国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/10/01


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   「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)10月1日(木曜日)
         通巻第2727号 
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 国慶節前夜、温家宝首相が七つの産業で新規投資を禁止
   アルミ精錬、セメント、鋼材など生産過剰で在庫急増
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 フィナンシャルタイムズ(9月30日付け)によれば、中国は生産過剰による経済構造の悪化を調整するため、向こう数年、鋼材、セメントなど七つの分野で新プロジェクトの禁止を決定した。

 合計4兆円の景気刺激策は、建設部門だけに過熱をもたらし、高速道路、地下鉄、橋梁、鉄道などはブーム、人手不足が続いているが、民間部門はさっぱり。
 きょうの国慶節を終えるや、中国は景気冷却に突入するとみられる。
 現在、北京にいる友人からのネット情報に依れば、北京は戒厳令下、軍事パレードを一般国民は参観できないほど長安街の警戒は厳しいという。
 
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●◎ブックレビュー◎●BOOK REVIEW◎●書評◎●ブックレビュー◎●
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 米中が同盟し、日米安保は大きく変質を余儀なくされようとしている
   旧来の日米安保関係は既に変質しており、激変の局面にある現実を浮き彫りに

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田久保忠衛『米中、二超大国時代の日本の生き筋』(海竜社)
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 IMFはSDR債券を発行し、中国をはじめBRICs諸国が大量に購入した。IMFにおける中国の発言権は劇的に、突然変異的に肥大した。
 G7は形骸化し、おそらくG20体制となって国際政治の中心となる。
新しい時代がくる。その足音が聞こえる。
 本書は、日米安保条約を単に日米関係や、日中米の三極関係ら捉えないで、もっと歴史を遡り、同盟の本質論を抑え、近代史を深く比較するという壮大なペースペクティブのなかで、じつに簡潔に、じつに明快に日本を取り巻く危機的状況の本質を分析した好著である。
 同時に軽佻浮薄な防衛論議や面妖な安全保障をばっさりと切り捨てる。
 戦後日本は自らの歴史を自虐し、進んで歪めて、自尊心を損なった。その結果は「近隣諸国の中には歴史認識なるものを平気で外交に利用して平和を脅かし、露骨に内政干渉をしている」が、要するに「理想を重視して、現実を無視すると国は滅亡する」(本書28p)のである。
 ここで筆者の田久保氏は「リムランド」「ハートランド」などの地政学の沿革と発展を簡潔にまとめられ、ついで米英の角逐と保守とリベラルの由来を説かれる。
 日米安保は不思議な感受性で日本人に捉えられている。
 同盟の本義とはかけ離れて、「日米安保に全面的に寄りかかりながら、平和は祈っていさえすれば維持されるといった空想」がいまも論壇、マスコミ、いやいや国会にさえある。ところが尖閣諸島が日米安保の対象ではないと米国の高官が失言すると「怒り出す」(43p)という奇妙さ。アメリカ人だった、ほとほとあきれているに違いない。
 さて、今後どうなるか。
 本書の肯綮部分はつぎの箇所である。
 「米中関係によって日本の将来も決まってくる(中略)。日本がどれだけ中国に好意を持とうが、悪意を抱こうが、日中関係は米中関係の従属関数なのである」(115p)。
 この激甚なる言葉、つい覚えてしまいそう。
 ブレジンスキーは日本を「アメリカの被保護者」と定義したが、これは「ごくふつうの米国人が頭に描いている日本像」だ。「このような表現の根元には敗戦、日本国憲法、東京裁判、日米同盟といった一連のキーワードに隠微な秘密が潜んでいる」(122p)
 同盟とは「共通の敵の存在、価値観の一致、経済摩擦を最小限にとどめて解決しようとする努力の三条件が要る」のだが、日米同盟は、仇敵ソ連の沈下によって共通の敵を失い、そのご、暫くは「中国の軍事的脅威が日米間の軍事的結びつきを維持した。しかし米中間に『敵でも味方でもない』関係が出現し、G2論が登場すれば、日本としても同盟関係をどうするか」(214p)、真剣に議論しなければならなくなった。
 こうした基本認識を欠いた現政権や永田町の面々やマスコミのアホ顔を目撃すると、やっぱり日本は孤独のまま置いてきぼりにされる危険性が強くなる。
 日本はどかんと三流国に転落する、いやな予兆。これを回避するには、本当にどうするべきなのか。本書を通じてひとりひとりが考えなければいけない局面に立っている。
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◆読者の声□どくしゃのこえ◎DOKUSHA―NO―KOE▲読者の声○
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(読者の声1)何時も貴誌を有意義に楽しく拝見しております。
ゼーリック世銀総裁の「人民元機軸通貨」の報道を見ました。しかし、以前申し上げましたように、中国経済は人民の安価な人件費に支えられております。何れこの歪は何らかの形で噴出するものと予測しております。
決して「盤石の通貨」でないことを認識する必要があるでしょう。
このことに気付かずに「人民元機軸通貨」というのは表面的な観察しか出来ない方ではないかと考えております。
    (HK生、大阪)


(宮崎正弘のコメント)ゼーリックは米国の思惑を心中深くにひめて、政治発言を繰り出す人ですから、全幅の振幅をおいて彼の発言を捉える必要はないと思います。



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(読者の声2)貴誌前号ですが、「ドルが世界のスーパー通貨」であり続けるためには、どのような要素が欠かせないのでしょうか?
ご講義をください。“オバマはイラク〜イラン〜アフガニスタン〜北朝鮮にも負け、ついでに米ドルを紙屑にした”と(後世の史家から)言われるでしょうね。
(伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)ドルの新札を発行して金とリンクさせ、これまでのドルは徳政令。あるいは十分の一に減価させる等々、荒治療いがい現在の位置を維持するのは難しいと思われます。
 ニクソンならやれたけれど、オバマにそういう決断力があるか、どうか。いずれにしても米ドルと心中するのが日本の運命でしょうから、後者の方がもっと気になります。
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慶應義塾戦没者追悼会 慶應義塾戦没者追悼会
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 <慶應義塾戦没者追悼会のご案内>

 慶應義塾は昨年創立150周年を迎えましたが、これを機に私ども塾員有志が発起して先の大戦で戦没された塾員、塾生、職員その他慶應義塾関係者の追悼会を下記の通り開催することといたしました。
平成19年に慶應義塾福澤研究センタ−から発行された慶應義塾関係戦没者名簿によれば戦没者総数は2,223名にのぼります。本追悼行事は福澤先生の独立自尊の教えに則り、義塾の伝統である社中協力の精神に基いて行われるものです。此の度の追悼会開催に際しては、学徒出陣世代の先輩塾員から若い塾員、現役塾生に至るまで、また各種の三田会、更にはよきライバルである早稲田大学関係者のご協力を頂いたことを申し添えます。
 ご多忙とは存じますが、何卒ご出席頂きます様ご案内申し上げます。
        記
1.日 時: 平成21年11月14日(土)午後2時〜4時
2.場 所: 東京都港区三田2−15−45
       慶應義塾大学三田キャンパス
       西校舎519番教室
3.内 容: 塾歌斉唱、実行委員会代表挨拶、黙祷、戦争体験世代塾員挨拶、来賓挨拶、応援歌斉唱(若き血、慶應讃歌、幻の門、丘の上など)、その他
       指揮・演奏 慶應義塾大学応援指導部・同ブラスバンド
4.協賛金のお願い:本追悼行事は塾員有志によるボランティア活動として開催されますので、追悼会当日会場費として2千円程をご協力頂ければ幸いです。
   又、当日出席されない方で本追悼会の趣旨にご賛同頂ける方には協賛金を下記実行委員会の口座にお振込み願えれば幸甚です。
     三井住友銀行三田通支店 普通預金口座番号 8179119
     慶應義塾戦没者追悼会 代表幹事玉川博己

 尚、慶應義塾では今から16年前の平成5年11月に学徒出陣世代の塾員有志による学徒出陣50周年戦没同期塾員追悼会が開催されており、また平成10年11月に慶應義塾が建立した「還らざる学友の碑」の除幕式が三田山上で行われていますが、今回はそれ以来の追悼行事となります。

  平成21年9月
              慶應義塾戦没者追悼会
幹事 玉川 博己(昭和47年経済学部)
               〒168-0073 東京都杉並区下高井戸5−18−5
                 電 話03−3329−2401
                                 E-mail tamagawa@athena.ocn.ne.jp

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(おしらせ)明日10月2日(金曜日)午後一時から二時40分まで「ラジオ日本」のミッキー安川「ずばり勝負」に宮崎正弘が生出演します。

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<今月の拙論と今後の予定>

(1)「日本は政権交代、中国は史観交代」(『北国新聞』「北風抄」、9月28日付け)。
(2)「広州で何が起きているか」(『エルネオス』、十月号)
(3)「パキスタンの魑魅魍魎たち」(『月刊日本』10月号、発売中)
(4)「広州アジア大会はどうなる」(『共同ウィークリー』、10月上旬号)
(5)「人民元は世界通貨になれるのか」(『ボイス』十二月号、11月10日発売)
(6)「中国のいま、日本はどうなる」(『撃論ムック』10月下旬号)
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< 宮崎正弘の近刊 >
『中国分裂 七つの理由』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
全国主要書店一斉発売中! 残部僅少です!
http://www.amazon.co.jp/dp/4484092344

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宮崎正弘のロングセラー 絶賛発売中!
 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ、1680円)
『絶望の大国、中国の真実――日本人は中国人のことを何も分かっていない』
(石平氏との共著、980円。ワック文庫) 
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円) 
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 < 過去の拙著136冊のうち半分近くは下記サイトから注文できます ↓ >
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◎宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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