国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/11/13


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)11月13日(金曜日)貳
           通巻2770号
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 アフガニスタンの巨大なる矛盾
  欧米の血の犠牲の上に中国がアイナク鉱山開発を独り占め。
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 アフガニスタン最大の銅鉱山アイナク鉱区はカブールの南東60キロ。この銅山は推定埋蔵1300万トン、市場価格予測では880億ドルの価値があるとされる。
開発がすべて達成されると世界第十五位の銅鉱山となる(アジアタイムズ、11月9日付け)。

 数百の中国人エンジニアと坑夫がすでに働いており、皮肉にもアフガニスタンで支払われた給料を、本国に送金している。
 くわえて、この鉱山を守っているのは米兵とアフガニスタン警察1500名。しかもアフガン警察の給与の半分は日本が援助している。

 鉱山開発は環境汚染に繋がり、儲かるのは中国だけという構図。
なぜこういう矛盾がまかり通るのか? 米国の世論は「安保ただ乗り」論でチャイナ・バッシングを開始しているが、嘗ての日本バッシングのような盛り上がりに欠ける。オバマ訪中前でもありますし。

日本とてカネの援助はするが、それが中国に裨益している実態をみて見ぬふりを決め込んでいる。ま、日本の政府は北京に朝貢政権ですから。

 アイナク銅鉱山開発に中国冶金集団が35億ドルの入札に成功し、全体の75%を抑え、さらに中国の江蘇省銅山集団が残り25%を獲得した。
 既にアイナク鉱山開発はことし五月に開始され、早ければ2011年に生産開始となる。年間20万トン。全量が江蘇省銅山集団に引き取られ同社は年間90万トンの銅精錬を誇ることになる。
 向こう三十年の開発契約と推定され、毎年四億ドルを中国はアフガニスタン政府に支払う。

 同時に中国はアフガニスタンのインフレ建設に深く関わっており、道路建設、石炭による火力発電所、加えて地下水くみ上げ装置、鉱山労働者のための住宅、学校、病院の建設も開始した。
 
 なぜこんなことになったか?
 アフガニスタンの担当大臣イブラヒム・アデル鉱山相と中国企業との間でなんらかの密約があったに違いないと冒頭のアジアタイムズが言う。
なぜなら当時の入札には米国、カナダなど錚々たる世界企業が応札したにもかかわらず、アフガニスタンに派兵もしていない中国が土壇場で権益を独り占めしたからだ。

 しかも07年におこなわれた入札直前に世界銀行の鉱山開発専門家チームが作成したレポートでは中国冶金集団が海外での実績がほとんどないことを警告していたにもかかわらず。


 ▲中国の本当の狙いはパキスタン・イラン国境の銅山開発にあり

だがパキスタン情報筋によれば中国の本当の狙いはアフガニスタンに隣接するパキスタンのセインダック鉱山であるという。
この鉱山は銅のほかに金の埋蔵が確認されている。(ちなみに金価格は11月12日、史上最高額の1オンス=1119ドルを更新)。

 セインダック鉱山はパキスタンのもっとも危険なバロチスタン地方チャガイ地区に位置し、埋蔵は四億トン。
推定契約金額は3億5000万ドル。03年から投資が開始されている。

ところがムシャラフ前大統領が中国の冶金集団と契約した生産高より多くを生産している模様で、あからさまな契約違反を批判する声がパキスタンではあがっている。生産高を監査するシステムがパキスタンにはない。

 また欧州系の環境監査団体のレポートに依れば、生産現場で水質管理が悪く、ひどい汚染が確認されている。同銅山の水源はイラン国境の盆地から引いているため、現地住民には水枯れの恐れも高まっている。
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●◎ブックレビュー◎●BOOK REVIEW◎●書評◎●ブックレビュー◎●
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藤井厳喜『NHK捏造事件と無制限戦争の時代』(SOWA)
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 中国人の謀略専門家が描いた「超限戦」というのは、どんな状態でも、いかなる手段を講じても戦争に勝つことを目的とせよ、という凄まじい内容で、宣戦布告を伴わない、目に見えない戦争を、相手に悟られないうちに静かに巧妙に仕掛けて、相手をへとへとに衰弱させる。テロもサリンも、いやいやテレビ放送の中味に謀略をしかけることも、ナンデモアリの世界。
 性善説に立つ日本人の多くは、そういうことを信じない。悪人顔のオザワ某でさえ高野山へご機嫌伺いにいく国ですから。
 問題となったNHKの台湾特集番組のあまりに売国的偏向は、その無限戦争の典型の手口だ。
ここで蒸し返す必要もないが、北京から指図でもあったかのようにNHKの番組は全体が日本=悪という手口で描かれ、あまりのデタラメに国民の怒りが集中し、現在はNHKに対して、一万人を越える集団訴訟に発展したことは周知の事実だ。
訴えた原告団には、直にNHKの取材を受けた台湾の少数民族のグループも含まれる。
国際問題化しているのである。

 藤井さんの新刊である本書はシナの謀略の全貌を白日の下にさらし、その全体像を把握するためのテキストを企図して編まれたもので、著者ならではの試みである。
 さて本書のような硬い諸作を連続して世に問う藤井教授。よほどコチコチの保守かと誤解の向きも多いが、本人はざっくばらん、楽天家の典型で、しかも多芸の人である。俳句の先生、シャンソンの作詞家。しかもハーバード大学に学ばれ、国際結婚と、およそ民族派の範疇を多方面から軽々とはみ出す人生を歩んできた。
本書はチベット、ウィグルの直接の悲痛を訊き、さらに台湾論客とのインタビューも挿入されていてバラエティに富むうえ、浩瀚500ページ。
それでいて写真、漫画、イラスト、コラムが随所にちりばめられていて硬い本に仕上がっていない工夫もされている。 
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◇読者の声◇◆ ☆DOKUSHA―NO―KOE▲◎ ☆◇どくしゃのこえ◇◆
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(読者の声1)貴誌前号の「読者の声欄」へのコメントで補足です。
 貴見「関ヶ原で東西のボルトを別けて、鉄道も直流と交流の切り替え拠点は米原と長浜のあいだ。戦争中の分散戦略の名残でしょうか?」(引用止め)。
鉄道の直流と交流の切り替えですが、以前の米原と長浜から北上し、現在は敦賀を超えて敦賀の福井寄りの北陸トンネル手前に切り替え場所(デッドセクション)が移されています。平成18年のことで、これによって敦賀までが直流電化となり、関西圏を走る新快速が敦賀まで乗り入れています。
   (IT生、新潟県上越市)


(宮崎正弘のコメント)先週も米原乗り換えで岐阜に入ったのですが、つゆ知らずでした。快速が敦賀まで? 事態は変化していますね。



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(読者の声2)貴誌前号のアメリカのニュース産業の凋落ぶりですが、日本の実情も地獄ではありませんか。辣腕記者がかなり新聞社を辞めています。
    (HU生、大手町)


(宮崎正弘のコメント)いや、新聞各社に、あまりにも知り合いが多いので、国内の実情を書くより、アメリカのことを書けば、次の日本のニュース産業ならびに出版業界の凋落ぶりは、明らかでしょう。
 年内あるいは来年早々に新聞社一、大手出版社一が、会社更生法申請という噂があちこちに流れています。
ニュース産業の末端で生活している小生としてもたいへんです。
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いよいよ憂国忌まで、あと12日となりました!
((( 憂国忌 )))

 第三十九回 三島由紀夫氏追悼会
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 とき     11月25日(水曜日) 午後六時半(六時開場)
 ところ    星陵会館 二階ホール
        http://www.seiryokai.org/kaikan.html

追悼挨拶   松本徹(三島文学記念館館長、文藝評論家)
 シンポジウム 「現代に蘇る三島思想」
 パネラー   杉原志啓 (評論家、徳富蘇峰研究家)
富岡幸一郎(文藝評論家、司会)
        西部 邁 (評論家、『北の発言者』主宰)
        西村幸祐 (評論家、『撃論ムック』編集長)
 会場分担金  お一人 1000円
 ◎ 記念冊子とメルマガ会報合本をお渡しします。どなたでも予約なしで参加できます。
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@@@@@@@@@@ 三 @@@@@@@@@@ 島 @@@@@@@@@@
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< 宮崎正弘の近刊 >
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
宮崎正弘+内田良平研究会編
『シナ人とは何かーー内田良平の『支那観』を読む』(展転社、定価1995円)

 < 予告 >
 宮崎正弘『朝日新聞のなくなる日』(ワック、11月17日発売)

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< 宮崎正弘のロングセラー 絶賛発売中 >
 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
『中国分裂 七つの理由』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ、1680円)
『絶望の大国、中国の真実』(石平氏との共著、980円。ワック文庫) 
『やはりドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円) 
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
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◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2009 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
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  • 名無しさん2009/11/13

    アフガニスタンの診療所で働く国際赤十字派遣の日本人女性3人をテレ朝が取材報道していましたが、日本のお金が中国の利益のために使われているという現実を無関心な一般日本人に知らせる手段はないのでしょうか。国民の大半が知らなければ、何も変わりません。小沢氏と韓国政治家との永住外国人の地方参政権の話をNHKが淡々と報じていましたが、日本人が重大事と思わなければならないことです。議論が巷に沸騰する事態になるのが当然です。帰化して良き住人になった上での参政権付与であるべきと思います。