国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/11/02


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)11月2日(月曜日)
          通巻2759号 
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 八月八日の台湾台風被害、まっさきに軍を入れようとしたのは中国だった
   台湾の鵺的行為にアメリカがいきり立った
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 台湾がおかしい。
 馬英九(台湾総統)はつぎつぎと北京との妥協を重ねているが、一方で静かに反日教育も進め、台湾政治はますます混乱気味となっている。
 ワシントンは馬英九の暴走に苛立ちを強めているという情報もある。

 8月8日に台湾を襲った台風は少数山岳民族の村々を押し流し、数百の犠牲がでた。
 最近、関係者が明らかにした情報に依れば、あのとき、真っ先に軍の救援を要請したのは中国人民解放軍で、馬政権は、これによって台湾人民のために大陸の軍隊が駆けつけたというイメージを造りだし、統一ムードのさらなる前進に繋げる意図を抱いていた、という。

 現実に政府高官が、二日間行方不明となった。台湾台風被害直後である。
 かれは香港へ密かに飛んで、人民軍幹部との秘密会合をもっていた。

 前にも書いたが北京の骨董街=瑠璃蔽で胡錦涛と連戦とが握手している水墨画が堂々と店先に飾られていた。(詳しくは拙論『正論』12月号、写真も)。

 国民党と中国共産党の連携は、想像をこえる迅速さで進捗しているようである。

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◎読者の声◆ ☆DOKUSHA野KOE◎ ☆どくしゃのこえ◆ 読者の声◎
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(読者の声1)貴誌に三ヶ月ほど前にたびたび紹介されたウラジオストックですが、極東ロシアの日本中古車輸入関税問題は9月から本格化し、ウラジオストックの抗議活動は過激化しているようですね。
またロシアの国産自動車会社の倒産の危機もつたえられています。
シベリア抑留の意味合いを調べています。つまるところスターリンに行きつきます。
そのスターリンを批判できずに来た日本の学者の罪は限りなく大きい。
 「小沢はヒットラーのようだ」というと世の批判を浴びますが、ヒットラーに比べてスターリンのほうがヒットラーの百倍、千倍も巨悪です。「ワル」の代名詞・形容句ではスターリンを言うべきです。
丸山真男もスターリンについては腰が引けています。
スターリンとヒットラーの比較研究書なるものが複数あります。斉藤勉さんの実証的研究「スターリン秘録」、小説ですがフレーでリック・フォーサイスの「イコン」がスターリンの「悪」の記述では 秀逸です。
   (TK生、世田谷)


(宮崎正弘のコメント)沖合の島はルースキー島ですが、1012年のAPEC会場となるホテルや国際会議場のほか、ここに新説の大学を建築するそうです。



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(読者の声2)ヒラリー(クリントン国務長官)のイスラマバード訪問の記事をたて続けに読んで想ったことですが、彼女のチャームな演技とは裏腹の高圧的なクチに大学生たちは冷たい反応ですね。
岡田でなくても、このヒステリックなアメリカの外交手段と手を切りたくなる。結局、ヒラリーだろうが、オバマだろうが、“MIGHT IS RIGHT” が、アメリカの政治哲学と思って良いでしょう。
ドローン(無人攻撃機)の攻撃で死んだ市民に対して、SORRYとも言わなかったんだから。ぼくがその会場にいたなら、“I DON”T HEAR YOUR APOLOGY” といったでしょう。
アメリカは危険な国になった。
それにしても、パキスタンの大学生たちの冷静さに理知的な印象を受けた。日本の学生、政治家、一般大衆なら怒鳴り声を出す。そこが、日本民族の弱点かな。ぼくが間違っていることを望むが。。。
(伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)イスラマバードで堂々と講演し、記者会見し、テレビ討論会をやり、そのうえでパキスタン政府に言いたいことをヒラリーは言ってのけた。
 外国の空港会社をこそこそとチャーターして、こっそりとカブールへ入り防弾チョッキに身を固めて視察のジェスチャーをして六時間だけ滞在し、さっとアフガンから逃げ出した、どこかのくにの外務大臣と、つい比べてしまいました。ヒラリーはパキスタンに三日滞在しました。その期間、パキスタンは全土でテロの嵐に見舞われていた。

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樋泉克夫のコラム
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――「中華民國國民政府主席、行政院院長汪精衛閣下」
       『新中国の大指導者 汪精衛』(山中峯太郎 潮文閣 昭和17年)
 

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「昭和十六年六月十七日、梅雨空も晴れて、新緑爽やかな美しい朝だつた」。
「中華民國國民政府主席、行政院院長汪精衛閣下は新中央政府成立以來、本邦各方面より寄せられた好意に答ふると共に、日華両國間の協力に関し我が方要路と懇談のため」東京駅に到着し、出迎えの近衛首相と握手する。

「非常時日本を背負ふ青年宰相と新生中國を荷ふ若き元首が協力邁進を誓つて、日華提携の久遠の礎石を築く、聖にして厳なる東亞再建の握手である」。

「明くれば十八日朝、宮中參内の畏くも榮えある行事を控へ、緊張の心身をモーニング、シルクハットに威儀を正した汪主席は」、「漲る光榮の感激に面を輝かし」「宮城に向かつた」。
 「畏くも、 天皇陛下には陸軍式御軍装に大勲位副章を御佩用あそばされ、百武侍從長、蓮沼侍從武官長以下を隨へさせられて、御車寄に出御遊ばされ、御親しく汪主席への畏き御握手を交させ給ふた」。

「兩陛下には、(中略)ついで汪主席と御共に、宮中千種の間に玉歩を運ばせ給ふた」。次いで豊明殿での「千代八千代かけて日華國交不易を誓ふ御盛宴」である。「畏くも、 天皇陛下には御着座の御姿にて、右手に三鞭酒の玉盞を擧げさせられ、汪主席の勞を厚く犄はせられ、 皇后陛下、御臨席の各皇族殿下を始め奉り諸員はこれに和し奉つた。
汪主席は御殊遇に感激措く能わず、杯を高くかゝげ隨員これにならつて永遠に搖るぎなき兩國國交を誓つた一時は、汪主席の生涯に、これ以上の感激はなかつた」。

 一連の公式行事の合間を縫って、汪は「私人」として、ハノイからの脱出を手配してくれた山下汽船の山下亀三郎社長、「心の慈父」として慕う頭山満を訪問。さらに「留學生時代に師事した故犬養木堂翁」の「靈前に額づ」き、「若き留日學生汪兆銘が、法政大學で薫陶された恩師、當時の校長故梅津謙次郎博士と同!)頭富井政章男の墓参に赴いて、師恩に深く頭を垂れた」のだ。

 対米開戦か和平交渉か。時まさに国運を左右する最終局面を迎えていた日本であればこそ、このようにして「中華民國國民政府主席、行政院院長汪精衛閣下」を迎えたのだろう。
 
この本は「われ等は今日の常識として、この汪精衛氏の人格と生涯を知らなければならない。中華民國の新建設者である汪氏について、日本人が無知であつてはならない」とする著者が、「汪精衛氏の人格と生涯を、近代支那の動搖と共に叙述したものである」。
 
「汪精衛氏五十餘年に亘る波瀾多き生涯を知ることは、近代支那の動搖と推移を知ることである」と考える著者は、孫文に師事し過激な革命家として出発した汪が、「蔣介石を當國の最高地位に据ゑ、自分は政務と黨務と擔任して、介石を極力支援」するが、「抗日は必ず聯ソであり、聯ソは必ず容共の運命にあ」り、抗日戦争への道を突き進むなら、「この戰爭は必ず擴大し、必ず長引びき中日双方ともに破れ傷つき彼等(共産党とソ連)の犧牲になつてしまふ」ことを苦慮し、遂には蒋介石と袂を分かつに至る経緯を詳細に描きだし、「汪主席の抱負と今後の進展に對し、われ等は大東亞新秩序の建設の爲に協力し、相共に最後の勝利を、必ず獲得しなければならないのである」と、この本を結ぶ。

この本出版から3年ほどの後、汪とその同志は「漢奸」として断罪される。当時の日本が「中華民國國民政府主席、行政院院長汪精衛閣下」にどう接し、彼等をどう見ていたのか。
60有余年後のいまでもなお、「日本人が無知であつてはならない」・・・断じて。
《QED》
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