国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/10/02


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   「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)10月2日(金曜日)貳
         通巻第2729号  臨時増刊号
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中国軍事パレード
 北京から中継(十月一日のメモ)

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 北京にいます。いよいよ軍事パレードが行われます。
朝、7時に宿を出ました。霧は晴れましたが、まだおよそ曇りと言っていいでしょう。ただ真上のあたりがうっすらと青空になっています。
ホテルを一歩出ると、直立不動の若い武装警察官が立っています。動員されたバスが大通りを駐車場代わりに使っています。
歩いて天安門方向に歩きますが、すぐに規制にあって進めません。外出は控えてテレビを見ていろという政府の方針なのです。仕方なく戻って遠回りします。しかしそこでも規制があります。
また遠回りして遠回りして、たどり着いたのが復興門のあたり。ここでは長安街におよそ200メートルほどに近づけました。8時半です。しかし、多くの人が集まってきました。
数百人に膨れあがったころ、いきなり公安がそこを規制しはじめました。
公安たちの怒号、負けじと言い返すおじさんたち、女子供たちの悲鳴、もみくちゃにされる年寄りなど暴動の発端はこんなところにあるのかなと思ったほどです。せっかく三脚を立てて撮影ポイントをばっちり決めていた隣のおじさんは掴みかからんばかりに怒っていました。

一方で、式典が始まる10時前には快く晴れ上がり、暑くなりそうな予感でした。歩兵たちの姿はもうありませんでしたが、ミサイル、戦車などはほぼ全部見られたのだと思います。
復興門を離れる時、帰隊する若い軍人たちが乗ったバスに遭遇したのですが、人々は小旗を振り大歓声で見送っていました。
 この演出はやはりすごいと思います。外国人でさえ、つい「中華人民共和国万歳!」と叫びたくなるような高揚感を与えます。一般の人たちならばなおさらでしょう。胡同(フートン)では夜遅くまでテレビの音が聞こえていました。
そういえば、列席者の中にパンチェン・ラマとおぼしき青年の姿がありました。
こうしたことはパレードも含め、平時における軍人にとっての最大の晴れ舞台なのですね。各省からの山車やマスゲーム、コンサートなどイベントは深夜まで続き、テレビでは生中継されていました。いまも再放送しています。
パレードの後は中心部にいつまでいても仕方がないので、長城に登ってきました。今日はたぶん20キロぐらい歩いた感じです。
   (NS生、北京にて)


(宮崎正弘のコメント)足を棒にしての中継、手に取るように北京の様子が分かりました。有り難う御座います。
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(休刊のおしらせ)小誌、10月3日、4日を休刊します。
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★読者の声 □どくしゃのこえ ◎DOKUSHA―NO―KOE ▲読者の声○
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(読者の声1) 貴誌2725号での西法太郎さんによる元毎日新聞常務取締役の河内孝氏の講演会レポート及び解説は興味深かった。
私は「青嵐会」については名前くらいしか知らなかったので、三塚、渡辺美智雄と意外な人の名前が見えて驚いた。
 <青嵐会が生まれた(中略)ルーツに三島由紀夫の割腹(中略)。ほかの二つは、「戦後抑圧された健全なナショナリズムの発露」と「農本主義の情念」です。青嵐会のメンバーで石原と中山を除くほとんどは農漁村地域からの選出議員で、一区(県庁所在地)出身者はいませんでした。世襲は31人中3人だけで、官僚はおらず、東大卒は一人だけという、たたき上中心で構成されていました>
 ということですが、農本主義ですか?
それなら米所新潟を背景にした田中派と全く同じじゃあ無いですか? あぁ、七十年代ってこういう感じだったのかと隔世の感。それに比べ、八十年代以降自民党は農業の自由貿易を進め、「米を一粒も入れるな」という旧社会党=土井たか子の国粋的保護主義と逆転でした(笑)。
また、現在は当時の主要メンバー九人の子供四人が世襲議員になっている。それも皆、都会的です。
 私も都会で生まれ育った戦後ミュータントで、ある種封建的香りが残る農村社会を過度に美化して、「失われた日本」とか思弁的に「日本人は農村に帰るべきだ」などと想念に耽っておりますと、田舎で十四代続く(兼業)農家の叔父さんが妙にリベラルかつ左翼的だったりして、冷水をぶっ掛けられた気分(笑)。
で、地に足が着いてない自分を反省する一方で、「今の農村は堕落している」と、自己の価値観を投影出来ないので怒ったり(笑)。まぁ、勝手なものです。
 農作業をした事の無い私にとって現実の「実践的農村」と理想化した「思弁的農村」は、欧米人の「実践的フリーメーソン(石工)」と「思弁的フリーメーソン」のそれに当たるのかと思ったり(笑)。
いずれにしても、帰るべき故郷を持たない都会人の精神は不安定です。金沢という素晴らしいふるさとをお持ちの宮崎先生が羨ましいと同時に是非とも大切にして欲しい。
そこで具体的な故郷というものを持たない都会の戦後ミュータントは「日本国家が故郷」ということになります。
この辺に最近の若者保守やネット右翼の増える理由があるのだという気がします。だとすれば、これは本格的な反動です。
この層を政治的に引き受ける政党が現在のところ無いのが日本の不幸ですが、自民党の腹を喰いちぎって出てくる勇気ある政治家の一群が望まれます。

貴誌2723号で「老いたゴジラ」さんのフリーメイソンリー(組織)についての投稿がありましたが、思い出したのは随分前に知人が名門「神戸外国倶楽部」で給仕をしていた時の話。
そこでは毎週木曜日の夕方にフリーメーソンリーの定期的会合が持たれているそうですが、そこで何をしてるかというと、ビールを飲んでいる(笑)。
知人は個人名すら上げていましたが、メンバーは主に京阪神の大学等の英語の教員に実業家が少し。彼らにも政治的影響力でもあるんでしょうかね?
恐らく日本のフリ−メイソン(メンバー)はほとんどが外国人なのでしょう。大体、日本ではどこかの有名大学の学位ほどにもフリ−メイソンにステイタスが無いのが実態でしょう。
対して、欧米諸国には確かにメイソンが多い。特にプロテスタント諸国が多く、米国では会員600万人! そこで推測なのですが、カトリックの強いかった欧州においてプロテスタントは各宗派に細かく分裂していた。それらを連結しプロテスタントを政治的補強したのがフリーメイソンリーの歴史的役割だったのではないか? だから英国などのプロテスタント諸国ではフリーメイソンリーは体制化している。(英国のそれの代表はケント公)対して、カトリックの強いフランスやイタリアなどでは過激化した。
 ちなみに無神論者はフリーメイソンになれず、ソ連などの共産主義諸国ではフリーメイソンリーを禁止。ユダヤ人は自分達のコミュニティーを優先するので嫌われたので、自身のフリーメイソン的組織のブネイ・ブリットを作った。現在ブネイ・ブリットはイスラエルで老人ホームなどを経営している。
 我が日本ですが、中朝米露の工作員がうようよする今日の日本にこそ愛国的秘密結社の様なものが必要なのではないか。
憲法改正も自主国防軍も青嵐会解散から三十年も経っているのに未だ実現されていないどころか、これに危機感をすら持たなくなっている。そこで、警察、自衛官、情報部員、その他の官僚や政治家、学者、報道関係者や財界人の愛国的横断組織の結成とその秘密参謀本部の設立が望まれる。
そこから外国や左翼の工作阻止と逆に愛国工作など影響力を行使すれば良い。また、経済的に苦しい前途有望な愛国的若者を探して篤志家を通じて奨学金を与えたりするのも良い。
かつて日本には黒龍会という立派な結社があったが、現在の右翼団体は暴力団に毛が生えたものが多いので是非ともそういう良いものの再建がいるのではないか。
   (道楽Q


(宮崎正弘のコメント)農本主義は思想哲学的なもので、日本の土からめばえた土着の思想です。現代の哲学者が越えられない深みがある。
 まもなく上梓予定の『内田良平のシナ観』(仮題、展転社)には黒龍会の思想的背景が分析されます。
 さてフリーメーソンは世界的に過大評価がまかりとおっていますが、ロータリーとかライオンズ倶楽部のような存在になっている。裏のメーソンは今も秘密結社ですが、言われているほどの影響力はないでしょう。鳩山の「友愛」は、まず間違いなくフリーメーソンの考えですが。。



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(読者の声2) 貴誌2728号「読者の声3」への(宮崎正弘のコメント)にある「今週の『タイム』は或る中国人に寄稿させてこう言っております。「壮大な国慶節パレードは死滅に向かっている中国共産党の最後の万歳だ」(10月5日号、アジア版、102p)

 このコメントは意味深です。実質、戒厳令下での式典の異様さについて、日本の媒体はどこまで調査報道できるのか?
期待する方が甘いのでしょうが。北京市民は、党国が人民をどのように扱っているのか、今回の式典でも改めて実感したのでは?
(SJ生)。


(宮崎正弘のコメント)冒頭読者の現場からのレポートは、日本の記者がカバーできなかった裏町の表情を物語っています。



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(読者の声3)北京の軍事パレードをテレビニュースでみて、ひとつ疑問がわきました。あれほど多くの戦車が通ったはずなのに路面がぜんぜん傷ついていません。
 キャタピラに特殊処理したのか、それとも戦車そのものが「はりぼて」だったりして!
それとテレビを見ていてふと思ったのですが、胡錦濤はなぜ黒の人民服を着ていたのでしょうか? 毛沢東に合わせたのでしょうか? 合わせたなら色違いはなぜ?
   (NS生、文京区)


(宮崎正弘のコメント)胡錦涛が着用した中山服は黒ではなくグレーだったようです。
生粋の軍人ではなくシビリアンコントロールだぞ、って、訴えたかった狙いがあると思われます。
戦車は十年前のパレードで高速道路に亀裂が入ったりしたので、この十年間、長安街の道路は頑丈にしたのでしょう。キャタピラも工夫をした可能性がありますね。ミサイルにしても、展示用模型でしょうね。あれは。
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  • 万葉至乃輔2009/10/02

    依然、宮崎さんのコメントが辛辣?云々ありましたが、私はこう思います。



    三島以後など一連の三島作品の文体は明らかに激情的です。その時代を生き、賭け、なそうとした何かがなされなくて、しかしその記憶と精神を忘れまいと、苛立ち、怒り、そして過ぎてゆく時間に呆然としている、そんな印象です。



    米ソや経済問題などの作品は極めて客観的で感情があまりないく、シャープで冷徹、つまりどちらにも属していない、ある意味日和見的な印象もあります。知識と情報はあるが興味はないというような、感情を削った分析的です。客観と分析、そんな感じがします。



    最後の中国、アジアですが、一言、諧謔的な感じをうけます。中国人民に対する愛情とその支配層への憎悪。こんな悪辣な支配者に統治されながらも「上に政策あれば下に対策あり」としたたかに生きている中国人民への憎愛満ちた文章ですが、どこかあの若かりし頃の情熱的主体的な自分との対比で、その愛する中国人民へどこか主体的情熱的ではなく、その後の分析力が働いている自分をも含め、諧謔的になってらっしゃると言う印象です。



    私見です。失礼いたしました。