国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/10/13


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   「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)10月13日(火曜日)
          通巻第2737号  
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 プーチン、今週にも中国を訪問予定
  34の開発プロジェクト、55億ドルの投資を煮詰める
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 ロシアのプーチン首相が今週、北京を訪問する。
 合計34もの案件、プロジェクト総額は55億ドルという「商談」を煮詰めるという。

 目玉は中国開発銀行が用意する五億ドルの融資。運輸、インフラ建設、鉱山開発などに投じられる。 
 ロシアは向こう20年間の低利融資を受け、国内開発プロジェクトに回す。 

 ロシアと中国の貿易は2002年に93億ドルに過ぎなかったが、08年には560億ドルに躍進、中国が主として原油、ガスを輸入し、消費者物資を輸出した。
 これらに加えてロシアから機械と航空機ならびに航空機部品の輸出が急増した。同時に 通信網の拡充のために2億ドルの投資も締結される予定。
 
 だが最も注目すべきは「決済手段」である。
 09年3月にSDRを通貨にと主唱した中国に同調したロシアは、同7月のイタリア・サミットでSDR通貨バスケットに人民元が加入する計画も支持し、九月ピッツバーグG20でも「ドルに代替するSDR構想」を支持した。

 SDR増資に両国は協力し、さらにSDR債券を両国は購入した。

 中国が進めた通貨スワップ、二国間協定もロシアは前向きに評価しており、今回のプーチン訪中によって、ロシアと中国が互いにルーブルと人民元による決済のシェア拡大をすすめることになる。『チャイナ・ディリー』(10月12日付け)によれば、現在ロシアと中国との間で、ルーブル、人民元決済は全体の1%強。
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    ☆☆☆ どくしゃのこえ ☆☆☆ どくしゃのこえ ☆☆☆
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(読者の声1)オバマ受賞。よだれがでるほど欲しかったクリントンが臍を噛んでいる様子が想像出来ました。ノーベル平和賞って、もはや無用の長物では    
   (OB生)


(宮崎正弘のコメント)ノーベル賞は文学賞も権威が落ちていますね。これで来年あたりムラカミハルキが貰ったりして。



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(読者の声2)ベトナム戦争時代に青年だったぼくらも歳をとった。ノーベル平和賞はノルウエー国会が選考する。非戦平和の最たる象徴。演説意外の何もやらないオバマよりも、アフガニスタンの戦場で戦死した若い兵士たちに平和賞を与えるべき。
彼らは平和のために戦って戦死した。反米・反戦主義者らは銃を持って戦う人たちに「好戦的」とレベルを貼る。理想を言うことほど楽な遊びはない。
非戦平和は理想に過ぎない。言い換えれば、敗北主義者となる。そんな人間が多くなった。鳩山を首相に頂く日本は没落する。
(伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)以前によく言われた箴言があります。「平和主義者が戦争を引き起こす」と。



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(読者の声3)いつも貴重な情報ありがとうございます.
 オバマの核兵器なき世界構想についてですが,『軍事研究』2009年10月号28頁以下には,核兵器に代わる新しい兵器として米国が開発を進めているCSMなどについての記事が載っています。
 平和賞のノミネーションは2月1日が締め切りだったそうですが,オバマ大統領は取り巻きの言う通りにしていたら,あれよあれよという間にノーベル賞までもらってしまい本人自身が一番驚いていることでしょう。
CSMはブッシュ大統領時代からの構想であり,テロリストの攻撃に核兵器が使えないことが核兵器削減の本当の原因だと私は思っております。
 対テロ戦争が世界をどう変えていくか楽しみです。
  (HS生)



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(読者の声4)貴誌を2006年3月以来愛読しております。先生には正論を聴く会や拓大・新日本学講座で謦咳に接し、また先生の著作を読むにつけ益々傾倒致しております。
 今回は10月10日号の記事を読み初めて投稿します。
オバマの名を正確にバラク・フセイン・オバマと表記されるジャーナリストは日本だけでなく世界でも数少ない存在ではないかと敬服致します。
 さて今回のオバマのノーベル平和賞受賞について疑念を呈しておられますが、まともな日本人であれば当然の反応であろうと思います。
一方では町の名がオバマというだけで万歳を叫んで餅つきまでして喜んでいる日本人の姿をTVで見るにつけ、そのあほらしさに白けます。
 ノーベル平和賞の選考基準がどのようなものかは分かりませんが、かなりいい加減なものであろうことは推測できます。
過去の「変な」受賞者として、故アラファトPLO議長、キッシンジャー、カーター、スーチー、金大中を先生も挙げておられますが正にその通りです。我が国からも佐藤栄作が受賞しており、当時この受賞を「悪い冗談」と評したジャーナリストもいました。
今回のオバマの受賞を評するとすれば「ブラックジョーク」でしょうか?
   (チュン)


(宮崎正弘のコメント)3と4にまとめて。まだオバマ大統領は何もしないで、聞こえの良いスピーチだけでの受賞ですから、米国世論は懐疑論。外交筋は、これで米国外交が選択肢を狭められたとする懸念。お祭り騒ぎをやっている日本は、やっぱり異常。「世界の常識は日本の非常識」というところでしょう。
 広島と長崎の五輪共同開催も、世界は面妖な提案と受け取った筈です。



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(読者の声5)中国をまだ旅行中です。南京の「大虐殺記念館」に行ってきました。
展示内容は予想通りでしたが、見ている人たちの反応を中心に見てきました。
土曜日ですがさほど混んでいない感じです。団体客も入っていますが、館内の展示室に入っても回りには8〜10人程度しかおらずゆっくり見られました。
子供連れから、昭和12年ごろには少年・少女だったようなおじいさん・おばあさんまでいます。
自分たちの父母たちの受けた被害を衝撃的に演出した展示ですからもっと彼らの悲しみ、怒りが表情に出ているのかと思っていました。
 しかし、みな淡々と展示を眺めています。あたかも他人事のようです。
館を出ても、みな展示を忘れて談笑しています。遠くから来て南京とは縁もゆかりもない団体客だからでしょうか。まあ個人客もおしなべて感情は表に出ていませんでした。
この点が意外でした。またしても村山富市訪問の写真がありました(土井たか子のもありましたが)。写真は不可でした
  (NS生、上海にて)


(宮崎正弘のコメント)南京の副都心に増築新築の同記念館、じつは入場無料の筈です。市民はピクニックがてら、公園にあそびにきている様は、小生も『正論』に書いて報告しました。



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(読者の声6)貴誌2736号の書評にある、「古来、我が国に英雄というものは存在したことがなかった。夢を持たぬ民族の英雄は、たかだか機会という偶然性の打算的な利用にすぎず、人心の機微と世間の道義心とを弄(もてあそ)ぶ処世術の選手に他ならない」(308p)。この文章は日本の論壇が大混乱に陥っていた昭和二十一年十一月に書かれた」。
 この福田恒存さんの断定は、敗戦1年と2カ月後のことですね。福田さんにしてもそうか、と感じるところあり。
(SJ生)。
  ◎
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樋泉克夫のコラム
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――正しい日本語は、やはり楽しく正しく学習しましょう・・・ネッ
    『日語 にほんご(全四冊)』(復旦大学日語教研組編 上海人民出版社 1975年)
 

 ▽
「上海市業余外語広播講座(試用本)」と記されているところから、この本はラジオ講座テキストとして試作されたらしい。
出版された75年は、一時の熱気は褪めたとはいえ、依然として文革の旗を高く掲げていた時期。
であればこそ、第一冊の最初のページの冒頭に「外国語は人生の闘争における一種の武器である」(マルクス語録)を、次いで「教育は無産階級の政治に服務し、生産労働と結びつかなければならない」
「日本人民と中国人民は共に好き友人である」(毛主席語録)を掲げ、目次と本文の間に挟んだ1ページにルビを振った「毛主席万歳!万万歳」を右側に、その左に簡体字で「毛主席万歳!万万歳」を並べているとしても致し方のないこと。

それが、時代を痛烈に象徴しているだけに、なにやら複雑な思いがする。いま振り返れば痛々しくもあり、ゴ愛嬌でもあり・・・。
「第一課 仮名和発音」からはじまって「第三十課」までの全4冊を2年間でマスターしようというのだが、なんとも愉快で意味深な内容が次々と飛び出す。

先ず発音練習の最初が「あかはた アカハタ 赤旗 紅旗」。しばらく進むと「どくさい ドクサイ 独裁 専政」。第六課の会話では、「張さん、これは、ざっし『こうき』ですか」「あれも『じんみんにっぽう』ですか」
「いいえ、あれは『かいほうぐんぽう』です」。

第十三課まで進むと、難しそうな表現が加わる。たとえば「あなたがたも 大きな 意気込みで 『農業は 大寨に 学ぶ』運動を 繰り広げて いますね」。

ところどころに歌が入るのは、息抜きのためだろう。
たとえば「あいうえお かきくけこ ・・・ わいうえを 革命のために 日本語を習いましょう」。「『あいうえお』の歌」というそうだが、どんなメロディーだったのか聞いてみたい気がしないでもない。

二冊目に入ると難しさが増す。
「第九課 毛主席万歳」では「毛主席は 中国人民の 偉大な 指導者です。毛主席は わたしたちの 救いの星です。わたしたちは ほんとうに 幸せです。(中略)わたしたちは 声高らかに 叫びます。偉大な 指導者 毛主席 万歳! 万万歳!」。
以下、「第十四課 赤軍のわらじ」「第十五課 上海工業展覧会」「第十六課 人民公社へ行く道で」と表題を挙げただけでも“革命的な内容”が想像できるはず。

四冊目は流石に高度な知識が要求される。各課に付けられた練習問題だが、たとえば「いま全国□繰り広げられている批林批孔運動は修正主義□反対し、修正主義□防止するうえ□、深遠な意義□もっている」「古参労働者たち□深い階級的憎しみ□燃えて、孔孟□封建的礼教□きびしい批判□加えた」(□に助詞を入れ、全文を中国語訳)

四冊目の巻末の中国語訳問題は「批林批孔運動が深く繰り広げられているすばらしい情勢の下で、広はんな労働者は現実の闘争と結びつけて儒法闘争史を研究し、林彪の反革命の罪悪行為をいっそう力強く訴え、批判した」

「われわれは青年をマルクス・レーニン主義、毛沢東思想で教育し、断固として労働者、農民と結びつく道を歩むようはげまさなければならない」
「社会主義制度を樹立、強化し、発展させるには全国人民を団結させ、プロレタリア階級独裁のもとでの継続革命を長期にわたって堅持しなければならない」
・・・だとさ。

「革命のために 日本語を習」った人々は、今どうしているのか。日本人に向かって「プロレタリア階級独裁のもとでの継続革命を長期にわたって堅持」なんて・・・まさか。
《QED》
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