国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/09/11


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)9月12日(土曜日)
         通巻第2707号 (9月11日発行)
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 カラコルム峠(5575メートル)を抜けるハイウェイの道幅を三倍に拡張
    パキスタンから中国へのルート、重戦車、装甲車も通行可能に
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 中国とインドは本当に和解したのか?
 両国は領土係争を棚上げしたまま、貿易拡大で合意し、過去十年に額面、量ともに数倍の規模に拡大させた。
 
 中国空軍はチベットのラサに二つの空軍基地(ホーピンとコンカ)を持っており、さらにチベット国内に四つ、本格的な空軍基地を作る。緊急展開部隊だという。
 しかし何のための緊急展開部隊なのだろう?
 合計23500人の空軍。ジェット戦争機はスホイ30を配備。これはインド向け軍事力いがいの何物でもない。

 陸軍は青海省などから二個師団が交替でチベット各地に常駐している模様で、もっともインド情報筋が注目しているのはカラコルム・ハイウエィの拡張工事だ。

 現在パキスタンから中国新彊ウィグル自治区の南端に位置するホータン方面にのびている同ハイウェイは、道幅が10メートル、これを三倍の30メートルに拡張すると、重戦車、装甲車など重装備の軍事車両が通行可能となる。

 すでに青海省の西寧からチベットのラサへ鉄道を繋ぎ(西蔵鉄道)、これは北京にも直通である。さらにラサから、シガッツェへの延長工事をしている。シガッツェはパンチェン・ラマの本拠地。
 もう一本の鉄道を四川省の成都からラサへ繋ぐ計画だが、工事が大幅に遅延していることは既報の通り。

 

 ▲インドへの緊急軍事展開能力が爆発的に向上

これらの大交通網は、いったいナニが目的なのか?
 インドを包囲する戦略的配置であり、鉄道、飛行機、自動車による複数の兵站ルートを完成させると、一朝ことあれば、たちまちにして戦力の増強補充が可能であり、中国の軍事戦略上の壮大なビジョンの完成である。

 今夏八月、中国はすでに瀋陽、蘭州、済南、広州の各軍管区から五万の兵力を動員するという空前の軍事演習を敢行している。
この演習では民間機も軍用に総動員され、緊急展開のスピードを瞠目すべきほどのレベルに向上させたという(ジェイムズタウン財団『チャイナ・ブリーフ』、9月10日号)。

ところで日本での報道はといえば、「北京市六環路」の全線開通の話ばかり、これは全長187・6キロ。現在、中国最長の高速道路で北京とハルピン、瀋陽、天津などに連結している。またたくまに高速道路を作り上げるブルドーザ国家チャイナの建設能力は驚くほど上がっている。
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(読者の声1)9.11から八年の歳月が流れました。ひきつづき孫崎享著「日米同盟の正体」関係ですが、宮崎さんの「現職でモノを書くと岡崎久彦氏のようにサウジとかに飛ばされますし(苦笑)」とのコメントを読んで私の頭をよぎるのは、9.11直後の15日NHK放送センターで転落死した長谷川浩・解説主幹。
彼は自ら飛んだのか、飛ばされたのか。それについて個人的推測をするためにも「日米同盟の正体」は最重要な文献です。
日本外務省のインテリジェンスにおける9.11理解の良識が書かれていると思います。若手外交官の戦地での不可解な死を含め、9.11関連で失われた日本のインテリジェンスもまた指折れるように思います。あわせて鎮魂したい。
飛ばされることなく、着実に世論を形成する用意周到さが肝要、と臆病者は呟くのみ。
 因みに「村田良平回想録」も、紹介のあった後、早速読ませていただきました。学恩感謝。
     (アシカビヒコ)



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(読者の声2)貴誌2705号の記事で触れられているレアアースは、日本では一般的にネオダイミウム⇒ネオジム、タービウム⇒テルビウムダイスプロジウム⇒ジスプロシウム、と呼ばれています。
いずれも磁石材料として使われておりますが、テルビウムはグリーンの蛍光体原料としても広く使われています。
今から20年ほど前にトウ小平が「中東に石油があるなら、中国には稀土(レアアース)がある」と言っていたのですが、ここへ来て主導権を握るべく攻勢に出てきたものと思われます。
但し石油と違い、レアアースは資源としての調査が十分にされていないため、今後調査が進めば中国よりも更に有望な鉱山が見つかる可能性もあります。(中央アジア・アフリカ・オーストラリアなど)                  
   (Pukadon)


(宮崎正弘のコメント)貴重な専門情報をありがとう御座います。レアアースは、日本のエンジニアでもあまりよく理解していないほどの新顔ですね。

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