国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/08/01



◎小誌愛読者14900名!

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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)8月1日(土曜日)

          通巻第2682号  <夏休み突入直前号>

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目次

 書 評  近藤大介『日・中・韓“準同盟”同盟時代』(光文社)

読者の声 日野原名誉院長は、隠れサヨクでは?

編集後記 桜チャンネル出演の記、中島敦展など

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●◎ブックレビュー◎●BOOK REVIEW◎●書評◎●ブックレビュー◎● 


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 デタラメな外交を展開し、日本を巻き込む米国より北京を選ぶ 




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近藤大介『日・中・韓“準同盟”同盟時代』(光文社)

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 本書は評者(宮崎)からみると不思議な本である。

実に面白い、同時に反米的な歴史記述とCIA陰謀論に挟まって中国重視論の独特の言い回し、つまり三つの部分が混載されている。

ひょっとしてチョコレートでくるんだ毒入り饅頭かも。

 題名だけをみると保守派の多くは反発を抱くだろう。しかし誤解を恐れずにアイ・キャッチを狙うあたりは著者ではなくて版元の商業主義的魂胆かも知れない。

 冒頭から脱線で恐縮だが、この光文社ペーパーバックスのシリーズは、本書が135冊目。執筆陣は浜田和幸、松本道弘、藤井厳喜、野間健、徳本栄一郎の各氏らと何故か知り合いも多い。とくに浜田、藤井両氏は、このシリーズから数冊上梓されていて、執筆陣も左右混交である。

新世代が読むだろうと思う。というのも、横組みで英語がばんばん入るからだ。逆に小生のように日本語の書物は縦書きでないと親しめない世代にとって、最初はこのシリーズを読むのに骨が折れた。仄聞するところでは、横書きシリーズ、伸び悩みがあって間もなく終巻らしい。閑話休題。



 さて近藤大介氏、期待の新作である。

 近藤氏は『週刊現代』前副編集長。元北京大学留学組。平壌にも小泉訪朝に随行、スクープが多い。

 日本が米国を捨てて中国と同盟し、韓国も仲間に入れようか、という提言は日本の外交現実を無視しているが、さすがに中国語と韓国語が流暢な著者だけに、情報には格段のおもしろみがある。

 しかし結語の三国同盟は納得しかねる。



 サロン・マルキストという比喩は、革命をワインを飲みながらサロンで語る知識人。典型はサルトルなど。

本書を通読した最初の印象はそれである。サロンにおける理想主義。

 日本共産党は歌を忘れたカナリア、飽きたらず暴力路線に走った反ニッキョウ系は、三派四派五派と分裂し、中核派はと革マル派は互いに殺し合った。

 本書に何がかけているか。

 暴力革命で政権を取った中国共産党は十三億人の無辜の民を壟断し、支配し、反革命勢力、すなわち民主主義者、独立運動家を「テロリスト」と名付け、逮捕し拷問し処刑する。敵は殲滅するのがかれらの掟である。

 中華民族というスローガンは他民族を漢族へ「同化」することであり、これは五族協和の日本の理想とはほど遠く、孫文のそれは「漢族」が「満蒙回蔵」を強制同化し、支配することを意味する。

 ウィグル絶滅のためにはロブノール近辺から楼蘭にかけて、46回の核実験。おそらく数十万人が被爆して死んだ。7・5ウルムチ暴動では平和なデモ隊に軍が出動して水平撃ち。おそらく二千から三千のウィグルの無辜の民が虐殺されただろう。

 中国の本質は暴力支配、特権階級は富を独占し、その体制を可能な限り長く持続しえるそのためには外交も利用する。本書は、こうした事実をあえて論じない。だから不思議な本である。



 では面白い部分はどこか?

 日本では親中派政治家はみんなCIAの謀略で失脚したそうである。田中角栄、カナマル某ほか。小沢がニシマツでやられかけたのもCIAだそうな。

 まだある。金正日がある日、北京から帰国のおりに列車爆破。流川とかいう駅だったが、あれを仕掛けたのもCIA。金正日のコックだった藤本某にはCIAから接触があり、毒殺依頼があった由。こうなると007の世界だ。

 盧泰愚、陳水扁の失脚は反米姿勢だったから?

 真相にちかいことは、陳水扁は国民党の戦術=「野党を貶める生け贄」であり、台湾では司法は独立しておらず、もし陳水扁の汚職をいうのなら馬英九も宋楚楡も似たようなスキャンダルを抱えていながらなぜ司法の追求が突如止んだか。だから台湾における司法は中国共産党と同様に司法権の独立が曖昧で、国民党の顔色を窺う裁判官が多いからである。CIAとは関係がないのではないか。

 盧泰愚の「自殺」は身から出た錆、でなければ謀殺の可能性も否定出来ない。

というわけで田中の失脚はロッキード証言だが、日米の司法取引の差であって、米国の陰謀ではなかった(徳本栄一郎氏が田原総一郎の陰謀説を批判した。田中ブレーンだった小長氏自身が『そういう線で裁判やマスコミ対策を処理しようと提案したら田中総理は「おう」と言った』と証言している)。





 ▲斯界で話題の孫崎享『日米同盟の正体』を連想





 本書を読んで考えさせられる箇所も多い。

 評者が本書を読みながら、どうしても孫崎享氏の書いた『日米同盟の正体』(講談社現代新書)を連想せずにはおられなかった。

外交官出身の孫崎享氏はイラク、イランでミサイルの雨の中、外交を展開してきた人で三月まで防衛大学で教鞭を執った。(そうそう、これもどうでも良いことだが、バグダッドの在イラク日本大使館で宮崎は、孫崎(当時は公使)と会ったことがある。88年だったと記憶する)。

その外交官がイラク戦争突入はアメリカ人の「旋風のような愛国心」の結果であり、リーカーンの南北戦争、真珠湾攻撃と似ているとする。反戦ムードを一気に好戦へもっていく謀略は政治に付きものであり、その点は近藤氏や孫崎氏の分析に同意するが、なぜか孫崎本には外交的結論がない、つまり日本の自立外交を模索してもいなければ対米追随が悪とも言っておらず、最後の最後はアメリカの核の傘は機能しないだろうと言いながら、日本の核武装は反対という。

 つまり本書の著者と孫崎防衛大学前教授のスタンスは徹底して政治のリアリティ、外交の合理主義である。

 外交は道徳が入ると機能せず、倫理を持ち込むと、外交の基本が成立しない。打算と国益の追求。しかし戦争の回避。軍事力の背景がない日本は、だからといって「ふつうの国」のように外交独自路線を採用することが不可能である。

 したがって「日中韓の準同盟」とは米国の手のひらの上での話ではあるだろうが。。。。。。。 


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(休刊のお知らせ)小誌は夏休み中(8月)は本日8月1日のあとは11日,15日,21日,31日の発行です。さしあたって次の発行は8月11日付けになります。宮崎はロシア極東の取材です。

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(読者の声1) 貴誌2681号の中で、聖路加国際病院の日野原名誉医院長のことに触れられた書き込みがあり、それに対して宮崎さんが「この日野原某先生など、典型の『善意の第三者』。サヨクの謀略にとってこれほど利用価値のある存在はないでしょう」

とのコメントをされております。

私は日野原某氏は『善意の第三者』ではなく、元々サヨク思想の持ち主ではないかと思っております。

以前、安曇野の『ちひろ美術館』を訪れた時のことですが、その一角に日野原某氏のコーナーがありました。ご存知かと思いますが、ちひろ美術館は“いわさきちひろ”の作品を集めた美術館で、 “いわさきちひろ”の夫は 
元共産党幹部の松本善明です。

いわさきちひろ自身も共産党員と理解しております。

この美術館の中に、何気なく、さり気なく共産党の下部組織である新日本婦人の会の署名簿が置かれており、さすがソフト戦略の共産党と感心してしまいました。このようなことを考えますと、短絡的かも知れませんが日野原某氏は積極的に関わっているような気がします。

   (HS生、杉並区)





(宮崎正弘のコメント)そうですか。小生なぜか、安曇野へは三回ほど行きましたし、その美術館も見学した記憶はありますが、展示物に不注意で気がつきませんでした(正直に言うと二日酔いでしたので)。安曇野の思い出? わさび畑です。







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(読者の声2)読者諸子の感想があまりにも偏っているのが気になります。米国が日本にとって一番必要な国であるのにその評価があまりにも低い。アメリカが頼りにならない。だから、核武装を日本が単独ですればいい。とかまるで戦争までの日本を見るようだ。一寸こんな調子でいいのか。

  (X生)





(宮崎正弘のコメント)少数意見を尊重するという文脈から、むしろ大手マスコミに殆どでない意見をのべる空間として、小誌が機能するのなら、それで良いのではありませんか?

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 ☆編集後記☆ へんしゅうこうき ☆EDITOR‘S NOTE☆ 編集後記☆

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<<<編集後記>>> ○某月某日 前三回ほどの編集後記を読み返して小生が飲む話ばかり書いていることに気付きやや茫然となった。違う話題はないのかと言われても、早朝から原稿を書いて、朝、白いご飯を食べ、昼、蕎麦か何かを食べて夕方までパソコンと闘っているのが、在京の場合、だいたいの日常、合間にメルマガも配信しなければいけないし。ですから夕方から出かけるとなると、どんな集まりであれ、結局は飲み会になる。夜に、その前後を問わず酒の伴わない勉強会は日本では存在しない?

 というわけで或る晩、神田の寧波料理レストランに集まった十人は女性エディターが中心。媒体、社名を列記しないけれどもベテランの編集者ばかり。これって一昔前は他社でもおなじ作家担当だと待合室で同時に待機したりするので共通の知り合いが多かった。昨今、パソコン、FAXだけで編集者と飲む機会が激減した。小生ですら十年連載した某紙、ついに担当編集者と一度も会ったことがない。週刊誌も、一昔前は必ず出向いてきて喫茶店でインタビューに応じた。いまは電話だけ、という時代になった。

 或る女性読者との会話。「(生活が)文士型ですね?」。小生が答えた。「和服を着て、和紙の原稿用紙に筆で書く。これが文人では?『最後の文士』はおそらく林房雄ではないか、と思いますよ。筆で和紙に原稿を書いていましたから。現代の文人って、せいぜい万年筆の手書き組くらいでしょうか」。

あ、大事なことを書き忘れるところでした。大半の女性参加者、酒豪ぞろいだった。編集物稼業、酒をたしなまないとつとまらない?



◎某月某日 土曜だったので神奈川県立近代文学館まで散歩。「中島敦展」をやっている。「みなとみらい線」とは要するに渋谷から東急のこと、東急東横線が横浜から先を新路線名で呼ぶのだ。終点の「元町・中華街」で下車し、坂道をのぼること十五分。汗をかく。タクシーも捕まらないし、「港の見える丘」を越えて、大仏次郎記念館を超え、イギリス館の庭園を越えると目的地。この神奈川県立近代文学館には数年前にも来た。そのときは「三島由紀夫」展をやっていて、誰か文藝評論家の講演会も行われていたが後者は満員だった。外人墓地の信号あたりで一息つくと、そうか、この近くに村松剛さんのマンションがあったっけ。それから昔、ラジオ関東の横浜スタジオに何回か録音をとりに来たなぁ、などと地理を思い出しながら、ようやく展覧会場。『李稜』、『山月記』など気品ある文章の名作を残して忽然と逝った中島敦、小生の文学青年時代からのファン。珍しい写真を多く見た。



◎某月某日 桜チャンネルのスタジオに集まったのは平松茂雄、加瀬英明、藤井厳喜、ペマ・ギャルポ、イリハム(ウィグル会議日本代表)の各氏、小生にとっては顔見知りばかりだが、高田純氏は初めて。例のウィグルの核実験で死者数十万という衝撃の研究成果を問うていまや世界的有名人。司会はいつものように水島総さん、広島、長崎そして核、というテーマで三時間。録画撮りと言っても連続して行い、途中、休憩は五分づつ二回だけ。終わってから雑誌のグラビア撮影なぞが続きぐったりとなった。珍しく飲み会なし。有り難い休肝日となった。

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