国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/07/27


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  『三島由紀夫の総合研究』(三島由紀夫研究会 メルマガ会報)
      平成21年(2009)7月27日(月曜日)
          通巻第336号  
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村上春樹、三島を語る
   珍しく世界的ベストセラー作家、日本の歴史、言葉についてホンネを語る
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 7月22日付けの産経新聞によりますと村上氏の最新刊が上下合わせて200万部を超えその勢い衰えずとのことです。
通常は雑誌などの書評を見たり先に読んだ友人知人に勧められたり、店頭で手にとってから買うものですが、巧みなマーケティングに載せられた群集心理的な大量の予約注文で話題に火が点いて販売部数を伸ばしているようです。
どのくらいの購入者がどこまで読んでいるのかなあと想像してしまいますが、著者の村上氏が『クーリエ・ジャポン』7月号のインタビューに答えて三島由紀夫についてつぎのようなやり取りをしています。

―あなたは三島由紀夫が好きではないと聞いていますが。
(村上)三島のスタイルが好きじゃないということです。
―というのは、彼の文学的スタイルのことですか? それとも彼自身のあり方についてですか?
(村上)読者として好きになれないのです。最後まで読めた作品はひとつもありません。
―三島を軽んじたために、あなたは日本の文壇から、さらに引き離されたのでしょうか?
(村上)そんなことはないでしょうが、いずれにせよ僕が日本の文壇に好かれていないことは、まあ、確かだと思います。彼らはとにかく違いすぎるのです。少なくとも僕は、彼らが作家とはこうあるべきだと考える存在ではない。彼らは文学というものは多かれ少なかれ、日本語が持つ美しさや、日本文化のテーマを追求するものでなくてはならないと考えている。でも僕はそうは思わない。僕は言葉を道具として使います。とても効果的に使える純粋な道具として。その道具を使って自分の物語を書く。ただ、それだけです。

このインタビューは最新刊の刊行直前にスペインで行われたものです。
日本語以外でやり取りされたインタビューなら細かいニュアンスは語り手の意図と違っているかも知れませんが、村上氏が三島由紀夫、日本の文壇、日本文化を嫌い、日本語にもあまり好意を持っていないことが看て取れます。
日本固有のものにはすべて忌避感を抱くので外国にばかりいるのでしょう。
ところで三島由紀夫は自決直前の対談の中で次のように語っています。


(引用開始)「ぼくは自分をペトロニウス(ローマ皇帝ネロの側近で、『サチュリコン』の作者)みたいなものだと思っているんです。そして、大げさな話ですが、日本語を知っている人間は、おれのゼネレーションでおしまいだろうと思うんです。日本の古典のことばが体に入っている人間というのは、もうこれからは出てこないのでしょうね。未来にあるのは、まあ国際主義か、一種の抽象主義ですかね。
・・・それで、世界がすくなくとも資本主義国では全部が同じ問題をかかえ、言語こそ違え、まったく同じ精神、同じ生活感情の中でやっていくことになるんでしょうね。そういう時代が来たって、それはよいですよ。こっちは、もう最後の人間なんだから、どうしようもない。
(引用止め)
 
 三島の預言は不幸にも当たってしまいました。
「無機質な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、ある経済大国」には、日本語を道具だと言い切る作家の本を争って買い求める日本人しか居なくなったようです。
       (西法太郎)
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<お知らせ> 憂国忌は11月25日 午后六時開場、六時半開演。
会場は永田町の「星陵会館」ホールです。
シンポジウムのパネリストが内定しました
司会  富岡幸一郎(文藝評論家)
    西部 邁 (評論家)
    西村幸祐 (ジャーナリスト)
    杉原志啓 (歴史研究家)
     の各氏を予定します。
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MMMMMMMMM 三島 MMMMMMMMMMMMMM 三島 MMMMMMMMM
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(編集部から)●小誌は「三島由紀夫研究会」(昭和四十六年創設)の会員だけに限定せずに、三島研究の論文、エッセイをつねに募集しております。比較文学論(たとえば「吉本隆明と三島」とか)、作品論(たとえば『仮面の告白』に新解釈)、読後感、政治論、芸術論。まるで分野を問いません。三島さん自身、古典から前衛まで、映画からシャンソンまで万能の人でしたから。
 ●「憂国忌」への御感想、御希望でも構いません。皆さんからの御投稿を広くお待ちします。原則として実名。簡単な肩書きをつけて下さい。ただし三島文学批判も構いませんが、明らかな誹謗中傷のたぐいの投稿は採用しません。ゲスト寄稿者コーナーも常設しております。一部の原稿は年二回以上発行のメルマガ合本に掲載することがあります。    
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  三島由紀夫研究会 HP URL http://mishima.xii.jp/
      メール  yukokuki@hotmail.com
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