国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/09/07


◆小誌愛読者15050名! 
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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)9月7日(月曜日)
         通巻第2699号 
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 もう一本のチベット侵略鉄道、着工が大幅に遅延
  西寧―ラサの「西蔵鉄道」の次は成都―ラサを八時間で結ぶ鉄道。
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 四川省の成都とチベットのラサを結ぶ高速鉄道は九月着工をあきらめ、大幅に遅延する見通しと発表された。

 すでに青海省の西寧からラサへは鉄道が繋がり、一昨年の開通時には世界中の鉄道ファンが試乗にやってきた。
 日本でもマスコミが大きく扱った。リチャード・ギアは、これを「チベット侵略鉄道」と呼んだ。

もう一本の「侵略鉄道」も早くから計画されていて、四川省の成都からラサまで、時速二百キロ、走行距離1629キロを八時間で繋ごうという大プロジェクトだ。
 現在は一日おきにT22という長距離列車が運行されており、45時間かかる。
 或いは山道、岩盤、高原をゆくハイウエィがある。ぶっ飛ばしても三日、ふつうは五日ほどかかる。

 鉄道が一般的で、しかし切符は滅多に手に入らない。
筆者はこのルートを飛行機で行ったが、やはり飛行機も満員だった。理由は四川省からラサへの出稼ぎ。この場合、観光シーズンにホテル、レストラン、土産屋、ガイド、タクシーの殆どが四川資本、四川の人々がチベットへ行って荒稼ぎをするからである。

 さて、中国鉄道省は総額540億元(79億ドル)という途方もない大国家プロジェクトの遅延を渋々認めた。

九月着工では区間の大半が気象条件が悪くなり、凍土が半分以上となるため、というのが表向きの理由。
 成都からラサへは途中に雅安、カンディン(健定)、リタン(巴塘)、ゾガン(左貢)、ボニ(波密)、ニャンチ(林芝)などを通るが、この地域は世界的な銅鉱山地帯として知られる。
チベットの鉱物資源横取り鉄道とでも名付けられるかも知れないが。。。
 
 (地名はチベットの呼称を漢族がかってに漢字を当てている)。
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(次号は2700号記念号になります)
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(読者の声1)民主党政権になってしまいました、2日ほど、テレビのニュースを見る気にもなれないほどいやな気分になりました。
自民党自滅、その通りだと思いますが、せめて180席くらいはと思っていました。  
先生のご感想は淡々としていらっしゃいますね。
一般の経済、外交の政策はすぐに馬脚を現すと思いますが、以前と違いマスコミの偏向報道が極端になっていますので、厳しく批判されることなくずるずる行ってしまうとの危惧もあります。ネットの力もまだ日本の場合、世論を形成できるまでにいたっていません。
 一番の心配は、民主党の政策集にある、外国人参政権、人権擁護法案、などを法制化されることです、昨年の国籍法改悪が何も審議されず、あっという間に可決されてしまったことも考えると、今回は、否決され続けた、数多くの反日法案が多く可決されるのではないでしょうか。
成立すると廃案するのに10年以上の歳月がいるといわれています。経済移民の問題も、マスコミの誘導で、進むと懸念します。
先生は別な角度で見られているのか、あまりご心配なされてないようなのですが、ご教示ください。
  (香港読者)


(宮崎正弘のコメント)鳩山「友愛坊ちゃま」と小沢「永田町の不動産屋」に管は「昔左翼、いまもサヨク」そして、岡田「日教組チルドラン」。空中分解は秒読みでは? 細川政権は一年続いて、自爆。鳩山は何ヶ月持ちますかね? 



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(読者の声2)知日家というか、日本を心底から尊敬する米国人は、意外に多いんですよ。
大体が、禅仏教のおだやかさ〜松雄芭蕉の俳句の心(ヒッピー精神)〜源氏物語(男女の愛と、生きる悲しさ)〜武士の精神(これは動かない信心になっている)〜宮元武蔵の克己心。
「中国人の方が日本人よりも好き」という米国人に会ったことがない(42年間ですよ)。まず白人は中華の文化(チャイナ・タウン)は、文明以前のもので、実に不潔と信じ込んでいるのですね。
これ揺るがない。
鳩山はこれらの知日派だけではなく、親日・愛日家からも嫌われたのです。
(伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)広州で拾ったタクシーの運ちゃんが言ってました。「日本と中国は仲良くしなくちゃいけん。新しい首相は「友愛」って名前?かね」って。

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樋泉克夫のコラム


 ――延安は毛沢東革命のテーマパークだった
愛国主義教育基地探訪(24)
 

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 その日、北京の空港にも数センチ大の白い綿のような浮遊物が乱れ飛んでいた。
北京の暮春の名物で知られる毛白楊の熟した実が綿のようになって空中に飛散した柳絮か、それともアカシヤの花粉か。
杜甫は「顚狂なる柳絮は風に随って舞い、軽薄なる桃花は水を逐って流れる」と「漫興詩」に詠んだが、そんな優雅で酔狂な気分にはなれない。乾燥した汚れた空気に綿状の浮遊物が加わり、確実に喉を刺激し、咳を誘う。暮春の名物も一転して環境問題化する。

そこで最近では遺伝子を組み換え、柳絮の飛散しない毛白楊の研究開発が進む。
いささか無粋だが、確かに環境汚染は避けられるし、咳防止に繋がるはずだ。
 空中をフワフワと舞う白い浮遊物を眺めながら、空港の端に置かれた海南航空の双発ジェット機に乗り込む。定員は32人。

爆撃機製造で知られたドイツのDORNIER社製だ。途中、機内からみえる大地には緑は極めて少ない。
時折、山の稜線をうねうねと走る万里の長城が見える。

1時間を過ぎた頃だろうか。黄河を目にした時には「あれが中国文明の母なる大河か」と思わず興奮。
だが落ちつい眺め直すと、予想以上に水量の少ない黄色い河でしかなかった。遥か太古の昔、この大河は「河」と呼ばれていたというから、おそらくチベット高原に発する流れが清らかな流れとなって滔々と東に向っていたはずだ。
いつの頃からか、この大河流域の緑が激減し、赤茶けた黄土を削りながら流れるようになり、「黄河」と呼ばれるようになったとか。

「河」から「黄河」へと変化を誘った要因は人口増加による焼畑農業の拡大、あるいは厚く葬ることを奨励した儒教による葬儀、つまり気の遠くなるような年月をかけて成長した巨木を伐採しての棺作り・・・なにせ中国の棺はとてつもなくデカイ――かくて大地に緑は消え、見渡す限りの黄土になる。そのうえ黄土は凝固する力が弱く、大木の根を支えきれないともいわれる。

だから大木が育たずに消え去った。あるいは黄河と黄土高原に育まれた黄河文明は、その出発から環境破壊という宿命を背負わされていたのかもしれない。
機体が降下をはじめると、まるで月世界はこんなものではなかろうかと思える光景が目に飛び込んでくる。

茶色の段丘がどこまでも続く。緑はじつに疎らだ。黄色の大地の肥沃度は高いが崩れやすく、夏の嵐雨に山肌は大きく削り取られ深い渓谷を形作り、作物も家屋も流し去ってしまう。
侵食の危険を防ぎ農作物を護るため、大地は段丘状に造成されている。この、宋代以前に考案されたとみられている農地作りによって、冬小麦や棉を軸とする黄土高原の農業は営まれてきたといわれるが、過度の耕作が段丘の頂にまで行われ、植生に覆われていた土地を開発した結果、黄土高原は月世界のような不毛の大地に変じたらしい。いずれにせよ、この月世界と見紛う不毛とも思える大地の一角で、毛沢東は共産党を手中に納め、天安門への一歩を踏み出したことになる。

北京離陸が12時40分。ほぼ西南に向かって飛んだ飛行機が延安空港に着陸したのは14時頃だ。
陝西省政府直轄の国有企業集団である西部機場集団が経営する延安空港に駐機する機体は一機も見当たらない。
それだけローカル色が強く、なんとも長閑な風情だった。
空港ロビーをでると広場には「紅色聖地 魅力延安」の巨大看板が1つ。市街地に向かう。
かつての革命の聖地は、毛沢東革命のテーマパークと見紛うばかり。
(この項、続く)

(ひいずみかつお氏は愛知県立大学教授。このコラムは小誌に独占的に連載されております。いずれ単行本として上梓されるときは改めて紹介します)
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三島由紀夫研究会「公開講座」(第234回)

とき  9月28日(月曜) 午後六時半
ところ 市ヶ谷「アルカディア市ヶ谷」(私学会館)四階会議室
講師  河内孝(元毎日新聞中部本社代表、ジャーナリスト)
演題  「青嵐会と三島由紀夫」
会費  おひとり2000円(会員&学生1000円)。

(かわちたかし氏は慶応大学卒業後、毎日新聞政治部、ワシントン支局長などを経て中部本社代表。『新聞社 破綻したビジネスモデル』(新潮新書)はベストセラーに。最新作『血の政治 青嵐会という物語』(同)では、改憲を誓って結盟した政策グループ『青嵐会』の誕生秘話から、「真夏の通り雨」のように消え去って、中川一郎自裁にいたる軌跡を追求され、なかでも三島由紀夫の思想的影響力がどれほどのものだったかを振り返ります)。

 (なお修了後、講師を囲んで懇親会を予定しております。会費は別途三千円)
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<< 今月の拙論 >>

(1)「ウラジオストックとナホトカ紀行」(『エルネオス』、九月号、発売中)
(2)「『英霊の声』は現代日本に甦るか」(『三島由紀夫研究』(8)、鼎書房)
(3)「中国・韓国の反日記念館とタイの親日記念館」(『BAN』)
(4)「天皇はなくても良いのか」(『表現者』26号、西部邁、富岡幸一郎、高森明勅氏らと)
(5)「頭山の金さんと裁判員制度」(『月刊日本』九月号、発売中)
(6)「ウィグル騒乱の背景」(『共同ウィークリー』、8月17日号)
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< 宮崎正弘の近刊予告 >
『中国分裂 七つの理由』(阪急コミュニケーションズ、予価1680円)
9月18日 都内大手書店に配本、9月20日 全国主要書店一斉発売を予定

  and
『朝日新聞のなくなる日』(仮題、ワック。九月下旬刊)

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宮崎正弘のロングセラー 絶賛発売中!
 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ、1680円)
『絶望の大国、中国の真実――日本人は中国人のことを何も分かっていない』
(石平氏との共著、980円。ワック文庫) 
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円) 
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
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 宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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