国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/07/29


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)7月30日(木曜日)
          通巻第2680号 (7月29日発行)
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 「大国の矜恃」を忘れ、中国に遜(へりくだ)りだしたオバマのアメリカ
   米ドルも米国債も崩落はない、一兆五千億ドルに目がくらんで「人権」抗議なし
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 米中経済戦略対話。
 09年7月27、28日の二日間、米国の首都ワシントンで開催された。
 中国からは戴乗国・国務委員(外交担当)と王岐山・副首相(経済担当)が、200名もの代表団を率いてワシントンへ乗り込んだ。
 迎える米国側はガイトナー財務長官とクリントン国務長官。ふたりとも中国大好き人間、オープニングにはオバマ大統領が特別に出席し、「米中関係は二十一世紀最大の同盟関係」と高らかに宣言した。
もはや米国にとって日本はどうでもいいらしい。

 米中経済戦略対話が始まったのは2005年、米側はゼーリック国務副長官とポールソン財務長官。「副」長官でOK、大統領は出席せず、しかも当時の(といっても僅か四年前)米国は中国に「人民元を切りあげなさい」「貿易ルールを守りなさい」とお説教口調で諭し、同時に人権尊重を呼びかけたものだった。

 それから四年がたち、中国の外貨準備は二倍に膨らみ、人民元は対米レートを20%切り上げ、それでも米中貿易不均衡は是正されず、米国の苛立ちは強まった。
ところが、中国は米国債を8015億ドル保有し(09年7月現在、世界一)、ほかに米国社債、株式、金融商品、不動産そのほかで、合計一兆五千億ドルが、米国建ての中国の対外資産を誇り、米中関係の基本を変えた。

 財閥チャイナに目がくらんだ。
ワシントンは人民元が「不正に操作されている」とも言わず、ましてやウィグルの民が虐殺されたばかりなのに「人権」問題を議題に取り上げなかった。
 かくて大国の矜恃を失ったのである。


 ▲米国は目先、赤字国債の買い手をさがしている

 ガイトナーは一月の指名公聴会で「人民元は不当に為替操作されており、米国は『中国は為替操作国』と指定する方向だし、オバマ大統領もそう認識している」と証言した。
 その舌の根の乾かぬうちに前言撤回、三月のレポートでは中国が為替不正操作国リストからはずされ、こんどの戦略対話では、「米中貿易不均衡の縮小が人民元問題より意義がある」と発言した。

 「目の前にあるのは赤字国債一兆八千五百億ドルの購買先だろう」とウォールストリートジャーナルは揶揄的に書いた(7月28日付け)。

 「米国債の安全性とドルのレートに関心がある」と朱光耀・財務副大臣が言えば、ガイトナーは「財政赤字の解消に米国は取り組んでおり、ドルの安定、国債の安全に問題はない」と釈明する始末だった。
 これではまるで「中国に米国の当局者が査問されている図」ではないか。

米中双方は「世界的経済回復の共同の責任を負う」とオバマにおだてられた中国と、「米国ドルの安定を保障せよ」と言われっぱなしの米国という結末となった。
わずかに王岐山が「中国は内需拡大に努力し、経済構造を質的に転換している最中、時間がかかる」と発言したのが前向きと言えばせめて前向きの言葉だった(博訊新聞網、7月29日)。

 さはさりながら、米国のイシューから日本が消えている。
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創刊日:2001-08-18  
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  • 万葉至乃輔2009/07/31

    非常に興味深い議論をネットでみました。



    それは日本国憲法には交戦権がない―戦争の放棄―よって講和権がない。―講和権の前提が交戦権である―



    ではサンフランシスコ講和条約はいかなる権利で日本は講和したのか?

    憲法解釈に広義には講和権が存在するとなっている。ではその根拠は…。



    学者はもとより自民党の政治家はこの問題を50年以上避けてます。

    政権交代などど喧しいですが、どちらの政党も腰抜けの集まりには替わらないと思いますが…。

  • oh2009/07/29

    アメリカは基軸通貨だから、いくらでもドルを印刷すればすむことではないの?

  • 名無しさん2009/07/29

    中国のバブル破裂と国内騒乱。アメリカの再度の金融危機による没落を期待しているんですが、なかなか期待通りになりませんねえ。

  • 名無しさん2009/07/29

    7/29は、通州虐殺の日ですので、それを紹介して欲しかったです