国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/11/19


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)11月19日(木曜日)
           通巻2778号 
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 戦争下請け産業の雄「ブラックウォータ」は戦地で何をしたか
  パキスタンタリバンも悪名に便乗し、テロの犯人説を流布させている
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 パキスタン・タリバン(PTT)が「先月のペシャワールの市場で百人以上が殺害された爆弾テロはブラック・ウォータの仕業だ」と言い出した。これはタリバンがアルジャジーラの取材のなかで語ったとされNYタイムズも大きく報じた(11月17日付け)。

 あれがタリバンの犯行かどうかは疑わしく小誌でも一度書いている(通巻2763号、11月5日付け)。おそらくインド情報機関か、パキスタンの謀略機関がなにがしかのかたちで関わっているだろうが、ブラックウォータ関与は突拍子もないシナリオに見える。

 ところで、「ブラックウォーター」って何か?
 いまパキスタンの首都イスラマバードで大使館ならびに米国外務官を護衛するのはダイン社という。
ダイン社はボディガード専門かと思いきやCIAなみの情報収集と秘密工作にも従事し、パキスタン人を虐待した事実まで発覚した。同社の下請け契約をしたパキスタンの会社が手入れを受け、経営者が逮捕される。

 米議会が問題とする。
 調べるとダイン社の従業員の多くが旧ブラックウォータ社に所属した「戦争の犬」たちだった。

 ブラックウォータ社は世界最大の訓練基地を持つ安全保障企業で自社ヘリコプターも装備し、戦争地域での要人護衛、大使館警備や危険地帯への兵站輸送などを業務とする。リスクが山盛り、社名の由来は訓練地が泥炭層のためわき出る水が黒ずんでいるところかららしい。

 97年に設立された時は警備会社の一つだった。対テロリスト訓練、対テロ戦争の特訓に励み、CIAからはテロ対策責任者をスカウトし、最盛期の同社は四万人もの社員を抱えたという。

 しかし以後の『大活躍』が海外で評判が芳しくないため改名した。現在はXE社という。いまもこのXE社がパキスタンとアフガニスタンのドロン基地で無人攻撃機部隊を管理しているといわれる。

秘密作戦の全容は明らかではなく、ジャーナリストで現場をみた人はいない。彼らが秘密基地でドロンの組み立てを行い、ヘルファイアというミサイルや500キロ爆弾を搭載し遠隔操作でテロリストの目標を攻撃する。だからタリバンが目の敵にするのも無理はない。

 戦争下請け企業というのは南アフリカとスイスが発祥とも言われ、危険な紛争地帯などで国際赤十字の護衛をするのはスイス企業だ。
 悪評高い南アフリカの戦争下請けは、アフリカ各地の紛争、戦争に介入してきた。フレデリック・フォーサイスの『戦争の犬たち』は架空の物語ではない。


 ▲CIAの秘密工作を越えて

 ブラックウォータ社が批判された理由には次の経緯がある。
 2004年に明らかとなったブラックウォータ関与事件はアルカィーダ幹部の拘束、タリバン指導者の暗殺と現地人を雇用する情報収集に関して、CIAが表だった秘密工作が禁止されているため民間企業への下請けとなるのである。

 新社名のXE社はノウス・カロライナ州に正規軍より大きな訓練基地を構え、旧軍人、旧CIA要員らをスカウトし『地獄の訓練』より恐ろしい、死をも恐れぬ訓練でたたき上げられ、海外の紛争地へ特殊工作で赴く。近年の主力部隊はイラクとアフガニスタン、パキスタンだ。

 ブッシュ・ジュニア政権が最初に雇用したが、危険な作戦への関与はなかった。テネットCIA長官がたじろいだからで、彼の後任のポーター・ゴスがCIA長官となった2004年から06年にかけて民間企業への戦争業務委託が具現化した。米国政府の契約額は十億ドルとも言われる。

 ブラックウォータの存在が暴かれたのNYタイムズの記事で「アルカィーダ幹部の拘束、殺人に関与している」との報道だった。真偽のほどが分からないままである。

 次のCIA長官となったミカエル・ヘイデン(06年ー09年)は軍人OBゆえに正規軍の裏の軍隊の峻別を唱え、CIA工作にブラックウォータとの関与度合いをゆるめる。理由は07年9月17日にイラクのブラックウォータ社員が十七名のイラク市民を銃撃し死亡させるという不幸な事件が発生、米国で裁判となったからである。

 直後から全米でブラックウォータへ批判の嵐が吹き、このため同社は09年にXE社と改称して会社の打撃を回避しようとした。
けれどもヒラリー・クリントン率いる国務省は大使館護衛の契約さえ破棄し、他社と契約する。CIAも今後の契約を見送るとした。

 
 ▲おりもおり、カルザイ政権の汚職の一部が発覚

 小誌でも前に報じたが、アフガニスタン最大の銅鉱山を中国冶金集団が開発し、米兵が護衛し、アフガン警察1500名が警備にあたっている。なぜ欧米企業を出し抜いて中国が入札に勝てたか、ナニカアルと言われてきた。

 ワシントンポスト(11月19日)は中国からドバイ経由でアフガニタンの鉱山大臣アデルに支払われた賄賂は3000万ドル(入札は29億ドル)だったとすっぱ抜いた。カルザイは「腐敗、汚職撲滅」をスローガンに、今日から貳期目をスタートさせる。

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