国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/09/09


◎小誌2700号突破記念(その3)増ページ号!
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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)9月9日(水曜日)貳
         通巻第2703号 
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 人民元建て「中国ソブレン債券」を発行
  オフショアで60億元を調達し、ハードカレンシー化への第一歩
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 英紙フィナンシャルタイムズ(9月9日)速報に拠れば、中国はオフショア市場で初めての人民元建て国債を発行する。
 香港のオフショア市場を利用して総額60億元を世界の投資家から調達、発行は9月28日。ただし利率、償還期間の詳細は不明。

 これは中国の通貨戦略の具体的発動で、自国通貨のハードカレンシー化への第一歩であり、注目される。
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 ウラジオストック、ナホトカ紀行(その3)
ロシア、北朝鮮、中国の国境では何が始まっているのか?
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(承前)
 ウラジオストックの中央広場にあるフェリー乗り場からおんぼろフェリーでルースキー島へ上陸して驚いた。

道路はぬかるみ、舗装は溶けて泥道、大雨のあとの水たまりの悪路を日本製のランドクルーザーが進むが、生い茂った森林の伐採作業場ばかりが続き、激しい凸凹道に車酔いを感じながら一時間後、ようやくイベント会場となる現場に到着した。
 
普請の騒音が高い。
現場は日本製のクレーンが林立している。ブルドーザ、シャベルカーも殆どが日本製だ。そうか、日本抜きにして開発は成り立たないんだ。
 
建設現場の横に長い看板、「2012年APECサミット会場」(ロシア語)がなければ何の工事かよく分からない。俄かづくりの観が否めない。アゼルバイジャンなどからの流れ者労働者が混在している理由も分かる。

 建材や鉄骨が臨時の波止場に積み上げられ、労働者が居住するプレハブのマンションが周囲に建っている。「でも冬は零下二十度になるというのに、あんな住宅で大丈夫か」と問うと「真冬は工事が中断」という答えが返ってきた。会場になるコンベンションホールも外国代表の宿泊予定のホテルも、まだ影も形もない。
 ふたたび鋼鉄が錆びてぼろぼろのフェリーでウラジオストックへ戻る。80歳を越えた老女がスターリン勲章を沢山つけて誇らしげに入ってきたので、意地悪な質問。大祖国戦争って何ですか。


 ▲ビルが林立して壮観だった

 さて船から市内を眺めやるとウラジオストックは意外にも高層ビルが林立して壮観である。港には軍艦が三隻、写真を撮っても誰も咎めなかった。
 瀟洒なレストランで豊饒なメニューの昼飯のあと、名物の「潜水艦C56博物館」を見学した。戦争博物館を兼ねる。

 展示内容が「大祖国戦争」と「第二次世界大戦」ばかりでソ連軍の満州侵略に触れていないのはロシアの歴史観だから仕方がないにせよ、「日露戦争」の記述があまりにも少ない。ガイドに理由を問うと「あれ(日露戦争)は『小さな戦争』ですから」と答えたのには驚いた。

 翌日、立派な高速道路を飛ばしてナホトカへ行く。
 ナホトカは狭い町で展望台に登ると港湾全体が見下ろせる。
 港は撮影禁止と聞いていたが、軍事施設もなく、石炭のバージ船が沖合待ちをしている程度、かつて日本のバック・パッカーの出発点だったシベリア鉄道の始発駅は閑散としていた。

 ナホトカで一番大きなホテルは中国資本の遠東大飯店(ユンドァン)という。わざわざ見学に行ってみたが、ほぼガランドウに近く、対岸側にあるチャイナ・タウンの長い長い商店街も人が殆どいない。門前の四階建てのホテルは中華風のつくりだが、そもそも中国人客の姿がない。


▲チャイナタウンは火が消えていた

 中華門の傍で焼き鳥を焼いている中年男に「中国人か?」と訊くと「そうだ」。
「商売はどう?」、「うぅん最悪に近いな」。「中国人を殆ど見かけないが?」、「そうさ、北朝鮮、キルギス、ウズベキスタン、そしてアゼルバイジャンからの安い労働力に奪われ、殆どの中国人は帰ったよ」と言う。

 われわれ四人組が泊まったのはナホトカで高級な、ガイドブックにも出ているピラミッドホテル。だが、これとて民宿に近い。地下のレストランは客も疎らで、ウラジオストックの繁栄ぶりに比べると天地の開きがある(ただし味は旨かった)。

 ナホトカの町を歩いている女性のセンスも田舎風で流行遅れ、所得格差が歴然としており市内唯一のデパート「グム」を見学して品数の貧弱さに唖然とする。書店は絵本と小説くらいしかない。村上春樹の翻訳? ナホトカでは見かけなかった。

 2006年に524人の遺骨が収容され、慰霊祭も行ったというナホトカの日本人墓地は台座が毀され荒れ果てていた。

 慰霊祭から僅か三年後、お墓だった場所は草ぼうぼう、日本人墓地の標識は落書き、おそらく大理石だった台座がインテリアの飾りにでも使うのだろう、殆ど盗まれて、まるでハゲタカの被害にあったような荒廃ぶりである。
 ウラジオストックにあったお墓のほうが立派で、墓園の入り口には花屋もあったのに。
 ホテルの裏にこれ見よがしにあった日ロ友好の壁が虚しい気がした。
  (終わり)

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(読者の声1)危機の時代を迎え、先生のメルマガの役割は非常に重要になってきました。
さて裁判員制度についての拙見です。
裁判員制度についてはいろいろな意見があるが私は賛成である。その理由は以下のとおりである。
1.権威の必要性:今の司法には権威がない。手続きだけである。罰の判決も相場主義である。戦前のように、天皇に仕えるものという正統性感覚がない。これは同時に裁判官に自信がないことを意味する。そこで国民の参加により、権威性を維持しようとするのである。

2.司法の閉鎖性を破る:司法試験の結果は、単なる暗記秀才のあつまりである。実世界とは関係がない。そんな畸形人間があつまり司法社会を作っている。だからちょっとでも司法に関係した人は、司法関係者が異常なことに気付くであろう。
 国民のサービス員にすぎない弁護士が威張り腐っている。司法関係者は、司法試験に通れば貴族だと言っているという。とんでもない話である。
ということで司法関係者の思い上がりと独裁を許さないことが必要だ。
   (東海子)


(宮崎正弘のコメント)世間智にかける裁判官、迷妄を突破する刺激的制度であることは自明の理、これまでの三つ、四つのケース、ま、合格点ですか。



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(読者の声2)今回の総選挙における民主党の地滑り的勝利に際し、日本全国の反米の方々に心からエールを送りたい。おめでとうございます。中には自称愛国者も反日プラス反米の方々も様々でしょうが、勝利の美酒が旨い事には変わりません。
私には鳩山坊が日本崩壊を告げる老けた(堕)天使に見えるが、反米の方々は日本の安全保障は米国無しでやるという事なのでしょう。
良い心がけなので賞賛したい。
当然、米国の定めた憲法などは破棄し国民皆兵で米軍基地など全部撤去して清々しましょう。インド洋での給油などやめて、イランや北朝鮮と同盟を組みましょう。
 なぁに、核ミサイルさえ持てばオバマ政権の米国など猫みたいなものです。ならず者としては、我々日本はかつて世界を相手に立ち回った経験が有るし、この際、度胸を据えましょう。
ナニ、そんなに深く考えずに投票した?
若い民主党女性候補のエロチックな唇の動きが気にいった? あぁ、偉大なる祖国日本よ! 偉大なる国民よ! たとえ自民党が老朽化したとしても、他に選択の余地は無いものか? 大体、何故あの河童が日本の首相なのだ?(任期は一年と決まっているが)...と言いたくなった。

ところで、ロシア極東部ですが、北朝鮮の核ミサイルに脅かされる事になるのは沿海州も同じ。そこで、ロシアはS‐400最新式ミサイルなどからなる「防御システム」を導入。
*http://russiatoday.com/Top_News/2009-08-26/s-400-anti-missiles.html*
*http://en.rian.ru/mlitary_news/20090826/155930246.html<http://in.reuters.com/article/worldNews/idINIndia-41996920090826>
* <http://www.youtube.com/watch?v=yVwj44AC25c
勿論、この「防御用」は米国がチェコなど東欧で対イラン対策に使った口実と同じで、実際には北朝鮮に対する恫喝になる。イスラエル外交筋などはこの極東の情勢を、「ロシアが神経戦を開始した。」と見立てている。それでその北朝鮮の核ミサイルの脅威に実際に晒されている我が日本は? ナニ、「友愛」がある?
それってどんな秘密兵器なの?
    (道楽(どら)Q)


(宮崎正弘のコメント)諧謔に満ちた民主党政権批判でした。それにしても、政権与党としての責任を、どれだけ感じているのか。あの指導者たちの間抜け面を見ていると、哀しくもなりませんか?



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(読者の声3)ロシアの喫煙率が高いとのこと、であるとすれば、中古車ではなく、タバコをロシアに輸出すればいいのでしょうか?
 ロシアの動きは参考になります。  
WHOも本当に全人類(白人ではなく)の健康を願っているのか不明なところがある。禁煙しかり。最近ではインフルエンザ煽り症候群。なんで肝心のインフルエンザの遺伝子解析をオープンにしないのか私にはよく分かりません。識者の見解をお伺いしたいところです。
バイオハザード・レベルが高く設定されているため、一般の検査施設では遺伝子解析させないらしい。重症患者にたまたま感染して死亡したのがインフルエンザ死亡として大々的に報道され、もともとのインフルエンザの弱毒性が妙に隠蔽されて、インフルエンザワクチンビジネスをあおっているとしか思えないのですが。
WHOに限らず、21世紀になってからやたらとW・世界がつく組織の断末魔的暴走が目にあまる。それに対抗したEU起源のCO2ビジネスも地球温暖化に原子力の廃熱の海洋投棄ははぜか無罪放免らしい様子(?)。
原子力・CO2陣営と石油テロ戦争陣営のつばぜり合いでもはじまっているのでしょうか。その世界白人系支配の覇権争いに呼応するように、鳩山さんがさっそく、CO2の25%削減を世界に対して打ち出して、CO2陣営への陣営換え宣言をした様子。小泉さんが無邪気にテロ戦争に付き合った反動でしょうか。
世界覇権陣営とお付き合いをしながら、かつてのような仲間はずれバッシングの危機を避けつつ、白人だけではない全人類の平和を願うのが日本人の使命と、観念しつつも、大東亜共栄圏が懐かしい今日この頃。
    <アシカビヒコ>
 
 
(宮崎正弘のコメント)ロシアの煙草の味は大味で、とても日本製の繊細な味は分からないのでは? 十年ほど前、樺太(サハリン)を旅行したおりに、ロシア製のタバコを吸ったことがあります。とても、あれはタバコといえるシロモノではなかった。最近はアメリカ製の輸入タバコ、それも味の強いものがロシア人の嗜好の由です。
 はなしは中国に飛びますが、中国のタバコも値上がり、品質も様変わりです。
 トウ小平は英国の「555」が大好きで、数年前まで中国へ行くときは「555」を土産にするとたいへん喜ばれた。いまや、世界一高いタバコは中国製です。日本で売れている「中南海」なんて、問題じゃないって。
最高級の「中華」は一箱、ついに免税店でも1300円(1カートンではありません、僅か20本いり一箱の値段)。「中華」の普及版が一箱770円(免税で)。
 そして中国人は“中華愛国”“中華文明”“中華民族”と異様なナショナリズムを唱え、「中華」を煙にしている。ちょうど日本人が「平和」と唱え、「平和」と「希望」を煙にしているように。。。。
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< 宮崎正弘の近刊予告 >
『中国分裂 七つの理由』(阪急コミュニケーションズ、予価1680円)
9月18日 都内大手書店に配本、9月20日 全国主要書店一斉発売を予定

  and
『朝日新聞のなくなる日』(仮題、ワック。九月下旬刊)

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