国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/09/15


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)9月16日(水曜日)
         通巻第2713号  (9月15日発行)
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 驚いたなぁ、東チモールのガス田、油田、金鉱開発も中国が本格参入していた
  豪州、インドネシア、シンガポールの開発意欲を横目に
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 独立して十年。あのデリ暴動から三年。
 ま、日本企業だって尻込みして行きたがらないでしょ。東チモールへは。
 ところが、東チモールの油田はキタン油田に4000万バーレル、未開発のグレート・サンライズ油田には3億バーレルの埋蔵が推定されている。

 ガス田もカス鉱区に120億ドル以上の埋蔵が推定され、このほかに金、銅、銀鉱山がある。
 
 インドネシア政府が権利を主張するのは当然だが、保護国然として開発の中枢にいたのは豪州。開発競合関係が続いていた。

 中国がやってきた。
もとより92万人口のなかに3000人の中国系(客家)がいる。かれらは五百年前に漂着して東チモールに漢族コミュニティをつくっていた。

 かれらが北京に働きかけ、官民あわせて中国からの投資ははやくも4億ドル、加えて水力発電所二基の工事契約は3億6000万ドルで中国企業が抑え、契約直後から実際の工事がはじまっている。労働者がどっと中国から東チモールにやってきた。

どんな手を使ったかは明らかではないが、日本がまったく関与しない場所にはやくも中国が本格参入している事実は驚きを越えている。
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(休刊のおしらせ)小誌は9月19日―25日を海外取材のため休刊とします。
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●◎ブックレビュー◎●BOOK REVIEW◎●書評◎●ブックレビュー◎●
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大沢正道『くたばれ! 朝日新聞――国民を欺く卑怯なメディア』(日新報道)
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 世の中には朝日新聞に迎合する官僚、政治家、ジャーナリスト、作家がいる。それも夥しい。朝日をインテリの読む新聞と信じて見栄のために購読しているヤマノテの似非インテリも多い。
だが公称800万部、実態は三割が押し紙。550万部前後が朝日の実態だろうが、広告激減で会社がかたむき始め、出版部門を分社化し、経費を削減し、それでも赤字を計上したのに、42歳の社員が年収1300万円強。
――これって、いったい何だろう?
 
朝日を真っ正面から斬る批判本、攻撃本が山のように書店に溢れる。
 それだけ朝日は嫌われているが、へこたれず嘘報道を垂れ流して、改竄した歴史を正当化し、もっぱら日本の国益を傷つけ、中国と韓国に奉仕し、同盟国アメリカには冷ややかな物言いしかしない。
 そのスタイルは偽善と欺瞞に満ちていて、率直に言って朝日の読者は精神的均衡をどうやって保っているのか、かねてから不思議だった。

評者(宮崎)自身は、朝日を読むと激怒憤怒の渦が脳幹を荒らすので、購読をやめて既に四十年。だから楽天家を維持出来るのだが、朝日を読んで毎朝カリカリしないとファイトが湧かないという御仁も多いようだ。
重箱の片隅をつついてマニアックな批判をする人も、縮刷版で無言の訂正しているのを発見して、その欺瞞を暴く人もいる。感情論で非難しても、それは朝日の思うつぼであって、犬の遠吠えのような朝日批判は蛙の面になんとか。

だが、本書の登場は朝日エリートの肺腑をぐさっと刺したに違いない。なにしろ実名批判。それも情け容赦なく、韜晦がなく、正直すぎるほど一直線でありながら、行間にはペーソスが流れ出る。
 大沢氏は世界歴史の裏面を論じた書物もものにされた百科事典のような人だが、大江とかのノーベル賞作家やマルヤマとかの思想家を論理的に冷酷に滅多切りにする凄腕の持ち主でもあり、えっ、こんな本もお読みなのかと驚かされるほどの読書家である。とくに思想哲学関係ではマルクスから無政府主義者、革命的左翼の本も丁寧に読まれている。
嘗て評者は大沢氏の批判精神と姿勢を、市井で光る正論を吐く、「長屋のご隠居」と比喩したところ、意外や、ご本人がたいそう気に入られた様子で、本書の「前書き」にもそのことが出てくる。
 表面的な類書や思想的視点からだけの批判の洪水を避けて、年季を入れてこつこつ書きためられ、本質的に朝日の欺瞞の中枢を、かれらは戦後史の情報空間の中で、いったい何故、なにを間違えたかを、快刀乱麻をたつようにえぐりだした快書。
保守派必読。朝日批判の常識論がでた。

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竹内修司『創られた“東京裁判”』(新潮選書)
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 東京裁判の批判本は書店の棚につねにある。
日本無罪を主張したパル判事の判決も全訳がでたし、裁判を傍聴した富士正晴氏の記録も出て文庫本にもはいった(講談社学術文庫)。裁判で証拠採用にならなかった証言の数々も殆どが出そろった。漫画の解説もでた。
大多数の批判が依拠する論理の基本は、東京裁判とは正義の裁判は名ばかりであり、「平和に対する罪」「人類に対する罪」などという事後法でGHQが無理矢理、日本をさばいたのであり、それが東京裁判だったことは歴史的事実として白日に晒されている。
ところがそれを知りながら反対の論理をはって東京裁判は正当だとへんなことを言っているのが朝日新聞とNHKだ。
研究は深まったにも関わらず、まだ謎の部分が残る。
資料の新発見がある。
 本書が迫るのは、その謎のひとつ、東京裁判を裁いた「かれら」の法的根拠、つまり「事後法」がいつ発案され、誰がそれを演繹し、どうして裁判の進行思想となったかを時系列に追った、いわば大作なのである。

 竹内氏は以前『諸君!』の編集長をされていたが、台湾生まれで、戦前、戦中、戦後史に造詣が深い。前作は「もうひとつの終戦工作」の謎に迫って欧米各地を追跡調査された労作『幻の終戦工作』(文春新書)。
 本書は題名が意図的に「創られた」と「創作」の『創』を充てている。作者の意図が隠されている。「でっち上げ」でも「一方的」でもない。東京裁判は『創られた』のだ。論理もプロットも。
 しかも『裁判の費用は占領費の一部として、日本政府の予算から支出された。当時の金額にしておよそ27億円だった』(本書231p)。
 評者(宮崎)が個人的に興味津々となったのは「A級戦犯」レベルのなかで絞首刑にならず釈放された人の中で、とりわけ児玉誉士夫、葛生能久、笹川良一、大川周明といったひとびとを占領軍がどう評価していたかという文書の存在である。
 1948年二月、法務局検察部は、この四人を『危険人物』と特定して、『彼ら四人が釈放され、自由の身になってかつての有害な行動を続けられることが認められることになったとすれば、それは占領という事態にとっても、日本の民主主義にとっても、取り返しのつかない損害をもたらずことになろう』(221p)。
 いま読み返すとほほえましいほどの被害意識過剰である。この四人のなかの葛生は内田良平とともに黒龍会を創設した民族派の大物。
つまり東京裁判推進派とその阿諛追従組は、ナチスと日本の民族派右翼を同列に位置づけて誤認していたことが分かる。それだけ日本の歴史に無知な人々が日本を裁いたわけだから、基本的に非論理的なのである。
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(読者の声1)貴誌前号の貴見「政権交代ではない。精神の後退だ」は、おみごとな論評です。麻生太郎という戦死した古年次兵だが、こんな簡単な「政治力学」さえも、理解していなかったようだ。
「実戦は、演技じゃダメなんだよ、演技じゃよ」と言ってあげてくだされ。鳩山内閣は日本史上「最も公約を破った内閣」と記録されるでしょう。
(伊勢ルイジアナ)


(編集部から)同様な励ましの感想たくさんいただきました。また政党関係者、元秘書氏らからも同感という読後感が寄せられました。
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