国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/10/15


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   「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)10月15日(木曜日)貳
          通巻第2741号  
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 米国の軍事作戦の不確定がタリバンの攻撃力、機動力を高めた
  昔の名前ででてきた、狡猾な軍閥=ヘクマチアル派の復活
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 ガルバディン・ヘクマチアルは嘗てアフガニスタンの「首相」を務めた。ハザラ部族を率いて軍閥を形成し、政府につくかと思えばオマルと握手し、昨日の敵は今日のとも、明日は親友を裏切り、明後日は敵に武器を売る。
かれは米国を何度も裏切った。
 日本の戦国武将のなかでも裏切りに次ぐ裏切りでのしあがった豪族がいたが、すぐに潰された。
 狡猾で猜疑心の固まりでもあるヘクマチアルは潰される前に逃げた。

 数日前、アフガン東部で八名の米兵が犠牲となった襲撃では、背後にヘクマチアルの武装勢力がいたと推定されている(ワシントンポスト、10月13日)。なぜなら米軍がかってヘクマチアルに渡した高性能武器が使用されたからだ。

 ヘクマチアルの名前は十年ほど聞かなかった。
イランへ亡命したという情報があった。

 80年代、ソ連とムジャヒデンが闘っていた時期、ヘクマチアルは米国から兵器と武器の供給を受け、パキスタン北部から出撃し、その部隊は訓練が行き届いた精鋭と言われた。
かれは米国、パキスタン、サウジアラビア、イランから同時に資金提供を受ける離れ業を演じた。
 
かれの目指したのは権力であり、そのためには誰とでも組む。
 境遇が変化すると、「北部同盟」と組んで政府のなかに入り込み、首相の座を得た。ところが、首都をロケット攻撃させた黒幕とも言われ、信用がおけない人物とされる。北東部を根城のウズベク軍閥ドスタム将軍の酷薄さと似ている。

 いまやヘクマチアルは少数派ゲリラとなって著しく武装力を弱めた。かれが率いる「ヒズブ・エ・イスラミ」は練度が低く、アフガニスタンの若者やタリバン過激派からは「過去の人」扱いを受けている。
サデク師がいまのところヘクマチアル派を率いているとみられる。


 ▲米国の決断が次の事態を決めるのだが。。。。。。

 現場の米軍はこのヘクマチアル派の弱体化をみてとり、再び代理兵としてアフガン政府に取り込もうと試みたが、彼のグループでヘクマチアルの指導力に陰りがある事実が分かった。
 武装勢力、軍閥として一本化していないのだ。
 
 しかし同様にオバマ政権の優柔不断ぶりはアフガニスタンに増派するのかしないのか、或いは撤退開始を早めるのか、カルザイを見捨てるのか、その無定見、シグザグ、左顧右眄がますますアフガニスタンの安定を覆し、未来をますます暗くしている。

 ホワイトハウスは朝令暮改、揺れに揺れている。
 軍歴のないシビリアンが、ポピュラリティだけをもとめて軍の現場の作戦にまで容喙するとき、勝っている戦争を失うことは往々にして起こりうる。
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 ☆☆☆ 読者の声 ☆☆☆ どくしゃのこえ ☆☆☆ 読者の声 ☆☆☆
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(読者の声1)下記の英文はAFPの記事の抜粋。「東京でもフォーラムをやろう」とマケインに手紙を出しておいた。
このムシャラフ旋風は、共和党の下院議員が工作している。つまり、惰弱な現大統領のザルダリ(ブットの夫)を追い出して、ムシャラフの息のかかる将軍をコマンドとする。何と言っても、パキスタンの核(コッペル言うには、80〜100だそうですよ)は危ない。
オバマも、ムシャラフに会うしかないのですね。
アルカイダは弱ってはいないですよ。タリバン(ワジリスタンの、パキスタ二・タリバンというのも、パシュトン族です)掃討は簡単ではない。
タリバンを敵とするスワットの村人(これもパシュトン)でも武器を大量に持っているのです。この連中は、大昔のKHYBER・RIFLES(カイバー銃隊)だから、始末に終えない。その戦闘中にアルカイダはテロを実行する。
 
Musharraf would deliver lectures on Pakistan’s national security, nuclear program, future of Afghanistan and impact of the Afghan situation on Pakistan. He said another topic of his lectures would be the role of Pakistan’s Army in the war against terrorism. The lawyer said a meeting of Musharraf with US President Barack Obama had been fixed for the third week of October.
He said during his stay in Washington DC, the former military ruler would also meet former US secretary of state Colin Powell, Senator John Kerry, Secretary of State Hillary Clinton, US special representative for Afghanistan and Pakistan Richard Holbrooke and heads of various US think tanks and lawmakers.
  (伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)アルカィーダ資金枯渇説は事実ですが、イデオロギーでタリバンへの影響力は衰えていない、ということです。
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 ―現在によみがえる内田良平の国家戦略書。間違っていた日本人の対中理解を正す。

<目次>
推薦の辞   伊達宗義
第一章    激動する中国と問われる日本人の中国観
第二章    内田良平『支那観』(現代語訳 森田忠明)
第三章    異文明大国・中国とどう付き合うか(宮崎正弘)
第四章    『支那観』研究
第五章    内田良平『支那観』(原文)
 執筆陣   池田一貴、小田内陽太、片瀬裕、高木桂蔵、田中秀雄、永山英樹、福永武
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