国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/06/28


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年) 6月28日(日曜日)貳
        通巻第2641号  <日曜版>
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 (日曜版。書評と投書特集です)。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
☆☆☆ ★★★ ☆☆☆ ★★★ ☆☆☆ ★★★ ☆☆☆ ★★★ ☆☆☆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1) 貴誌2640号の貴文について、小生には説得力のあるものでした。とくに、「体制派はすっかり米国の執事のごとくになった」。
現状はこの一節に尽きると思います。この変質なり変節が、ごくごく自然に日常化して行われた背景環境をどのように解析し認識すればいいのか、情勢論としてではなく日本人論として、いまひとつ判じかねている次第。
(SJ生)


(宮崎正弘のコメント)数年前に西尾幹二先生が中心となって「路の会」で討議したことがあります。三回ほどシンポジウム形式で、その記録が『日本人はなぜ戦後たちまちにして米国への敵意を失ったのか』(西尾幹二+路の会編、徳間書店、2002年刊行)。
 討論参加者は西尾さんを中軸に井尻千男、遠藤浩一、尾崎護、小田晋、片岡鉄哉、!)橋史郎、田中英道、西岡力の各氏に宮崎正弘など。
 白熱した議論でした。この本、どうやら絶版のようです。



  ♪
(読者の声2)宮崎さんの言われるように中国の通貨覇権は本物のようですね。BRICs四カ国のエカテンブルグ会議で北京はロシアの支持を取り付け、SDR債権を500億ドル買うとか、威勢が良い。また米国債の保有を減らして金備蓄を増やしています。
 不気味です。それにしても現実の展開をはやくから見通すような貴著『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ刊)は、予測の正確さに舌を巻かされます。
 このたぐいの本は本来、関西ではすぐに動く筈なんですが、周囲の投資家に聞いても読んだ人が少ないのです。宣伝が足りないのでは?
   (HY生、大阪)


(宮崎正弘のコメント)『ウォールストリート・ジャーナル』の6月27日付けによれば、中国は「世界の新通貨体制を米ドル、豪ドル、英ポンド、スイスフラン、ユーロ、日本円、そして人民元に」と獅子吼し始めた。それも通貨シェアはいずれ人民元を全体の20%に、と主張しています。
 現実のSDRバスケットは米ドル(46%)、ユーロ(32%)、ポンド(11%)、日本円(11%)の四つの主要通貨だけです。中国人からみれば、日本円が入っていて、人民元はまだ相手にもされていないという現実が、よほど癪と見えます。
 これは『PBOC』(中国人民銀行)の2009年報告ですから、中国の公式見解です。
http://www.pbc.gov.cn/english//detail.asp?col=6400&ID=1370
 拙著の売れ行きまでご心配いただき有り難う御座います。爆発的動きはありませんが、読む人は必ず読む本だと自負しております。



  ♪
(読者の声3)貴誌2638号に「(宮崎正弘のコメント)古来より、スパイは人類最古のビジネス。ご参考のため拙著『ソ連スパイの手口』、ならびに拙訳『ソ連KGBの対日戦略 ― レフチェンコ証言録』をお読み下さい、と言いたいのですが、いずれも絶版」とあり、早速ネットで流通を調べました。後者は宮崎正弘訳、加瀬英明監訳、山手書房刊で、古本で3000円でした。一冊手に入ります。お知らせまで。
   (IU子、茨城)


(宮崎正弘のコメント)昭和58年、1000円程度の本でしたが、それくらいですか。いや、そうでしょうね。いまや古典的資料ですから。
 レフチェン氏とは80年代の終わり頃、ワシントンにいた時代に電話で話したことがあります。『現代』で独占インタビューをとる手はずを整えたのですが、小生のほうの日程があわず、元木編集長がサンフランシスコへ飛んでインタビューしたはずです。
それから雪解けがあり、東西冷戦がおわり、ソ連が崩壊し、いまはどうしているんでしょうねぇ。名前も変え、米国市民権を得て、結婚もしたと聞いていましたが。。。。
    ◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
●◎ブックレビュー◎●BOOK REVIEW◎●書評◎●ブックレビュー◎●
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
荒木和博『日本が拉致問題を解決できない本当の理由』(草思社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 拉致。これほどの屈辱に対して、我が国は何も出来ない。
 山賊国家に制裁さえ加えようとすると反対する新聞がある。国家の主権行為たる軍の発動も出来ない。いや、その発想が現代日本政府には欠落している。
 怯懦は国を滅ぼす。
 実行犯人が特定され、居場所さえ判明しているのに逮捕も出来ない。いや、そればかりか拉致実行犯を擁護した日本の国会議員がいる。産経がスクープするまで、知っていても頬被りしていた日本のマスコミ。西村真悟議員が国会質問するまで、まったく動かなかった国会。
 この国は、だれのためにあるのか。すくなくとも日本人のために存在している政府ではないらしい。
 本書の著者=荒木和博さんは熱血の人である。
 ながらく救う会事務局長を務められ、小泉訪朝で北朝鮮が認めた拉致被害者以外に数百にのぼる拉致被害者がいると「特定失踪者問題調査会」を立ち上げた。爾来の獅子奮迅の活躍は、誰もが知っている。マスコミが書かないだけだ。
 五人の拉致被害者が帰国して、はやくも七年の歳月が流れ、しかしめぐみさんらはまだ帰ってこない。荒木さんらの調査では、特定拉致被害は71名に及ぶ。
 アメリカ議会が動いても、日本の国会議員のほうが不熱心というのは合点がいかないが、本書を読むとなんとなく背後にうごめく闇の勢力の存在がわかる。この「闇」は北朝鮮と通じていて、拉致はなかったとキャンペーンを張っている動きに関連がある。
 そして、それゆえにお役所仕事に徹する官は動きが鈍い。
 詳しくは熱血の書に。本書は血涙溢れる愛国者の叫びである。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その2 ◎ブックレビュー◎●BOOK REVIEW◎●書評◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
桜田大造『対米交渉のすごい国――カナダ、メキシコ、NZに学ぶ』(光文社新書)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 ユニークな論客の登場である。
 桜田氏の来歴をみると米国からカナダ留学、シンクタンク遊学でニュージーランド駐在。銀行マンから現在は関西学院大学教授。
表面だけを観察していると米国は軍事力もあり、途方もなく強い国だが、じつは内面で極めて弱いアキレス腱がある。
そこを発見し、巧妙に突いて交渉を有利に展開してゆくのがカナダ外交、そしてメキシコも対米交渉がうまい。羊しかいないNZもまた。
実例をあげて、いかにこの三カ国が対米交渉で実績をあげたかを検証しつつ、さあ、日本よ、と迫るわけだが、そのコツは五つあるという。
 第一は議会工作による米国世論の分断。そういえば文化多元主義、多元的価値観の国柄だっけ。ぎゃくに言えば価値観の分断は可能である。
 第二はアメリカ大統領への強いコネクションの確立。ロン・ヤス関係、ブッシュー小泉関係をみよ、というわけだ。
 第三は最後の手段として交渉を打ち切る。この戦術は金正日でもやっている。日本はときどきやるが大臣の個性にかかっている側面がある。
 第四は米国側の状況変化を読み取る。
つまり小生流に換言すれば、弱みにつけ込め、ってコトですよ。
 第五はルール・ベースで操れ、ということ。
 そうだ。ワシントンが商務問題で、ごり押ししてきたらWTOのルールを持ち出したり、日米安保条約を持ち出せば良いんですよね。
 同時にやってはならないことは四つあり(1)約束を破る(2)政権を批判する(3)失言(4)根回し不足。
これらのケース・スタディとして多くの実例を挙げる。
 米国は民主主義の国であり日本のような根回しは不要、談合なんぞもってのほかという議論があるが、あれは嘘だ。小生の経験でもアメリカ人ほど友人コネクションを大切にしている国は珍しく、外国人が大統領を批判すると、たとえ反対党の支持者でも怒ることがままあった。いまはメールだが、昔はメモを回し合って、根回しに意外にと時間をかけるのもアメリカ人ビジネスマンの特色だった。
 交渉が外交だけではない。
 アメリカに友人がいれば、なおさら、米国と商売を展開している人も、おおいに参考になるのが本書である。
 書き終わって思いだした。筆者は1985年まで貿易会社を経営していたが、その経験を生かして『アメリカン・ビジネス 常識の嘘』(日新報道)という本を書いたことがありました。
    △
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ♪
<< 今月の拙論 >>

(1)「日米同盟の半世紀」(『北国新聞』コラム「北風抄」、6月22日付け)
(2)「豆満江経済開発特区はいま」(『共同ウィークリー』、6月22日号)
(3)「新聞が世界から消える日」(『月刊日本』七月号、発売中)
      ▲
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
  宮崎正弘『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ)
  〜〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜
http://www.amazon.co.jp:80/dp/4584131694/

 ビジネス街で大ヒット! 商社、金融関係タウンの書店で売り切れ!
 「これほどタイミング良く、しかも予測が的中している本はない」と評判です!
 <世界通貨は大波乱!>
 ●SDR債権なら500億ドル買う、と中国が豪語。ロシア、ブラジルが支持
 ●ガイトナー米財務長官は北京へ飛んで「米国債は安全」と講演、失笑を買った
 ●マレーシアも貿易決済を人民元でと首相が表明
 ●ブラジルは中国と通貨決済に貳国間の取り決め
     ♪
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 <<<<<<<<<<<<<<<<< 宮 >>>>>>>>>>>>>>>>>>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宮崎正弘のロングセラー 絶賛発売中!
  http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html

『絶望の大国、中国の真実――日本人は中国人のことを何も分かっていない』
(石平氏との共著、980円。ワック文庫) 
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円) 
 『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
       ★★
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
 ◎小誌の購読(無料)登録は下記サイトから。(過去のバックナンバー閲覧も可能です)。
 http://www.melma.com/backnumber_45206/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2009 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。