国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/11/02


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)11月2日(月曜日)貳
           通巻2760号 
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 インドで跳梁跋扈するマオイストの暴力紛争に参加するのは最下層の若者
  マオイストに殺害された治安警察など900名余の血の犠牲
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 マオイストの猛威はネパールで王制を転覆させた。
 バングラデシュにおけるマオイストはダッカ大学(バングラの東大)に公然と出現し、政治的影響力を無視できない。

 インドはどうか?
 この時代遅れのイデオロギーをまとった暴力集団が、貧困層には受け入れられる。
 経済発展と繁栄から取り残された最下層の国民がテロに走り、体制の転覆を企図し、各地で暴力沙汰、鉄道破壊、爆破、鉄鉱石現場襲撃、そしてパイプラインを奇襲する。過去四年間で犠牲になった治安部隊は900名。ちなみにアフガニスタンでの同期の犠牲は1100名。

 かれらの武器と資金が中国からきているかどうかは不明である。

 かれらは1967年頃、ナクサリバリ(地名)で結成され、その後、インド共産党は合法政党を目指し野党として、それなりに影響力があるが、以後、マオイストらは、地下に潜った。
いまやナクサリバリ地方は「マオイスト自治区」のおもむきがある。

 各地では種族の自治、或いは地方の独立を求めたグループが合同し政党を結成したが、マオイストらはどの派閥とも野合せず、1980年代からはひたすら暴力党争に走った。

 貧困、カーストにおける差別、最貧の村々が全土に点在するが、なかでもマオイストの猛威を振るうのは西ベンガル地域だ。
 インド軍は70000名を投入して警戒に当たっている。


 ▲かくて西ベンガル一帯は「赤い回廊」

 本拠はチャティスガルにあり、隣接するオリッサ州とビハール州にまたがり、拠点のハルハンド、マハラシトラを結ぶ地帯は「赤い回廊」と呼ばれる。
学校までが襲撃され、西ベンガルでは警察署が襲われ、付近住民は「昔は野生の虎、猪がこわかった。いまはマオイストの襲撃だ」と言う。
 
 インド経済の発展ぶりも、裏面に回ると地域的には何時でもアフガン化する場所がある。いずれもが鉄鉱石、銅などの産地で鉄道輸送に経済を依拠する場所である。

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◎読者の声◆ ☆DOKUSHANOKOE◎ ☆どくしゃのこえ◆ 読者の声◎
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(読者の声1)貴誌2755号にあつた辻井喬氏の新著への書評を読んで、やはりさうなのかと納得させられました。
結局、辻井氏は「サヨク」なのですね。西武セゾングループの経営に失敗してからの辻井氏(堤清二氏)は完全に「小説家・辻井喬」の印象が強く、ここ数年で芸術選奨文部大臣賞、日本芸術院賞、そして日本芸術院会員と数々の栄誉に輝いて居ます。作品も水野成夫をモデルにした主人公の生涯を描いた『風の生涯』や、父である堤康次郎とその家族を題材にした『父の肖像』など、昭和史が背景にある力作が少なくありません。
 特に『風の生涯』は、「革命家」「文学者」そして「経営者」の顔を持つて居たといふ点で、辻井氏と共通して居た主人公への思ひ入れがプラスに作用して居て、明らかに辻井氏の作家人生の中でもエポックメイキングな作品でした。
登場人物の一人として、詩人の淺野晃が凄絶な美しさで描かれて居り、それまで淺野が林房雄同様、「転向者」「裏切り者」「知識人失格」の烙印を押されてきただけに、立正大学の淺野の弟子筋の方々には辻井氏に感謝する人が少なくありません。
 しかしながら、大江健三郎のノーベル賞受賞に際しては、欧州の有力な知識人に働きかけて、少なからず協力したとも言はれる他、自身の日本芸術院会員指名にも、かつて自分の部下だつた人物にその「方法」について探りを入れてくる(その部下本人から直接聞いた話です)など活動家的なところは、やはり「雀百まで」何とやらではありませんが、若き日の蒙古班が少なからず残つて居るのかと思はれてなりません。
 それなりのお立場で、著名人との交友も多かつたとなれば、回想録は面白いものになるでせう。
しかし評論やエッセー、特に日本の文化を論じた文章が凡百の進歩的文化人のそれと変はらないとなれば、それはそれとして厳しく見なければならないでせう。
辻井氏は「九条の会」のメンバーださうですね。これだけ大陸や半島の出鱈目や嘘八百が明らかになつて居るのに、大学教員や文化人が集まつた左翼系団体がいまだに朝日新聞や岩波書店の支持を得る形で活動して居る背景には、彼らにも「スポンサー」が居るといふことが理解されます。
今の辻井氏に、どの程度経済的な影響力があるのかは不明ですが、かつて「タニマチ」であつたことは事実です。
 辻井氏が西武セゾングループの総帥だつた頃、彼の下には彼に寄付を求めてやつてくる連中を追ひ返すための役員が居たとか。
しかしその辻井氏は淺野や保田與重郎に礼を尽くして、会食の席をともにすることもあつたと、保田の高弟で、新学社社長を務めた高鳥賢司氏が生前話してをられました。
その高鳥さんの言葉で、辻井氏の『風の生涯』について、痛烈なものがありました。
「国策パルプの重役たちは豪傑揃ひやつたから、辻井さんぢやない人が書いたら、もつと面白くなつて居ましたよ」。十代の頃から淺野や保田の読者であつた高鳥さんならではのご発言と思ひ返してをります。
  (KN生、草加市)


(宮崎正弘のコメント)念のため拙文をもう一度、下記に再掲載します。
「古刹をまぐり慈愛の仏像を見ながら、なぜか日本の過去を呪詛
辻井喬『古寺巡礼』(角川春喜事務所)
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 嘗ての革命を夢想したロマンティスト、実業に失敗して、近年はもっぱら小説家のほうで活躍される氏は、御年八十。そろそろ日本の古代からの美を振り返り、日本回帰をされようと古刹をめぐられたというから、どのような心境の変化、精神の遍歴があったのだろうかと、そのことに一番興味があった。
古寺をまわって仏像に遭遇し、いかに革命の熱情の虚妄を悟られるか。
 なんて先入観で読み始め、最初は三島由紀夫が出てきたりするので、ひょっとしてと期待しつつ、つっかえ、つっかえ半分までなんとか読んで落胆した。これは失望である。嗚呼、こんな本、読むんじゃなかった。
 理由?
 以下に本書から三箇所を引用し、理由の説明に替える。
 吉野の仏らを見て、著者はこう言う。
「かつて歴史を万世一系の天皇制という虚構に無理に押し込もうとするために、過度の、それゆえに軽いロマンチシズムが動員されていた」。
 薬師如来をみて、こう言う。
 『平俗な進歩史観一色になってしまった』いまの日本の原因は「日本が惨めな敗北を喫し、それまでの熱狂的な史観であった皇国史観が色あせてから」。
 秋篠寺では、こうも思う。
 「狂信的な国粋主義、世界に対して普遍性を主張することの出来ない天皇中心の国体思想が敗戦によって否定された」。
 日本人のこころの豊かさを象徴する古刹の静かな環境にあって慈愛をしめる仏像を凝視しながらも、日本を憎む毒々しき語彙の羅列がなぜこうも並ぶのだろう。
   (以上)



  ♪
(読者の声2)貴誌11月1日配信の読者の声欄に宮崎先生の「東中国海(という中国人ヤングの表現)に軽い衝撃を受けた」、との記載がありますが、小生の購入していた「大日本百科事典 28巻 世界大地図(昭和55年5月1日小学館)」のアジア主要部(P14)、さらには、太平洋(P54)の「EAST CHINA SEA」の日本語表記は「東中国海」、「SOUTH CHINA SEA」のそれも「南中国海」となっています。
 この「大日本百科事典」は小生がセールスマンに根負けして購入したもので、書棚の面積を占領して大きな顔をしている飾り物です。
購入当時は、このような表記もあるのかなぁくらいの軽い気持ちで、違和感はあっても、気にはしていませんでした。
 しかし、覚醒した今となっては許せない表記です。
昭和55年当時からシナの圧力があったのか、それとも、出版社の過剰な自主規制が働いていたのかは不明です。
 現在では書店に並ぶ地球儀の表記などをチェックしているところですが、東シナ海、南シナ海と表記されているので、ひとまずは安心しております。
   (GV2)


(宮崎正弘のコメント)拙編著『シナ人とは何か』(展転社)の『シナ人』をめぐって新聞社からの広告掲載拒否にあっています。ついに日本はここまでマスコミの自主規制が、続くようになるとは、いったい、日本の主権、日本の自立はどこへ行ったのでしょうか?



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(読者の声3)貴誌の樋泉克夫さんの以下の解説に感想です。
<引用>「汪精衛氏五十餘年に亘る波瀾多き生涯を知ることは、近代支那の動搖と推移を知ることである」と考える著者は、孫文に師事し過激な革命家として出発した汪が、「蒋介石を當國の最高地位に据ゑ、自分は政務と黨務と擔任して、介石を極力支援」するが、「抗日は必ず聯ソであり、聯ソは必ず容共の運命にあ」り、抗日戦争への道を突き進むなら、「この戰爭は必ず擴大し、必ず長引びき中日双方ともに破れ傷つき彼等(共産党とソ連)の犧牲になつてしまふ」ことを苦慮し、遂には蒋介石と袂を分かつに至る経緯を詳細に描きだし、「汪主席の抱負と今後の進展に對し、われ等は大東亞新秩序の建設の爲に協力し、相共に最後の勝利を、必ず獲得しなければならないのである」と、この本を結ぶ。
この本出版から3年ほどの後、汪とその同志は「漢奸」として断罪される。当時の日本が「中華民國國民政府主席、行政院院長汪精衛閣下」にどう接し、彼等をどう見ていたのか。60有余年後のいまでもなお、「日本人が無知であつてはならない」・・・断じて。《QED》<引用終わり>

王精衛は国民党では蒋介石より先輩の民族主義者です。彼は1924年の孫文が騙された国共合作体験からソ連の危険性を理解していました。
孫文死後国民党の指導者になった蒋介石は、九年がかりの国共内戦に勝利し、支那統一五分前という絶好の位置につけていました。
しかし1936.12の西安事件でソ連に屈伏すると、長年の支那統一を放棄して容共反日に向かいました。彼は結局戦後再開した国共内戦に敗北し、支那全土を共産化されて台湾に逃亡しました。歴史的に見ると間抜けな場当たり主義者です。
 王は蒋介石の方針転換と容共ぶりを見て危機感を持ち、蒋介石政府を離脱します。この時彼は脱出先のハノイで蒋介石の刺客に襲われますが、秘書が身代わりで死に、日本に向かいました。日本は支那事変の講和を急ぎましたが、蒋介石がスターリンの指示で講和しないため、王と南京政府を樹立しました。王は日本と手を組み国民党南京政府を作り、7年近く支那の圧倒的な部分、重慶を除く一千都市、工業生産の9割以上を統治しました。一方、蒋介石は1937.12に首都南京を逃げ出すと山奥の重慶にこもったままでした。
 米ソは蒋介石に対日代理戦争をさせていたので、支那事変が終結することを恐れ、国民党南京政府を敵視しました。
王は1943年、名古屋病院でガンで死去しました。夫人の陳璧君女史は戦後蒋介石に逮捕されて漢奸(裏切り者)として告発されました。しかし法廷で、「我々は支那国民にとって必要であったから日本に協力した。我々を裏切り者だというのなら、蒋介石こそソ連、米国の手先の漢奸であったではないか」、と反論し、多くの支那人に感銘を与えました。後女史は中共の上海監獄で死去したといわれます。
なお日本側は王氏の遺族に感謝の気持ちをこめて、いつか役立つと、横山大観の名画を贈呈し、先年在米の遺族がそれをオークションに出した話を読んだ記憶があります。日本人らしい温かい配慮です。
王精衛は戦後、反日東京裁判史観には合わないので隠ぺいされていますが、残忍な権力亡者の蒋介石や毛沢東と比べると真面目で立派な人物に思われます。また支那事変は表面的には蒋介石軍閥の対日戦争ですが、実態は米ソの蒋介石を使った代理戦争であり、日本と支那全体の「日中戦争」ではなかったことを確認したいと思います。「日本対米ソ傀儡蒋介石軍閥戦争」が正確な表現です。
   (東海子)


(宮崎正弘のコメント)戦争の構造的特質が「日本対米ソ傀儡蒋介石軍閥戦争」という表現は言い得て妙ですね。
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