国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/08/26


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)8月27日(木曜日)
         通巻第2692号 
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 雷鳴轟いた重慶のマフィア、やくざ一斉捜査
  ほかの共産党幹部は地元やくざ、富豪とべったりの関係ゆえに庶民から怨嗟
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 それにしても薄!)来は思い切った措置をとったものである。
 既報のように重慶特別市党書記の薄は腐敗撲滅キャンペーンという中央政府の錦の御旗を前面にたてて地元やくざ、マフィアを一斉に手入れし1554名を逮捕。このなかには地元の大物政治家、高利貸し、富豪が含まれていた。
 中央政府の方針だからこれで党内の彼の名声は高くなることはあっても低くはなるまい。いやひょっとして次期総書記レースで習近平に追いついた可能性さえある。

 前重慶書記の王洋は広東省書記に栄転したが、地元古参幹部からの激しい抵抗と妨害を受けて、なかなか思う様の腕を振るえず、このまま広東は2010年アジア大会に突入するが、さて次期総書記レースからは逸脱するか?

 一般的に地方幹部は地元マフィア、やくざとグルになって阿漕な商売を黙認し、巨額の賄賂を平然と受け取って私腹を肥やしており、むしろ公安と黒社会は共犯関係に近い。
 もっとも先進的な広東省でさえ、王洋はマフィア一掃には動けないのだ。

富豪は大概がやくざ、裏面で高利貸しを兼ねる。カネでポストを買う。あまつさえ身を守るために私兵を扶植する。ごろんぼ、ちんぴらの命知らずが一宿一飯の恩義に報いるという日本的任侠道からは遠いが、伝統的な「幇」は紅幇、青幇の伝統がある中国ならではのもの、私兵は勿論、ピストルや機関銃で武装している。
地元公安警察は手を出せない。
いやはじめから手を出そうという気概もなく、やりたい放題を黙認して賄賂を受け取る方が、四方まるく収まり、それが中国における処世なのだった。

 ちなみに浙江省、江蘇省、山東省、福建省などのマフィアが抱える私兵は百万人を優に超えるまでに「成長」している(多維新聞網、8月11日)。

 しがらみがない薄!)来ゆえに、遼寧省長時代の公安のプロ=王立軍を呼び寄せて、新規に公安局長に任命した上での決断だった。
 これは中国全土の庶民から賞賛を浴びた。人気度では習近平を一気に抜き去ったと言われ、ポピュリスト政治家=温家宝首相に迫る勢いと評する専門家もいる。


▲ネット上でのヒーロー、ヒロインが変化

 山西省の石炭事故、陝西省のカドミ中毒事故、各地の公害などで、住民が当局に訴えてもひねり潰され、暴動を起こせば「首謀者」は死刑か無期懲役となる、無法社会の中国で、上海で公安六名がひとりの若者に殺害された事件ではネット上で、犯人が英雄となり、カラオケの女性店員が地元の共産党幹部に強姦されかけて、主犯格をナイフで殺害しても無罪となった。

「よくやった、彼女はヒロインだ」とネットにおける賛美が続いて当局は手の施しようがなかった。
腐敗防止、公正な裁判などは中央が行っているキャンペーンである。

とはいえネットの拡散が中国にはじめて「世論」を形成したのも事実だが、これらはごく一部の例でしかなく、大方の不正は見逃されてきた。
だから中国のおける警察(=「公安」)は悪の代名詞、庶民が信用する日本の警察とは百八十度異なる。

 「薄!)来は、この手柄をバックに北京中央政界に復帰する可能性が高く、次の権力闘争の主役のひとりとしての座を射止めた」(「ドイツの声」、8月24日)。
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(読者の声1)いよいよ選挙が近づいてきましたが,民主党の胡散臭さや同党が政権を握ったときの危険などを意識しながらも自民党への投票に抵抗を感じる人たちの心境は,先の金融崩壊の後の金融機関救済法案を審議したアメリカの議会の人たちのそれに似てゐるとおもひます.
「何で高給をむさぼり,強欲金融資本主義を破局まで推し進めた連中のしでかしたことの後始末を我々がせねばならないのか」,と言ふことで一旦は法案を否決しましたが,「しかしこのまま放っておいたらもっと大変なことになる」と言ふことで結局やむなく大金を出して救済しました.
今,心ある国民は自民党の去勢されたごとき不甲斐なさを目の当たりにし,「何でこんな政党を支持しなければならないんだ」と思ひながらも,民主党に政権が渡ったらなほ大変,と言ふことで仕方なく自民党に投票する人も多いと思ひます.
もちろん大多数の国民はそんな悩みとは関係なく,自民に飽きたから民主にいとも気軽に支持替へをするだけでせうが.
愚生は今度の選挙では上記のやうな気持ちで自民党を支持するのはやめた方がよいと思ってゐます.むしろ民主党がなるべく大勝ちする方がよい.もちろんその危険性は承知してゐます.場合によっては取り返しのつかない既成事実が作られてしまふ可能性もあります.民主党内のリベラル派や左翼はここぞとばかりに彼らの”悲願” である危険法案を次々に押し通さうとするでせう.然しその方向へ党内が一本にまとまることはあり得ない.
リベラル派のそのやうな動きが強くなればなるほどそれに対する反発も強くなる.政権内部は混乱し,収拾がつかなくなるのではないか.愚生は早ければ一年以内に鳩山内閣は倒れ,民主党は分裂(空中分解)するとみます.
その時は自民党も割れるでせう.さうして政界大再編成が起こる...これが,近々一度は起こり,また起こらねばならないわが国の政治変革のシナリオだと思ひます.
その後どうなるか.
我が国はまともな方向に向かって動き出すか.それはどれだけ有能で強力なリーダーが出てくるかに依るでせう.
(NN生,横浜市)


(宮崎正弘のコメント)ひとつの意見として承ります。リベラル勢力の大勝は、米国でオバマが、韓国で盧武鉉が、台湾では馬英九と、ポピュリズム政治家がすでに登壇しており、しかも一年も経ずして全員が人気急落ということでも共通しています。
 日本も同様なことになるでしょう。細川政権の空中分解のように。
しかしながら今回は、もうひとつの政界新陳代謝作用がおこります。老人より若者、世襲より新人、ベテランより女性という選別と色分けが進み、ともかく政治が若返るでしょう。青二才が輩出し、かれらが強力なリーダーになるかどうかは別として、政治にエネルギーが復活するのは他方において事実でしょう。

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(編集部より)小誌は9月1日より8日まで海外取材のため休刊します。20日―25日も海外取材のため休刊となります。
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創刊日:2001-08-18  
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  • 名無しさん2009/08/27

    政治家の新陳代謝と言う文字は新鮮に見えるのですが日本の歴史を知らない政治家が新しい人材が多くいても国費の浪費で終わる気がします。恥ずかしい話が国会議員の壱年目は「歴史教育」を基本に教えなければならないような喜劇的な現象も起こるのではないでしょうか?官僚にも当てはまります。

    昨日も若手の政治家の後援会が有りました地位に根を生やした政治をとと政治家で有れば当然の話で有りましたが国体・国家の形は語られる事も有りません。

    政治混乱の時代と言うより国家観喪失の消耗政治家大量生産時代と呼びたいような衝動に駆られます。