国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/10/24


◆小誌、2750号記念特大号
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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年)10月24日(土曜日)貳
         通巻2750号 
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 中国は年間500億ドル相当の知的財産をアメリカから盗んでいる
  議会諮問委員会が報告書で指摘。サイバー・スパイの能力を拡大中
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 「明らかに中国政府に支援されたサイバー・スパイどもがアメリカの企業から知的財産を盗み出し、その被害は年間400−500億ドルに達する」とする報告を米議会の諮問委員会がまとめた。

 ウォールストリート・ジャーナル(10月22日付け)に依れば、「議会諮問委員会は2000年に設立され、防衛関係OBなど専門家で組織されており、調査には防衛企業大手ノースロップ・グラマン社などが協力した」。

 中国人のサイバースパイ・チームは米国の大学のコンピュータを利用して、アメリカ企業、軍事産業リストから顧客リスト、さらにはラボラトリーや大学研究室、シンクタンクのデータのみならず、インターネットのリンクにもアクセスし、片っ端から貴重な情報、データ・ファイルを盗み出していると報告している。

 「とりわけ被害が目立つのが米国を代表する防衛産業である」と専門家のラリー・ウォルツが指摘している(同ウォールストリートジャーナル)。

 在米中国大使館スポークスマンは、「その報告は虚偽であり、まるで冷戦時代のメンタリティで書かれている」と容疑を否定した。
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<< お待たせしました 新刊 発売 >>
 宮崎正弘 + 内田良平研究会 編著
  『シナ人とは何か  内田良平の『支那観』を読む』
  (定価1995円、送料無料。アマゾンの申込先 ↓)
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 ―中国文明の本質を鋭くえぐり、趨勢を見極めた「強攻」外交の提言。
 ―現在によみがえる内田良平の国家戦略書。間違っていた日本人の対中理解を正す。
  <目次>
推薦の辞   伊達宗義
第一章    激動する中国と問われる日本人の中国観
第二章    内田良平『支那観』(現代語訳 森田忠明)
第三章    異文明大国・中国とどう付き合うか(宮崎正弘)
第四章    『支那観』研究
第五章    内田良平『支那観』(原文)
 執筆陣   池田一貴、小田内陽太、片瀬裕、高木桂蔵、田中秀雄、永山英樹、福永武
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(休刊のおしらせ)小誌は10月25−26日が休刊です。
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(読者の声1)貴誌2748号の貴見。「おそらく中国は日本の主導権を排斥し、独自のアイディアを抱いているに違いない、と踏んだ。なにしろ2020年に中国海軍の空母二隻体制となれば、東シナ海と南シナ海は中国が支配し、いずれ半世紀もしないうちにハワイで東西を米中が分かち合う、と中国は本気で考えているのだから。アジアの海は中国の海、そしてアジアは中国通貨の共同体へ。衣の下の鎧が見えた。ASEANを中国が主導し、域内の経済ヘゲモニーは中国が握り、つぎに日本、韓国も協力させようではないか。アジアは「中華共栄圏」としますよ、という宣言が、しずかに、なされているのである」(引用止め)。

先生ご指摘のとおり、中国は「中華共栄圏」なるものを形成しようという方向に着実に歩を進めていると思います。
2050年あたりまでのスパンでアジア情勢を見通し、日本は日本の行くべき道を想定すべきと思いますが、2050年には中国は経済規模(GDP)でも米国をも追い抜き、軍事力でもアジア地域で圧倒的No.1の存在であろうと予測すれば、日本は経済・軍事の両面で中国にまったく対抗できなくなるのでしょう。 
そのような「悲観的な未来予測」のもとに、日本はこれからの行く道を決めてゆかなばならないと小生は考えるのですが、このような、謂わば敗北主義的な考えは日本人としては採るべきでないと、先生はお考えでしょうか? 
孫たちの将来を考えるとき、私にはどうしても「輝かしい日本の未来像」は描くことが出来ません。
ご高見をお聞かせ下さい。 
(KI生、尼崎市)


(宮崎正弘のコメント)中国が軍事大国になることを拱手傍観するだけが日本のさだめかと言えば、能動的行動も必要ということになるでしょう。
孫子ていどの戦略家ならどうするか。
中国の目標実現を遅延させ、あるいは達成困難とさせる。中国の軍事能力をそぎ、あるいは中国を分裂させる。中国の軍事力を疲弊させる。
 ロシアと中国の偽りの平和、インドとはチベット国境でまた戦雲が漂い、上海シックスのメンバーの分断をはかるなど、策略はいくらもあります。いま中国が日本にやっていることを反面教師にすればいいのです。
 中国は日米離間をはかり、大学に中国のスパイを養成し、支援団体に代理発言をさせ、日本のマスコミ人を自由に操り、政治家多数を籠絡した。こんどの小鳩政権の日米離間は北京が手をたたいて喜んでいるでしょう。
しかし岡田が正真正銘の馬鹿に近いこと、外務大臣として、史上最悪と言われた、あの田中真紀子より外交センスにかけることが日々あきらかになっています。

 (「読者の声」は、ひとつ下の欄に続きます)。
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●◎ブックレビュー◎●BOOK REVIEW◎●書評◎●ブックレビュー◎●
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 民主党に政策形成能力を高める覚悟があるのか

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花岡信昭『保守の劣化はなぜ起きたのか』(産経新聞出版)
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 じつにタイムリーな本が登場した。
 気鋭の政治ジャーナリスト・花岡信昭氏が政権交代の軌跡を時系列に「科学的」に検証した。
 保守は劣化した? たしかに劣化したのだろうけれど、自民党はもともと左翼政党に成り下がっていたのであり、こんどはリベラルな党首だから、再生することは難しいのではないか、と誰もが考えている。
 「保守のブランド」を直感で体現した小泉と、その後の安倍、福田、麻生は異なった。政権交代への巨大な潮をかれらはもはや止める能力を失っていた。
 「ひさしを借りて母屋を乗っ取る」ことが得意の小沢は、民主党内で意外にも旧社会党人脈と付き合うという奇怪さを示した。
 その不可解さを著者は小沢氏に糺したところ、小沢はこういったという。
「自分に近い連中はほうっておいてもついてくる。一番遠いところと手を結ぶ。そうすれば、中間の人たちもごそっと引き寄せることが可能になる」
だから小沢氏は次に政策転換すると予測する。なるほど、こういう風に構造を理解する手法もあるのか、と感心して読んだ。
 戦後生まれで初めて新聞社の政治部長になった経験をもつ著者は、かつて長野県知事にも挑戦しようと奮戦努力されたことがある。その後、政治コラムを幾つかのメディアに連載されながら、いくつもの大学で掛け持ち講義、ことしから拓殖大学大学院で教鞭をとられる。その傍ら全国を政治評論家として講演に駆け回り、政治の現場を観察している。
 その観察眼からみると現代日本の政治はどこまで劣化したのか。或いは未知の領域に踏み込んでしまったのか。
 「脱官僚」「予算の組み替え」「日米関係の見直し」と噴飯ものなマニフェストを実践しようとすれば、すこしは花を持たせてやるかと官僚がほどよい調整をして「政官対決」は、いずれ収まると示唆する。
そして著者はつぎのように問いかけるのだ。
 「政治主導による政策決定の一元化という方向性は正しい。だが、これを貫徹するには、政治の側にハイレベルの政策形成能力と、これを実行していくための『政治力』が必要だ。民主党にその覚悟と気概はあるのか」
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◎ブックレビュー◎ ↑ ↑ << ● >> ◎どくしゃのこえ◎ ↓ ↓
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(読者の声2)鳩山政権の報道を目にするにつけても暗澹とした気持ちになります。
宮崎先生のご提起どおり、「リーマン・ショック以来、世界最強の通貨は日本円」であるにもかかわらずのこの状況。いよいよ政治の貧困を根本的にどうにかせねば立ち行かないところに追い込まれていると、思うや切です。
もちろん、その気分があるからこそ、あの体たらくの鳩山政権に7割もの支持が集まっているのでしょうが、それにしても鳩山政権のお粗末さは、予想以上。この先どうなるか、ますます心は暗くなるばかりです。
   (KT生、日野)


(宮崎正弘のコメント)日野は近藤勇、土方歳三、沖田総司を生んだ土地柄、きっと燃えるような憂国の志士がたくさんいる筈です。



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(読者の声3)今月6日付け日経新聞朝刊一面のトップ記事は、協会けんぽ(中小企業健保)への国費(税金)投入増という一見地味なものでした。
日経は「国民皆保険制度」が音を立てて崩壊していることに注目してこのニュースを当日のトップ記事に据えました。しかし読んでも危機感が伝わらない内容で事の本質に迫っていない憾みがありました。
保険料でなりたってこその「保険制度」ですが、それが保険料以外の税金で支えられるようになったらもうそう呼べません。
すでに「国民皆保険制度」は後期高齢者医療制度の導入で実質的には破綻しました。厚労省は面子と利権保持に汲々とし、税金を投入させて保険制度の維持に躍起となっています。そして「相互扶助」という保険制度本来の趣旨が消え失せ、税金で賄う「連帯責任」制度に転化しつつあります。
今まさに小泉時代に「構造改革」された医療・保険制度が悲鳴をあげて軋んでいると言えます。
高齢化と少子化が世界一急速に進み、人口がどんどん逆ピラミッド化している日本の医療と保険制度がどうなるかは世界が注目するところです。増大する医療費(現在33兆円)に保険料収入が追いつかないのに国民皆保険のフィクションを保持しようとする厚労省、それによる負担増を厭う財界企業側、増える負担に耐えきれない協会けんぽ・地方自治体(国保組合)・健保組合・広域連合(後期高齢者の保険者)、保険制度の綻びを公費(税金)でふさぐパッチワークを厭う財務省、消費税アップによる医療費を含む社会保障費カバーをタブーとする政治家たち、いつまでも皆保険制度のぬるま湯に負担を負わずに浸れる幻想に溺れる国民たち。
そんな状況が続けば日本の医療も保険制度も四分五裂になって崩壊てゆくしかありません。病院や医療者サイドは国の無策に振り回されてすでにズタズタになり、医療の質とサービスはどんどん悪くなっています。

こういう状況下対欧米劣等意識が働くのか、彼の地の制度が”進んでいる”という思い込みでの改革議論がなされています。
「国民皆保険制度」は、日本が編み出した世界に誇れる制度だと言えます。ただ社会構造の変化に現制度が追い付けなくなっているので、これを維持するために英知を集めるべきなのです。
決してアメリカのように民間の保険会社に医療のヘゲモニーを握られてはいけません。米国では治療を受けたい時、医者に診てもらいたいとき、それが出来るかどうか、出来るならどの病院かまで保険会社が差配します。英国もダメです。
医療費は公費で賄われるのですが(つまり無料)、医療費抑制のために碌な治療を受けられません。
国営企業の一員のような医者の質はひどいものです。英米のようになるなら厚労省に委ねている今の方がマシです。ただし「利権」の利は取り上げて権限のみにすべきです。厚労省が一大キャンペーンを張ったメタボ対策がありますが、メタボと診断される基準は男の腹囲が85センチ、男より小柄な女性が90センチという、頭痛患者のおでこに聴診器を当てて診るようないい加減なものですが、これをクリアしていない国民に後期高齢者への支援金(すでに徴収されています)を割り増しで負担させる意図が隠されているからCTを使ってコストをかけるようなことはしないのです。健保国保に属するメタボ認定者は、2012年から支援金を1割増し徴収され、後期高齢者に渡すことになるのです。

このように厚労省は(悪)智恵を絞って頑張っているのです。2011年にスタートするレセプト(医療明細書)のオンライ化は詳細な医療データへのオンタイムのアクセスを可能にする点で画期的です。今は一年の内の一月分の手書きの治療データを二年間かけて集計しています。糖尿病患者は国民の何人に一人とか、何々がんの死者は何人とか、それにどんな治療がなされ、その費用がどの病院がどれくらいなのか、現在は推定値を使ったりブラインド状態なのです。一部の古いデータで医療対策が講じられているのです。
レセプトがオンライン化されればそれらの実態が即座に把握できるようになります。
医療統計の精密化は疾病対策の効果を上げます。医療資源のより効率的配分がなされるようになります。
病院毎の治療費と治癒の実態が明らかにされ、それらの優劣がはっきりします。医者に診てもらいたいと思えば、行きたい病院に保険を使っていつでもかかれるという日本の医療制度はすばらしいシステムです。
欧米の苛烈な医療保険制度の実態を反面教師として、現在の国民皆保険制度を保持するための方策をどんどん打ち、必要なイノベーションも講ずるべきでしょう。
   (有楽生)


(宮崎正弘のコメント)医療制度改革、保険改革は専門外なので、ご意見拝聴に留めます。
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☆ 樋泉教授のびっくりチャイナ   ☆樋泉克夫のコラム
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樋泉克夫のコラム
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   ――「詩琳通公女」の中国大陸漫遊は続く・・・ナゼ?



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今年7月22日午前、上海の金山ビーチに集まった皆既日食観測客のなかに詩琳通公女がいた。
9時半頃だろうか。太陽が隠れ空が暗くなり始めると、彼女もまた天体観測機器を前に周囲の人々と共に感嘆の声を挙げる。
それから30人ほどの随員を従えて古鎮塩宮に向い、川上からの流れとぶつかった満ち潮が怒涛の如く逆巻まいて轟音と共に川を遡る銭塘潮を目にして「とても素晴らしい」と語り、筆を執って「天下奇観」の4文字を揮毫する。

その3ヶ月ほど前になる4月初め、昨年の地震被災地である四川省北部を視察する。
その日は中国人が祖先の墓参りをする伝統行事の清明節当日。まさにドンピシャ。
そこで彼女は地震犠牲者を慰霊するために献花。その後、西安経由で廈門へ。廈門市長から同市の経済発展情況の説明を受けた後、廈門・華僑の両大学を視察。同月9日には北京に飛んでいた。

これまでの訪中で彼女が写した写真を公開する
「詩琳通公女眼中的中国(詩琳通公女の見た中国)」なる写真展の開会式に参加しテープカット。回数を重ね手馴れたもの。

08年8月、彼女は北京オリンピックで躍動する選手のパフォーマンスを堪能している。同年4月に青島、大連、ハルピン、長春を訪れた折には、北京で全国政治協商会議主席の賈慶林と面談し、「今回が25回目の訪中です」と自ら語ったそうだ。

その1年前の07年4月2日、北京のど真ん中を東西に走る長安街の北に位置する菖蒲河公園を散歩する彼女に向って、「本日は殿下の誕生日だということを承知しておりましたので、特に外交部に命じてこの場を選ばせ、お祝いを述べさせて戴きます」と恭しく言上したのは、彼女にとっては旧知の唐家璇元外相・国務委員だった。

その後、彼女は青海省に向い青蔵鉄路でチベットへの旅。ラッサ市内視察を終えるや、武漢経由で浙江省へ。舟山市では「海天仏国」で知られる名刹の普陀山を訪れ記念植樹し、「友誼長存」と揮毫。向かった先の上海で名門・復旦大学において名誉博士号を授与され、「両国の科学技術、文化、教育交流促進のために献身したいと思います」と中国語で挨拶している。

じつは彼女はタイのプミポン国王次女で、国王に次いで国民的敬愛を集めているシリントーン王女。
中国ではシリントーンの音を漢字音に合わせて詩琳通公女と綴る。そこで中国では、「中国通公女(中国通の王女)」とも呼ぶ。

彼女は1981年の初訪中以来、90年、91年、92年、94年、95年、96年、97年、99年(2回)、2000年(2回)、01年(2回)、02年、03年(2回)、04年(2回)、05年(3回)、06年、07年、08年(2回)、09年(2回)と中国各地を訪問(年のみ記入は1回)。西はカシュガル、東は吉林、北はロシアとの国境の黒河、南は海南島の三亜、西南はラッサと、中国側の鄭重な接遇を受けながら、ほぼ全土に足を運んでいる。

01年2月は1ヶ月ほどの「語学留学」。この間、北京で李嵐清副首相、唐家璇外相ら中国政府要人に加え、北京滞在中のカンボジアのシハヌーク国王・王妃とも面談している。

 今(09)年9月20日の入院以来、1927年生まれでご高齢の国王の体調は必ずしも順調に快方に向かっているというわけでもなさそうだ。
いずれ彼女の兄君に当たる皇太子による王位継承となるだろう。
とはいえタイ現行憲法第23条には、内閣提案・国会承認を経て「国会議長は王位継承者への即位を要請する」。
「この場合、王女の氏名を提案することもできる」とある。
タイで「中国通公女」が国王に就く可能性がないわけではない、のだ。
《QED》


(宮崎正弘のコメント)他方ではダライラマ法王へのあの仕打ち、こなた。。。。
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(休刊のおしらせ)小誌は10月25−26日が休刊です。
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<< 今月の拙論と今後の予定 >>

(1)「カブールの“輝ける闇”」(『月刊日本』11月号、発売中)
(2)「中国のいま、迷走する日本」(『撃論ムック』発売中)。
(3)「北京、上海で何が起きているか」(『エルネオス』、十月下旬発売号)
(4)「広州アジア大会はどうなる」(『共同ウィークリー』、10月上旬号)
(5)「いま中国はどうなっているの?」(『正論』十二月号、11月1日発売)
(6)「人民元は世界通貨になれるだろうか」(『ボイス』十二月号、11月10日発売)

 単行本刊行予告
 宮崎正弘『朝日新聞のなくなる日』(ワック、11月17日発売)
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 ◎三島由紀夫研究会からのおしらせ● ◎三島由紀夫研究会からのおしらせ●
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三島由紀夫研究会「公開講座」(第235回)
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とき  10月28日(水曜日) 午後六時半(六時開場)
ところ 市ヶ谷「アルカディア市ヶ谷」(私学会館)六階「阿蘇(東)」
http://www.arcadia-jp.org/access.htm

講師  高森明勅(神道史家、國學院大學講師、桜チャンネル・キャスター。著作に『天皇と民と大嘗祭』(展転社)など)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%A3%AE%E6%98%8E%E5%8B%85
演題  「三島由紀夫の天皇論」
会費  おひとり2000円(会員&学生1000円)。
    
 三島は女性天皇を容認する発言をしています。天皇論でつねにコントロバーシャルな高森先生をむかえて、徹底的に論じあいます。
終了後、講師を囲んでの懇親会があります。ただし別途会費です。
どなたでも予約なしで御参加いただけます!
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故片岡鉄哉さん、三回忌「追悼の夕べ」のご案内
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平成十九年師走二十六日に亡くなった、国際政治学者・片岡鉄哉さんの三回忌を友人、教え子、ファンが相集い、左記の要領で「追悼の夕べ」を開催することになりました。
片岡さんは昭和三十年に渡米してシカゴ大学へ入学、学位取得後はニューヨーク州立大学・ヴァサーカレッジなどで教鞭をとり、四半世紀を経て帰国。『黒船待ちの日本』(英語版原題は『真珠湾待ちの日本』)で論壇に鮮烈デビューされました。代表作となった『さらば、吉田茂』(のちに『日本永久占領』と改題、講談社文庫)を書かれ、日本のドゴールといわれました。
その後、筑波大学教授を経て再び渡米し、スタンフォード大学フーバー研究所ではコンドレーサ・ライス女史(後に国務長官)とテニス仲間。シカゴ時代は学生寮で連戦(国民党名誉主席)と同級でした。
遺作となった『核武装なき改憲は国を滅ぼす』でも日本の行く末を熟慮、真剣な問題を提議されたまま冥界へ旅立たれました。師走の慌ただしいなかですが、どうか万障お繰り合わせの上、御出席頂ければ幸いです。
         

  とき    12月21日(月曜日) 午後六時半(六時開場)
  ところ   都内ホテル(市ヶ谷)
  会費    おひとり一万円(飲食ならびにお土産を含みます)
  式次第   献花、黙祷、追悼挨拶(発起人数名)、献杯。ヴィデオ上映(十五分ほど)。
        参加者の歓談、食事の後、御遺族から謝辞。

発起人=井尻千男(拓殖大学日本文化研究所顧問、評論家)、入江隆則(明治大学名誉教授)、植田剛彦(評論家)、遠藤浩一(拓殖大学教授)、呉善花(評論家)、大島信三(元『正論』編集長)、岡崎久彦(元サウジアラビア大使)、加瀬英明(外交評論家)、 川口マーン・惠美(作家)、白川浩司(元『文藝春秋』編集長)、田久保忠衛(杏林大学客員教授)、田中英道(東北大学名誉教授)、 田母神俊雄(前空幕長)、 富岡幸一郎(文藝評論家)、 永野茂門(元法務大臣)、西尾幹二(評論家)、 西部邁(評論家)、西村幸祐(ジャーナリスト)、
長谷川三千子(埼玉大学教授)、 花田紀凱(『WILL』編集長)、浜田和幸(評論家)、
藤井厳喜(評論家)、 藤岡信勝(拓殖大学教授)、水島総(桜チャンネル社長)、宮崎正弘(評論家)、山本卓真(財団法人「国策研究会」会長)、渡部昇一(上智大学名誉教授)

なお、氏の長女はアメリカ在住。弟ふたりと妹が御健在。当日は画家(独立美術協会会員)である実弟・片岡伸介氏が描いた肖像画を遺影に飾ります。
故人はパソコンを閉じたまま旅立たれたので、交友関係リストが不在です。この人も、というかたを思い出されたらご連絡下さい。御周囲に周知していただければ幸甚です。
遺言に従って密葬、海への散骨儀式を済ませました。友人の多くから「ちゃんとお別れをしていない。三回忌の機会があれば是非」という声を頂戴しておりました。
 
 事務局 李白社気付
      162―0815 新宿区筑土八幡町5―12 相川ビル二階
          故片岡鉄哉さん三回忌「追悼の夕べ」事務局 

 ☆読者の方、ファンのみなさん、そして生前のお知り合いの方で、参加ご希望の方には案内状を差し上げます。
 下記アドレスへ〒番号、御住所、お名前をおしらせ下さい。(〒番号をお忘れなく)
 Sna76980@yahoo.co.jp
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< 宮崎正弘の近刊 >
『中国分裂 七つの理由』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
品切れ店が多くあります。ご注文はネットで。 
http://www.amazon.co.jp/dp/4484092344
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宮崎正弘のロングセラー 絶賛発売中!
 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ、1680円)
『絶望の大国、中国の真実――日本人は中国人のことを何も分かっていない』
(石平氏との共著、980円。ワック文庫) 
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円) 
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 < 過去の拙著136冊のうち半分近くは下記サイトから注文できます ↓ >
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url?%5Fencoding=UTF8&search-type=ss&index=books-jp&field-author=%E5%AE%AE%E5%B4%8E%20%E6%AD%A3%E5%BC%98
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◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2009 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
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  • 名無しさん2009/10/24

    政治家のレベルを見るに「脱官僚」など永久に無いような気がします。

    民主党の議員が官僚と渡り合う?アホもいい加減にせい。と言いたい。

    本日の陛下のお言葉に外務大臣がクレーム自分のやってること、言ってることが判らない奴が外務大臣?これが自民党の外務大臣なら更迭されるのがマスコミ人事、日本の不幸はアホなマスコミに踊らされる軽薄な国民、国民がアホなら政治家もアホに成る、当然のことと最近は諦め気味とは言え日本人ゆえの怒りの毎日、寝付きが悪い。枠