国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/11/11


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)11月12日(木曜日)
          通巻2768号 (11月11日発行)
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 インド軍、近く十万兵士を投入してマオイスト征討作戦開始か?
  西ベンガルに猖獗する「レッド・タリバン」=マオイストと外国との連携
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 パキスタンがワリジスタンのタリバン掃討作戦を開始し、その報復によりパキスタン全土が自爆テロの脅威の波にさらされた。
 インドとは事実上の休戦状態。

 そこでインドは、この好機を活用してベンガルへ軍事力を移動させ、コルコタ以西(旧カルカッタ)に蟠踞するマオイストの脅威を取り除く軍事作戦に踏み切る可能性があるとアジアタイムズ(11月11日付け)が伝えた。
 
 同紙に依ればスリランカの「タミールの虎」の残党が西ベンガルの密林地帯へ入り、マオイストの軍事拠点でゲリラ戦の訓練を受けているという。
 資金源は外国勢力とされるが、ネパールのマオイスト政権は財政支援を否定しており、北京ももちろん否定しており、「敵の敵」は味方という理論からすれば、パキスタンを迂回した中国の資金という見方も成立するが、真相は藪の中。

 南アジアを攪乱するマオイストは「レッドタリバン」と呼ばれる。
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●◎ブックレビュー◎●BOOK REVIEW◎●書評◎●ブックレビュー◎●
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西尾幹二『GHQ焚書図書開封3』(徳間書店)
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 待ちに待った第三弾。読み始めたら止まらない。
 大げさではなく、小生のような戦後生まれの人間にとって、戦時中のベストセラーのことを知るよしもなく、ましてや当時の国民の心情を同世代感覚で把握も出来ていない。戦後、GHQの政策と歩調を合わせた日教組教育はひたすら「戦争が悪い、戦争中は暗かった」という一点でのみ教え、特攻隊は無駄な犬死にだったと戦後世代を洗脳した。
 GHQは民族の英雄を教えることを禁止した。
 だから現代日本人ヤングは驚くなかれ、東郷平八郎も西郷隆盛もしらない。まして楠木正成って誰ですか?
 西尾さんが中心となって、「新しい歴史教科書をつくる会」運動を立ち上げられ、ようやくにして正常の教科書が登場したが、GHQの洗脳状態から抜けない大新聞、マスコミ、日教組などの妨害によってこの日本人による日本人のための歴史教科書の採択が思うように進まない。
 本書はシリーズ第三弾となり、焚書図書のなかでも、今度は日本軍兵士らが描き出した戦場と戦況と、その凜とした振る舞いとを伝える。
 文中、何カ所も感動的な場面があるが、田母神元空幕長の講演を引いた興味深い箇所に新鮮な驚きを覚えた。
田母神閣下は、つぎの講演を何処かでされた。
「忠臣蔵を討ち入りの場面から始めたら意味がない。その前の経緯をのべ、いかに赤穂浪士らの心理的変化があり、忠臣としての義挙に及ばざるを得ないかを書くから全体像がわかり、かつ歴史がりかいできる。それと同様に、真珠湾から物語を始めたら、それ以前の日本がいかに艱難辛苦を乗り越え欧米の差別と虐めに耐え、それでもなぜ立ち上がらざるを得なくなったのかの行程、その歴史的必然かがわかる」。
 広島の反省碑の文言もばかげている。
 「過ちは繰り返しません」ではなく、あれは「広島を忘れるな」と変更してしかるべきであろう。
 さて本書の冒頭にいきなり戦場を描写する『一等兵戦死』からの引用があるのだが、その文章の素晴らしさ、凜とした文体、おそらく戦記文学をよく描いた、かの石川達三の陰影描写よりも濃く、感動的である。
 (砲兵陣地では)「雨が瀟々と降りしきって、竹林には砂煙が低く這い」、「しくしくと寒さが濡れた靴底」、「馬はうめいてもろくもざさりと倒れた。死んでいた」、「雨雲をゆすぶって砲声は響き、豆を煎るような小銃の音は朝まで続いた」
日本軍兵士は戦後GHQやサヨクや、そして中国がつくったプロパガンダ映画のような鬼ではなく、人情豊かな、凜として日本人だった。正義を信じ、邪悪を嫌い、大儀に準じた。
いまでは映画にさえ基準があって、日本軍は残酷に描くが、欧米ならびにソ連兵が残虐であったシーンがない。日本軍を評価する場面や描写は描かれなくなり、つまり『ひめゆりの塔』は良いが、『氷雪の門』はいけないということになり、上映映画館から撤去された。水島総監督の東京裁判の映画は自主上映で全国を回った。
こうなると日本に表現の自由さえ脅かされていることになる。
いろいろなことを考えながら、第三弾を読み進めている。


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西尾幹二『決定版 国民の歴史』(文春文庫)
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 じつはもう一冊、西尾さんの名著が文庫入りしている。あの大ベストセラーから十年が経って、『国民の歴史』は『決定版』と銘打たれ、著しい増ページと多少の加筆をされて文庫入りした。この本を読んで目を開かれた、蒙昧から脱したと感想をのべた人が夥しかった。
 今度の文庫本入りにあたっては新稿が追加され、上下二巻となっている。
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◎読者の声◆ ☆DOKUSHANOKOE◎ ☆どくしゃのこえ◆ 読者の声◎
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(読者の声1)宮崎さんのキルギスへの写真と紀行文を読み感慨深いものがありました。
http://miyazaki.xii.jp/tyosya-kinkyou/index.html
キルギスやカザフスタンの日本人墓地へよく行かれましたね。
「この方々が祖国の父母を想い、異国の土になる自分の運命を悟っただろう」と思うと目頭が熱くなった。
「XXスタン」諸国を、ロマンを交えて描ける評論家は宮崎先生だけですね。ときどき、先生は「歴史ロマン小説」の作家に向いているように思う。しかしコメントが少ないことから、一般の日本人には遠い異国の話しでしょうか。
アフリカはもっと遠い。
読売などの国際記事にはこの旧ソ連圏もアフリカも外されていると感じる。現在、シナ人の方が開拓者精神を持っている。まあ、国策移民ですが。かってのハワイやカリホルニアへ日本政府が送り出したように。
それでも、シナ人は「富」を夢見て、セキュリテイも、衛生も、交通手段もないアフリカへ出かける。シナ人の年収が20万円だとすれば、アンゴラやスーダンなどは、年5万円以下だから。“PECKING ORDER"(鶏の強い奴が弱い奴をつつく、つつかれた奴が弱小の鶏をつつく)。だが、その大地に埋まっている資源を安い労賃で掘れば、中華帝国の原資となるわけです。
鳩山を国家の元首にした日本の愚衆にそんなハングリー・スピリットなどない。子育て手当てやら、生活保護を貰って細々と生きる鶏のような存在です。嗚呼、ワタクシも愚痴多きただの年寄りなのか!
(伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)なにもしなくても食べていける奇妙な日本の福祉制度、過保護の国=ニッポンでは勤勉な納税者が犠牲になっている。この不均衡と逆の平等制度、さて何時まで持ちますかね。
国民から夢を奪った政治に明日はないのでは?



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(読者の声2)ブログで飛び交っている話題ですが、鳩山首相の米国紙に寄稿した論文と寺島実郎氏が「ボイス」などに書いた反米基調の論文とが酷似しており、鳩山のゴーストライターが寺島氏ではないか、といわれています。
現時点での反米は危険だと思います。
貴誌の見解を伺いたいと思います。
    (TY生、板橋区)


(宮崎正弘のコメント)寺島某の論文を読んだことがありません。ですからコメント出来ません。そもそも時間の無駄と分かるような論文は読まないのです。



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(読者の声3)最近中国のアフリカ進出ぶりに非難の声を上げる人が多くあります。
では、日本はアフリカで何をやればよいのでしょうか。中国の反対をやればよいのです。
たとえば、現在スーダンが輸出している石油の約一割は日本向けです。輸入している業者に輸入をやめさせるのです。万一、キャンセル料が必要なら、ODA予算でキャンセル料を払うのです。
そして「これが、今アフリカへの最高の援助である。賄賂に回る可能性がないだけでなく、アフリカ諸国民の尊厳に奉仕し誇りあるアフリカ諸国民勇気付ける最高の贈り物である。アフリカの諸国民は物乞いではない。悪魔の金をつかむ状態から抜け出すための手助けである」
と国連総会で首相が演説すれば、日本の崇高さが際立ちます。
アフガニスタンへの援助5年間で4500億円とのことですが、無駄使いにしないよい援助があります。
アフガニスタンの特産品であるざくろのジュース工場を作るのです。そして絞りかすから有機肥料を作る工場を併設するのです。ざくろジュースは、前立腺癌に著効があることが、大阪大学医学部の研究者の研究で分かっています。
さらに、高齢出産をして母乳の出の悪い母親の乳の出を促進します。
高齢結婚が世界的に多くなる中、これからの世界に必要とされるものです。日本での研究で効果の発見されたものでもあり、日本政府の援助の対象としてうってつけです。テロの心配はいりません。
工場のそばに日本人技術者の家を建て、そこに天照大御神様と武御雷神様を祀れば、大丈夫です。
  (ST生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)一種洒脱なジョークとして拝聴しました。
   
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(お知らせ)13日金曜日。午後一時から二時四十分までラジオ日本「ミッキー安川のずばり勝負」に宮崎正弘が生出演します。
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<< 今月の拙論と今後の予定 >>

(1)「円を蹴散らす人民元」(『ボイス』十二月号、発売中)
(2)「いま中国はどうなっているのか?」(『正論』十二月号、発売中)
(3)「中国のいま、迷走する日本」(『撃論ムック』発売中)。
(4)「北京、上海で何が起きているか」(『エルネオス』、十一月号、発売中)
(5)「人民元は強いのか、弱いのか」(『月刊日本』12月号、11月22日発売)
(6)「三つの絵が示唆する国共合作」(『北国新聞』、11月16日、コラム「北国抄」を予定)。
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< 宮崎正弘の近刊 >
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
宮崎正弘+内田良平研究会編
『シナ人とは何かーー内田良平の『支那観』を読む』(展転社、定価1995円)

 < 予告 >
 宮崎正弘『朝日新聞のなくなる日』(ワック、11月17日発売)

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< 宮崎正弘のロングセラー 絶賛発売中 >
 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
『中国分裂 七つの理由』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ、1680円)
『絶望の大国、中国の真実』(石平氏との共著、980円。ワック文庫) 
『やはりドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円) 
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
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◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2009 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
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  • 名無しさん2009/11/12

    ●何かおかしな友愛哲学

    発信本人は、この幻想的テーゼに自己満足し時として自己陶酔している感覚にあるが、政治家として、一国の首相としての器には極めて不具合な存在ではないか。騒がしい隣人達の軍拡と他人領土への堂々たる侵食行為に何等行動を起こさず、先送りで解決できると踏んでいる感覚は、非常に危険であり、一刻の猶予すらない。一国の存続に関わる緊急懸案でありながら、まるで他人事的な認識を見るにつけ不信感情が増大するばかりなのは、私だけだろうか。

    ●小沢党首の行脚

    この行脚は何でしょうか。

    自党の将来に向けての取り込み作業(魂胆)が見え視え。驚愕過ぎて、極めて危険な行動と思う。更に、隣国中国への積極的な働きかけと訪問に、党首としての見識に

    強いイエロー・カードを投げつけたい。

    このような可なり低レベルの品格しか持ち合わせていない人達によって主導される今後の日本は、一体どこへ向かうのだろうか。危惧を越えて危機感だけが増殖してゆく。次代を背負う人達のためにも、何らかの対策を起こさなければ、取り返しがつかない時空が生じることになるのではないか。



  • 名無しさん2009/11/11

    アメリカが中国のタイヤをダンピング裁定しましたね。なぜ、マスコミはメーカーの名前を出さないんでしょうね。



    いま「シナ人とは何かーー」読んでます。