は無惨にも潰えた。
 オランダのチューリップ投機を彷彿させる出来事だった。

 ドバイの不動産ブームと暴落は、おなじ投機のパターンである。
 そして同様な投機行為を国をあげて展開しているところがある。
この国では権力者と悪徳デベロッパーが組んで土地を取得し(住民は軍隊を使って立ち退かせる)、高層ビルは手抜き工事、棟上げ前に宣伝し投機家に売り払い、その箱ものは結局のところ投機目的だから実際の住民がいないまま、コンクリートが腐植し、或いは倒壊し、いずれ廃屋となる。

 この国は銀行に命じてGDPの25%前後ものカネを市中にばらまき、株と不動産と、プアール茶と怪しげなアートと骨董品のブームが現れ、これらの価格は天文学的に高騰し、それが世界不況のなかで回復エンジンの役割をはたしていると豪語している。
 次にくるのは?
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  ◎読者の声◎どくしゃのこえ◎DOKUSHA NO KOE◎読者の声◎
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(読者の声1)11月25日の憂国忌に伺いました。講師のひとり、西部邁さんは頭がいいので突き詰めて考えれば考えるほど いいところにたどり着く感じです。ほかの学者にはない、社会科学の素養が光ります。
三島由紀夫には『自死』という<凄惨>かつ、時には<滑稽>というイメージが付きまとうので、一般庶民には抵抗が強い。もっと三島精神を抽象化していく必要があると思います。
 キリストとは違いますが、十字架につけられたキリストの手から流れてできた血糊の 陰惨なイメージは、うまいこと払拭され、愛と犠牲のみが残されたという方法が三島理解の伝播には必要でしょうね。
 小生は基本的に <崇拝>からは何も生産的なことは出てこない、日頃から<尊敬>と <批判>の適当な配合こそが生産的であると信じていますが、西部さんはその辺をうまく 表現していました。
ほかの講師のサブカルチャーの話もなかなかよかった。
 真に優れたものは多少いかがわしいところから生じる、ないしはいかがわしいものに 絡むということかとおもいますが、憂国忌のシンポジウムを訊きながらパネラーも良い人選だと思いました。
(TK生、世田谷)


(宮崎正弘のコメント)サブカルチャー論は、おなじく『憂国忌』シンポジウムに登壇した杉原志啓氏と西村幸祐氏の得意分野。それを別の角度から西部氏はばっさり斬りましたね。
 それにしても、杉原氏が大学で『三島を知っているか?』と質問したら大教室二百名のうち、一割も学生は知らない。逆にサブカル文学のムラカミハルキは全員が知っていたという話にはゾッとしました。



   ♪
(読者の声2)今月でている『月刊日本』12月号所載の貴論「人民元は強いのか、弱いのか」を拝読しました。
そこに中国がロシアに通貨スワップの二国間協定を持ちかけ、これにロシアは前向きで、ルーブルと人民元による決済シェアの拡大を図ることになったとあります。
その中国は日本に対しても同じ目論みを持っています。
最近、中国を回って来た財務省のキャリア氏と、魯山人ゆかりの赤坂のシナ飯屋で会いました。予算編成で忙しい時期に海外に出掛け、有楽生などと駄弁っていられるのは本省におらず出向中だからです。
そのキャリア氏は北京政府の金融政策担当の高官から、人民元と日本円の通貨スワップはどうかと持ちかけられたそうです。
そして日本がかつてやろうとして、中国とアメリカにより挫折させられ)たアジア通貨基金構想における円の国際通貨化の手法について根掘り葉掘り訊ねられ、最後に「日本で人民元を流通させたい」と洩らしたそうです。
たいした計略です。
人民元の紙幣をよく見ると2004年頃からの裏面にはYUANとアルファベットで印刷されています。日本と中国を区別出来ない西洋人に「YENはYUANと同じ」と思わせ、干戈を交えずに貨幣(金融)から日本を嚥み込もうという中国の野心の現れです。日本を丸呑みしようとする中国ドラゴン恐るべし。
(有楽生)



(宮崎正弘のコメント)YENはもともと「圓」からきており、語源的には中国と同じ。ただし人民元は正確には「人民弊」(RENMINBI)で英語略称はRMBです。欧米マスコミはRMBと表記してYENと区別しています。ちょっと安心していて良いのでは?
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  • 名無しさん2009/11/28

    4年前シナで約1年間あるプロジェクトに従事していましたが、日本円の表示は\で人民元の表示は横2本の棒が1本だけで”なんや!このチャンコロは”と叫んだのをおもいだしました。とにかくでたらめだらけ。

    契約し資金がいきずまればもうgive-upする体制です。そして、ちゃっかり香港に別会社をつくっている。と従業員はごみ扱いでした。

  • 名無しさん2009/11/28

    日本の大学?多くの阿呆が大学教授を名乗る場所であり、学生も程度が低い中で全入させないと経営がもたないお花畑が「学園」と呼ばれる大学の現状。

    教育がマトモになされなくて「教養」などが育まれる訳が有りません。

    日本の大学など今の三分の一あれば十分でしょう。