国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/09/30

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   「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)9月30日(水曜日)貳
         通巻第2726号 
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 マンデル教授「人民元はやがて米ドルに代替する」
  ゼーリック世銀総裁「ドルは世界一強いというスーパー通貨の座を降りるだろう」
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 ロバート・マンデル教授といえば、金本位制度の復活を唱える世界的論局でもあり、1999年度のノーベル経済学賞受賞。通貨政策研究の第一人者として知られる。

 中国時報(9月18日付け)によれば、そのマンデル教授が中国で開催された「アジア論壇」の席上、次のような講演をしたようだ(広州で9月に開催)

 (1)二、三年以内に人民元は日本円に代替する国際通貨の位置を獲得するだろう。アジアにおいて「ユーロ」のように基軸通貨になるだろう。
 (2)二、三十年以内に人民元は米ドルに代替する世界通貨になる可能性が大きい。あたかも英国ポンドが戦後、米ドルに代替されたようなケースになるだろう。

 大変化の兆しはIMF改革における中国の主導権とSDR債券の発行による。まもなくSDR通貨における中国の比率は10%に達するだろうと、マンデル教授は解説した。

米国でも同じ予測を立てる傾向が顕著である。
 ゼーリック世界銀行総裁は9月28日に首都ワシントンのジョン・ホプキンス大学で講演し、「ドルは今後、決定的な通貨の位置を降りるだろう」云々と述べ、これを海外メディアは大きく伝えている。

 オルブライド元国務長官も、同様な主旨で米国の力の後退を語っている。
 ゼーリックは「超大国の通貨としてのドルが不変という状況は激変過程にあり、ドルに代替する通貨としてのユーロと元がますまる影響力を高めるだろう。とりわけユーロは世界で流通する速度をあげ、信頼性が強化されている」とのべた(ヘラルドトリビューン、9月30日付け)。
日本円のことは一切出てこない点に注意。

 昨年9月15日のリーマンショック以来、世界最強の通貨は日本円である。ところが、何も言及がないという事実は驚くべきことではないのか。
 もっともゼーリック世銀総裁はブッシュ政権下で国務副長官、通商代表をつとめ、「中国と米国はステーク・ホルダー(利害共通者)と言い始めた人物だけに、日本円には言及せずとも、つづけて人民元に触れ「今後十年、二十年という展望で人民元は確実に、その影響力を世界市場で顕著に増してくるだろう」としている。
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 ◆読者の声□  ◎どくしゃのこえ◎  ▲DOKUSHA―NO―KOE▲
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(読者の声1)貴誌の中国紀行の一連の論説のなかで、「東アジア共同体」を鳩山首相が胡錦涛と首脳会談で提唱したが、胡は「フムフム、聞いておるぞ」という態度だったとあり、意外な感じを受けていましたが、今朝(9月30日)の産経が一斉に同じことを伝え始めました。
これは結局、鳩山の友愛路線の限界ですね。
   (SY,三鷹)


(宮崎正弘のコメント)もう使い切った外交カードですよ、中国にとっては。日本の政治家の情勢認識と対応力の鈍さが如実にでた一例として、我々の記憶に留めるべきでしょうが。米国はすでにAPECがあり、東アジア共同体は不要としていますし、中国はASEANに食い込み、軍事覇権では事実上アジアの盟主ですから、なにをいまさら日本が提唱する「東アジア共同体」でしょうか。
 わが領海から中国はガスを盗掘しているにもかかわらず「東シナ海を“友愛の海”に」などと宇宙語を言い出す首相だけに、胡としては鳩山政権組みやすい、騙すのはチョロい、と踏んだことでしょうね。



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(読者の声2)貴誌前号に「名物に美味いものなし」。
なるほど! このような「人民元シリーズ」を続けて頂きたいな。実は人民元の使い残りが大分あるんです(笑)。私見ですが、RMB(人民元)がアジアの基軸通貨にはならないと思う。中国政府に対する不信はもの凄いもんですからね。
先生の北京風景の描写は秀逸です。広く読者を魅了するには、このようなユニバーサルな小噺〜町の風景〜食い物〜料理屋批判〜地下鉄の切符の値段〜タクシーの運ちゃんの嘆き、などという話がベストセラーと思う。
   (伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)RMBは、偽札対策を全うしない限り、世界通貨にはなりにくいでしょうが、可能性はゼロではない。なぜなら宋銭、明銭は当時の世界通貨であり、日本は決済手段として使っていたように、すでにアジア東南部では人民元決済ゾーンが急増し、ベトナム、タイ、ラオス、香港、マレーシアあたりまで進出しています。米ドルと日本円への信頼はまだまだ不動のものがありますが。
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創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
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  • 名無しさん2009/09/30

    アメリカの中国観はあまり信用しない方が良いと考えています。

    しかし昔と違い工業力と富国強兵路線を走る中国にはアメリカも注意は向けているでしょうが、国益を知る人達。一方丸裸で「友愛」を語る音痴とは話には成らないと中共も「あきれ返る」と同情すらされるのが落ち、同情はしても得るものは得る中共商売、鴨葱・イオン外交で取り込み完了。

    世間知らずには困ったものです。