国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/11/25


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)11月26日(金曜日)
           通巻2785号 (11月25日発行)
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 サウジアラビア軍、イエーメンへ越境、軍事侵攻か
   アルカィーダ幹部の拘束が目的? 邦人人質解放との関連は?
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 アルジャジーラ(11月23日付け)は、サウジアラビア軍が戦車、自走砲、装甲車を駆使し、イエーメンに侵攻したと伝えている。
 モラリズとシャダ地方は反政府ゲリラの拠点化しており、イエーメン政府軍の対応では力不足と睨んだのか、サウジは空軍も動員した。

 しかし軍事専門筋によれば、イエーメン政府軍はサウジ軍の大規模な介入を否定しており、捕虜となっているサウジ軍兵士の救助が目的だろうとしている。ところが当該地区はイエーメン政府の統治が及ばない無法地帯で、イランに支援されたゲリラやアルカィーダの新しい細胞が根城としている。

 サウジ軍の投入はアルカィーダ幹部の拘束が目的かも知れず、また侵攻直後に邦人人質の解放があったが、なにか関連はあるのか等の憶測が飛び交っている。

 イエーメンと言えば紀元前「シバの女王」伝説があるほど歴史が古く、中東では珍しい欧米型の民主化が進んでいる。従って南北イエーメン統一後も、内紛が絶えず、日本の貳倍以上の広大な砂漠に疎らな村落、人口は2300万人。

 地政学的な要衝にもかかわらず国際政治から見過ごされがちだが、イエーメンの首都や産業地帯は紅海に面し、南部はアデン港が象徴するようにソマリア海域、海賊たちの大活躍の場である。

 過激派がこのイエーメンの奥地を隠れ家として利用、十年前のアフガニスタンのようにイスラム原理主義過激派は、根拠地として軍事訓練をしてきた。

 かのビンラディンの母親もイエーメン出身の女性と言われ、サウジアラビアとの密接な関係がある。
イエーメンの石油は中国におもに輸出されている。その石油はソマリア海域を通過する。だから中国海軍は軍艦六隻を派遣して自国の輸送船団を護衛しているのだ。

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  ◎読者の声◎どくしゃのこえ◎DOKUSHA NO KOE◎読者の声◎
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(読者の声1)米国はいまや借金国家をエントリイにと思いますが、日本人は国外の経済に反応しない。こういうとナンダけども、やはり「島国根性」かな。
日本の情報感覚はといえば、内と外を分けていると思う。米国と日本とEUと世界とが金融で連動しているのに。ともかく日本人の欠点は視野が狭いことです。
もし米ドルが暴落すると、子供手当てどころじゃなくなります。この記事に関するコメントがなかなか質が高いと思いました。
http://www.nytimes.com/2009/11/23/business/23rates.html?_r=1&scp=1&sq=debt%20shock&st=cse
  (伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)累積赤字12兆ドル。アメリカの問題は、この赤字国債を外国の機関投資家が購入していること、日本の国債は84%が日本の投資家、金融機関が保有していて、対外債務がゼロに等しい。ですから日本円は強くなり、ドルは弱くなり、果ては。。。。。。。
 そうそう、今月号の「VOICE」の拙論は「人民元が日本円を蹴散らす」。かなり大きな反響があり、来春早々(一月下旬)、PHP文庫に所載されることになりました。刊行されたときには改めて告示します。



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(読者の声2)米下院のオビー歳出委員長(民主党)が、戦争税が財源に必要との考えを示したというニュースがあります。
米軍増派を含むアフガニスタン戦略見直しに必要なのだとか。
そんな提起が許されるなんて、やはり、米国は凄い国だと思います。日本とは大違い。
その良し悪しや、導入可・不可はともかく、戦後日本では絶対にあり得ない問題提起ですよね。たとえ「“空母導入(のための)税」なんてのを提起したら、それだけでマスコミ等に半殺しにされるのでは?
(スポーツ競技でいう)オフェンスはおろか、ディフェンスやキーパーでさえ規制の対象にしようとする国のようですから。ちなみに「戦時中、国民は金物を供出させられた」と戦前生まれの方から教わりました。これも、一種の戦争税みたいなものでしょうか。
 そういえば、今時の日本の政治家も、戦争税を提起していますね。「炭素税」とか「環境税」とかいう名の戦争税です。(笑)敵は、にっくき二酸化炭素!
もっとも、その信憑性は『イラクの大量破壊兵器』以上に疑わしいのですが…。
    (T.T)


(宮崎正弘のコメント)目的税は可能でしょう、日本でも。
そういえば昔、戒厳令下の台湾で豪華レストランでは「戦争協力税」(たしか軍備増強に協力する特別税)ってのがありました。



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(読者の声3)何時も貴誌を有意義に、かつ感謝をもって拝読しております。
さてNHKの報道に対する不満が噴出しております中、かの大前研一氏も、統一後のドイツをドキュメントしたNHK特集に対する批判を公表しています。
 日経BP netにおける投稿記事、
「ベルリンの壁崩壊20周年に見るEUの結束」
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20091124/197000/?P=1
 の中で、NHKの取材方法に関して不適切との指摘をしています。NHKは「東西ドイツの格差が拡大」と結論づけていますが、実際は「格差が縮小」なのだそうです。
「格差社会」批判は、「共産主義」若しくは「社会主義」思想の流れを汲む考えと思います。
明らかにこれら思想の持ち主の構成ではないかと推察しております。
   (HK生、大阪)


(宮崎正弘のコメント)共和主義者の大前さんでもNHKに腹がたったようですね。ウクライナの農場を買えとか、突拍子もない提案をしている延長線上に東ドイツへの投資があり、その大前さんの持論にNHKの論旨が合致しなかった恨みも基本にあるようです。



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(読者の声4)樋泉克夫教授の文章にはいつも敬服します。そのへんの学者や評論家先生など及びもつかない飄々としたしかしタフな論旨。
いま北京におりますが、昨日訪問した某国家機関の玄関先に「我門愛中華」とでかい標語が書いてありました。「建設和偕社会」と同じで、だれも関心をもたないのでどんどんスローガンが大きくなってゆくようです。
中国社会の総体的なエネルギーは(よくも悪くも)非常に勢いがありますね。
   (w88)


(宮崎正弘のコメント)日本が高度成長時代に保持していたエネルギーも、気がつけば老齢化、少子化社会で急速に萎え、その分が、シナ大陸へ移転したかのようです。
 日本は外からみるとどう見ても老衰国家です。

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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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――結局、歴史から何も学ばなかったということでしょう・・・
     『中国政策』(エレン・H・バーネル編 サイマル書房 1969年)
 

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中国全土を疾風怒濤の渦に巻き込んで激しく展開されていた文革の帰趨が毛沢東派の勝利で定まった頃の1969年1月末、日米政界の要人らはロスアンゼルスに近いサンタ・バーバラで豪雨と嵐の2日間を過ごしながら、「ASIAN DILENMA」(本書の原題)について熱く語り合った。

この「サンタ・バーバラ会議」の報告書である本書は「1970年の課題・中国問題の歴史的総括と問題提起」をサブタイトルに掲げ、!)中国封じ込め策を冷戦時代の悪しき産物と批判し、!)北京政府を国連から締め出す政策を時代錯誤と見做し、日米両政府に両政策の放棄を強い調子で提言している。

日本側の参加者は藤山愛一郎を団長に、赤城宗徳、宇都宮徳馬、江崎真澄、黒金泰美ら当時の佐藤政権下で反主流派を形成していた自民党AA研究会の中核メンバー。
対するアメリカ側はウィリアム民主制度研究センター理事長を団長にフルブライト上院外交委員長、エドワード・ケネディ上院議員など。どうやらサンタ・バーバラ会議は、当時の日米両国の“ハト派”による両国政権――佐藤長期政権とニクソン新政権が進める対中政策に対する批判集会でもあったようだ。

中国政策とはいうものの、会議参加者を悩ましていた大きな問題はドロ沼に入り込んでしまったヴェトナム戦争だったことはいうまでもないだろう。

となると、なにやら過激な統一路線を驀進する馬政権の台湾とドロ沼化への道をひた走るアフガンでの戦争を抱えた現在と、一面では重なってくるようにも思える。新たな「ASIAN DILENMA」ということだろうが、現在の「ASIAN DILENMA」の真の主役が世界の大国への道を脇目も振らず、形振り構わずに驀進する中国であることは、これまたいうまでもない。

会議参加者は中国を国際社会に参加させるべきという点では一致していたようだが、前提としての台湾問題の取り扱いでは違っていた。台湾独立の困難さを指摘する宇都宮に対し、ケネディ上院議員などは国連における台湾の議席を残しながら台湾独立化=2つの中国政策を推進することが現実的だと主張する。

ここで興味深いのが、当時の日米間の懸案であった70年の日米安保改定問題と沖縄返還問題をめぐっての議論だ。
参加者の1人であるライシャワー教授は「かりに日本から米軍基地がなくなったら、シーレーン防衛のために第7艦隊に代わる程度の兵力は最低限必要だ。だが、そのような行為は中国との間で軍事的対決状態を生み出すだろう」と、日本がアメリカの核の傘の下で日米安保を堅持することの有用性を主張している。

いいかえるなら日本は“ポチ”のままでいるべきだ、ということか。

基本的に感じられることは、当時のヴェトナムが現在のアフガンに代わっただけで、日米両国における「ASIAN DILENMA」の基本構造に大きな変化がみられないばかりか、一向に解決・解消される気配はないように思える。その根本原因を考えるに、やはり中国に対する、殊に日本側参加者の甘い認識にありそうだ。

「旧中国時代横行した匪賊や強盗は跡を絶ち、軍隊と官吏のわいろ着服、不正は全くなくなった」(宇都宮)とか、「中国の核兵器開発は、攻撃的な目的のものではない」(赤城)とか――“ハト派”による寝言・戯言は、昔も今も問題解決の阻害要因でしかない。
《QED》


(宮崎正弘のコメント)そのうえ、版元のサイマル出版会はリベラル派の巣窟であるアメリカ大使館の真ん前のビルにありました。左翼崩れの怪しげな本を何十点か出して、アメリカ民主党リベラルと足並みを揃えた面妖な出版社でしたね。
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〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〔お知らせ〕〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

<出陣学徒慰霊祭>

来たる11月28日(土)、靖国神社におきまして出陣学徒慰霊祭が行われます。出陣学徒慰霊祭とは、今を生きる若者が、先の大東亜戦争において、国家の為に散華なされた若き英霊の慰霊・顕彰を学生が行うという全国でも唯一の慰霊祭で、日本保守主義研究会学生部が毎年催行させていただいております。
大東亜戦争という国家危急存亡の秋に、多くの学徒がペンを銃にかえ、自らの身命を擲って敢然と立ち上がりました。彼ら英霊の思いは、我々日本人が決して忘れてはならないものであると確信しております。
本年は桶谷秀昭、井尻千男、佐藤優、岩田温各氏をお招きし、記念シンポジウム「出陣学徒の精神〜大東亜戦争を考える〜」を行います。この出陣学徒慰霊祭が、過去と現在の日本人を結ぶ精神の架け橋となるよう、僭越ながら期しております。皆様のご参列を心よりお待ちしております。
参列の申込は下記のフォームよりお申込下さい。
http://form1.fc2.com/form/?id=284095
第6回出陣学徒慰霊祭実行委員長 早稲田大学法学部2年 田城真哉
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出陣学徒慰霊祭実施要綱
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日時:平成21年11月28日(土)
場所:靖国会館2階(靖国神社内遊就館隣)
参加費:3000円(学生1000円、玉串料込)

第一部:記念シンポジウム13:30〜(開場13時)
登壇者:井尻千男先生(拓殖大学日本文化研究所顧問)
桶谷秀昭先生(文藝評論家)
佐藤 優先生(作家・元外務省主任分析官)
岩田 温先生(秀明大学助教)
演題:「出陣学徒の精神〜大東亜戦争を考える〜」

第二部:出陣学徒慰霊祭15:30〜16:30
於靖国神社本殿
主催:日本保守主義研究会(実行委員長:田城真哉)、協賛:拓殖大学政策研究会「日本の心」
問合せアドレス
npo.jci@gmail.com
参列の申込は下記のフォームよりお申込下さい。
http://form1.fc2.com/form/?id=284095
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『やはりドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円) 
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
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◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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